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#139 腰骨を立てる 〜親から子への最大の贈り物〜

突然ですが質問です。


今この記事を読んでいるあなたの腰骨は、立っているでしょうか?


「腰骨が立っている」とは、背筋が伸びた良い座り姿勢であることとほぼ同義です。

昔から、「美しい姿勢を保つことが大事」とはよく言われますが、私も気を抜くと姿勢が崩れていることがあります。

今回は、森信三先生の「立腰教育」に触れながら、仕組みで姿勢を整える方法について書きました。


立腰教育とは

私が改めて姿勢を意識するようになったきっかけは、これまでの記事でも何度か取り上げている『致知』という雑誌です。

『致知』と関係の深い人物に、森 信三先生という方がおられます。「国民教育の父」とも言われる人物で、平成 4 年に 96 歳で亡くなられるまで、教育に人生を捧げられました。

その森先生が教育の根幹に据えていたのが、「立腰(りつよう)教育」です。何事も腰骨を立てるからこそ集中して取り組むことができ、精神力や人間力も磨かれる、という考え方です。

教育現場においても、「まずは腰骨を立てるところから始めよ」と森先生は説きました。この教えを受け継いでいる学校は、今も全国にあります。

兵庫県にある阪急幼稚園も、そのひとつです。『致知』8 月号に、ここの園長先生のお話が出てきます。松本さんという方で、40 歳の時、晩年の森信三先生に直接お会いしているそうです。

このときに森先生が語ったのが、次の言葉でした。

腰骨を立てることを、子どもに習得させることができたら、親としてわが子への最大の贈り物といってよい

親が子に対してできることは、たくさんあります。その中で「最大の贈り物」と言い切っておられるところに、私は少なからぬ衝撃を受けました。


背もたれのない椅子

松本さんはこれを機に、自身の経営する幼稚園で立腰教育の実践を始めました。教えたのは、以下のことです。

  • 座るときは常に腰骨を立て、

  • アゴを引き、

  • 下腹の力を抜かない

最初は、各クラスを担任する先生たちに理解してもらうのに苦労したといいます。それでも粘り強く説明し、取り組み続けたところ、園児たちに明らかな変化が起こり始めました。常にソワソワしていて先生の話を静かに聞くのが難しかった子が、落ち着きを身につけ、人前でも立派に発表できるようになっていったそうです。

印象的だったのが、年中クラスと年長クラスの椅子には背もたれを付けていないというお話です。たしかに、背もたれを無くしてしまえば、物理的に腰骨を立てるほかなくなります。個々人の意識に頼るのではなく、環境からアプローチする。ここがとても良いと思いました。

習慣形成の名著『Atomic Habits』には、やめたい習慣は「難しくする」(Make It Difficult)というルールが登場します。背もたれを外すのは、もはや「不可能にする」(Make It Impossible)です。何かの習慣をやめるには、これが最強です。


身体と心は、相即する

森先生の本には、「身心相即」(しんしんそうそく)という言葉が出てきます。「身体と心は密接に関わり合っている」という意味です。

どちらかが先ではなく、両者を同時並行で鍛えるということだと理解しています。先に腰骨を立てるからこそ、集中力や精神力が増していく。そういう面は実際にあると思います。

ちなみに今年の 6 月、『致知』の購読を申し込んだタイミングで、「父の日」にちなんだキャンペーンが開催中でした(紛らわしいですね)。

その特典が、森信三先生の『父親のための人間学』という本です。硬派な内容なので少しずつ読み進めていますが、ここでも立腰教育について触れられていました。先生が本当に大切にされていた考え方であることが分かります。


物理的にアプローチする

ここで、私の椅子事情を少しだけ紹介します。

私はかれこれ 12 年以上、同じ椅子を使っています。オカムラという国内メーカーの、VILLAGE(ビラージュ)という座面が広めのモデルです。

その上に、Style Athlete という姿勢サポート器具を乗せて座っています。これがあることで、強制的に腰骨が立つほか、椅子本体の座り心地はあまり関係なくなります。

椅子単体で完結させようとすると、自分のニーズを満たすのは高級なオフィスチェアになってきます。しかしこの組合せであれば、トータル 3 万円台で求める環境が実現しました。

ただし、姿勢サポート器具は人によって合う合わないがあります。気になる方は、東急ハンズやビックカメラなどで実物を試してみてください。

最も手軽な方法

その他、良い姿勢を保つための手軽な方法として、「腰骨を立てる」と書いた付箋を、目に見える位置に貼っておくのも効果があります。

ただ私の経験上、1 週間くらい経つと付箋が風景と同化して、何も感じなくなります。そのため、週に 1 回は書き直したり、貼る位置を変えたりして、新鮮さを保つ必要があります。


まとめ

意識だけに頼ると、姿勢はすぐに元へ戻ります。

腰骨が寝ていることに気づいたら、自分を責める前に、環境(特に椅子)のほうを変えてみてください。

気合いではなく仕組みによって、姿勢を保つ習慣を設計していきましょう!




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▼ 浩平のプロフィール
・コーチ 4年目(2026年8月現在)
・京都大学工学部 / 同大学院 → 技術職 9年 → 教育ベンチャー 3年 → 独立
・座右の書:Atomic Habits
・好きな習慣:早起き / 読書 / 内省 / 筋トレ

「理系院卒 → 大手終身雇用」というレールを離れ、ライフコーチとして独立しました。「良い習慣づくり」をテーマに発信しています。

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