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計画書づくりで「考える力」が育つ   ~私が最初に見る3つのポイント~

9月27日(日)、当社では全社員が集まり、年に一度の経営計画発表会を開催します。
ここでは私から約1時間、

  • 現在の福祉業界の状況

  • その中で当社がどのような立ち位置にいるのか

  • そして、これから何を目指し、社員一人ひとりにどのような行動を期待しているのか

についてお話しします。
その後は、各施設の施設長が、この1年間の施設の目的・目標・具体的行動を発表します。
発表を見ていると、皆、自信を持って堂々と話しています。
しかし、最初からそうだったわけではありません

最初の計画書は「こうなったらいいな」

毎年7月になると、施設長は施設計画を作り始めます。
この段階では、

「こうしたいな」
「こうなったらいいな」

という希望が多く含まれています。
もちろん、それが悪いわけではありません。
計画は理想から始まるものだからです。
ただ、そのままでは実行できる計画にはなりません。

赤ペン先生

8月になると、私と施設長との間で計画書のキャッチボールが始まります。
私は赤ペン先生になって、ひたすら質問します。

「これはどういう意味?」
「この目的は何のため?」
「その目標を達成したら何が変わるの?」
「そのためには何をするの?」
「本当にその行動で目標は達成できる?」

最初は答えられず、考え込んでしまう人も少なくありません。
しかし、このやり取りを3~6回ほど繰り返すうちに、少しずつ頭の中が整理されていきます。

  • この目的は何のためにあるのか。

  • 本当のゴールはどこなのか。

  • ゴールを達成するためには、何をすればよいのか。

こうして、計画書は「希望」から「実行できる計画」へと変わっていきます。
だから経営計画発表会では、自信を持って発表でき、社員からの質問にも自分の言葉で答えることができるのです。

まず最初に確認する3つのポイント

施設計画を見るとき、私が確認していることはたくさんあります。
その中でも、まず最初に確認するのが次の3つです。
この3つが整理されるだけでも、計画書の完成度は大きく変わります。

① 目的・目標・具体的行動がつながっているか

自分の希望だけで作った計画書は、このつながりが途中で切れてしまっていることがよくあります。
例えば、目的に

「社員同士が仲良く働ける職場をつくる」

と書かれているにもかかわらず、目標や具体的行動には、その目的につながる内容が書かれていないことがあります。
目的を達成するために、どの目標を設定するのか。
そして、その目標を達成するために、どんな行動をするのか。
この一本の線がつながっていなければ、計画書として機能しません。

② 目標は客観的に判断できる内容になっているか

目標は、「達成したかどうか」が誰にでも分かるものでなければいけません。
例えば、

「社員の笑顔を増やす」
という目標では、達成したかどうかを客観的に判断することはできません。そこで当社では、

  • 離職率○%以下

  • 利用者様の休み率○%以下

など、できる限り数字で表せる目標を設定します。
数字になれば、達成できたかどうかを誰もが同じ基準で判断できます。

③ 具体的行動は「○○のために□□」で書かれているか

当社では、具体的行動の書き方を「○○のために□□」という形で統一しています。
「○○」は、その行動を行う理由。「□□」は、実際に行う行動です。

例えば、
”利用者様に家庭的で温かみのあるおやつを食べていただくために、毎月1回スタッフによる手作りおやつを提供する。”

このように書けば、「なぜやるのか」と「何をするのか」が一目で分かります。
計画書は、自分だけが理解できればよいものではありません。
誰が読んでも意図が伝わることが大切なのです。

計画書を作ることが目的ではない

私は計画書を添削しているつもりはありません。
施設長の「考える力」「伝える力」を育てたいと考えています。
目的を考え、目標を考え、具体的行動を考える。
そして、「なぜそうするのか」を自分の言葉で説明できるようになること。

この力は、経営計画発表会のためだけに必要なものではありません。

日々の仕事でも、部下を育てるときでも、問題が起きたときでも、大きな武器になります。
だから今年も、私は施設長と何度も計画書のキャッチボールを続けます。
計画書を完成させることが目的ではなく、考える力を身につけ、自信を持って自分の言葉で語れる管理者を育てること。
それこそが、このやり取りを繰り返す本当の目的なのです。


まとめ
経営計画書は「こうなったらいいな」という希望から始まり、質問のキャッチボールを重ねることで、実行できる計画へと磨かれていきます。この繰り返しの本当の目的は計画書の完成そのものではなく、施設長が自分の言葉で考え、語れる「考える力」を育てることにあります。