【読書記録】サロメの断頭台/夕木春央
✳︎衣咲(えさき)です

読書記録
#サロメの断頭台
#夕木春央

夕木春央さんの作品といえば『方舟』の圧倒的なインパクトが記憶に新しいですが、私はこの「蓮見・井口シリーズ」も同じくらい、もしかするとそれ以上に好きかもしれません。
前作『時計泥棒と悪人たち』に続く待望の続編、『サロメの断頭台』。
大好きなシリーズが続いていく喜びを噛み締めながら、一気に読み終えてしまいました。
大正時代という設定の妙
私はもともと、大正時代を舞台にした物語に惹かれる傾向があります。
永嶋恵美さんの『檜垣澤家の炎上』や、青柳碧人さんの『名探偵の生まれる夜 大正謎百景』などが好きな方なら、きっと共感していただけるはず。
現代の技術を駆使したロジカルな解決とは一味違う面白さが、そこにはあります。
当時の独特な言葉遣いや、今とは異なる家柄・男女の役割といった「時代の価値観」そのものが、謎を解く鍵となり、時には障壁となる。そのもどかしさが、物語に奥行きを与えてくれるのです。
頼りなさと、圧倒的な緊張感
本作の魅力のひとつは探偵役である井口のキャラクターでしょう。 決して万能ではない彼が、右往左往しながら事件の核心に迫っていく過程は、どこか人間味に溢れていて目が離せません。
元泥棒の人間嫌い 蓮見の人生についても書かれる日がくるのか楽しみです。
そして、この物語で一番惹き込まれたのが解決編です。 ミステリーの解決シーンは、往々にしてロジックの説明でサラッと流れてしまうこともあります。けれど本作は違いました。犯人と対峙してからの、肌を刺すようなヒリヒリとした緊張感。この「熱量」こそが、夕木作品を読み終えた後の深い満足感に繋がっている気がします。
次なる「事件」を待つ
読み終えた瞬間から、早くもこのコンビの次なる活躍を熱望しています。
大正という時代の移ろいの中で、次はどんな謎が彼らを待ち受けているのか。
シリーズ次作をこれほど切望させる一冊に出会えたことが、何よりの収穫でした。
盗作犯を探し出せ。油絵画家の井口は、元泥棒の蓮野を通訳として連れて、祖父と縁のあったオランダの富豪、ロデウィック氏の元を訪ねた。美術品の収集家でもあるロデウィック氏は翌日、井口のアトリエで彼の絵を見て、「そっくりな作品をアメリカで見た」と気が付いた。未発表の絵を、誰がどうして剽窃したのか?盗作犯を探すうちに、井口の周りで戯曲『サロメ』に擬えたと思われる連続殺人が発生してー。
今読んでいる本
#ダレン・シャン1 #奇怪なサーカス
#ダレン・シャン
重たいミステリーの後はワクワクする物語を
子どもたちの本棚へ並べたい一冊
ふとしたことから手に入れた『奇怪なサーカス』のチケット。主人公のダレン少年を待ち受ける不思議な運命とは…。大長編物語が幕を開ける。
最近購入した本
#アンダーグラウンド
#村上春樹
お気に入りの古書店にて初版本を購入
1995年3月20日の朝、東京の地下でほんとうに何が起こったのか。同年1月の阪神大震災につづいて日本中を震撼させたオウム真理教団による地下鉄サリン事件。この事件を境に日本人はどこへ行こうとしているのか、62人の関係者にインタビューを重ね、村上春樹が真相に迫るノンフィクション書き下ろし。
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