お金を掛けずに非日常を体験するなら「エクストリーム散歩」をしよう
時間とエネルギーを持て余している、お金のない皆さん。
私が近年ハマっている「エクストリーム散歩」という遊びを紹介します。
ざっくり言うと、「スマホを使わずに」「見知らぬ土地を」「ゴール目指して何十キロも歩く」という過酷な遊びです。
そう聞いて「何それ面白そう」と思ったドMな暇人のみ、この先を読み進めてください。
そうでない大多数の皆さんも、もし暇なら、「世の中にはこんなことを楽しめるバカがいるんだなぁ」という視点で読んでいただいても構いません。
エクストリーム散歩誕生のきっかけ

事の始まりは、新宿で飲んで終電を逃したある夜、ふと「こっから勘で歩いて帰ったら面白いんじゃね?」と思ったのがきっかけでした。(酒と深夜テンションって怖い)
0時半に新宿を出発して、道中迷いながら隣県の自宅にたどり着いたのは昼の11時でした。
歩いた距離は約50km。10時間以上徹夜で歩き通して、家に着いた瞬間に泥のように眠りました。
しかし、その時に味わった非日常感や達成感がどうしても忘れられず、私はいくつかのルールを設けて「エクストリーム散歩」と名付けました。
それから年に数回、一人で、もしくは興味を持ってくれた友達とエクストリーム散歩をするようになりました。
エクストリーム散歩のルール
エクストリーム散歩にはいくつかのルールがあります。
いずれも散歩をエキサイティングで非日常なものにするために必要な縛りです。
その1:スマホの地図アプリ使用禁止
スマホを使って道を調べてはいけません。
次は右か左か。選ぶのはスマホではなく、あなた自身です。
今は地図アプリのおかげで知らない街でも迷わずに真っすぐ目的地へ向かえますが、エクストリーム散歩では文明の利器に頼らず、自らの力でゴールを目指します。
道路標識や住所表示などを頼りに現在地を探ったり、高層の建物を目標にしたりしながら進みましょう。
時には古代の人々のように、太陽や月、星などの天体から方角を見出すこともあります。
ええ、もちろん迷います。1時間以上歩いてから真逆に進んでいたことに気づくこともあります。
しかし、それがエクストリーム散歩の一番の醍醐味なのです。一気にサバイバル感が出て、非日常を味わえます。
また、迷った先で思わぬ発見や面白いものを見つけることもあります。歩く道、見える風景すべてが一期一会の出会いになるのです。
ちなみに、あくまで「スマホの地図アプリ禁止」なので、写真を撮ったりメモしたり、気になるものをその場でググったりするのはセーフです。
その2:片側2車線以上の道路沿い歩行禁止
片側2車線以上の大きな道路沿いを歩いてはいけません。
歩いていると大きな国道などにぶち当たることがありますが、そういった道は大体どこにたどり着くかわかってしまい、ひたすら同じ道を延々と歩くだけの作業ゲーとなってしまいます。
これは初回の反省を生かしたルールです。
ひたすら国道沿いを歩きましたが、風景があまり変わらず苦痛でした。
このままずっと真っすぐ歩けば帰れるという安心感はありましたが、途中からあえて国道を外れて深夜の住宅街をさまよいました。少し怖かったですが、サバイバル感が半端なかったです。
(同時に、これが出来る日本の治安の良さに感謝しました)
したがって、1mたりとも沿って歩いてはいけないという厳密なものではなく、あくまで延々と同じ道路を歩き続けることを防ぐためのルールになります。
その3:線路沿い歩行禁止
これもルールその2と同じ理由です。
線路や片側2車線以上の大通りに出てしまったら、引き返すか、一番近い踏切や横断歩道まで行って(その間は沿って歩いても大丈夫です)横断しましょう。
その4:道路上にある地図は5回まで使用可能
スマホの地図は禁止ですが、広域避難地図などの路上に設置された地図は5回まで使用可能です。(5回という回数に深い意味はありません)
迷いに迷ってもうどうにもならない、ここぞという場面のために温存しておきましょう。もちろん全く使わなくてもOKです。
その5:飲食店入店禁止
「殺す気か?」そんな声が聞こえてきそうですが、1回くらいコンビニで軽く補給する程度ならOKです。
ただ、ゴールにたどり着くまで「ちゃんとした食事」は禁止です。
その代わり、ゴールしたら好きなものを好きなだけ食べてください。
これが涙が出るほど美味いんです。名付けてゴール飯。エクストリーム散歩の醍醐味の一つです。
もちろん水分補給は忘れずに。一度真夏に熱中症になりかけました。
こんなくだらない遊びで死んだら、見知らぬ土地で地縛霊になってしまいます。気をつけましょう。

今後の人生でこれ以上の親子丼を食べることはないでしょう。
冗談抜きで、黄金に輝いて見えました。
エクストリーム散歩を楽しむコツ
エクストリーム散歩を単なる苦行ではなくワクワクする冒険にするために、いくつか重要なポイントがあります。
楽しいエリアを歩こう
地方在住の皆さん、すみません。
ここまで書いておいてなんですが、この遊び、東京などの都市部じゃないとあんまり楽しめないと思います。
ごちゃごちゃした街並みのほうが、歩いていて飽きないのは言うまでもありません。
大都市なら、深夜でも街灯があって歩きやすいですしね。

そんな好奇心をくすぐられる道を歩きましょう。
楽しいエリアを歩くためには、スタート地点とゴール地点を上手いこと決める必要があります。
エクストリーム散歩はノープランの散歩ですが、どこからどこを目指すかはよく吟味して決めています。
参考までに、私が毎回どのようにスタートとゴールを決めているかお伝えします。
スタート地点の決め方
私はラーメンが好きなので、「気になってたけど遠くて行ってなかったラーメン屋」をスタートにすることが多いです。
スタート位置で満腹になってからスタートすれば、ゴールまで何も食べなくてもギリギリ耐えられます。
あとはシンプルにデカい駅とか、友達の家なんかをスタートにすることもあります。
ゴール地点の決め方
できるだけ「自宅まで乗り換えなしで帰れる始発駅」にすることが多いです。
何十キロも歩いた後は、座って帰りたいですからね。
また、歩く距離はおおよそ30~50キロくらいに収まるようにしています。
個人差があるので一概には言えませんが、私はそれくらいが達成感と疲労感のバランスが良いと感じます。
ただ、ルートが決まっていないので、距離は予想で決めるしかありません。
あくまで目安ですが、Googleマップの経路検索で表示される距離と時間のだいたい1.5〜2倍くらいになることが多いです。
例えば、30km歩きたいなら、Googleマップで15〜20kmの徒歩経路になる距離にスタートとゴールを設定します。

これで実際はおよそ50km, 10時間掛かりました。
そして大切なのは、「歩いてみたいエリア」を通るようにスタートとゴールを設定することです。
例えば、「新宿と横浜はよく行くけど、その間のエリアって何があるんだろう?」と思って、新宿と横浜をスタートとゴールに設定したことがあります。
そういった「土地勘が全く無い訳ではないが、あまり馴染みのないエリア」を歩くようにスタートとゴールを決めるのがおすすめです。
土地勘がゼロの地域を歩く場合は?
さすがに詰んでしまう可能性があるので、歩くエリアの以下のポイントだけ頭に入れておくようにしています。
・市区町村のざっくりとした位置関係
・主要な街や駅のざっくりとした位置関係
・鉄道路線や主要河川のざっくりとした位置
このあたりだけ頭に入れておけば、道路標識などで地名を見たり線路を見つけたりしたときに、なんとなくの現在地と進むべき方向がわかります。
あくまでざっくりですよ。出発する日まで、地図は凝視せず遠目で見るようにしましょう。
歩く時間帯を決めよう
スタートとゴールが決まったら、スタートする時間を決めましょう。
スタート時間を決めるためにまず必要な判断軸は、「深夜に歩きたいか否か」です。

栄養素があります。
深夜歩きたい場合
夜9時以降の出発がおすすめです。
あまり早くスタートし過ぎると、夜が長すぎてダレてしまう可能性があるからです。
徹夜で歩くことになる上に、電車が動き出すまでリタイアが難しくなるので覚悟が必要ですが、深夜に見知らぬ土地を歩く非日常感は半端ないです。
よく「夜通し歩いていて眠くならないの?」と聞かれますが、歩いている間は眠気に襲われたことがありません。人間の生存本能でしょうか。
その代わり、ゴールして飯を食って、電車の席に座った途端に意識がなくなります。寝過ごしに注意しましょう。
深夜は歩きたくない場合
明るい時間帯だけ歩きたい場合は、できるだけ朝早くスタートすることをおすすめします。
夜明け前後のエモい時間帯を楽しめる上に、時間に余裕が生まれるからです。
避けたいのは、あまり考えずに昼以降にスタートして、終電に間に合わなくなることです。
数十キロ歩いた末に終電を逃して帰れなくなるのは悲惨ですね。
加えて、時間に追われてしまうと、面白いものを探したり遠回りでも面白そうな道を選んだりする余裕がなくなり、エクストリーム散歩の良さが半減してしまいます。
時間に追われる日常から離れて、時間を気にせず無駄を全力で楽しむ非日常に浸かりましょう。
チェックポイントを設定しよう
これは必須ではないのですが、最近は道中にチェックポイントを設定しています。
スタートとゴールの間に行ってみたいスポットやランドマークがあれば、そこをチェックポイントにする感じです。
例えば、スカイツリーや東京タワー、浅草寺、レインボーブリッジなどをチェックポイントにしたことがあります。
スカイツリーなどの高い建造物は遠くから見えますし、浅草寺クラスの超有名スポットなら道路標識などに表示されていることが多いので、意外と地図なしでたどり着けます。
また、上手くチェックポイントを設定すれば、気になるエリアを通過しながらゴールを目指すことができます。
ぜひ気になる場所をチェックポイントに設定してみてください。観光もできて一石二鳥ですよ。

普段は観光客でごった返す場所も、寝静まっています。
GPSトラッキングアプリで記録しよう
スマホの地図アプリは禁止ですが、GPSはオンにして、トラッキングアプリで記録しています。
ゴールした後、何キロ歩いたのか、自分がどこを通ってきたのか、どこでどう迷っていたのか、道中見つけた気になる建物の正体は何なのか、などを答え合わせするのは中々楽しいですよ。

人に見せると大抵ドン引きされます。
仲間と一緒に歩こう
一人で気の向くまま歩くのもいいですが、誰かと一緒に歩くともっと楽しいです。
喋れるので気が紛れますし、いい思い出になります。
また、安全の面でも夜中は複数人で歩いたほうがいいでしょう。
問題はこのイカれた遊びに最後まで付き合ってくれる人が見つかるかどうかです。
「なにそれ面白そう」と乗ってくれる友達がいたら、その友達は特に大切にしたいですね。
次の日は休もう
フルマラソンレベルの距離を、スタート時間によっては夜通し歩くのですから、次の日に予定がある日は避けるのが賢明でしょう。
私は基本的に年末年始やGW、三連休の初日などに出発して、次の日は休息日として家でのんびり過ごします。いや、正確には死んでます。
サブクエストを設定しよう
何十キロもひたすら歩き続けていると、当然中だるみもします。そうした中だるみを防ぐ意味でも、サブクエストを設定するようにしています。
例えば「レアな自販機を見つける」とか「自分の名字の表札を見つける」といった、何かを見つけるようなことをサブクエストにしています。
サブクエストなので必ず達成しないといけない訳ではありませんが、道中がより楽しくなるのでおすすめです。

普段からレアな自販機を探すようになってしまいました。
おわりに
この記事を読んで、実際にエクストリーム散歩をやってみようと思う物好きな方はいるのでしょうか?
「最近こんな遊びしてるんだー」って感じで誰かに話すと、9割ドン引きされますからね。
でも1割くらいは食いついてくる人がいます。
街歩きが好きで、お金を掛けずに非日常を味わいたいなら試してみてもいいかもしれません。
くだらない遊びなので、もしやるならくれぐれも安全第一、自己責任で楽しんでくださいね。
実際のエクストリーム散歩の様子を追体験したい方は、こちらの記事をどうぞ。
