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叱れなくなった現場

近年、「ハラスメント」という言葉をよく聞く。

上司が部下に注意をしただけで
「パワハラだ」と言われかねない時代だ。

相手の受け取り方次第で線引きが変わる。
正直、戸惑う。

昔のほうが、やりやすかった。

ミスをすれば注意する。
二度目は強く言う。

それが当たり前だった。

当時は一方的に叱っているような気もしていた。
だが今思えば、それは将来困らないための“愛情”でもあったのかもしれない。

厳しく言われたことが、
今の自分を支えている部分もある。

もちろん、いじめや人格否定は論外だ。
それは指導ではない。

ただ、指導には覚悟があった。

今はどうだろう。

Z世代と呼ばれる若い職員には、
言葉を選び、フォローを入れ、慎重に伝える。

「ここが出来ていなかったね。
でも伸びしろはあるから頑張ろう」

とても丁寧だ。

でも、これで本当に育っているのか、と迷うこともある。

叱られなかった人は、
叱り方を知らない。

注意の重さを知らないまま、
いつか部下を持つ日が来るのではないか。

では、何も言わないのが正解なのか。

何も言わなければ
「教えてくれないのはハラスメントだ」とも言われる。

叱責と指導。
厳しさと優しさ。

その塩梅が、難しい。

昔が良かったと言い切るつもりはない。
今のほうが丁寧で健全な面もある。

ただ、人を育てる難しさは
時代が変わっても変わらない。

私は今日も迷いながら、
言葉を選ぶ。

厳しくもありたい。
でも、尊敬もされたい。

そのあいだで、揺れている。

介護の世界に正解はない。
それらしい答えを探す日々が、続いている。

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