八月納涼歌舞伎
歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」第三部を鑑賞。
『舞鶴雪月花』は、中村屋ファミリーによる華やかな変化舞踊。
趣向を凝らした演出にコミカルな場面も織り交ぜられ、明るく楽しい舞台だった。
続く『雪』は、坂東玉三郎さんによる地唄舞。
昔の恋人に思いを馳せる女性の心情を、繊細で気品ある所作によって丁寧に描き出す。
一瞬一瞬の動きがまるで一枚の絵画のようで、その美しさに見入った。
『残月』も玉三郎さんによる地唄舞。
照明の効果もあってか、玉三郎さんが薄い紗に包まれたかのような幻想的な舞台。
まるで「あの世」の世界を覗いているかのような、不思議で幽玄な時間が流れていた。
『雪』と『残月』の二演目は、歌舞伎座では珍しいほどシンプルなセットの舞台。
削ぎ落とされた空間だからこそ、玉三郎さんの研ぎ澄まされた芸がより際立ち、ただひたすらにその美の世界へと浸ることができた。
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