人は、こころ折れる日がある
覚悟を決めれば道は開ける。
努力すれば結果はついてくる。
そう信じていた。
そして、自分にもそう言い聞かせていた。
ある日、仕事に行けなくなった。
正確には、仕事のふりをしていた。
でも、心が前に進まなかった。
保険に関わる仕事だった。
「本当にこの仕事を続けていいのだろうか。」
そんな問いが、毎日頭から離れなくなった。
夕日を見ると涙があふれ出た。
家へ帰ると、小さな子どもの寝顔を見て涙が出た。
「何をやっているんだろう。」
そう思う日が続いた。
それでも、ある日、覚悟を決めた。
やるしかない。
そう腹をくくった。
そこからは、ひたすら働いた。
一つ目標を達成する。
また次の目標。
さらに次の目標。
毎年、必死だった。
人から見れば順調だったかもしれない。
でも、自分の中では、いつも何かに追われていた。
六年、七年ほど経った頃だった。
一つのことに気づいた。
覚悟を決めれば、成績は上がる。
でも、その代わりに、
自分が壊れていくこともある。
そのことを、身をもって知った。
だから私は、人に簡単に
「覚悟を決めろ」とは言えなくなった。
「やればできる。」
「死ぬ気で頑張れ。」
そんな言葉も使わない。
その言葉で前に進める人もいる。
でも、その言葉で壊れてしまう人もいることを、私は知っている。
今、若い人から相談を受けると、私はこう話す。
昨日の自分より、一センチだけ前へ進めばいい。
誰かと比べなくていい。
昨日の自分を超えれば、それで十分だ。
一センチなら苦しくない。
でも、一センチを毎日積み重ねた人は、十年後には驚くほど遠くまで歩いている。
人生とは、そういうものではないだろうか。
内村鑑三の『後世への最大遺物』を、私は百回以上読んできた。(カーライルの話が好き)
それでも開くたびに、新しいことを教えられる。
けれど最近思う。
私が本当に学んだのは、本からだけではなかった。
夕日に向かって涙を流した日々。
子どもの寝顔を見つめていた夜。
あの時間そのものが、私の先生だった。
だから今、誰かを励ますときは、
「もっと頑張れ」とは言わない。
ただ、こう伝えたい。
昨日の自分より、一センチだけ前へ。
それで十分だと、私は思っている。
私が辿り着いた答えは、自由四部作④『LibertyとFreedom』に書きました。
あなたをずっと応援しています
良いことがたくさんありますように!
「勇ましい高尚なる生涯」とは、苦しまない人生ではなく、苦しみの中でも前へ向かったという事実そのものです。
幾度となく泣きました。
