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MSX2+キラータイトル『F1スピリット3Dスペシャル』を買った日

高校生の頃、MSXに夢中になっていたころの思い出話です

私だけがMSX2+

私のクラスにはMSXユーザーが6人ほどいて、MSX連合を結成していました。その中で、他のみんなはMSX2で、私だけがMSX2+でした。

MSX2+はFM音源が内蔵されていて、PSG音源しか内蔵していないMSX2より音はいいのですが、そのほかにこれと言っていいところはありませんでした。MSX2+専用ソフトというのもほとんどなく、単に音がいいMSX2という感じでした。

MSX2+専用ゲーム「F1スピリット3Dスペシャル」

しかし、数少ないMSX2+専用ソフトとして、あのコナミから「F1スピリット3Dスペシャル」というゲームが発売されていて、ずっと気になっていました。

私たちMSXユーザーはみんなコナミの虜でした。
私は、「F1スピリット」は既に持っていて、MSX1でも動くこのゲームは、カセットの中にSCC音源というものが内蔵されていて、音楽も豪華で、とても面白いゲームです。弟と2人対戦プレイでイヤというほど遊びました。間違いなく名作です。

そして、友達から借りた「夢大陸アドベンチャー」。これもまたMSX1で動くのに、とんでもなく面白い3Dゲームでした。

レースゲームの「F1スピリット」、3Dゲームの「夢大陸アドベンチャー」この2つの傑作を生み出したコナミが、満を持してMSX2+専用ソフトとして作った3Dレースゲーム「F1スピリット3Dスペシャル」、絶対面白いに違いありません。タイトルに「スペシャル」とまで入ってますからね。

買うまでに結構悩む

しかし当時の高校生にとって、ソフト一本は決して安くありません。
バイトもしていなかった私は、買うかどうしようか相当迷いました。
そもそもMSX2+が私だけなので、これを買ってもMSX2の友達との貸し借りにも使えません。
それでも、あのコナミの“F1スピリット”の名を冠した3Dレースゲーム。
みんな、ごめん。自分だけしか遊べないけど、買うよ。

ついに購入!そして

悩んだ挙句、ついに「F1スピリット3Dスペシャル」を購入し、弟と一緒にゲームを遊んでみます。
まず、タイトル画面で、テッカテカの文字で「F-1 SPIRIT 3D SPECIAL」と表示され、おぉ~、さすがMSX2+、MSX1の「F1スピリット」とは文字のテカテカ加減が全然ちがうな、とワクワクします。タイトルの音楽もT-SQUREの「TRUTH」を陽気にした感じで、テレビ番組のF1みたいです。そしてそのままタイトル画面を眺めていると、実写のようなF1の絵が表示されて、おぉ~、さすがMSX2+、完全にPC-88を超えたな、と感動しました。

そして、いよいよ、ゲームを開始します。「F1スピリット」と同じような、でもパワーアップしているセッティング画面を経由し、いよいよレースがスタートします。

「プ・プ・プゥン」
「ブゥーーン」

私、弟:「…」

「ブゥーーン」

ショボい。それに閑散としています。敵のマシンが全然現れません。しばらくして、ようやく1台現れ、追い越します。

「ブゥーーン」

またしばらくすると敵のマシンが出てきます。抜き去ります。

なんだろうな、なんか、爽快感がない。弟もすぐに何かを悟ったようです。

弟:「…面白い?」
私:「…まだ分からない」

なんか、小学生のころファミコンで遊んだ、任天堂のF1レースのほうが爽快感があるような…

しばらく遊んでみます。一通り遊んで、次に弟も遊んでみます。

弟:「これ、MSX2+専用ゲーム…だっけ?」
私:「そう、ね」

弟:「コナミ、よね」
私:「そうね。コナミ」

弟:「どの辺がMSX2+専用なんやろ」
私:「さぁ、たぶんタイトル画面の絵かな」

その後、MSX2+だからこその“何か”を探して遊んでみましたが、結局見つからないままゲームを終了し――

私:「F1スピリット、やるか」
弟:「そうね」

結局、ギラギラしたSCC音源が鳴り響く、いつもの“無印”の方がずっと楽しかった。
MSX2+の輝きは、タイトル画面のテカテカしたロゴと、実写さながらの一枚絵、そしてあの一瞬のワクワクだけだったのかもしれません。

でも、やっぱりコナミが好き

「F1スピリット3Dスペシャル」は、期待していたほどの爽快感も、MSX2+専用ならではの特別感も、私には感じられませんでした。
それでも、コナミがこれまで生み出してきた名作や、ゲーム作りへのこだわりを思うと、やっぱり私はこのころのコナミが好きです。期待と少し違った体験でも、あの頃のワクワク感や信頼感は揺るぎません。


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