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今日の1冊:「ショットとは何か」蓮實重彦

 蓮實重彦(1936年生まれ)の映画批評の核心は、映画を「ショット」として見ることにある。映画の持つ物語・テーマ・作者意図・社会性などを優先せずに、スクリーンに実際に映る映像とその時流れてくる音だけに集中する姿勢が特徴。

   「ショット」とは、「単一のカメラによって連続撮影された、切れ目のない一つ付きの画面」。視覚で捉えられる映画の最小単位(言語の「単語」のような役割を便宜上担うが、言語とは構造が根本的に異なる)。

ただし、蓮實は「ショット」を理論的な定義よりも、実践的・経験的なものとして扱っている。「ショットは理論的には語り得ない」「あくまで実践的な問題」と繰り返し強調する。

 蓮實は「ショットが撮れる監督」(優れたショットを撮れる監督)を高く評価します。

 優れたショットとは、

 構図・光線・被写体との距離感が決定的であること。美しい絵画的構図や凝った審美性ではなく、その場面、その被写体にとって「それしかない」決定的なもの。

 物語に対する抵抗感や緊張感があり、漫然と筋を追う視線を一瞬忘れさせ、別の次元で感情を揺さぶるショット。

 被写体の固有性(俳優、演技、存在感)を活かしたもの。抽象的な理論ではなく、具体的な被写体との出会いを経験するショット。

 映画はフィクションの装置(毎秒24コマの運動の錯覚)。「真実の再現」などではなく、徹底したフィクションとして見る姿勢が大事。


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