「あの人は…」から「自分は…」に変わったとき、人は成長する
いろいろな社員と面談をしていて、思うことがあります。
「あの人は、ここがダメだ」
と、他人の問題を話す人。
一方で、
「自分は、ここが反省点です」
と、自分の問題を話す人。
みなさんは、どちらが早く成長すると思いますか?
おそらく、ほとんどの人が後者と答えるでしょう。
では、皆さん自身はどうでしょうか。
上司と面談をしたとき、どちらの話を多くしていますか?
意外と、
「あの人は……」
と、前者になっている人も多いのではないでしょうか。
成長するのは後者だと分かっているのに、なぜ私たちは前者を選んでしまうのでしょうか?
自分は正しいという先入観
「あの人は…」と話している人の頭の中は、
「自分はちゃんとやっている」
「自分はできている」
「問題があるのは、あの人」
と考えていることがあります。
もちろん、
本当に相手に問題があることもあります。
でも、
人には、うまくいったことは自分のおかげ、うまくいかなかったことは周りのせい、と考えやすい傾向があります。
心理学では、
こうした傾向を「自己奉仕バイアス」といいます。
だからこそ、
何か問題が起きたとき、
「自分にも問題があったのではないか」
より先に、
「あの人が悪い」
と考えてしまうことがあります。
研修で「ダメな例」を聞いたとき
これは以前、私自身にもありました。
セミナーや研修を受けていると、講師が「ダメな例」を出すことがあります。
「こういう考え方をする人は成長しません」
「こういう上司になってはいけません」
「こういう行動はやめましょう」
そんな話を聞いた瞬間、私の頭の中に浮かぶのは
「ああ、あの人のことだ」
「まさに○○さんだな」
と、身近の誰かでした。
でも、
よく考えてみれば、おかしな話です。
その研修を受けているのは、あの人ではなく私です。
本来、
研修は自分が学び、自分が成長するために受けているものです。
それなのに、
せっかく学んだことを他人に当てはめて、
「あの人はできていない」
と考えてしまう。
これでは、
せっかくの学びを自分の成長に使えていません。
本来考えるべきなのは、
「あの人はできているだろうか?」
ではなく、
「自分はできているだろうか?」
なのです。
この記事を読んで、誰を思い浮かべましたか?
そして、
これは研修だけの話ではありません。
本を読んだときもそうです。
人の話を聞いたときもそうです。
そして、
今読んでいただいているこの記事も同じです。
先ほど「自己奉仕バイアス」の話を読んだとき、
「ああ、あの人はいつも人のせいにしているな」
と、身近な人を思い浮かべませんでしたか?
もし誰かの顔が浮かんだとしたら、
あなたも同じなのです。
なぜなら、
今この記事を読んでいるのは、その人ではなくまぎれもなくあなただからです。
「あの人はどうだろう?」
ではなく、
「では、自分はどうだろう?」
なのです。
すると、
「自分にも似たところがあるかもしれない」
「自分も人のことばかり言っているかもしれない」
「自分にも直せるところがあるかもしれない」
と、何か一つ見つかるかもしれません。
その一つを見つけられるかどうかが、大きな違いだと思うのです。
面談で誰の話をしますか?
社員と面談したとき、
「あ、この人は変わり始めたな」
と感じる瞬間があります。
それまで、
「あの人は……」
と話していた人が、
「自分は……」
と話し始めたときです。
他人のことではなく、自分のことを話し始めた瞬間、人は成長し始めます。
「他人を変えること」に力を使うのではなく、「自分を変えること」に力を使う。
相手に向けていた矢印を、自分に向けてみる。
次に上司と面談をするとき、
「あの人は……」
と話したくなったら、少しだけ考えてみてください。
「では、自分はどうだろう?」と。
まとめ
他人の問題ばかり語る人より、自分の反省点を見つけられる人のほうが成長します。次の面談では「あの人は」ではなく、「では、自分はどうだろう?」と考えてみましょう。
