新人が動けない理由を先に潰す|BPAで考える、病棟ですぐ使える声かけ実践集
BPAで考える、病棟ですぐ使える声かけと関わり方
新人指導をしていると、こんな場面に出会います。
声をかけても、返ってくるのは「大丈夫です」。分からないなら聞いてほしいのに、質問が出てこない。報告が遅れた理由を聞いても、黙ってしまう。同じことを伝えたはずなのに、次の勤務でも行動が変わらない。
指導する側としては、どう関わればいいのか分からなくなるんですよね。
細かく確認しすぎると、本人が考える機会を奪うかもしれない。任せすぎると、患者さんの安全が心配になる。伝え方を変えても届かないことがあれば、具体的に伝えたつもりでも、新人には何を変えればいいのか伝わっていないこともあります。
私自身、プリセプターや実習指導を経験し、今も新人看護師と関わる中で、この距離感には何度も迷ってきました。
この記事は、新人を4つのタイプに当てはめて攻略するためのものではありません。
新人が報告できない、質問できない、動けない背景を先に探し、その場で使える声かけと、患者さんの安全を守るために必要な関わりを選ぶための記事です。
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この記事を届けたい人
この記事は、病棟で新人看護師を直接フォローしている看護師に向けて書いています。
* 「大丈夫です」と言われると、それ以上どう聞けばいいか分からない
* 報告が遅い新人に「早く報告して」としか伝えられない
* 質問してこない理由が分からない
* 声をかけると黙る、謝る、返事だけになる
* 手を出しすぎるか、任せるかで迷う
* 新人によって指導方法を変えたいけど、判断基準がない
こうした悩みを持つ、プリセプター、実地指導者、日々のフォローに入る先輩看護師が、明日の勤務から使える形を目指しました。
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できない行動の前に、できない理由を見る
新人の行動が変わらない時、本人の意識や努力に目が向きやすくなります。
もっと早く報告してほしい。分からないなら質問してほしい。一度教えたことは覚えてほしい。
もちろん、患者さんの安全を守るうえで、必要な行動は明確に伝えなければいけません。
ただ、本人がなぜその行動を取れなかったのかが分からないまま、求める行動だけを伝えても、次も同じことが起こる可能性があります。
自分で解決してから報告するものだと思っていたのかもしれない。情報が整理できるまで、声をかけてはいけないと思っていたのかもしれない。先輩が忙しそうで、話しかけるタイミングを失っていたのかもしれない。
同じ行動でも、背景は一人ひとり違います。そこで私が参考にしているのが、BPAという考え方です。
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BPAの4つの行動傾向
BPAは、仕事上で表れやすい行動や思考の傾向を、ディレクション型・アレンジ型・ロジカル型・バランス型の4つに整理するものです。
ディレクション型
自分で判断し、結果を出すことを大切にする傾向があります。まずやってみたい、自分で解決したいという行動につながりやすい一方で、周囲への相談が遅れることがあります。
アレンジ型
人と話したり、やり取りをしながら考えを整理する傾向があります。行動力や対人関係が強みになりやすい一方で、報告が長くなったり、話の結論が見えにくくなったりすることがあります。
ロジカル型
情報や根拠を整理し、納得してから動く傾向があります。丁寧で正確に考えられる一方で、情報がそろうまで相談できなかったり、正解を求めすぎて動き出しが遅くなったりすることがあります。
バランス型
周囲の状況や人間関係を見ながら行動する傾向があります。協調性があり、相手への配慮ができる一方で、先輩の忙しさや表情を気にして、質問や報告を控えることがあります。
実際には、誰もが複数の傾向を持っています。状況によって行動が変わることもあります。そのため、BPAは新人を分類する答えではなく、目の前の行動を別の角度から考えるための補助として使います。
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まずは簡易チェック表で、行動の傾向を見てみる
4タイプの特徴を知っても、目の前の新人がどの傾向に近いのか分からなければ、関わり方を選びにくいと思います。
ここでは正式な診断ではなく、日々の業務で繰り返し見られる行動から傾向を考えるための簡易チェック表を載せます。
一度の言動だけで決めず、初めての処置、報告、質問、振り返りなど、複数の場面で似た行動が続くかを見てください。

チェックが多かった傾向を、その新人の固定された性格として扱う必要はありません。
「今はこの関わり方が届きやすいかもしれない」と仮説を立て、実際の反応を見ながら変えていきます。
また、患者さんの状態や業務の緊張度によって、普段とは違う反応が出ることもあります。迷った時は、タイプを当てるより、本人に確認する方が早いこともあります。
* 初めてのことは、まずやってみたい?一度流れを確認したい?
* 分からない時は、話しながら整理したい?一度自分で考えたい?
* 結論から聞く方が分かりやすい?理由から聞く方が分かりやすい?
* 困った時は自分から声をかけやすい?時間を決めた方が相談しやすい?
簡易チェック表は、決めつけるためではなく、次の声かけを選ぶために使います。
この先では、病棟でよくある6つの場面ごとに、考えられる背景・最初に確認すること・そのまま使える声かけ・患者安全のための介入基準まで整理しています。
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