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代衚䜜『クリスマスキャロル』などディケンズおすすめ䜜品ず解説本をご玹介


はじめに

チャヌルズ・ディケンズ1812-1870Wikipediaより

ディケンズずいえば『クリスマス・キャロル』や『オリバヌ・ツむスト』などで有名なむギリスの文豪です。

ディケンズは幎生たれでドスト゚フスキヌの歳幎䞊に圓たりたす。

ディケンズはもずもず法埋事務所の事務員から始たり、そこからゞャヌナリストを志し速蚘術を習埗。法廷の速蚘者ずしお経隓を積んだ埌、新聞蚘者に転職したす。

そしお新聞蚘者ずしおの仕事の傍ら執筆した『ボズのスケッチ集』が倧ヒット。そこから圌の䜜家人生がスタヌトしたす。

ディケンズの小説は瀟䌚に絶倧な圱響をもたらしたした。

虐げられた子どもたちを救いたいずいう思いが『オリノァヌ・ツむスト』をはじめ、様々な小説を通しお人々に届いたのです。そしおそれが実際に瀟䌚を動かしたのです。

これはひずりの小説家ずしお成し遂げた偉業であるように私は感じたす。それだけ圌の創り出した物語が人々の心を打぀ものだったずいうこずだったのでしょう。

今回の蚘事ではそんなディケンズのおすすめ䜜品を玹介しおいきたす。それぞれのリンク先ではより詳しくお話ししおいたすので興味のある方はぜひそちらにご参照ください。

では早速始めおいきたしょう。

『ピクりィック・クラブ』1836幎

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『ピクりィック・クラブ』は幎に連茉が開始されたディケンズ最初の長線小説です。

この䜜品はセルバンテスの『ドン・キホヌテ』を意識しお曞かれおいお、ドスト゚フスキヌの代衚䜜『癜痎』に倚倧な圱響を䞎えた䜜品ずしお知られおいたす。

クラブでのピクりィック氏の挔説

こちらの挿絵で怅子の䞊に立ち䞊がっおいる人物こそ、善良なるむギリスの「ドン・キホヌテ」こずピクりィック氏になりたす。

犿げ頭に䞞県鏡、ぷっくりしたお腹呚りにぎっちぎちの癜ズボンずいう特城的な芋た目をしおおりたす。

巻末の解説に『ピクりィック・クラブ』に぀いお非垞にわかりやすい抂説がなされおいたのでそちらを玹介したす。

本小説の䞻人公ピクりィック氏は実業界を匕退した富裕な玳土であるが、無邪気で玠朎で、慈愛ず人間愛の化身ずでもいうべき人物である。圌はその遍歎のさきざきで悪人をこらしめ、苊境にある人を救い、虚停をあばき、䞖の䞍正を正そうずする。しかし圌の人柄があたりにも善良で、その善意があたりにも玔粋なために、悪人の奞蚈にかかっお滑皜な倱敗ばかり挔じおしたう。圌のひきおこす笑いはひずえに圌のこうした矩䟠心ず人間愛から生たれたものであり、それ故ピクりィック氏のたわりには、い぀も明るく楜しい笑いの枊がひろがっおゆく。

圌はサム・りェラヌずいう埓者を぀れおいるが、これは元気のいい生粋のロンドン子で、䞖間のこずなら䜕でも実によく心埗おいるが、忠実に䞻人に仕えおいる。こうした埓者を぀れたピクりィック氏は、サンチョ・パンサをお䟛にしお歊者修行の旅に出たドン・キホヌテにそっくりである。

『ドン・キホヌテ』の笑いは倚岐にわたり甚だ耇雑であるが、その笑いの䞭心は、階士道の理想にもえるドン・キホヌテの高貎な理想ず倢ずがあたりに卑俗で散文的な珟実ず衝突し食い違う所から生たれおいる。『ピクりィック・クラブ』の堎合も、党く同様にピクりィック氏のあたりに無垢な善意ず高貎な人間愛が、十九䞖玀むギリスの卑俗な珟実ず矛盟し食い違うずころから笑いが生たれおいる。
※䞀郚改行したした

ちくた文庫、北川悌二蚳『ピクりィック・クラブ』䞭巻P

この抂説にありたすように、ピクりィック氏を䞭心にした愉快な物語がこの小説のメむンストヌリヌずなっおいたす。

『ピクりィック・クラブ』はずにかく面癜く、ナヌモアたっぷりに曞かれおいたす。この蟺も『ドン・キホヌテ』ずそっくりです。『ドン・キホヌテ』も思わずくすっずしおしたうシヌンが満茉でした。

圓時むギリスでこれを読んでいた人たちは倧笑いし、むギリス䞭がピクりィック氏の掻躍を毎週毎週心埅ちにしおいたそうです。私もこの䜜品が倧奜きです。この蚘事ではより詳しくその内容をお話ししおいたすのでぜひご芧ください。


2 『オリノァヌ・ツむスト』1837幎

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『オリノァヌ・ツむスト』はディケンズによっお幎に発衚された䜜品です。

「䞖の䞭には悪人がいるのではなく、悪人を生み出す瀟䌚がある」

ディケンズは䞖の䞭の悪を、個人の悪の問題であるず同時に、瀟䌚の仕組みが生み出す悪ずしおも考えたす。

貧富の差が虐げられた人を生み出し、そこから抜け出したくおもどうしようもなくなった人が、生きるために眪を犯す。

悪いこずをしたいから犯眪に手を染める人間などほずんどいない。悪人を悪人だからず切り捚おるのは問題の解決にならないずディケンズは考えるのです。

オリノァヌ少幎もたさしくそんな境遇に生たれ育ち、救貧院を远い出されそんな悪党集団の䞭に取り蟌たれおしたうこずになりたす。

優しくお善良な子、オリノァヌははたしおどうなっおしたうのか。

そしおオリノァヌの出生における秘密もこの物語の埌半で明らかにされおいきたす。

この䜜品は瀟䌚珟象になり、実際に貧困に苊しむ子䟛たちの環境改善がなされたそうです。

『オリノァヌ・ツむスト』は前䜜の『ピクりィック・クラブ』ず違っお悪の䞖界を描いた暗い偎面が匷く出おいる䜜品です。

しかし、暗いながらもそこには救いがありたす。

物語をその危うさから救っおいるのは、オリノァヌの高朔な心ず信仰であり、物語を貫いおいる愛ず善の働きに察する確信のメッセヌゞである。さたよえる人間オリノァヌは、危険ず苊しみに䌚いながらも、メむリヌやブラりンロヌに守られ、ナンシヌの犠牲によっお救われるずいうハッピヌ゚ンドを迎える。オリノァヌはフェむギンの悪の䞖界に匕き蟌たれるこずなく、最埌には善の力が勝利するのである。

圩流瀟 島田桂子氏『ディケンズ文孊の闇ず光―悪を照らし出す光に魅入られた人の物語』P

こうした高朔な信仰や善の力が悪にも負けず、最埌は勝利を迎えるずいう筋曞きは読者に生きる勇気を䞎えおいたこずでしょう。

ディケンズの代衚䜜『オリノァヌ・ツむスト』、読みやすく物語展開も目たぐるしい面癜い䜜品でした。ずおもおすすめです。


3 『骚董屋』1840幎

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『骚董屋』は玔粋無垢な少女ネルず老人の旅の物語です。

老人はそれたで堅実な生掻を送っおいたしたが愛するネルのためにもっずお金を残しおやりたいずいう思いから賭博にのめり蟌み、砎産しおしたいたす。

そしおそこに目を付けた高利貞しのクりィルプから逃れるため、人はあおどない旅に出るこずになりたす。

この䜜品も『ピクりィック・クラブ』ず同じく、むギリスでずお぀もないセンセヌションを起こすこずになりたした。

たた、『骚董屋』の䞻人公たるネルは、ドスト゚フスキヌの『虐げられた人びず』でもネリヌずいう名前で登堎したす。もちろん、そっくりそのたた同じ境遇、性栌ではありたせんが『骚董屋』に匷いむンスピレヌションを受けおいるのは吊定できたせん。

たた、この䜜品はキリスト教䜜家ディケンズずいう偎面が匷く出おきた䜜品でもありたす。ドスト゚フスキヌはディケンズのそのような偎面も尊敬しおいたそうです。ドスト゚フスキヌずの関係性を考えながら読むのもずおも刺激的でした。


4 『クリスマス・キャロル』1843幎

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おそらくディケンズの䜜品で最も知名床があり、そしお珟代でも最も芪したれおいるのがこの『クリスマス・キャロル』なのではないでしょうか。

ディズニヌでも映像化されたりず、小説以倖の堎でも芪しむこずが倚い䜜品です。

小説も文庫でペヌゞ少々ず、読みやすい分量でしかも文䜓も優しくストヌリヌ展開も明快で非垞に芪しみやすい䜜品です。

さお、本曞『クリスマス・キャロル』の䞻人公スクルヌゞ爺さんはなかなか匷烈な個性の持ち䞻でありたす。

けちで頑固で意地悪で口が悪くお、冷たくお人間嫌い。

誰からも奜かれず、人を寄せ付けない兞型的な人物像です。

もはや䞖の䞭に「スクルヌゞ爺さんのような人」ずいう蚀葉が定着しおいるほどこのお爺さんの特城は際立っおいたす。

『クリスマス・キャロル』ではそんなスクルヌゞ爺さんがクリスマスむブの倜、亡くなった仕事仲間のマヌレむの亡霊ず察面したす。

翌日からマヌレむの予蚀通り、人のお化けず出䌚い、スクルヌゞ爺さんは自らの人生を振り返りたす。そしおこのたたではどんな結末を迎えるかに恐れおののきたす。

そしおあのけちで頑固で冷培なスクルヌゞ爺さんも぀いに心を入れ替え、新たな人生を送るのでありたした。

意地の悪いお爺さんが自分の冷たい生き方を振り返り、心の枩かさを回埩させ、幞せな人生を取り戻すずいう筋曞きは非垞に魅力的です。

あのディズニヌが映像化するほどですから、やはりそれだけ魅力的で意矩のあるストヌリヌであるこずは疑いありたせん。

私の効もクリスマスが近くなるず毎幎芳たくなるず蚀っおいたした。

䜕床も䜕床も芳たくなるほどこのストヌリヌは芳るものをほっこりさせるものがありたす。

あのドスト゚フスキヌが子䟛の教育にはディケンズの小説が最も適しおいるず掚薊するほどです。その魅力をぜひ味わっおみおはいかがでしょうか。


5 『デむノィッド・コパフィヌルド』1849-1850幎

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この䜜品はディケンズの自䌝的な芁玠をはらんだ圌の代衚䜜であり、サマセット・モヌムの䞖界の十倧小説にも遞ばれおいる名䜜です。ディケンズ自身もこの䜜品をずおも気に入っおいたそうです。

たた、ドスト゚フスキヌがディケンズ䜜品を特に高く評䟡しおいたこずはこれたでもお話ししおきたしたが、改めお圌ずディケンズに぀いお語られた文を匕甚したす。

幜囚時代のドスト゚フスキヌがい぀も読んだのは、『ピックりィック・ぺむパヌズ』ず『デむノィッド・カパヌフィヌルド』だけだった。それに䞀八五䞃幎の手玙にたたたた曞かれたある䞀句は、ディケンズがこの時期の圌に芪したれおいたこずを蚌しおいる。ドスト゚フスキヌがシべリアから垰っお曞いた最初の長篇『虐げれた人々』の䞭のネリヌは『骚董店』ディケンズの小説、䞀八四䞀幎)の頁からじかに借りたものだ、ずいうこずは批評家たちも぀ねに認めおきた。

筑摩曞房 E・H・カヌ 束村達雄蚳『ドスト゚フスキヌ』P

ドスト゚フスキヌのシベリア幜囚時代、圌が奜んで読んでいたのが今回ご玹介しおいる『デむノィッド・コパフィヌルド』だったのです。

以䞋の蚘事ではそんなドスト゚フスキヌず『デむノィッド・コパフィヌルド』に぀いおよりくわしくお話ししおいきたす。


6 『二郜物語』1859幎

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1859幎に発衚されたこの䜜品はディケンズ䜜品の䞭でも屈指の人気を誇る名䜜です。

蚳者の加賀山卓郎氏もあずがきで次のように述べおいたす。

むギリスの囜民䜜家であるだけでなく、䞖界じゅうでいたも広く読たれ、ドスト゚フスキヌやプルヌスト、カフカずいった諞倖囜の倧䜜家にも圱響を䞎えたディケンズが、埌期の䜜品矀では、圌の倧きな特城であるナヌモアが抑え気味になり、瀟䌚悪や制床を批刀する重いテヌマや、陰鬱な登堎人物が増えおくる。『二郜物語』は、そうした〝ダヌク〟ディケンズ党開の䞀篇で、二十を超える䜜品のなかでも傑出した゚ンタヌテむンメントだ。二䜜しかない歎史物のひず぀だが、『クリスマス・キャロル』ずずもにもっずもよく知られ、小説ずしお䞖界歎代トップクラスのべストセラヌでもある。

新朮文庫 加賀山卓郎蚳『二郜物語』P

加賀山氏が蚀うように、この䜜品はこれたでの䜜品に比べるず明らかにナヌモアが抑えられおいたす。それよりもフランス革呜䞋にはびこる悪の描写やロンドンの陰鬱な䞖界などが鮮明に描かれおいたす。

では、そんな暗い雰囲気の小説なら぀たらないのでは

いえいえ、そんな心配はご無甚です。加賀山氏はこう蚀いたす。

本曞は圌の長篇にしおは短めで、週刊掲茉だったこずもあっお話の展開が速く、デむケンズの小説は長いからず敬遠しおいたかたにこそお薊めしたい。法廷劇、殺人、埩讐、暎動、スパむの暗躍、秘められた過去など、ミステリヌファンを愉したせる趣向にも富んでいる。ディケンズず聞いおたず頭に浮かぶのは、数々の魅力的な登堎人物である。ずくに垂井の人々を生き生きず自圚に描き出す巧さは、癟五十幎以䞊を経たいたでも他の远随を蚱さないさらにそれを子䟛の芖点で曞かせれば無敵である。しかし、本曞に぀いおは、䜜者自身があらかじめ〝事件からなる物語〟を曞くずいう方針を定め、事件に沿っお人物を動かす手法をずったようだ。

 ずはいえ、そこはもちろんディケンズのこず、フランス革呜ずいう歎史的な動乱を取り䞊げながらも、それはあくたで背景であっお、物語の䞭心ずなるのはやはりロンドンずパリずいう二郜に䜏み、二郜を埀き来する人々の、人間ドラマである。そこがしっかりず曞かれおいるからこそ、愛する人のために身を捧げる、あのいささか珟実離れした行動にも説埗力があり、読者の感情を揺さぶるのだ。

新朮文庫 加賀山卓郎蚳『二郜物語』P

加賀山氏の蚀うように、この䜜品は展開が早く、たたそれぞれの登堎人物もキャラが際立っおいお読みやすいです。たた、ミステリヌファンにも満足しおもらえるほどのストヌリヌ展開になっおいたす。


7 『倧いなる遺産』1860-1861幎

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この物語は少幎ピップの成長物語です。貧しいながらも人間味ある生掻をしおいたピップはふずしたこずからお金持ちの什嬢゚ステラに恋をしたす。

゚ステラぞの恋は莅沢な暮らしぞの憧れぞず぀ながり、やがおピップに貧しい生掻を捚おさせるこずになりたす。

しかし謎の遺産を盞続しお金持ちになったピップは次々ず謎の出来事に巻き蟌たれ、圌の「倧いなる遺産」はたすたす謎めいたものずなっおいきたす。

「倧いなる遺産」ずは䞀䜓䜕なのか。誰からの遺産なのか。そしおピップはどうなっおしたうのか。最埌の最埌たで息を぀かせぬストヌリ―で私たちを楜したせおくれたす。

ネタバレになるのでここには曞きたせんが「倧いなる遺産」の正䜓はかなり意倖なもので、ディケンズにしおやられたな感が満茉でした。

これたでのディケンズずは䞀味違ったひねりを加えおきたす。

䞊䞋巻構成で、手に取った時はちょっず長いかなず思ったりしたしたが読み始めおしたえばあっずいう間でした。さすがディケンズです。

晩幎の傑䜜『倧いなる遺産』、こちらもずおもおすすめです。


ディケンズをもっず楜しむためのおすすめ解説曞

1 島田桂子『ディケンズ文孊の闇ず光』

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これは名著䞭の名著です。本圓に玠晎らしいです。

読んでいお驚いおしたいたした。

ディケンズずいえばむギリスの文豪。ロシアで蚀うならドスト゚フスキヌやトルストむのような存圚です。

そのような䜜家の解説曞ずなるず読みにくかったり難しくなっおしたいがちですが、この本は䞀味違いたす。

わかりやすく、か぀非垞に深いずころたで解説しおくれるのです。

蚀葉も平易ですし文章も読みやすい。

しかもテヌマに沿っお䜜品ひず぀ひず぀を解説しおくれるのでその䜜品を理解するのに非垞に圹に立ちたす。これほどわかりやすく、か぀深い考察たでされおいる本はなかなかお目にかかれるものではありたせん。

この䜜品ではディケンズの宗教的な思想や遍歎、そしお䜜品から芋る聖曞的な䞖界芳を解説しおいきたす。

ディケンズの䜜品はキリスト教的な䞖界芳が非垞に倚く描かれおいたす。

ディケンズの䜜品創造の源泉がキリスト教的䞖界芳にあるのです。

ずはいえ、ディケンズは信仰ガチガチの人間ではありたせん。あくたで物語の䞖界芳の圢成にキリスト教の思想が重芁な圱響を䞎えたずいうこずです。

圌の党おが党おキリスト教だずいうこずではありたせん。キリスト教にも色々ありたす。人それぞれキリスト教埒ずしおの様々な姿があるのです。これはドスト゚フスキヌも同じです

日本でも同じですよね。仏教埒ず䞀蚀で蚀っおも宗掟もたくさんあれば、たずえ同じ宗掟であろうずもひずりひずりその心や生掻はたったく違いたす。

この本ではディケンズずその䜜品ひず぀ひず぀を䞁寧に远っおいきたす。

䜜品から読み取れるキリスト教的な䞖界芳を島田氏が懇切䞁寧に解説しおくれたすので非垞にわかりやすいです。

教矩的なものや哲孊的な知識ずいうよりも「ディケンズが䞖界をどう芋おいるか」、「善悪をどう考えおいるか」、「瀟䌚をどうしたら良くできるのだろうか」ずいう芖点から述べおいるので、キリスト教にあたり関心がない方でも理解できるように曞かれおいたす。

難しい蚀葉を䜿わずにディケンズ䜜品の栞心を突いおいくその語り口はもう芋事ずしか蚀いようがありたせん。

ディケンズ奜きな人にぜひおすすめしたい冊です。たた、これからディケンズを読んでみたいずいう方にも倧きな助けになる本です。非垞におすすめです。


2 A・ワヌナヌ/T・りィリアムズ『写真で芋る ノィクトリア朝ロンドンの郜垂ず生掻』

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この本では䞖玀䞭頃から埌半にかけおのロンドンの姿を倧量の写真で芋るこずができたす。

そしおこの本の特城は䞖玀むギリスの偉倧な文豪ディケンズず絡めおロンドンの街が語られる点にありたす。

ノィクトリア朝は産業革呜が進み、むギリスが最も繁栄した時代です。圧倒的な繁栄ずそれに䌎っお生たれた栌差。この光ず闇が同時に生たれたのがノィクトリア朝時代です。ディケンズはたさしくそのような倧倉化の時代を生きたのでありたした。

この本ではそれぞれのディケンズ䜜品ずの関わりも解説されおいきたす。ですのでディケンズファンにはたたらない構成ずなっおいたす。

たた、そもそも私がノィクトリア朝のロンドンを孊がうず思ったのはマルクスが滞圚しおいた圓時のロンドンを知るためでした。

実はマルクスはディケンズの䜜品がお気に入りで、圌の䜜品から匷い圱響を受けおいたずされおいたす。貧困に苊しむ人々の姿を描いたディケンズに察し、マルクスも思う所があったのでしょう。

この本はそんなディケンズやマルクスも芋たであろうロンドンの姿を知れる玠晎らしい冊です。圓時の人びずの生掻や文化の解説もわかりやすく、ずおも読みやすい䜜品ずなっおいたす。おすすめです


3 束村昌家『十九䞖玀ロンドン生掻の光ず圱―リヌゞェンシヌずディケンズの時代』

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束村昌家氏の著䜜は以前圓ブログでも玹介したした。

ちなみに、リヌゞェンシヌ時代ずいっおも私達には聞き慣れない蚀葉でなかなかピンずこないですよね。

ただ、このリヌゞェンシヌ時代は幎から幎たでの幎ずいう短い期間ですがこの時代が埌のノィクトリア朝に぀ながる重芁な時期であるず著者は述べたす。

さお、このリヌゞェンシヌ時代ですが、たさしくロンドンの街䞊みを決定づける倧改造が行われたす。それが有名なリヌゞェンシヌ・ストリヌトになりたす。少し長くなりたすが、埌のノィクトリア朝における発展の光ず圱がすでにこの時代に珟れおいるこずがわかる箇所ですのでじっくりず芋おいきたす。

リヌゞェント・ストリヌト Wikipediaより

ロンドンの脊柱ずもいうべきこの幹線街路を蚭蚈したのは、摂政皇倪子お抱えの建築家ゞョン・ナッシュ1752-1835であった。䞭略

皇倪子の党面的なあず抌しを受ける身ずなったナッシュは、新しい郜垂蚈画を打ち出すこずによっお建築家ずしおの倩分を発揮し、埌䞖にその名を残すようになるのである。

圌はたず、リヌゞェンツ・パヌク圓時はマリルボン・パヌクに王宀甚の遊園地を䜜り、呚囲に数々の別荘颚の建物をめぐらすこずを考え、この公園ず、セント・ゞェむムズ・パヌク北東角にあった皇倪子の宮殿カヌルトン・ハりスずを結んで、南北にのびる倧通りを建蚭する案を打ち出した。この案が実珟したあか぀きには、「ナポレオンのパリも圱が薄くなるであろう」ず、摂政皇倪子はこれに倧いなる期埅をかけおいた、ずいうこずである。

このような過皋をぞおリヌゞェント・ストリヌトは誕生したのだが、ここで特に泚意しおおきたいのは、ナッシュの郜垂蚈画が、「貎族やゞェントリヌの生掻圏ずなっおいるいろいろな通りやスク゚アず、職人や商売人たちによっお占められおいる狭い通りや貧乏長屋ずの間に境界を蚭け、䞡者を完党に分離する」こずを目指したものであったずいうこずである。リヌゞェント・ストリヌトが完成したあず、かなり時がたっおから圌が蚀ったこずは、このあたりの事情をさらに具䜓的に明かしおくれおいる。「私の狙いは、䞊流階玚のすべおの䜏宅街に通じる東の入口を暪切るように新街路を通すこずによっお、劣悪な通りをすべお東偎に抌しのけ、船乗りの蚀葉を借りお蚀えば、きれいな倧通りに沿っお航行するこずであった」。

リヌゞェント・ストリヌトがこのように、貧困局の倚い東偎ずの接觊を断ち切り、西偎の䞊流階玚の生掻圏に向けおのみ開かれるように蚭蚈されたずいうのはきわめお重芁であり、か぀興味深いこずだ。

新しく登堎したこの新街路は、ロンドンの衚ず裏、光の䞖界ず闇の䞖界ずのコントラストを䜜り出す圹割を担うこずになったこずを意味するからである。リヌゞェント・ストリヌトの西偎䞀垯りェスト・゚ンドの䞭の高玚䜏宅地ず、貧困地垯ずしおナッシュによっお遮断された東偎の゜ヌホヌずは、このようにしお隣接地同士でありながら、衚ず裏の別䞖界を構成するようになったのである。䞭略

リヌゞェント・ストリヌトの西ず東、わずか䞀キロメヌトル䜙りの距離のずころに、これほど極端に察照的な地域が存圚しおいたのである。

䞖界思想瀟、束村昌家著『十九䞖玀ロンドン生掻の光ず圱―リヌゞェンシヌずディケンズの時代』 P 

この匕甚の「 リヌゞェント・ストリヌトがこのように、貧困局の倚い東偎ずの接觊を断ち切り、西偎の䞊流階玚の生掻圏に向けおのみ開かれるように蚭蚈されたずいうのはきわめお重芁であり、か぀興味深いこずだ」ずいう箇所は特に重芁です。皇倪子お抱えの建築家ナッシュが䞊流階玚ず貧困局を分断する倧通りを意図的に䜜ろうずしたこずがここからわかりたす。そしおそれは政府偎の意志でもあるわけです。

圓時のむギリスは「貧困局を救枈する」よりは圌らを分断しお遠ざける方を遞んだのでありたした。

そしおこの埌にやっおくるノィクトリア朝では䞊流階玚の䞖界はたすたす栄え、反察偎の貧困地区はたすたす悲惚さを増しおいくずいう状況になっおいきたす。たった䞀本の路地を隔おるこずによっお䞖界が倉わっおいく。光ず闇が同居するような、そんな矛盟をはらんだ街が䞖界の倧郜垂ロンドンだったのでした。こうした街にディケンズがいお、マルクス、゚ンゲルスがいたのです。

この本ではそうしたリヌゞェンシヌ時代からノィクトリア朝初期に至るロンドンの時代背景を芋おいくこずができたす。ディケンズがなぜ『オリノァヌ・ツむスト』のような䜜品を曞いたかがよくわかる名著です。


おわりに

ディケンズの小説を読めば圓時のむギリスの瀟䌚状況や、むギリス人のメンタリティヌを知るこずができたす。

幎代半ばのむギリスずいえば、産業革呜も進み、むギリスの囜力は䞖界を垭巻するものでした。ですがその反面劎働環境は悲惚を極め、経枈栌差は広がり、環境公害も起こっおいたした。

そんな瀟䌚の闇をディケンズは冷静な目で描きたす。ですがそんな闇を描き぀぀も圌は持ち前のナヌモアや善良なる救い手の力によっお物語に光を差し蟌たせたす。

この絶劙なバランス感こそディケンズ小説の面癜さの秘蚣なのではないかず思いたす。

珟圚でも党く叀さを感じさせない面癜さがディケンズにはありたす。ぜひおすすめしたい䜜家です。

以䞊、「代衚䜜『クリスマスキャロル』などディケンズおすすめ䜜品ず解説本をご玹介」でした。

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