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現役の転職エージェントが面談で見ている「動いていい人」と「待った方がいい人」の分かれ目

「自己分析を終わらせてから動こう」と思っている間に求人は埋まります

「まず自己分析とキャリアの棚卸しから」
これは現場のエージェントも同じ意見です。
転職の通説には怪しいものが混ざっていますが、これは数少ない正しいほうの通説だと思っています。
やっかいなのは、正しい通説ほど副作用が大きいことです。
正しいと分かっているから、終わるまで動いてはいけない気がしてくる。
この記事では、自己分析が終わらない理由と、先に決めておく1行だけを書きます。



準備が整う日は来ません

準備が整う日は来ません

自己分析には、終わりの判定基準がありません。

書類には通過と不通過があります。
面接には合否があります。
自己分析だけは、誰も「はい、合格です」と言ってくれません。
強みを3つ書き出しても、翌週には「これで合っているのか」と思い直せてしまいます。

終わらせようとすると、構造的に終わらない作業です。

その間も求人は動いています。
募集は枠が埋まれば止まります。
あなたの準備が整うのを待ってはくれません。


「何も思いつかない」のは掘り方の問題ではありません

ネットの相談でよく見かけるのが、こういう声です。

  • 「仕事で嫌だったことも楽しかったことも、特に思いつかない」

  • 「可もなく不可もなく働いてきたので、書くことがない」

  • 「みんな本当にちゃんと自己分析をして会社を決めているんですか?」

これを読むと、真面目な人ほど「自分の掘り方が浅いんだ」と考えます。
違います。
楽しかったことが思いつかない人は、掘っても出てきません。

出てこないなら、聞き方を変えるほうが早いです。
「何が楽しかったか」ではなく「二度とやりたくないことは何か」
こちらは、たいていの人が即答できます。
避けたいものが決まれば、選ぶ側の条件は自然に決まります。
面談でも、この聞き方に切り替えた瞬間から話が進む人はかなり多いです。


分かれ目は熱意ではない

現場は、あなたを2つのどちらかに振り分けています

面談でお伝えする方針は、大きく2つに分かれます。

ひとつは「まず応募しましょう」型です。
時間の余裕がなく、希望に近い求人が今まさに出ているケース。
ここでの正解は、走りながら考えることです。

もうひとつは「準備を整えてから」型です。
時間にゆとりがあるか、あるいは書類がこのままでは絶対に通らず、先に直さないと応募そのものが無駄になるケース。
この2つ目に当てはまる人だけは、私も止めます。

分かれ目は熱意でも、自己分析の量でもありません。
「今の状態で出して、結果が返ってくるか」だけです。


落ちた結果は、ひとりで出した結論より具体的です

ここで一番よく返ってくる不安があります。
「準備せずに応募して落ちたら、無駄になりませんか?」

気持ちは分かります。
ただ、落ちた結果は情報です。
どの職種で書類が通り、どこで止まるのか。
自分の強みを書き出しているだけでは絶対に手に入らない種類の情報が、応募すると返ってきます。

1社目の見送りで分かることのほうが、ひとりで出した結論より具体的なことは珍しくありません。

たとえば、経験を活かす側の求人は書類が通るのに、職種を変える側は全部止まる。
この結果が出た時点で、「自分の経験がどこで評価されているか」が確定します。
ノートの上でどれだけ強みを言葉にしても、この線は引けません。


自己分析では解けない問題があります

もうひとつ、正直に書いておきます。
自己分析をどれだけ積んでも解けない問題があります。

エージェントとして一番もどかしいのは、経験もスキルも企業が求めるものと合っているのに、面接での見せ方だけで落ちてしまうときです。
これは自分を分かっていないから起きているのではありません。伝え方の問題です。
ひとりでノートに向かっていても、そこは動きません。


先に決めるのは、1行だけ

先に決めるのは、1行だけです

自己分析を全部終わらせる必要はありません。
かわりに、これだけ先に決めてください。

「何がどうなったら、自分は転職するのか?」

これが1行で書けるなら、もう動いていい段階です。
転職すべき人というのは、転職理由がはっきりしている人のことです。
理由はシンプルで構いません。
この不満を解消したい、キャリアを上げたい、年収を上げたい。
それで十分に成立します。

書き方の例を出しておきます。
「今の会社で希望の部署に異動できないと分かったら、辞める」
「残業が月◯時間を超える状態があと半年続いたら、辞める」
条件と、それが起きたらどうするかがセットになっていれば、それで1行です。
きれいな言葉にする必要はありません。

逆に、この1行が書けないなら、今は動かないほうがいいです。
仕事の何が嫌なのかも、どうなりたいのかも決まっていない状態で応募すると、面接で詰まります。
志望動機が作文になるからです。

あきらめてください、という話ではありません。
順番として、そこが先だというだけです。


棚卸しの中身

「棚卸し」の中身は、年代で変わります

同じ「キャリアの棚卸し」という言葉でも、年代によって書くものが違います。

20代は選択肢が多いので、まだ希望と方向性を考える段階です。
30代は実務経験のマッチが問われるため、今までの経験をどう見せるかを考えることになります。
40代以降は実務に加えてマネジメントを見られ、企業への貢献をどう伝えるかが中心になります。

30代の人が20代向けの自己分析をやり直しても、終わらないのは当然です。


時間が無いなら、順番を変えてください

働きながら進めている人は、まとまった時間が取れません。
その場合は、自己分析を先にやろうとしないでください。

職務経歴書を書きながら考えたほうが早いです。
書き出す先があると、抽象的な強み探しになりにくくなります。
そして、その経歴書は応募にそのまま使えます。

自己分析は、成果物が残らないから終わりが見えないんです。
経歴書という形で残るものを先に作ると、進んだ分が目に見えます。
1日30分しか取れないなら、その30分を経歴書に使ってください。


よくある質問

Q. 自己分析には、どのくらい時間をかけるべきですか?

期間で区切るより「何がどうなったら転職するか」が1行で書けたかどうかで判断してください。
書けたら、次に進んでいい合図です。

Q. 職務経歴書を書きながら自己分析するのでもいいですか?

そのほうが早いことが多いです。
書き出す先があると、抽象的な強み探しになりにくくなります。

Q. エージェントに「自己分析ができていない」と言われました。

多くの場合、性格や価値観の話ではありません。
転職理由と希望条件がつながっていない、という指摘です。
その2つの間を埋めれば通じます。

ノートに書くのは、1行でいいんです。
「何がどうなったら、私は辞めるのか」

次に読むなら:転職エージェント利用の流れ7STEP|現役エージェントが本音で教える面談・選考の裏ルール
https://note.com/mai_jobch/n/nc476df7044ab

現役の転職エージェントとして、求人票には載らない話を書いています。
続きはマガジン「転職の裏ルール」にまとめています。
https://note.com/mai_jobch/m/ma029c521ab4b

(Xでも発信中:@maijobch)

質問はこちらで受けています。
https://note.com/qa/mai_jobch


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