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【アーカイブ動画公開】藤野可織さん×吉村萬壱さん対談「創作をめぐって」

こんにちは!編集部員Aです。

2025年8月2日(土)15:00~16:30、小説家である藤野可織氏と吉村萬壱氏による対談イベント「創作をめぐって」(主催:三田文学会、後援:織田作之助青春賞実行委員会[大阪市、大阪文学振興会、関西大学、毎日新聞社=五十音順])をオンライン配信限定で開催しました。

リアルタイムで85名ほどの方にご参加いただき、終始活発な質疑応答が行われました。それぞれのご質問に第一線で活躍するお2人が本音を交え、真摯に向き合ってくださいました。

こちらのイベントのアーカイブ動画は三田文學YouTubeにて配信中です!

以下、動画内の見どころをいくつかピックアップしてご紹介します。

◆必見のハイライト
①どこから小説は生まれるのか
最初の「どこから小説は生まれるのか」という問いに、吉村氏は「恐怖」だと答えています。世の中が怖く、隅っこでびくびくしながら世界を見ている人間が小説家になると考えているのだそう。藤野氏は、自身の創作の源を吉村氏から「怒り」なのではないかと指摘され、体力的にもジェンダー的にも最弱の存在である自分は、心の中では筋肉隆々のジェイソン・ステイサムであり、暴力で全てを解決するのは最悪だと思いながら、そうしたい気持ちがあるのだと語りました。

②創作の楽しみと苦しみ
藤野氏は、書き始めて形になっていく時間が楽しい一方で、書き始めると文法が分からなくなってしまうことを挙げました。吉村氏は、自身を作品の奴隷と捉え、ほとんどイヤイヤ執筆しているが、次の1行を書かなくて良いのだ!と完成の達成感を得た瞬間こそが創作の楽しみだと言及。ノリノリで書いている時ほどダメなんだそうです。

③書きあぐねた時はどうしているのか
誰もが悩む「書きあぐねたとき」の対処法として、藤野氏は寝るかNetflixで暴力的な韓国映画などを観る、と意外なリフレッシュ法を披露。吉村さんは「絶望する」と語りつつも、字を書けばマシになる、と喫茶店のメニューを写すなど何かしら「字を書く」行為を推奨しています。

また、他の質問とも絡め、吉村氏の病院の待合室でのインスピレーションをきっかけに下書きをしつこく書き直すことで作品ができあがったエピソードや、藤野氏の、書きあぐねてしまった時は情景描写をすれば解決することが多く、そこから話が進んだり物語の推進力が生まれる、といった具体的な体験談や解決策も語られました。

④調べ物をやめるタイミング
情報収集ばかりでなかなか書き始められない……こんなお悩みに対しては、藤野氏は「書きたいものと書けるものの乖離はあり、今やれることは限られている。自分の一番身近なことから書き始めるのが良いのではないか」、吉村氏は「まず書いて、足りないところを資料で補完する。資料で固めるには万巻の書を読まないといけないし、万巻の書を読んだ人は何も言うことがなくなり小説を書く必要がないのでは」と力強いアドバイスをくださいました。

④小説家の才能とは?
藤野氏は「コツコツ地味な作業ができること」を挙げ、吉村氏も同意しつつ、「才能のものさしは1つじゃない」と、書き続けることの大切さを述べています。

他、生成AIについての見解や今書いているジャンルに至った経緯、構成やプロットをどう練るのか、人間性の醜さをどこまで正直に書くべきか、使用している原稿フォーマットについて……などなど、多岐にわたる話題が繰り広げられました。

◆藤野氏、吉村氏から織田作之助青春賞の応募者へのメッセージ
最後に藤野氏が「これが自分の一生に一度の完璧な作品だ、ということはない。書けるものを書いて。書けば書くほど上手になる」、吉村氏が「自分の評価はあまりアテにならない。いつもの自分の色を出して、あまり気負わず自然体で書けば良い」と織田作之助青春賞の応募者に向けエールを送り、充実の90分間となりました。

「小説は長く、ほとんどが無駄な部分で、読んでも何も残らない。1ヶ月かけて読んでも漠然としか残らない。でも一生忘れられない一行が書けたならば本当に素晴らしい」――個人的には前述のハイライトに加え、吉村氏のこの言葉もとても印象に残っています。

皆さんもぜひ、動画で直接お二人の言葉を受け取ってみてください!

▼藤野可織さん×吉村萬壱さん対談「創作をめぐって」動画はこちらから!

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