【読了】 五条紀夫 「殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス」
五条紀夫「殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス」
TLでみた本
メロスは激怒した。不甲斐ない我が身の未熟によって、佳き友が縄打たれてしまったのだ。懸命に走りながらも己に足りなかったものを数えては、メロスは後悔せずにはいられなかった。
タイトルがちょっとずるいぐらいに面白そうすぎた本。
ちなみに目次もニヤリとする系。
ぐうずるい。
一行目から原作というのかオマージュ元というのかまぁともかくほぼあのままで、しかしながら決定的に異なる語彙が混じり混むカオス具合がもう面白い。
2冊並べて引き比べながら読みたいぐらい。
改めて言うことでもないのだけれど、メロスは自分の身代わりに捕えられたセリヌンティウスのために期日までに王の下に戻らなくてはならない身の上にある。
心置きなく死ぬために妹の結婚式を早めるべく奔走するが、祝言の前夜、殺人事件が起こってしまう。
夕方に村を発つために昼から婚礼の宴を開始するには午前中に事件を解決しなくてはならない。
メロスのメロスによるメロスのための事件解決RTAが始まった。
タイトルで既に笑っていたけど、ツッコむ前に腹筋を直撃してくるノリと勢いに満ち満ちたメロスの道中は比ではなかった。
しれっと書かれている名前もよく見ると笑ってしまうし、気づいたらもう戻れない。
タイトル=内容の出オチ系でこんなに笑わせられるとは!
だいたい地の文(原文?)が程よく準拠していて所々で文学が香ってくるのがずるすぎる。
思わずしんみりさせられてしまってほんとに悔しいし怒られてほしい。
無駄遣いどころか才能を活かしすぎてて脱帽ですよまったくもう。
大変面白かったです!!
(20260705投稿文の再掲)
