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【Ba-ra-bam (Korean Ver.)/Pororo the little penguin】Hitの理由分析レポート 〜TikTok今週の1曲[No.37 - 25/11-01]


「Ba-ra-bam (Korean Ver.)/Pororo the little penguin」に注目すべき理由

本楽曲は、20年前のリリースにもかかわらず、UGC数が90K超えの大ヒットとなっており、韓国や日本に留まらず、アジアを中心とした世界中でUGCが広がっています。

韓国の国民的大人気アニメの主題歌が、20年の時を超えてTikTokで流行るに至ったのにはどのような流れがあったのでしょうか?

「Ba-ra-bam (Korean Ver.)/Pororo the little penguin」大ヒットの秘訣を本レポートでどこよりも分かりやすく解説いたしますので、最後まで読んでいただければ幸いです。


1.バズの拡大経路

(1)イノベーター

今回のイノベーターは、6月29日に投稿されたYOUNG POSSEさんの動画です。
コメント欄を見ても、この動画がバズの起点になっていることは明らかでしょう。

TRENDSETTERS (流行の仕掛け人)
you guys started a trend (君たちが流行りを作った)

では、YOUNG POSSEさんの動画がなぜバズったのかということですが、これもコメント欄に答えがありました。

今回の動画の真ん中にいる도은 / DOEUN (ドウン)さんが、조유리 / JO YURI (チョ・ユリ)さんに似ているというコメントがいくつもあり、いいねの数を見ても共感している視聴者が多いことが分かります。

조유리 / JO YURI (チョ・ユリ)さんは、日韓合同の12人組女性アイドルグループ「IZ*ONE」の元メンバーであり、Netflixの人気シリーズ「イカゲーム2」に김준희(キム・ジュニ)役で出演したことが話題になった方です。

조유리 JO YURI (@zo__glasss) • Instagram photos and videos

YOUNG POSSEさんは、6月28日にNetflixシリーズ「イカゲーム」シーズン3のファンイベントで開幕パレードのトップを飾るアーティストとして登場し、作品内で出演者が着ていた緑ジャージでパフォーマンスをしました。

YOUNG POSSE、「イカゲーム」OSTリミックスで話題 | KOREA WAVE

今回イノベーターになった動画は、そのイベント時に撮影されたもので、衣装も相まって「似ている」というコメントが増えたと考えています。

YOUNG POSSEさんの動画がバズると、2023年5月11日で投稿が止まっていた本家アカウントが再開し、7月10日から定期的な投稿がスタートしました。

真意は定かではありませんが、タイミング的にYOUNG POSSEさんのバズがきっかけで再開された可能性は高いと考えています。


(2)アーリーアダプター

さて、ここからアーリーアダプターとして様々な界隈にUGCが波及します。

①韓国アイドル界隈

まず最初に広がったのは韓国アイドル界隈です。
イノベーターとなったのがYOUNG POSSEさんですから、自然な流れといえるでしょう。

7月12日投稿

7月12日投稿

7月15日投稿

ただ、この音源は本界隈のグループ全てがUGC動画を投稿したのではないかというほど、多くのグループが投稿しており、音源TOP10全てを占領するレベルです。
それほどまでに韓国アイドル界隈でUGCが拡がったのは、次の2つの要因があると推察しています。

1つ目の要因は、本レポートで何度も登場しているワードではありますが、既聴感のあるサウンドです。

視聴者はおすすめ欄をひたすらスワイプして見ていますから、視覚的または聴覚的に気になるものがなければ、すぐにスワイプして次の動画に移動してしまいます。
視聴維持率を上げて動画を伸ばすには、視聴者を動画に留めておく必要があるわけです。

その点で既聴感のあるサウンド、つまり聴いたことがあるような曲というのは、視聴者のスワイプする手を止めるフックになります。

既聴感や既視感の重要な役割については、下記レポートに詳しくまとめています。

【UCHIDA 1】Hitの理由分析レポート〜TikTok今週の1曲 [No.6 - 24.09-03]

本楽曲は、韓国の大人気アニメ「ポンポン ポロロ」主題歌のNEWバージョンとなっており、2025年3月28日にリリースされました。
「ポンポン ポロロ」は、ペンギンの「ポロロ」を主人公とした短編アニメで、2003年に放送開始されて以来、韓国では「子供たちの大統領」と呼ばれるほどの人気を誇っています。

YouTubeやNetflix、Amazonプライムでも視聴ができ、YouTubeの日本語チャンネルは39万人、英語チャンネルは573万人、韓国語チャンネルは662万人と世界的に人気のあるアニメです。

ポンポンポロロ l 子どもの動画 ・童謡 - YouTube

Pororo Korean Official - YouTube

Pororo the Little Penguin - YouTube

つまり、今の韓国で20代より下の世代は、ほぼ全員が聴き馴染みのある楽曲といっても過言ではないはずです。
視聴者の手を止めるには、十分すぎるほど既聴感のあるサウンドだといえるでしょう。


2つ目の要因は、グループでの活動が基本の界隈にとって、3人で撮るフォーマットが合っていたことです。

今回の振り付けは、楽曲のリズムに合わせて3人が順番にフォーカスされる仕組みになっており、個人のTikTokerよりもグループ向けの振り付けになっています。
3人フォーマットの楽曲は需要と供給だと供給の方が少なく、複数人で「何か」撮りたいというインフルエンサーにとって状況先行の場面だと選択肢に上がりやすかった背景はあるでしょう。

またカメラアングルが真似しやすくも手軽に"今っぽく"なった点も多くの人に刺さった理由です。
カメラを動かすことで視聴者に見てほしい視点を誘導するタイプの動画フォーマットは昨今のトレンドで、フォーマット通りやるだけでトレンドっぽくなるので数字も出やすく、映像としても新鮮でやりたくなるという両方の気持ちをくすぐれていたのが強いでしょう。

このあと日本に拡がっていく際にも、アイドルグループ中心に拡がっており、このフォーマットが韓国アイドル界隈に拡がった要因の1つであることは間違いないでしょう。


②男性アイドル界隈

次に広がったのは日本の男性アイドル界隈です。

7月17日投稿

7月21日投稿

7月22日投稿

@jr_official_tiktok

思ってたのと違う….🥺 #ACEes 浮所飛貴/那須雄登/作間龍斗/深田竜生/佐藤龍我

♬ Ba-ra-bam (Korean Ver.) - Pororo the little penguin

韓国での流行りにいち早く乗ったaoenさんと&TEAMさんは、両グループ共にYX LABELSへ所属しています。
YX LABELSは、BTSさんなど人気韓国アイドルグループを多数輩出している韓国のエンターテインメント企業HYBE傘下の日本芸能プロダクション、ならびにレコードレーベルです。

つまり、韓国の流行りをキャッチしやすい環境かつ、グループで活動しているため3人での振り付けにも即対応できたというわけですね。

そこからジュニアさんなど純日本の男性アイドルにもUGCは拡がっていきました。


③東南アジア

世界的に人気のある韓国アイドルの影響は、すぐにインドネシアやシンガポールなど東南アジアにも広がりました。

7月20日投稿

7月26日投稿

5月1日に発表された2025年最も影響力のあるアジア人「A100」では、SEVENTEENさんやBLACKPINKさんといった韓国アイドルグループのメンバーも選出されており、韓国アイドルが世界的に影響力を持っていることが分かります。
また「A100」には、「イカゲーム」のファン・ドンヒョク監督と俳優イ・ビョンホンさん、イ・ジョンジェさんも選出されており、今回イノベーターとなったYOUNG POSSEさんの動画に関連している「イカゲーム」の世界的影響力も大きいことが分かりますね。

SEVENTEENからBLACKPINKメンバーまで、最も影響力のあるアジア人「A100」に選定(Kstyle) - Yahoo!ニュース


④本家

ここで7月10日から再始動した「ポンポン ポロロ」公式アカウントが、今回のUGCダンスをキャラクター達が踊っている動画を投稿しました。

7月24日投稿

キャプションには、「ポロロブームが来る…バラバム元祖ポロロ大統領のバラバムチャレンジ!」という内容が記載されており、日本で使われている「バンバラバンチャレンジ」という言葉はこの動画から引用されていると推察しています。

また、キャラクター界隈の参入も始まり、UGCの流れはさらに加速していきます。

7月30日投稿

8月7日投稿


⑤女性アイドル界隈

次に広がったのは、女性アイドル界隈です。
やはりグループで活動していることで、すぐに3人で撮影することができるというのが、このスピード感に繋がっているといえますね。

7月24日投稿

7月26日投稿

@cutie_street

8テイクくらいやってやっと撮れたのはここだけの話… 信号チームに感謝🔵🟡🔴 #増田彩乃 #古澤里紗 #佐野愛花 #CUTIESTREET ききゅーすとアイドル #KAWAII

♬ Ba-ra-bam (Korean Ver.) - Pororo the little penguin

また、CUTIE STREETさんはメンバーや人数を入れ替えながら1週間で6回この音源を使用しています。韓国アイドル界隈でも、複数回投稿しているグループがいくつもあることから、視聴限度回数の多いフォーマットであることも、UGC拡大の理由であるといえるでしょう。

ここでいう視聴限度回数とは「同じ企画を繰り返し投稿しても見てもらえる回数」として定義しています。

この言葉は本レポートシリーズで度々登場しているものになりますので、詳細は以下のレポートをご覧いただければと思います。

【最上級にかわいいの!】Hitの理由分析レポート〜TikTok今週の1曲 [No.3 - 24.08-15]|山本慶太朗

⑥動物界隈

ここからは動物界隈にも広がっていきました。
今回の音源のようにリズムが一定で振り付けが簡易的、さらに可愛いさを強調できる音源というのは、非常に動物界隈との相性がいいです。

7月26日投稿

8月5日投稿

昨年大ヒットした「シカ色デイズ / シカ部」も今回の音源と同じような特徴を持っており、動物界隈にもUGCが広がっていました。

⑦今日好き界隈

「今日好き」とは『今日、好きになりました。』という現役高校生達の恋愛リアリティショーで、ここではその番組を通して人気となった女優さんやインフルエンサーを今日好き界隈と位置付けています。

この界隈が取り上げるということは、多くの女子中高生が目にするということであり、流行やバズを牽引する界隈といっても過言ではないでしょう。
彼女たちは次期TOPインフルエンサー予備軍ともいえ、それゆえに「もっとバズりたい」といった欲求が強いです。
そのためバズりやトレンドには敏感で、大手よりも早く楽曲を取り上げる傾向にあります。

流行敏感女子界隈のZ世代特化型といったところでしょうか。

7月26日投稿

@ponpon_20080

今日はスピンズ渋谷109店イベントたくさんの方に来ていただき嬉しかったです🩵次は大阪の阿倍野店であいましょっ➰🙇🏻 #08#fyp#今日好き#SPINNS

♬ Ba-ra-bam (Korean Ver.) - Pororo the little penguin

7月30日投稿

@isin_odensin

TGC Summer ありがとうございました✨#今日好き #ハロン編 @長浜 広奈(ながはまひな)

♬ Ba-ra-bam (Korean Ver.) - Pororo the little penguin

流行に敏感な彼女らですが、今回はアイドルグループに次いでの参入となりました。
その理由としては、人数の壁が大きかったと考えられます。

基本的に個人で活動している彼女らは、複数人で撮影する場合はコラボという形になりますので、いつも複数で動いているグループの方がスピード感が早かったというわけです。

界隈内では最速と思われる瀬川 陽菜乃さんも、自分のポスターを使ってトリッキーな撮り方をしていることから、人数による参入障壁というのは今後流行る音源でも影響してきそうですね。


(3)アーリーマジョリティー

ここからはアーリーマジョリティーとして、さらに視聴者の母数が多い界隈へ広がっていきます。

①Top TikToker界隈

彼女らは文字通りTikTok内でトップの人気を誇り、「自身のブランディングにプラスになるかどうか」で楽曲を選ぶ傾向にあります。彼女らに楽曲取り上げられるかどうか = TikTokトレンドになるかどうかの分岐点と言っても過言ではありません。

7月30日投稿

7月31日投稿

韓国で流行っていること、そして日本に流入してから3人で踊るバージョンだけでなく1人や2人で踊る人も増えたことが参入のきっかけになったと考えています。
元々ズーム時のポーズや表情など自由度の高い振り付けではありますが、人数の自由が増えたことで一気に参入ハードルが下がったといえるでしょう。

②芸能人界隈

様々な界隈でUGCが広がり、TikTok上での流行りが確立されてきた中で芸能人界隈でもUGCが広がり始めます。

7月30日投稿

8月1日投稿

彼女らはTopTikTokerよりもさらに多くの人々に注目される立場ですので、自身のブランディングにかなり気を遣って選曲をすることが想定できます。

つまりUGCする動機としてはTopTikTokerのさらに審査基準が厳しいverという感じですが、すでにTop TikTokerが上記理由で参入していることに加えて、子ども向けアニメの主題歌ということでブランディング的にも問題なく使用することができる点が、その審査を楽々とクリアさせています。

③Top韓国アイドル界隈

この界隈は、韓国の中ではもちろんですが、世界的に見てもTopの影響力を持つ界隈です。
韓国アイドル界隈での流行りに加えて、本家の「ポンポン ポロロ」自体が世界的な人気を誇る作品であることが、イノベーター登場から1ヶ月というスピードで参入した要因といえるでしょう。

8月3日投稿

8月5日投稿

enhypenさんはフォロワー3100万人超え、TWICEさんはフォロワー2800万人超えの大型アカウントとなっているため、ここから全世界の様々な界隈へ広がっていきました。


2.時代背景における本楽曲の立ち位置

次に重要なのは「時代の流れにどうハマっていたか」という視点です。

昭和と現在で流行っている楽曲が全く異なるように、時代と共に求められるサウンドは変化していきます。それは数ヶ月〜半年〜1年などの細かなスパンでも同様で、トレンド全体の流れの中でその楽曲がどのような立ち位置でヒットしたのかを知ることは非常に重要です。

本セクションではそれを見ていきましょう。

今回の楽曲も感情ダイレクトアタック曲です。
本レポートを見ていただいている方には聴き馴染みのあるジャンルかもしれません。
感情ダイレクトアタック曲というのは、直感で面白い楽曲のことを指します。

2024年のHit曲の中でいえば、
・「Bling-Bang-Bang-Born / Creepy Nuts」
・「しなこワールド / しなこ」
・「シカ色デイズ / シカ部」

が感情ダイレクトアタック曲の分類になります。
これらに共通する要素として、

・歌詞の意味が謎
・メロディのリズム感が心地よい

が挙げられます。
2025年に入ってからも「倍倍FIGHT!/CANDY TUNE」や「怒りマーク/超☆ヤンキース」が該当しており、この流行りは今後も続いていくと考えています。

【倍倍FIGHT!】楽曲分析レポート〜TikTok今週の1曲 [No.24 - 25/05-01]

【怒りマーク】楽曲分析レポート〜TikTok今週の1曲 [No.29 - 25/07-01]|山本慶太朗


3.バズった結果得られたもの

楽曲ヒット理由の分析は以上となりますが、そこからアーティストにどんなリターンがあったのかがアーティストをプロデュースする上では重要になるポイントです。
このヒットをきっかけに一体どのような影響があったのでしょうか?

本楽曲は、元々2005年にリリースされ、数年おきに様々なアーティストのカバーにより話題を呼んでいる楽曲です。

【韓国トレンドキーワード】K-POPアイドル総参戦「バンバラバンチャレンジ」の正体 2005年の童謡が2025年に復活!

冒頭でも説明した通り、韓国では紛れもなく国民的人気を誇っていますし、YouTubeの英語版チャンネルの登録者数が500万人を超えていることから、英語圏でも人気であることが分かります。

よって、新たな収穫としては、日本での「ポンポン ポロロ」認知拡大と、止まっていたTikTokアカウント再開のきっかけになったことが大きいのではないでしょうか。

特に、再開した公式アカウントではコンスタントに数十万回再生の動画を出しており、更なる認知拡大へと繋がっています。

뽀로로 Pororo (@home_porong_home) | TikTok


4.再現性のある要素

(1)既視感や既聴感を視聴者に感じさせる

イノベーターを作る際には、まず視聴者の手を止め、コメントやいいねといったアクションを起こしてもらい、動画のエンゲージメントを上げなければいけません。

今回であれば、韓国では誰もが知っているような国民的アニメの楽曲が既聴感となり、さらに世界的に人気の「イカゲーム」出演者に似ていることが既視感になるというダブルの要素がバズのきっかけとなりました。

また、以前レポートで紹介した「明日の私に幸あれ/ナナヲアカリ」や「イイじゃん / M!LK」は、メロディーが〇〇に似ているというコメントから話題になり、最初の動画がバズりました。

ビジュアルやメロディーで、視聴者に既視感や既聴感を感じさせるというのは、スワイプ防止やアクションのきっかけとして非常に有効であるといえるでしょう。


(2)ターゲットによってフォーマット(人数)を変える

今回は結果的に様々な界隈へ広がり、大ヒットに繋がりましたが、3人というフォーマットによりグループではない個人の参入が遅れていました。

人数という要素に絞って考えると、1人のフォーマットは最も参入ハードルが低く誰でも真似しやすいですが、差別化という点では難しいでしょう。
2人のフォーマット(双子ダンス)は、女子中高生やカップルに好まれており、若い層へのアプローチには効果的ですが、UGCの母数は1人のフォーマットに比べて減ってしまうことが多いです。

このように、人数の違いだけでも届きやすい層が変わってくるので、ターゲットに合わせて人数や画角、振り付けなどのフォーマットを変えていくことが必要になってきます。


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今回の執筆は「宮本さん」でした。
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