それでも人生にYESと言おう~名著『夜と霧』にみる人間の本質~
1.名著『夜と霧』との再会
第二次世界大戦中のナチス・ドイツによる強制収容所での極限状態の過酷な体験を描いた書籍『夜と霧』をご存じだろうか。
精神科医のヴィクトール・E・フランクルが1946年に発表した世界的な名著であり、すでにお読みになった方も多いことだろう。
私自身も若い頃に読み、その深い感動が心に残り続けている一冊である。
先日、「悟り的セラピスト」のリリさんが、ご自身のYouTube番組『悟リリチャンネル』のなかで本作の感想を語っている動画に出会い、あらためて『夜と霧』の深い理解と真理の気づきにつながったのでここで紹介したい。
2.極限状態に現れる「人間の狂気」と「光」
この本は、人間の本質とは何かを鮮明に描いた作品と言える。
アウシュビッツで知られるナチスの強制収容所では、無抵抗な人々への無慈悲な暴力と虐殺が行われ、まさに人間の狂気の深さがむき出しになっていた。
しかし本作には、そうした闇の体験だけでなく、人間の「光」の部分も同時に描かれている。飢えと衰弱の極限状態にありながらも、わずかばかりの自分のパンを他者に分け与える者。
自身も辛い状況にあるにもかかわらず、同じように苦しむ仲間を励ます者。
それはまさに、人間の二元性を超越した「無償の愛」が顕在化した姿であった。
3.光と闇の二元性を超えた「人間の本質」は無償の愛
さらにリリさんは、本作のなかで描かれるドイツ兵(加害者)とユダヤ人(被害者)の関係が、単純な二項対立を超えている点にも触れている。
それぞれの集団のなかには、置かれた立場に関係なく残虐さや冷酷さを示す者もいれば、逆に思いやりや優しさを示す者もいた。
つまり、人種や国家、組織といった枠組みで決まるのではなく、「一人ひとりの人間が善と悪、光と闇、陰と陽の二元性を併せ持っている」ということである。そして、そのどちらをも表現しうる存在(=二元性を超えた無償の愛)こそが人間の本質であることを、この本は圧倒的なリアリティをもって教えてくれる。
著者のフランクル先生自身もまた、自分の中にその両面の性質を併せ持っていたからこそ、あの過酷な状況を生き抜くことができたのだと語っている。
4.「それでも人生にYESと言おう」
絶望的な極限状態のなかでこそ、人は真理を見出す瞬間があり、そこには言語を絶するほどの感動がある。
動画の最後に、極限状態の強制収容所で人々がともに歌うように語った言葉として、フランクル先生の『それでも人生にYESと言おう』という言葉が紹介されている。
リリさんは、とことんまで自分の弱さを見つめ、受け容れたその先に見出される「人間の本当の強さ」、その境地が、この短い言葉で表現されているのだと言う。
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私は今回の動画を視聴して、あらためて『夜と霧』の、リリさんの明晰で深い洞察に基づく人間の本質の理解に感銘を受けた。
同時に、自分自身を含むこの世界への赦しと、自分の人生を無条件に受け容れようとする勇気をもらった気がしている。
そして、このフランクル先生のこの言葉は、この先どんなに時代が変わろうとも、人々に生きる勇気を与える『愛詩(あいことば)』として、輝き続けるのだろう。
