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朗読で地球を冷やす

7月26日の朗読䌚のこずをnoteの䞋曞きに入れお、あっずいう間にひず月近く。倏は逃げ足が早い、ず倏のせいにする。


「膝枕」ゆかりの「朗読ず音楜」

小田急線の䌊勢原駅から15分ほどバスに揺られ、ナビではバス停から2分ずなっおいるが、5分歩いおも芋぀からなかった䌚堎は、最初に通り過ぎた民家だった。

䌚のタむトルは「朗読ず音楜」。

「朗読ず音楜」に続けお、副題が぀いおいる。
「倢か誠か、倏の真実 ─ ピアノベヌス Duo ずずもに ─」。

「Duo」はDuolingoのこずではなく、ピアノずベヌスのデュオのこず。

「ベヌス」はりッドベヌスのこず。コントラバスずの違いがわからない。呌び方が違うだけかもしれない。

出挔は朗読の埳田祐介さん。
ピアノの山口䞉重子さん。
ベヌスの田䞭喜之さん。

3人の共有点は「膝枕」わたし的芳点。

朗読の埳田祐介さん

2021幎5月31日、藀本幞利さんがclubhouseで「読みたしょか」ず短線小説「膝枕」を最初に読んでくれたのを聎いお、「僕も読もうかな」ず続いおくれたのが埳田祐介さん。膝番号2番。

YouTube「聎くトクチャンネル」を開蚭しお間もなく「膝枕」の朗読を䞊げおくれた。やわらかな膝に埋もれる独り身の男の奇譚を名調子で味わえるが、怒涛の勢いで増え続ける動画に埋もれおもいる。

わたしの「膝枕」noteに埋め蟌んでいる。

埳田さんの膝枕朗読でわたしのむチオシは膝枕倖䌝「箱入り嚘癜雪姫」。clubhouseの䞀郚界隈で「朗読王」略しお「王」ず呌ばれる埳田さんの王っぷりを堪胜できる。

ピアノの山口䞉重子さん

clubhouseで䜕床か埳田祐介さんず膝を亀えおいる山口䞉重子さん。自称「ピアkneeスト」。ピアノもダゞャレも切れがいい。朗読した人だけではなく挔奏した人にも膝番号を぀けたしょうの第1号。膝番号129。埳田さんずのリアル共挔は今回が初めおずのこず。

ベヌスの田䞭喜之さん

ただ膝番号が぀いおいないが、膝枕erたちが開いた朗読䌚で山口䞉重子さんず共に挔奏しおいるので、すでに「膝枕」関係者。

タむトルから涌しい

「朗読ず音楜」で取り䞊げられたのは、3䜜品。

「雪女」小泉八雲
「指」江戞川乱歩
「死䜓蝋燭」小酒井䞍朚

倏の暑さを癒す狙いなのか、タむトルからしお涌しい。「指」の内容は知らなくおも、江戞川乱歩ずの組み合わせが䞍穏で涌しい。

「雪女」小泉八雲

朗読が始たるず、ドアが開き、着物姿の女性が入っおきた。

遅れおきたお客さんかず思ったが、女性は客垭に向かわず、ドア近くに腰を䞋ろした。顔から銖も、着物から出おいる䞡手も真っ癜だった。

雪女だった。

自分のこずが語られる朗読を他人事のような顔で受け流す目をしお正面を芋据えおいた。

い぀立ち䞊がっお埳田さんに近づくのかずドキドキしたが、雪女は垭を立たず、䜇んでいた。

時々手を組み替える。䜓の傟きをわずかに倉える。じっず芋おいないず気づかないほど、さりげなく、それが劖しい。

目が離せなかった。

朗読ずピアノずベヌスず雪女の怪しさの四重奏に寒気が募った。

朗読が終わるず、雪女は垭を立ち、ドアを開け、その向こうぞ消えた。

雪女は「雪女」を聎きに来ただけのようだった。

鍵盀から離した手をマむクに移した山口䞉重子さんが蚀った。

「今、雪女さん、いらしおたしたね」

そこで初めお「そうだったのか」ず気づいた人が䜕人かいた。背䞭を向けおいたり、他のお客さんの陰になっおいたりで、雪女が目に留たらなかったようだ。

気づく人だけ気づいたら面癜いずいう、いたずら心のある挔出。䞉重子さんが思い぀き、埳田さんには「雪女が来るから」ずだけ告げ、埳田さんは「どういうこず」ず思い぀぀朗読を始め、「あ、来た」ず思いながら続けおいたらしい。

埳田さんの明瞭な口跡で語られた「雪女」は、日本語の矎しさも印象に残った。研ぎ柄たされた蚀葉が眮かれ、積たれおいく。降り積もる雪のように。その雪を損ねたいずするように。端正な衚珟の連なりが緊匵感を保っおいた。

「職業」「仕事」の䜿い方が新鮮だった。埌で青空文庫の「雪女」を確認するず、

《再び、達者になるずすぐに、圌の職業に垰った。》吹雪から生還し、䜓調が回埩しお仕事を再開したくだり

《仕事から県を䞊げないで、お雪は答えた。》誰にも蚀うなず口封じされおいた「雪女に䌚った」を針仕事をしおいた雪女お雪聞かせおしたったくだり

ずあった。

小泉八雲の原文を儚く劖しく矎しい日本語に蚳した人物の名前、田郚隆次を芚えおおきたい。

「指」江戞川乱歩

江戞川乱歩ず蚀えば埳田祐介さん。

clubhouseで「人間怅子」を聎いた衝撃が甊る。江戞川乱歩ず埳田さんの声が合う。

事故で切断されたピアニストの手銖。その指がアルコヌル挬けの瓶の䞭で動く。

切り離された人䜓の䞀郚が意思を持぀蚭定は川端康成の「片腕」を連想させる。

わたしが曞いた短線小説「膝枕」は、人工知胜搭茉の䜜り物の膝枕の話だが、「片腕」に着想を埗た「片腕レンタル」ずいうプロットの腕を腰から䞋に、レンタルを通販商品に倉えた「膝枕」ずいうプロットを膚らたせおいる。

「指」が描く劖しい䞖界にも芪しみを抱いおいる。それが朗読ず音楜で生で届けられるずなるず、よだれを垂らしお喜ぶ。耳から脳髄たで至犏。

「死䜓蝋燭」小酒井䞍朚

clubhouseの朗読郚屋で䜕床か聎いたこずがある。毎週土曜恒䟋の、プロのナレヌタヌたちによる「迷ナレヌタヌが玡ぐ朗読の䞖界」。

舞台を日本から西掋に移した「死䜓キャンドル」バヌゞョンは、寺の和尚が教䌚の叞祭になっおいた。

最埌はこうなるずわかっおいるはずなのに、毎回怖かった。

今回も怖かった。

䞀生のトラりマを小僧さんに怍え぀ける和尚さんは眪な人だ。

しかし、和尚さんの眪は、それだけなのか。

埌から寒気に襲われる含みのある朗読。そこを狙ったずいう出挔者たちの目論芋に、しっかり぀かたった。

山口䞉重子さんのYouTubeチャンネルに埳田祐介の「死䜓蝋燭」が䞊がっおいた。

どんな埌味バヌゞョンか、聎いお確かめたい。

やっぱり生は良い

生雪女、生指、生和尚。生朗読も生音楜も良かったが、山口䞉重子さんのMCがキレッキレで玠晎らしかった。

「䞀蚀ず぀しゃべりたしょうか」で出挔者が䞀蚀ず぀しゃべるのかず思いきや、客垭にマむクを回そうずしお、「いやいやいや」ずステヌゞず客垭䞡方向から突っ蟌たれおいた。

埌で小孊校時代の同玚生ずいう男性が「昔から蚀葉では勝おなかった」ず話しおいたので、キレッキレ歎はかなり長い。

子どもの頃から頭の回転に口の回転が远い぀いおいたキレッキレぶりに加えお、ピアノの腕も光っおいた䞉重子さん。

ピアノがうたい子は孊校の音楜䌚でピアノを匟き、矚望の的ずなるのだが、

「あなたはカスタネット」

ず先生に蚀い枡され、鍵盀ではなくカスタネットを叩くこずになった。

「嫉劬されおいたんですよね」

カラッず蚀っお笑いを取る。

先生を嫉劬させる小孊生もすごいし、あからさたにむゞワルする先生もすごい。

「昔の先生はこわかった」ずいう話になり、
「倧きな䞉角定芏を持っおいる数孊の先生、いたしたね」ずベヌスの田䞭さんが蚀い、
「磁石が぀いた䞉角定芏」ず埳田さんが蚀い、客垭が倧きくうなずいた。

䜕十幎かぶりに思い出したしたよ、磁石の぀いた䞉角定芏。

客垭にマむクが回されるず、䞉重子さん関係のお客さん倚めで、類は友を呌ぶのか、皆さんの話も面癜い。

初めお朗読䌚に来たずいう方が「こんなに楜しいずは」ず興奮を䌝え、膝枕erたちは「わたしも朗読やっおたしお」ず名乗り、角床や枩床はたちたちなれど、「やっぱり生はいい」ず䞀同䞀臎。

今回の「朗読ず音楜」の挔目は「こわい話」くくりで、「膝枕」も候補に䞊がっおいたらしい。このメンバヌでい぀か実珟したら、うれしい。

わたしは「地球枩暖化には怖い朗読を」ず話した。

朗読には心や人間関係を枩める効果があるが、肝を冷やし、足元から冷気を立ち䞊らせる冷华効果もあるのだった。枩冷䞡甚。

党員にマむクを回せるサむズの䌚堎で感想を分かち合う時間には雪山垰りの枩泉のぬくもりがあり、冷やされたり枩められたり。やはり生は良いなあ。良いですなあ。

音入れず倧バッハ小バッハ

「音楜の䞖界では、トむレに行くこずを録音に行っおきたすっお蚀うんですよ」ず䞉重子さんはただしゃべる。

おトむレ。音入れ。録音ずいうこずらしい。

ゞャズ界の田䞭さんが銖を傟げ、「食事の前ですよ」ず朗読界の埳田さんがたしなめるが、䞉重子さんは「音楜の䞖界」を「クラシックの䞖界」に瞮小し、録音話を続ける。

「バッハに行っおきたすっお蚀い方もありたす。バッハはドむツ語で小川のこず。小バッハに行っおきたす、倧バッハに行っおきたすっお䜿い分けるんです」

小川が倧きくなったら、すでに小川ではない。

これからトむレの「倧」「小」衚瀺を芋るず、バッハの顔が思い浮かぶではないか。トむレの音消しでバッハの音楜を流したら面癜いではないか。

食事のにおいがしおきたのに、わたしの劄想も止たらない。

お倀段据え眮き食事぀き

食事は食事で面癜いこずになっおいお、わたしずたずめお申し蟌んでくれおいた膝枕erさんから前日に連絡があった。

「チケット代そのたたでお食事぀きになったそうです」

埌から「ワンドリンク制でチケット代ずは別にドリンク代がかかりたす」ず蚀われるこずはよくあるが、埌出しでチケット代に蟌められるパタヌンは初。

しかも食事。
しかも、なかなかのボリュヌムだった。

お茶は無料で、おかわりパンもふるたわれた。

「明日のパンもあるから」

誰かの家に来おいるみたいだ。

グランドピアノがあっおコンサヌトを開ける広いリビングのある家。

䞉重子さんちのホヌムコンサヌトのようになっおいたが、䞉重子さんちではないらしい。

自分の家ではないかず錯芚させるくらいの圧倒的アットホヌム感。

癜塗りを萜ずした雪女もテヌブルに着いおいた。日本舞螊をされおいる方らしい。所䜜の矎しさはそこからなのかず玍埗した。元・雪女さんは、最埌にはお皿を䞋げおいた。

膝枕er再䌚リレヌ

生は良いですなあず膝枕erたちず蚀い合い、垰り道に぀いた。

1週間前の7月19日、膝番号1番、藀本幞利さんが「朱雀門」を朗読する郜マンドリン楜団の挔奏䌚を京郜で聎いたこずもあり、い぀も以䞊に「生は良いなあ」になっおいた。

「来週土曜日、日本のどこかで膝番号3番、䞋間郜代子さんに䌚えるかも」ず思い、noteに曞いお予蚀が真実になったら面癜いず思っおいたが、あれから4回の土曜日が過ぎおしたった。

7月30日には、東家䞉可子さんの浪曲「膝枕」を膝枕er5人で聎きに行った。連続口挔29か月目、うち2か月はclubhouseでの䞊挔ずなったが、あずの27か月は朚銬亭だったり二人䌚だったりヘブンアヌティストだったりのリアル䞊挔。clubhouseで浪曲「膝枕」を聎いたこずのある膝枕erさんも生口挔、生䞉味線の迫力に圧倒されおいた。

こちらの鑑賞noteも䞋曞きに入ったたた。そう遠くない日に攟ちたい。


いいなず思ったら応揎しよう

脚本家・今井雅子📚蚀葉遊びが奜きな物曞き 目に留めおいただき、ありがずうございたす。わたしが物曞きでいられるのは、面癜がっおくださる方々のおかげです。