【怒りマーク】楽曲分析レポート〜TikTok今週の1曲 [No.29 - 25/07-01]
「怒りマーク/超☆ヤンキース」に注目すべき理由
本楽曲はリリースから1ヶ月経ってUGCが広がり始め、3ヶ月で116Kという大ヒット楽曲となりました。派生してネタ系の動画が出てきたり、国を超えて韓国アイドルにまで広がっています。
※UGCとはUser Generated Content の略で、特定の楽曲を使って不特定多数のユーザーが投稿した動画の数を指します。
ちなみに楽曲使用数(UGC数)はこちらの方法で確認できます。

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フォロワー数がけして多いとは言えないアーティストであった超☆ヤンキースさんの楽曲が何故?どのようにして?大ヒットすることができたのか?
「怒りマーク/超☆ヤンキース」大ヒットの秘訣を本レポートでどこよりも分かりやすく解説いたしますので、最後まで読んでいただければ幸いです。
1.バズの拡大経路
まず始めに、UGCというのは複数の界隈を渡って広がっていくものなので、初期のバズからそれ以降の拡大までどのようなきっかけでどんな界隈に広がっていったのかを分析することが重要になります。
それを紐解くべく、弊社では【イノベーター理論】を用いて分析をしております。
イノベーター理論とはサービス等の市場での普及率を示すマーケティング理論の一つになります。
※詳しくは以下のサイトを参照ください。
今回もそれに倣い拡大経路の順を以下の3つに区分してリサーチいたしました。
それぞれの区切りは本家リリースから投稿までの期間で判断します。
ざっくり以下の通りの認識で今回は分析します。
(1) イノベーター (一番最初に広まったきっかけ)
→今回は明らかに最初のバズを生み出した動画
(2) アーリーアダプター (初期段階で拡散されたきっかけ)
→今回は(1)から約30日以内に投稿された動画
(3) アーリーマジョリティ (早期段階でさらに拡散されたきっかけ)
→今回は(1)から約30日以降に投稿された動画
(1)イノベーター
今回のイノベーターは、3月21日に本家が投稿した「カラオケまねきねこ」のキャラクター「まねっきー」にダンスを教えている動画です。
まねっきーがキャラクターとして忠実に演じている点や素直な愛らしさ、女性(Bettyさん)の無邪気な可愛いさが評価されて動画がバズりました。

また、このリハーサル動画がバズったことで同日に投稿されたダンス動画にも視聴者が流れました。

今回のイノベーターのように、裏側を見せることで視聴者が興味を持ち、完成動画よりも再生が回るという現象は非常に多いです。
例えば、人気TikToker達が集まり発信している「放課後アオハル学園」では、この手法が定期的に使われています。

こちらの動画は、Creepy Nutsさんの「オトノケ - Otonoke」を使用した動画で、342万回再生されています。
@aoharu_school_ カメラワークの難易度100000!!真似できた人教えて @🌸桜🌸 @中島結音(ゆのん) @あみか🦄✨@フォーエイト @ウンパルンパ
♬ オトノケ - Creepy Nuts
対して上記動画の裏側を映したこちらの動画は、倍以上の874万回再生されており、まさにこの手法が機能しているといえるでしょう。
@aoharu_school_ 最後のテクニックやばいっしょ @ウンパルンパ @伊吹とよへ @🌸桜🌸 @中島結音(ゆのん) @あみか🦄✨@フォーエイト
♬ オトノケ - Creepy Nuts
【+@】プロセスエコノミー的な魅せ方
プロセスエコノミーとは、商品や制作物といったアウトプットだけではなく、それらを生み出す過程(プロセス)自体が収益をもたらすという考え方をいいます。
現在インターネットやグローバル化の進展で製品の品質が均質化し、完成品だけでは差がつかない状況が多くの市場で生まれています。
その結果、開発背景や制作過程といったプロセスに価値が見出されるようになり、さらにはプロセスを共有することそのものが収益につながるようになってきたのです。
※詳しくは以下のサイトを参照ください
これはまさに前述した動画の手法に繋がる考え方で、視聴者は他と似通った完成動画よりも、その動画がどのようにして作られたかの過程や裏側を見ることで、感情が動かされたり親近感が沸いて再生されるわけです。
「100日後シリーズ」に代表されるようなプロセス系と言われる動画フォーマットも、同じような理由で流行っていると考えられます。
@rinon_1126 100日後に垢抜けるりのんです!よろしくお願いします✨ #垢抜け #高校生 #りのん #多田梨音 #jk
♬ オリジナル楽曲 - りのん|100日後に垢抜け - りのん|100日後に垢抜け
@gunji_skip 100日後にダンスが上手くなってるはず…(1日目) #後ろは片付け中 #ダンス #100日後
♬ som original - 𝑷𝒆𝒅𝒓𝒂𝒅𝒂𝒔🎵
【おまけ】フォロワーが少ないアーティストがTikTokでイノベーターを生み出すには何をすべき?
この記事を読む多くの人にとって気になっているのは
何故フォロワー数の少ないアーティストなのに曲を使う人が現れたの?
という事でしょう。
この記事を毎回読み実践している人などであれば、
・プロセスエコノミーの切り口で動画を作ってバズらせようとしてもバズらなかった
・バズったがそれを使おうとするインフルエンサーは現れなかった。
というケースを経験している人も多いでしょう。
一つTikTok楽曲バズの絶対ルールを提示しましょう。
イノベーター動画の再生数 × UGC動画全体の再生数アベレージを上げる曲
これが答えです。
これは僕の肌感ですが、この2つ両方とも80点に到達しているとバズり、
どちらかが70点ならもう片方が100点でもバズらない、という感覚があります。
「イノベーター動画の再生数」ですが(偶然以外の場合)アーティスト本人たちが楽曲を使ってアーリーアダプターを誘発する動画をバズらせなければいけません。
例えばリリースする曲が複数バズっているFRUITS ZIPPERさんなどは本人たちとグループ公式の総フォロワー数が多く、また女性インフルエンサーにとって憧れられるブランディングであることから「動画の再生数」も「それがイノベーター動画であること」も両方常に高得点を出せるのです。
ですから楽曲自体がUGC全体の再生数アベレージをある程度あげられるものとして担保されていさえすれば何をリリースしてもバズれるある意味『無敵状態』が作れているのです。
ちなみに女性アイドルが女性から憧れられる理由についてはこのnoteをご覧ください。
TikTokは最近少し難度が上がっているとは言え、他SNSと比較しフォロワー数に関係なく動画単体の評価で再生数が決まりやすい傾向にあります。
ですから今回のように例えフォロワー数が少ないアカウントでもイノベーター誘発動画として再生数を出す事は可能なわけです。
再生数を出すことと、それがイノベーターを誘発すること。
その2つを両立し、自身のブランディングを壊さず、かつ撮影が現実的に可能かどうか?を普段からTikTokをはじめとするSNSを眺めている中で見つけていく訓練を筋トレのようにしていくっていうことですね。
それが難しいんや!って感じかもしれませんが、逆に言えばそれさえできれば無名からでもバズれるチャンスがあるということです。
まねっきーとのリハーサル動画がバズり、ダンス動画に視聴者が流れたものの、ダンスのUGCが拡がることはありませんでした。
ただ、本楽曲を使用して3月28日に投稿された写真が2度目のバズを起こします。
この写真は、今日好きで人気の藤田みあさんと中村健太朗さんがディズニーで視聴者さんと撮影したもので、その視聴者さんが投稿したものになります。
本人からのコメントもあり、ファンの中で話題になった投稿といえるでしょう。
@k14210k 今日好き@藤田みあ @中村健太朗(けんたろう) けんみあカップルに会えて嬉しかった〜!写真撮って下さりありがとうございました♪
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース

この後にアーリーアダプターへ繋がっていくのですが、実は直近で似たような例がありましたので紹介させていただきます。
それは5月のマンスリーレポートでも紹介した「4EVER U&I (feat. Rion)/SOLDIER-K」です。
4月6日に女子高校生が投稿した写真がバズりUGCが発生しました。
女子中高生に絶大な人気を誇る一生友子さんがUSJで撮ってくれた写真ということで、コメント欄には同じ日にUSJにいた方や一生友子さんと会った方などがコメントしています。
対応の良さについてもキャプションに記載されていることから、一生友子ファンの方々からのいいねも増えてバズに繋がったと推察しています。
また、UGCの流れについてはこの後の章で解説しますが、ギャル界隈や陽キャ界隈から拡がっていった点も共通しています。
今後もファンによる写真投稿からUGCが拡がっていくケースが増えていくかもしれませんね。
(2)アーリーアダプター
さて、ここからアーリーアダプターとして様々な界隈にダンス動画のUGCが波及します。
①ギャル/陽キャ界隈
最初に登場したのはギャル/陽キャ界隈です。
彼女らは流行に敏感かつ我が道をいくタイプなので、感性にハマった曲なら流行る前でも取り上げていきます。
弊社販売の下記教材では、Hit曲を14パターンに分類しており、本楽曲は1章の「陽キャRap/EDM」に分類されます。そもそもこのジャンルはギャル/陽キャ界隈に好まれる性質があるため、今回もすぐに広まりました。
4月11日投稿
@aisa.1029 @Rew-You💎💕(リューユ) さんの撮影で今年も可愛い浴衣沢山着せてもらったよ🎀発売楽しみに待っててね💕💕#fyp #07 #高三 #浴衣
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
4月13日投稿
@z_deill とろって言ってきてのせてってゆわれたからのせる。
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
②女子高校生界隈
次に広まったのは女子高生界隈です。
この界隈は最もTikTokがネイティブな世代なので、流行にも非常に敏感です。
また、一生友子さんやむくえなさんといった女性2人組インフルエンサーに憧れている傾向があり、2人並んで横画面で撮影する形を好みます。
今回の楽曲は本家が2人組ということや、①で紹介したあいささんが同世代ということも重なり、この界隈にもすぐ広まったと推察しています。
4月14日投稿
@v_vi75 いかりまーく💢💢#fyp #おすすめ #07 #大阪 #jk #jkの素敵な思い出 #貝高
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4月16日投稿
@zinsei.tanosi35 学校イライラ💢💢おすすめ乗る基準はなんなん??パン食べてるからくち動いてる笑笑笑#08 #大阪 #fyp #おすすめ #金剛 #いらいら #すき家
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
③流行敏感女子界隈
②と同時期に広まったのは流行敏感女子界隈です。
彼女たちは次期TOPインフルエンサー予備軍ともいえ、それゆえに「もっとバズりたい」といった欲求が強いです。
そのためバズりやトレンドには敏感で、大手よりも早く楽曲を取り上げる傾向にあります。
4月15日投稿
4月17日投稿
@waka.0807 インスタのストーリー保存できなくなったのなんでーーー😨#インスタ #07 #fyp
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
ここで注目したいのは、怒りマークのエフェクトを使用し始めたのがこの界隈からという点です。
流れとしては、3月6日に投稿された本家の1番最初の投稿では、エフェクトではなく怒りマークのスタンプが使われています。
@superyankees おでこにつけてる怒りマーク💢💢 @$hintaindahouse @Betty
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
しかし、最初に広まった本家のまねっきーと踊っている動画では、エフェクトもスタンプもついていなかったため、ギャル/陽キャ界隈ではスタンプもエフェクトもなしver.が広まりました。
その後、女子高校生界隈ではスタンプが使用され、流行敏感女子界隈でエフェクトが登場します。
最初に紹介したように、流行敏感女子界隈はバズりたい欲求が非常に高いため、より動画を伸ばすにはどうすればいいかという思考の中でエフェクトを使うという選択肢が出たのではないかと推察しています。
現在確認できているエフェクトは、上記動画において星煌さんが使用している怒りマーク(エフェクト1)と中本和花さんが使用している怒りマーク(エフェクト2)の2種類があり、これ以降の動画ではエフェクト1が基本的に使われているケースが多いです。
エフェクトが使用されるようになったことは、この後UGCが広まっていくことに非常に影響を与えたと考えており、エフェクトなしでは今回の大ヒットは無かったかもしれません。
というのも、現代はショート動画においても動画のクオリティが動画の伸びを左右する大事な要素となっています。中身がどれだけ良かったとしても、画質が悪かったりテロップがダサかったり些細なことで視聴者は離脱してしまいます。
今回の動画においても、スタンプの怒りマークで悪くはないのですが、エフェクトの方が画質が良かったり動きに合わせてついてきたり圧倒的にクオリティが高くなっています。また動画も作りやすいのでトライの敷居が下がっている点も重要です。
動画をプロモーションしていく上で、このような些細なところまでこだわれるかどうかが、今後より一層重要になってくるでしょう。
④Top TikToker界隈
ここからTop TikToker界隈にUGCが波及していきます。
4月16日投稿
@osaki_tiktok みんなのイライラエピソードおしえて⚾️
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
4月19日投稿
@0808sakura これ可愛すぎる
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
彼女らは文字通りTikTok内でトップの人気を誇り、「自身のブランディングにプラスになるかどうか」で楽曲を選ぶ傾向にあります。彼女らに楽曲取り上げられるかどうか = TikTokトレンドになるかどうかの分岐点と言っても過言ではありません。
そんなTop TikToker界隈が流行敏感女子界隈とほぼ同時期に参入した理由としては、もちろんイノベーター時点で2度のバズが起きており、すでに流行り始めていたということもありますが、それ以上に次の2点が大きいのではないかと推察しています。
・所属事務所の繋がり
・「怒り」という分かりやすい感情がテーマ
・所属事務所の繋がり
③で紹介した星煌さんとTop TikToker界隈で真っ先に動画を投稿しているおさきさんはVAZに所属しており、その後に続いた桜さんも同じ事務所でおさきさんとは仲が良く、今回の音源でもコラボ動画を投稿しています。
@0808sakura 最後考えてる事同じすぎる笑笑 @おさき🤷♀️
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
楽曲を取り上げる文脈を重視する大手にとって「同じ事務所の子がやっているから」「仲の良い子がやっているから」という理由付けができるのは、早期参入のハードルを下げることに繋がっているはずです。
・「怒り」という分かりやすい感情がテーマ
おさきさんは、「みんなのイライラエピソード教えて」というキャプションと共に今回の動画を投稿しています。
これは視聴者にコメントを促すキャプションで、下記画像のようにおさきさんも桜さんも定期的にこういったキャプションで動画を投稿しているのが分かります。

TikTokでは、エンゲージメントが多いほど動画が伸びやすいと言われているので、コメントを促すキャプションというのはあらゆるTikTokerが使っている手段です。
本楽曲は「怒り」という誰もが持っている感情をテーマにしており、コメントを書いてもらいやすいテーマだったことが大きな要素だといえます。
⑤イケメン男子界隈
次に広がったのはイケメン男子界隈です。
4月17日投稿
@sutanmisutanmi もうちょいで30歳なんだけど #配信者 #ゲーム実況 #fyp
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
4月21日投稿
@kantarosurosu 感情をぶつけ合うことでお互いをさらに知ることが出来る。
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
彼らは自分の「かっこいい」を見せたいわけですが、その「かっこいい」の中に「可愛い」要素を混ぜるとギャップとしてファン化に繋がります。
これはおそらく本人たちも理解しているし、界隈全体でその風潮があることは明確なので、可愛い訴求ができる本楽曲は使われやすかったのでしょう。
⑥芸能人界隈
様々な界隈でUGCが広がり、TikTok上での地位が確立されてきた中、さらに芸能人界隈でもUGCが広がり始めます。
4月24日投稿
4月29日投稿
@mori_kasumi_ イライラしないように生きていこうね #fyp
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
この界隈はTopTikTokerよりもさらに多くの人々に注目される立場ですので、自身のブランディングにかなり気を遣って選曲をすることが想定できます。
つまりUGCする動機としてはTopTikTokerのさらに審査基準が厳しいverという感じですが、最近は芸能人のTikTok本格参入が増えてきたことで、審査基準のハードルが低くなってきたように感じています。
森香澄さんやあのさんは早くからTikTok投稿を定期的にしていましたが、今回紹介した後藤真希さんは昨年6月にアカウントを開設しており、生見愛瑠さんは今年4月から定期的に投稿し始めています。
@meru_nukumi 💢このフィルター探すのに10分かかったよ。あせあせ
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
後藤真希さんと生見愛瑠さんの共通点は、エイベックス所属という点です。
音楽系事務所の大手ということもあり、流行りへのスピード感の早さも納得ですね。
ただ、ここで重要なのは大手事務所も本腰を上げて参入してきているということです。
これは直近のYouTubeの流れに例えると分かりやすくて、数年前にカジサックさんや中田敦彦さんがYouTubeに参入し、その成功を見て様々な芸能人がYouTubeに参入してきました。
それと同じで、森香澄さんやあのさんの成功例を見て参入してくる芸能人が、これからどんどん増えてくるのではないかと考えています。
また、本人ではなくマネージャーが運営しているパターンも多いので、マネージャーにやらされたという言い訳が通用することを考えると、今後さらに芸能人のUGC参入も早くなっていくことが予想されます。
⑦アイドル界隈
アーリーアダプター最後はアイドル界隈です。
この界隈は「可愛い」ブランディングを非常に重視するため、自分達の曲やアイドルの曲以外はしっかりと見極めて使用します。
本楽曲は、普段はイライラしなさそうなアイドルが使用することによって、可愛いさを訴求できるものだったため問題なく使われました。
4月27日投稿
@fuuuuu_ri ふりあい( '-' ꐦ)❤︎ #きゅーすと #cutiestreet
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
5月7日投稿
@fruits_zipper 可愛いすぎて怒りマーク消えちゃった💢 #TGC #ふるっぱー #FRUITSZIPPER #フルーツジッパー #櫻井優衣 #松本かれん
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
5月12日投稿
@nogizaka46_official いらいらしきれないなおまお😂💓 #なおまお #五百城茉央 #冨里奈央 #乃木坂46
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
(3)アーリーマジョリティー
ここからはアーリーマジョリティーとして、2つの界隈に広がっていきます。
①ネタ系界隈
4月後半から5月にかけてネタ系の動画が投稿され始めました。
4月26日投稿
@namae_kudasai_ @あに返信 こういう日マジであるよな、、、#怒りマーク
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
5月16日投稿
@new.kota 最近のイライラ事情 #イライラ
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
「怒り」というはっきりとしたテーマのある音源だったので、ある意味「イライラすること」の大喜利のような形でネタを作りやすい音源になっていたと考えています。
これはTikTokにおいて王道のネタ系パターンで、過去の楽曲でいうと「ガチやべぇじゃん/P丸様。」が該当します。
下記動画のように、ガチやばい状況の大喜利といった形で広まりました。
【カップルネタ】
その後ネタ系動画から派生してカップルネタへと広がりました。
男女間というのは、イライラすることや不満が溜まりやすい代表格といっても過言ではありません。しかも、両方が言い合えるというのは男女両方の共感を得られる可能性があり、今回の音源と非常に相性が良かったといえます。
また、本家がカップルということも少なからず影響しているかもしれませんね。
5月3日投稿
@a_tsubasa1 イライラで普段彼氏に伝えられない事伝えてみたら…#カップル
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
5月4日投稿
@kaichos_225 もうガチのやつやん笑🤦🏻 お互いどんどんエスカレートしてて草 #カップルの日常
♬ 怒りマーク - 超☆ヤンキース
【イライラ×イナズマ】
ネタ動画の中でも、本楽曲とNumber_iさんの「INZM」を組み合わせたたってぃさんの動画は、現在UGC6000超えとなっており、大手TikTokerも使用しています。
「イライラ」と「イナズマ」は語感が似ていて上手くハマっており、さらにポップな音源とかっこいい音源のギャップが視聴者を惹きつけていると推察できます。
5月9日投稿
@tatty_ryutty イライラしすぎて今コレ #seju未所属
♬ オリジナル楽曲 - たってぃ - たってぃ
②韓国アイドル界隈
最後に韓国アイドル界隈にまでUGCは広がっていきます。
5月18日投稿
6月4日投稿
5月後半から6月にかけて本界隈に広がり始め、現在は音源トップを韓国アイドル勢が締めています。
同じように昨年100K〜200Kのレンジでヒットした楽曲の中で、韓国アイドルが音源上位を締めている楽曲を見てみると、次の2つの音源が見つかりました。
・「UCHIDA1/GINTA & ODAKEi」陽キャRap/EDM
@ive.official Kore Watashino STYLE💋💋 IVE 아이브 アイヴ JANGWONYOUNG 장원영 ジャンウォニョン ウォニョン
♬ UCHIDA 1 - GINTA & ODAKEi
・「シカ色デイズ/シカ部」感情ダイレクトアタック曲
この2曲の特徴としては、「UCHIDA1/GINTA & ODAKEi」は「陽キャRap/EDM」という部分、「シカ色デイズ/シカ部」は「感情ダイレクトアタック曲」(次の章で解説します)という部分が挙げられます。
そう考えると、今回の「怒りマーク/超☆ヤンキース」は「陽キャRap/EDM」と「感情ダイレクトアタック曲」の2つの要素を持ち合わせていることから、同じように韓国まで拡がることができたのではないでしょうか。
2.時代背景における本楽曲の立ち位置
次に重要なのは「時代の流れにどうハマっていたか」という視点です。
昭和と現在で流行っている楽曲が全く異なるように、時代と共に求められるサウンドは変化していきます。それは数ヶ月〜半年〜1年などの細かなスパンでも同様で、トレンド全体の流れの中でその楽曲がどのような立ち位置でヒットしたのかを知ることは非常に重要です。
本セクションではそれを見ていきましょう。
本レポートでは何度か出てきているワードになりますが、今回の楽曲も感情ダイレクトアタック曲です。
感情ダイレクトアタック曲というのは、直感で面白い楽曲のことを指します。
2024年のHit曲の中でいえば、
・「Bling-Bang-Bang-Born / Creepy Nuts」
・「しなこワールド / しなこ」
・「シカ色デイズ / シカ部」
が感情ダイレクトアタック曲の分類になります。
これらに共通する要素として、
・歌詞の意味が謎
・メロディのリズム感が心地よい
が挙げられます。
2025年に入ってからもCANDY TUNEさんの「倍倍FIGHT!」が該当しており、この流行りは今後も続いていくと考えています。
3.バズった結果得られたもの
楽曲ヒット理由の分析は以上となりますが、そこからアーティストにどんなリターンがあったのかがアーティストをプロデュースする上では重要になるポイントです。
このヒットをきっかけに一体どのような影響があったのでしょうか?
成果
・YouTubeにて73万回再生
・パフォーマンス動画がTuneCore Japanが運営するYouTubeチャンネルNEOWNの新シリーズ「NEOWN supported by 360 Reality Audio」で公開
・TikTokチャート1位獲得

4.再現性のある要素
(1)イノベーター誘発動画の切り口の工夫
今回は「プロセスエコノミー的発想」という切り口を用いていましたが、視聴者は他と似通った完成動画よりも、その動画がどのようにして作られたかの過程や裏側を見ることで、感情が動かされたり親近感が湧きます。
ちゃんみなさんのノノガやtimeleszさんのオーディションが人気だった理由もそこにあります。メンバーが選ばれる過程を見ていたからこそ、グループを応援したくなるわけです。
このように「ただダンスを作って投稿する」では、フォロワー数が多いアカウントを複数持っている場合でない限り難易度は高いです。
自分ならどんな動画を作ればイノベーターを誘発できて、かつ再生数も取れるのか?
この2つの切り口に当てはまる動画がどうやったら作れるのか普段から考えておくことが非常に重要でしょう。
(2)エフェクトを有効活用
今回は既存のエフェクトに使いやすいものがあったため上手く機能しましたが、エフェクトをセルフプロデュースするのも1つの手だと思います。
何度も本レポートで主張していますが、TikTokバズ曲というものは本質的には存在せず、「TikTokでバズったカルチャーのBGMが流行っている」と僕達は解釈しています。本楽曲はカルチャーをバズらせるための手段としてエフェクトをつかう活路を見せてくれた1曲だったと言えるでしょう。
エフェクトはUGCとして楽曲を使ってもらう1つのフックになりますし、動画のクオリティーを上げてより多くの視聴者に見てもらえるきっかけになります。
【お仕事大募集中!】
先日今回楽曲ヒットの再現性を出す集大成とも言えるnoteをリリースしました。
こちらは有料ですが、書籍1冊分くらいの値段で先ほど解説した過去のヒット曲の共通項やどうすれば2025年以降ヒットを生み出せるのかを全て言語化し完全網羅版noteです。
今回の記事を読んで自身でヒット作を生み出したいと思った方にはドンピシャの内容だと思いますので、ぜひチェックしていただければ幸いです!
作編曲のご依頼
SNS運用代行のご相談
楽曲PR施策代行のご相談
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今後も毎週新しい曲を分析しますので、
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今回の執筆は「宮本隆平さん」でした。
ありがとうございました!
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