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幼なじみの咲月#9【きいてない】

奥:さっちゃんがいいなら私も頭撫でてほしいです!!

頼りにしていた天使の突然の裏切りに言葉を失う。

マジか・・・・いろはちゃん・・・

さつきが2人にも体験してほしいと言い出したせいで、まおちゃんといろはちゃんから頭を撫でろと迫られている。


五:じゃあまおから!

わわっ;;

パッと距離を詰められて逃げ場を失う。



なんなんだこの展開は、いずれにしてもひっくり返すのは難しそうだ。

適当にささっと終わらすしかないか・・・



〇:えっと、じゃあ;;やるよ

五:え、ちゃうちゃう、そーいうのちゃうって

ん?

五:ちゃんと雰囲気作ってやって

〇:雰囲気?

五:「まーおちゃん♡テストがんばったね、お疲れさま♡」ってイケボで言ってナデナデやね


はあ?ナニソレ・・・

五:はいっ;ええよ/////

撫でやすいように頭を下げて黒くて艶やかな髪をオレの前に無防備に晒す。

これ触っていいのか?ほんとに;;

五:ちゃんとやんなかったら何度でもやり直しやからな!

いやいや;;

そもそもやる理由が無いだろと思いつつ、まおちゃんのどアップに抗える気はしない。

何度もってのはさすがにしんどいぞ。

身を削ってでも一発キメるしかないか・・・


ふうぅー

覚悟をきめてから静かに長く息を吐いて、自分じゃないイケボの誰かを憑依させる。




〇:・・まーおちゃん

五:はぇっ、は、はあぁ;;;;;

意識して出した低音に分かりやすく反応するまおちゃん。

〇:ん?

五:いや、なんもない/////けど;;

初めてしまった手前、途中ではやめられない。

焦らずゆっくり、さらにワントーン低い声で包み込むように続ける。

〇:テストがんばったね・・・おつかれさま・・・


指定されたセリフを丁寧に発してから艶たっぷりの黒髪に触れると、少しひんやりとした感触が指から伝わる。

へえ・・・

さつきの髪とけっこう違うんだな・・・

細さというか質感というか・・・

そのまま手を滑らすとビクンと細い両肩が上がる。

んっ;;?

なんか違ったか?不安になって手を離すと

フルフルと顔を振りながら器用に睨みつけられる。

やめるなという事だろうか;;;


もう一度黒髪の上に手を置いてゆっくりと撫でてみる。

・・・・・・

・・・・・・

うーん・・・

・・・・・・

・・・・・・

なんか言ってほしい・・・

・・・・・・

・・・・・・

いいのか、悪いのか・・・

・・・・・・

・・・・・・

さっきから顔を伏せてて表情見えないし・・・

・・・・・・

・・・・・・

ってか、やめどきが全然分かんないぞ;;;

・・・・・・

・・・・・・

〇:あのー;;;

・・・・・・

・・・・・・

〇:そろそろいいかな?

・・・・・・

・・・・・・

〇:まおちゃん?聞いてる?

五:え、ああ;;;うん;;;



〇:こんなんでよかった?



五:ん、んぅー40点やな;;

〇:おぉ、厳しいね・・・

〇:けっこう頑張ったんだけど・・・やっぱ慣れない事はするもんじゃないなぁ

まあ好きでもない男に頭を撫でられて喜ぶ女子などいないという事だろう。

なんでやらせれたのか分からないが、頑張った分だけちゃんと傷ついたぞ。

そんなオレの表情に気づいたまおちゃんが早口で喋り出す。

五:あ;いや40点やけど、いい40点やから;;;

〇:ん?

五:な、なんや棒読みやったし/////

五:イケボっていうよりカワイイ感じやったし/////

五:ま、まあでも雰囲気は出てたな;;;ちょっとだけな/////

五:だから;;まおはそんなに嫌いじゃないけどな/////

五:40点やけど/////




・・・・・・

・・・・・・

〇:ふっ



五:な、なんやねん/////

〇:いや、別に・・・ふふっ

五:うぅぅーーーー////////

言葉と裏腹なまおちゃんの仕草と真っ赤な顔がおかしくなってしまって吹き出すとたっぷりめに威嚇される。

可愛い反応だ。

たぶん身を削ったかいはあったんだろう。

40点って事はなさそうだ。







奥:はいっ!次いろはですっ!お願いしますっ!

今までで一番テンションの高いキラキラの笑顔が迫ってくる。

こっちもささっと終わらせるしかなさそうだ;;;


〇:じゃあ、やるよ

奥:はいっ!


ふうぅー

静かに長く息を吐いて、また自分じゃないイケボの誰かを憑依させる。


〇:・・・いろはちゃん。テストおつ・・・

奥:あ、待ってください。呼び捨てで!

〇:はい?

奥:呼び捨ての甘々ボイスで「いろはー、偉いぞー」からの甘々ラブラブナデナデでお願いしますっ/////

えっと・・・・

奥:甘々ですっ!

甘々?なにそれ?オイシイノ?

奥:あ、耳元で囁く感じでっ!!

・・・・・・

奥:撫でる力加減は強めでっ!!

・・・・・・

奥:それから毛先までしっかり触ってほしいですっ!!

・・・・・・

・・・・・・


〇:お客様、そういう細かいリクエストはちょっと・・・

奥:じゃあ、お願いしますっ!!

無垢な瞳からキラキラストレートを放ってから、ふんわりと柔らかそうな髪を甘い香りと共にオレの前に晒す。

はい、聞いてない・・・

さっきまでの遠慮がちな天使はいったいどこへ・・・


はあ・・・

さすがに分かっている。もうやるしかないんですよね、これは・・・

仕切り直しというか方向転換か・・・

ふうぅー

静かに長く息を吐いて、自分じゃない甘々ボイスの誰かを憑依させる。



耳元で囁くか・・・

キレイすぎる首筋に緊張しつつもなんとか顔を近づけて、いろはちゃんの小さくて窮屈そうな穴に狙いをつける。

入り口に触れてしまわないように気をつけながら、ギリギリの距離に口を固定する。

リクエスト通りに多めの息に声を少しだけのせて、穴の奥の薄い膜を揺らす。

〇:いろはぁー/////

奥:あひゃっぁ;;

聞いた事の無い反応にやりすぎたか;;と不安になるが

初めてしまった手前、途中ではやめられない。

甘さマシマシで細い穴の奥の膜のさらに奥まで届くように入り口に近づく。

〇:偉いぞぉー/////

奥:わわぁわぁあ;;;;;;

指定されたセリフを忠実に発してからふんわりとした外ハネの部分から触れてみると、予想以上の柔らかさに感心してしまう。

へぇ・・・

まおちゃんのとまた全然違うな;;;

質量というか水分量というか

・・・・・・

・・・・・・

えっと、強めで・・・

毛先までしっかり・・・

天使の言う事は絶対だ。

リクエストに忠実に業務を遂行していると


奥:・・・バい;;;

ん?

ぼそぼそといろはちゃんから小さい音が漏れ出ていて耳を近づけてみる。



奥:・・・えぇぁぇぁ、これヤバいヤバいぃ;;;
奥:・・・なんか気持ち良すぎてポワポワするぅ;;;
奥:・・・ほらポワポワーってなってなんか身体熱いぃ;;;
奥:・・・癖になっちゃうかも;;;
奥:・・・っていうかもうめっちゃ好き、ダメかもぉ;;;
奥:・・・どうしよどうしよヤバいヤバいぃ;;;




いろはちゃん・・・

全部口から出てるんですけど/////

どんな反応をしていいのか分からない。

天使の呟きは聞こえていない事にしておくのがよさそうだ。

・・・・・・

・・・・・・

奥:〇〇さんぅ、ありがとうございましたぁっ!!

〇:あ、うん。お粗末さまでした;;;



なんだかお酒でも飲んだような表情と口調が気になるが、おそらくつとめは果たす事ができたんだろう。

どうなる事かと思ったが、さつきの友達の頭をナデナデするという高難度ミッションを無事完遂する事ができた。






味わった事の無い緊張が解けて脱力する。

なんかすごく疲れたぞ;;;んっ?

後ろから高速で肩をテテテテっと叩かれて振り向くとギラギラの眼が待ち構えていた。

咲:次わたしわたしっ!!


〇:なんでだよ;;;さつきはいいだろ;;;

咲:「さつき、愛してる」ってギューってしてからのナデナデよしよし!

咲:からの「ごめん、もう我慢できない」ってチューって!!ブチューって!!!!

ダメだ、聞いてない;;;

ご褒美関係ないし;;;

咲:はい、お願いします//////////

全身の前面が接地するくらいに距離を詰めた後に、うっとりした表情で唇を突き出してオレの前に晒す。

〇:だから;;;

咲:ねえ、お願い/////


〇:外でそんなのするか!これでいいだろ;;;

咲:あ!・・・

雑な感じでクシャクシャっと一瞬髪を触ると、嬉しそうに目を瞑る。

咲:ふへへへ///////


あれ?思ってた反応と違う。

咲:ありがと、〇〇/////



なんだその反応。いいのかよ、こんなんで・・・

てっきりちゃんとやってよとか文句を言われると思ってたんだが・・・

なんだか申し訳なくなって、自分が乱してしまったさつきの髪を整えてからいつもの加減で色素の薄い髪を撫でつける。

咲:あぁ・・・ふへへへぇええぇぇ

さらに嬉しそうに目を閉じるさつき。

うわぁ;;;


なんなんだよ;;;この生き物;;;


流石に可愛いがすぎるだろ//////////





一通り撫でてから少し指を立ててさつきの髪の中に入り込んでいく。

乱れたとこはまた後でなおすからちょっと好きにさせてくれ///

脳内でおことわりを入れてから好きなように右手でさつきを味わってみると思い知る。


やっぱりさつきの髪が一番手になじむ。

安心するというかなんというか。

これなんだよな・・・

ここなんだよな・・・

と思ってしまう・・・



ここが休日のショッピングモールである事を忘れてさつきの髪にしばらく夢中になっていたが、近距離でじいーっと見られている事に気づいて手を止める。

〇:あ;;;




五:その感じめっちゃいいやん

奥:うん、分かるぅ

〇:ん?

五:だから!その雑に扱ってからちゃんと優しくする感じ!まおにも次それやってー!

〇:いや、もうやんないって;;;

奥:いろはの2回目はこっちの穴にお願いしますぅ

〇:いろはちゃん・・・穴じゃなくて耳って言おうか;;;それと2回目とかないから;;;



五:じゃあ、まおからな;;

奥:えー、こんどはいろはが先ぃ

ダメだ、2人とも聞いてない;;;




〇:体験してもらったしもういいだろ、2人にも言ってくれよ;;

そもそもさつきが言い出さなければこんな事になってないんだ。

さつきがもう終わりってくれたらそれで解決だ。

・・・・・・

・・・・・・

〇:さつき?

・・・・・・

・・・・・・

〇:聞いてる?





咲:ふへへ・・・



咲:ふへへへへ・・・・・



咲:ふへへっへへへっえへへへ・・・・・



どっぷり余韻に浸かっている。


ダメだ、2人じゃなくて3人とも聞いてない;;;


【続く】






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