見出し画像

Bahrudin Čengić『The Role of My Family in the World Revolution』ボスニア、狂乱の共産主義者たちによるナンセンスギャグ100連発

バフルディン・チェンギッチ(Bahrudin Čengić)長編二作目。Bora Ćosićによる同名小説の映画化作品。第二次世界大戦直後、勝利したパルチザンの一団がブルジョワの邸宅に雪崩れ込んでいく。一家が隠した金を探すと言って家中を引っくり返すパルチザン兵士たちを前に、一家の長男は隠していたスターリンのメダルとレーニンの旗を見せて、共産主義を礼賛し始める…というナンセンスミュージカルコメディである。十字架を撃ったらキリストの幻影が見えたので、"宗教は人民のアヘンだ!"と言いながら他の兵士たちと共に虚空を撃ちまくったり、檻に閉じ込められた動物たちを解放する!と言って象の群れを街の広場に放ってみたり、とにかく面白味のないナンセンスギャグを大量に投下していく(スターリンの顔のケーキを破壊しながら食べるシーンと戦車でカーセックスならぬ戦車セックスしてガタガタ揺れてるシーンは面白かったけど)。チェンギッチは前作『Playing Soldiers』でも共産主義者の残虐さを誇張して描いていたので、今回はその教義の馬鹿馬鹿しさを誇張して描いているんだろう。百歩譲ってそう描きたいのは良しとしても、『ひなぎく』くらいアヴァンギャルドな方向に振り切れていたら面白かったかもしれないが、脈絡なくナンセンスギャグを投下するだけなので、共産主義の信奉者はとにかくバカであると描くに留まり、全体的に質の低い挑発にしか見えなかった。一応、革命によってブルジョワ一家の習慣や伝統が破壊され塗り替えられていく様を描いているらしいが、長男が初手で共産主義に目覚めているし、そもそもの習慣や伝統が描かれていないし、終盤では党における長男の役割が大きくなり、ブルジョワ一家は相変わらず豪邸で暮らしていることで党幹部の反発が大きくなっていく様を描いているので、むしろ変化していないのでは?

・作品データ

原題:Uloga moje porodice u svetskoj revoluciji
上映時間:86分
監督:Bahrudin Čengić
製作:1971年(ボスニア)

・評価:50点

・バフルディン・チェンギッチ その他の作品

★ Bahrudin Čengić『Playing Soldiers』ボスニア、戦後も残るナチスへの敵対意識とその暴走
★ Bahrudin Čengić『The Role of My Family in the World Revolution』ボスニア、狂乱の共産主義者たちによるナンセンスギャグ100連発

いいなと思ったら応援しよう!

KnightsofOdessa よろしければサポートお願いします!新しく海外版DVDを買う資金にさせていただきます!

この記事が参加している募集