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ロシア文孊のおすすめ名䜜遞その魅力ず面癜さを味わえる解説本も合わせおご玹介


ロシア文孊は暗くお重い難しいいえいえその魅力ず面癜さをぜひお䌝えしたい

ロシア文孊・・・

皆さんはこのロシア文孊にどのようなむメヌゞを持たれおいるでしょうか。

きっず「難解で長倧重厚な䜜品」ずいうのが䞀番倚いのではないかず思いたす。

たしかにドスト゚フスキヌやトルストむの名䜜を考えおみればそれは間違いありたせん。人生を深く探求した圌らの䜜品はやはり超䞀玚の重みを持ちたす。

ですが、そんな圌らの䜜品はただ難解で重いだけではありたせん。やはりここたで時代を経おも䞖界䞭で愛されおいるのはシンプルに面癜いからでもありたす。

私も最近『カラマヌゟフの兄匟』を再読したのですが驚きたした。この䜜品が笑えるほど面癜いものだったこずに今曎ながら気づいたのです。『カラマヌゟフ』が笑えるなんお嘘でしょず思うかもしれたせんが本圓なのですから仕方がありたせん。

詳しくはこちらの「笑えるカラマヌゟフ、泣けるカラマヌゟフ、再読しお芋えおきたものはじめに読む【あずがき】」の蚘事でお話ししおいたすが、ロシア文孊はシンプルに面癜いそしおぜひその魅力をお䌝えしたいそれが私の思う所です。

残念ながら珟圚の瀟䌚情勢においおロシアに察するむメヌゞはかなり悪いものずなっおいたすが、トルストむは平和を蚎えた䜜家でもありたすし、画家や音楜家達も圓時の圧政の䞭、自分たちの衚珟を远い求めおいたした。そんな圌らの創䜜粟神はやはり䞖界普遍の力を持っおいるず私は考えおいたす。

今回の蚘事ではそんなロシア文孊のおすすめ䜜品10遞ず刺激的な参考曞を合わせお玹介しおいきたす。それぞれのリンク先ではより詳しい内容をお話ししおいたすので興味のある本があればぜひご参照頂ければず思いたす。

では早速始めおいきたしょう。

ロシア文孊のおすすめ䜜品遞

ドスト゚フスキヌ『死の家の蚘録』

【シベリア流刑での極限生掻を描いた傑䜜】

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『死の家の蚘録』はドスト゚フスキヌ䜜品の䞭で私が最もおすすめしたい䜜品です。入り口ずしおはこの本が読みやすさ、分量、ドスト゚フスキヌらしさを感じる䞊でベストなのではないかず思いたす。ロシア文孊の入り口ずしおもぜひおすすめしたいです。

ドスト゚フスキヌは幎に瀟䌚䞻矩思想サヌクルに出入りしおいたため思想犯ずしお逮捕され、極寒のシベリア、オムスク監獄ぞ流刑ずなっおしたいたした。

圌は月日、氷点䞋床にもなる極寒の䞭、銬車で連行されおいきたした。オムスク監獄に着いたのはなんずそのおよそカ月埌の月日でした。

そしおこの䜜品はシベリアのオムスク監獄での䜓隓を詳现に描いおいたす。

ドスト゚フスキヌずいえば、心の奥深くのドロドロをえぐり出すような心理描写をむメヌゞしたすが、この䜜品ではそのような内面描写よりも、䞻人公の目を通しお呚囲の状況や他の囚人たちの心理を冷静に分析しおいるような文䜓で進んで行きたす。

その出来栄えはあの文豪トルストむやツルゲヌネフも絶賛するほどでした。

そうした意味で、この小説は他のドスト゚フスキヌ䜜品よりも非垞に読みやすい䜜品ず蚀うこずができたす。

この䜜品は心理探究の怪物であるドスト゚フスキヌが、シベリアの監獄ずいう極限状況の䞭、垞人ならざる囚人たちず共に生掻し、間近で圌らを芳察した手蚘です。぀たり、面癜くないわけがありたせん。

あのトルストむやツルゲヌネフが絶賛するように、今䜜の情景描写はたるで映画を芋おいるかのようにリアルに、そしお臚堎感たっぷりで描かれおいたす。読んでいおたるで自分もそこにいるかのような、それほどの迫力をもっお描かれおいたす。

物語も展開が早く、次々ず堎面が動いおいくのでペヌゞをめくる手が止たりたせん。

しかもドスト゚フスキヌはそんな䞭で随所に驚くほどの人間分析をやっおのけたす。

人間の本質に迫るドスト゚フスキヌの目は、監獄ずいう極限状況の䞭でさらに研ぎ柄たされおいるように感じたす。

そういう点でこの本はフランクルの『倜ず霧』に近い䜜品ず蚀えるかもしれたせん。

それほどこの䜜品は人間の奥底にたで沈んでいく䜜品であるず私は思いたす。ドスト゚フスキヌ䜜品の䞭でも特異な䜍眮を占める䜜品です。埌の五倧長線の原点ずもなる䜓隓をしたのがこのシベリア流刑であり、『死の家の蚘録』になりたす。ドスト゚フスキヌの特城を知る䞊でも非垞に重芁な䜜品です。


チェヌホフ『六号病棟』

【チェヌホフ小説の極みあたりに恐ろしく、あたりに衝撃的な䜜品】

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この䜜品はチェヌホフ䜜品䞭屈指、いや最もえげ぀ないストヌリヌず蚀うこずができるかもしれたせん。

院長がい぀の間にか粟神病者にさせられお病院をクビになり、あた぀さえ粟神病棟に攟り蟌たれそこで死を迎えるずいうあらすじを読むだけでもその片鱗が芋えるず思いたすが、䜜品を読めばその恐ろしさがもっずわかりたす。その蟺のホラヌ映画を芳るより恐いかもしれたせん。

ただ、この恐さず蚀うのが「ホラヌ映画的な恐怖」ではなく、人間の本性、そしお自分自身の虚食を突き付けられるような怖さです。

この䜜品を読むず「えじゃあ自分っお䜕なんだこの院長や粟神病者ず䜕が違うんだ正気ず狂気の違いっお䜕だずるく生きる人間に利甚されるしか私の道はないのか  暎力の前ではすべおは無意味なのか」などなど様々な疑問が浮かんでくるこずでしょう。

この䜜品はチェヌホフどころか、最近読んだ本の䞭でも特に匷烈な印象を私に䞎えたのでした。これはもっずもっず日本で広がっおほしい䜜品だず私は思いたす。


トルストむ『人にはどれほどの土地がいるか』

【人間の欲望の果おしなさ、虚しさを語るトルストむの傑䜜民話】

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この䜜品は「ある村の癟姓が、より倧きな土地をもらえるずいう儲け話に乗っかり、次々ず欲望を増倧させおいき、最埌にはその欲望のゆえに呜を萜ずす」ずいう、筋曞きずしおはかなりシンプルな物語です。

ですがそこは最匷の芞術家トルストむ。圌の手にかかればそうしたシンプルなストヌリヌがずお぀もなく劇的で奥深いものになりたす。

この物語のポむントは人間の欲望が埐々に埐々に拡倧し、埌戻りできない様をこの䞊なく絶劙に描き出しおいる点にありたす。最初はちょっずの儲け話だったのです。䜕もいきなりずお぀もない倧儲けができるずいうわけではないのです。ですがその「埐々に埐々に」が実に厄介で、これが元で人生が砎滅するずいうのは私達にもよくわかりたすよね。

トルストむはそんな「埐々に埐々に」埌戻りできない欲望の悲劇を民話に蚗しお語りたす。

タむトルの『人にはどれだけの土地がいるか』ずいうのはたさに絶劙なネヌミングずなっおいたす。

「もっず、もっず」ずより倧きな土地を求めお、䞻人公の癟姓は歩き回りたす。自分が歩いただけの土地をもらえるずいう取匕のために圌は必死で歩き回るのです。ですがその結末は・・・

いやぁ実に芋事。この物語が䞖界でトルストむの代衚䜜ずしお今も愛されおいる理由がよくわかりたした。

トルストむ民話の䞭で䞀番奜きな䜜品はどれかず蚀われたしたら私はこの䜜品を遞びたす。

ぜひぜひおすすめしたい䜜品です。


ツルゲヌネフ『父ず子』

【䞖代間の断絶をリアルに描いた名䜜あたりに匷烈私のトラりマ本】

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『父ず子』は幎に発衚された長線小説です。

ニヒリスト、ニヒリズムずいえばなんずなくニヌチェを思い浮かべおしたいたすが、ニヒリストずいう蚀葉自䜓は実はすでにあり、ツルゲヌネフがこの䜜品で䞖に広めたものだったのです。これには私も驚きでした。

物語は䞻人公アルカヌゞヌが友人バザヌロフを䌎っお垰郷するずころから始たりたす。

旧䞖代を代衚するアルカヌゞヌ家ず新䞖代のニヒリスト、バザヌロフの衝突がそこで描かれたす。

そしおその衝突ず䞊行しおアルカヌゞヌ、バザヌロフはある姉効に恋をするこずになりたす。

䞖代間の衝突ず恋の物語が混じり合い、小説ずしお非垞に面癜い展開ずなっおいたす。

この䜜品は小説ずしお非垞に面癜いです。そしお驚くほど読みやすい小説でした。

長々ずしたややこしい文章もなく、たるでプヌシキンのようにすっきりずした文䜓。そしお物語もどんどん展開されおいき、その勢いにぐいぐい匕き蟌たれおしたいたす。

たた、ニヒリストずは䞀䜓䜕なのかずいうこずも旧䞖代の代衚アルカヌゞヌ家の面々ず新䞖代の代衚バザヌロフの察話によっお明らかにされたす。ですのでややこしくお難しい哲孊論ずは党く異なった趣で語られおいきたす。これも『父ず子』が非垞に読みやすい倧きな理由の䞀぀であるず思われたす。

バザヌロフずいう人物を考案するこずによっお、ツルゲヌネフは時代を代衚する兞型的人物を生みだし、それに人間らしい肉付けを加えるずいう力技を成し遂げたずいうのがこの䜜品の最も偉倧な点であるず私は思いたす。

出来䞊がった䜜品を受け取る私たちからするずあたりぎんず来ないかもしれたせんが、バザヌロフずいう人間を創造したずいうのはものすごいこずです。

バザヌロフを芋た時に倚くの人が「あぁいるよねこういう人」ず思わず玍埗しおしたう、「あるある」的な感芚です。

ツルゲヌネフがバザヌロフずいうニヒリストを生み出すず、それ以降珟実䞖界においおそのような人は「バザヌロフ的人間」ずか「ニヒリスト」ず呌ばれるこずになりたした。

この圱響力たるやすさたじいものがありたす。

これをやっおのけたツルゲヌネフの芳察者、芞術家ずしおの胜力はやはりずば抜けおいたす。

『父ず子』は読みやすく、ずおもおすすめな䜜品です。

・・・が、私にずっおはある皮【トラりマ本】ずも蚀うべき匷烈な印象を受けるこずになりたした。これは読めばわかりたす。ぜひ手に取っおみおはいかがでしょうか。


プヌシキン『スペヌドの女王』

【ドスト゚フスキヌの『眪ず眰』にも倧きな圱響を䞎えた傑䜜短線】

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『スペヌドの女王』は幎プヌシキンにより発衚された䜜品です。

ドスト゚フスキヌがこの䜜品に倧倉な感銘を受け、絶賛したずいうこずで読み始めた『スペヌドの女王』でしたが、これも倧倉面癜い䜜品です。

ストヌリヌ展開もスピヌディヌで文庫本でペヌゞ少々ずいうコンパクトな分量の䞭に特濃な䞖界芳が描かれおいたす。

日本ではプヌシキンはかなりマむナヌな郚類に入っおしたいたすがそれは非垞に惜しいこずだず思いたす。

シンプルに面癜い王道䞭の王道の面癜さがこの䜜品にはありたす。

ペヌゞ数も少ないので手に取りやすいのも嬉しいポむントでありたす。ちょっずした読曞にももっおこいの䜜品です。

読めばわかりたす面癜いです

個人的にはプヌシキン䜜品の䞭で最もおすすめな䜜品です。

ただ、私の䞭でのプヌシキンNo.は実は『モヌツァルトずサリ゚ヌリ』ずいう䜜品です。これは日本ではほずんど知られおいない䜜品です。

この䜜品はサリ゚ヌリずいう才胜ある優れた音楜家が、倩賊の才を持぀モヌツァルトに嫉劬し、毒殺するずいう内容です。

サリ゚ヌリは人生の党おを音楜に捧げ、それこそ血のにじむような努力を重ね、今も生みの苊しみを抱きながら䜜曲を続けおいたす。

そんなサリ゚ヌリにずっお圧倒的な才胜で軜々ず傑䜜を生み出しおいくモヌツァルトがどうしおも憎らしく思えおきたす。

プヌシキンはこの圧倒的倩才に察する嫉劬をテヌマに『モヌツァルトずサリ゚ヌリ』を曞き䞊げおいきたす。

私にずっおこの䜜品がプヌシキン䜜品の䞭で最も奜きな䜜品です。

䜕がいいず蚀われるず案倖これが難しいのですが、「嫉劬」ずいう感情は私達にもものすごく身近で、しかも私たちの心を狂おしいたでに痛め぀けおやたない感情です。それを芞術の域にたで高めたこの䜜品は異様に私の心に刺さっおきたした。

そしおプヌシキン䜜品の特城でありたす簡朔で流れるような文䜓のおかげですいすい読めおしたうずいう圧倒的な読みやすさ。

分量も短く、䜕床も䜕床も繰り返しお読んでもたったく苊になりたせん。だからこそ䞭毒のように䜕床も䜕床も読みたくなっおしたいたす。この本が手元に来おから週間ほどですでにこの䜜品を回以䞊読んでしたいたした。䞭毒性ありです。

『モヌツァルトずサリ゚ヌリ』は日本においおはマむナヌな䜜品ですがこれは逞品です。もっず䞖に出おほしい䜜品です。ずっおもおすすめです。読めばわかりたす。プヌシキンはすごいです。そのすごさをこの䜜品で特に感じたした。

ただ、この䜜品が収録されおいる『プヌシキン党集〈〉』は倀段も高く気軜に手に取れる本ではありたせん。私も最初は図曞通で借りお読みたした。ですがあたりに面癜かったので「えいや」ず賌入した次第でありたす。

ただ、こうした本を気軜におすすめするのはなかなか難しい・・・。ずいうわけで次点の手に取りやすい『スペヌドの女王』をここで遞に挙げさせお頂きたした。

『スペヌドの女王』も間違いなく名䜜です。面癜さは保蚌したすのでぜひ楜しんでみおください。


ゎヌゎリ『狂人日蚘』

【人が狂うその過皋を、あなたは芋たこずがあるだろうか】

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䞻人公ポプリヌシキンはうだ぀の䞊がらない䞋玚官吏で、長官の嚘に奜意を持っおいたす。しかし身分があたりにも違いたすし、そもそも男ずしおの魅力もないのですからうたくいきようもありたせん。それでも圌なりに長官に尜くし、寵愛を受けようずするのですがあいかわらずのうだ぀の䞊がらなさっぷりです。これではうたくいかなさそうです。

この䜜品はそんなポプリヌシキンが粟神に異垞をきたし狂っおいく様を圌の日蚘を通しお芋おいくずいう物語です。

圌はある日突然犬の䌚話が聞こえるようになり、長官の家の犬が出した手玙を読もうずしたす。すでに意味䞍明ですね

そしおしばらくするず自分がスペむンの王䜍継承者であるず思い蟌み、最埌は粟神病院に連行されおいくこずになりたす。

この䜜品のすごいずころは狂っおいく人間を他者が倖偎から描写したのではなくお、今たさに自芚なしに狂っおいく人間の思考や蚀動を䞀人称で描いおいるずころにありたす。

犬の声が聞こえおくるずころたではただいいのですが、自分がスペむン王䜍継承者だず蚀い出すあたりからかなり䞍気味さが出おきたす。ゎヌゎリ流のナヌモアが党開なのでくすっず笑っおしたうのですがちょっず考えおみるず背筋がぞっずするような䞍気味さがやっおくるのです。

これはものすごい䜜品です。ぜひこのホラヌ感溢れる展開を皆さんにも味わっお頂きたいです。

ゎヌリキヌ『どん底』

【どん底に生きる人々の魂の叫び。゜連前倜を象城する名䜜】

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『どん底』は幎にゎヌリキヌによっお曞かれた劇䜜品です。

『どん底』これは、いうたでもなく、党䞖界の近代劇䞭、声䟡・質量ずもに珠玉ず呌ばれるチェヌホフの諞䜜ずゆうに肩をならべるこずのできる䞍朜の名䜜である。やはりチェヌホフずの関係で、この名䜜初挔の名誉も、モスクワの芞術座に垰するものであるが、その埌今日たで䞖界各囜で䞊挔された数は、しんに䜕癟回だかわからないくらいである。(䞭略

今や、わが読曞界では、ゎヌリキむの『どん底』か、『どん底』のゎヌリキむかず蚀われるたでに、䜜者の名ずずもに広く芪したれおいる

岩波文庫、ゎヌリキヌ、䞭村癜葉蚳『どん底』P

この䜜品はかなりパワヌがありたす。チェヌホフは静かな雰囲気の劇ですが、ゎヌリキヌはどん底にいる人たちの魂の叫びを衚珟したす。蚀葉のパワヌがものすごいです。本で読むだけでこれですから舞台で聞いたらこれはものすごいものなのではないでしょうか。

ぜひ挔劇でも芳おみたい䜜品です。


チェヌホフ『すぐり』

【幞犏ずは䜕かを問う傑䜜短線幞せは金で買えるのか。ある幞犏な男の恐ろしすぎる実態ずは】

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たったペヌゞにも満たない短い䜜品ではありたすが、チェヌホフの人生芳、幞犏論が凝瞮された傑䜜です。チェヌホフ研究者の䜐藀枅郎氏もこの䜜品を、

『すぐり』はすばらしい、そしおある意味でおそろしい䜜品である。小品ずいっおもいい短い圢匏の䞭に盛りこたれた内容は䞀個の長篇小説に匹敵する。

塙曞房、䜐藀枅郎『チェヌホフの文孊』P

ず絶賛しおいたす。「幞せずは䜕か」ずものすごく考えさせられる䜜品です。

䞊で玹介した『六号病棟』ず䞊んで、チェヌホフ小説の最高峰だず私個人は考えおいたす。それほど面癜い䜜品です。

チェヌホフ党集に収録されおいるので手に取るハヌドルが高いのが玉に瑕ですが、䞭叀であれば手ごろな倀段で賌入できたすし、図曞通に行けば眮いおある可胜性が高い本でもありたす。ぜひおすすめしたいチェヌホフの珠玉の短線です。


トルストむ『戊争ず平和』

【ナポレオン戊争を舞台にしたトルストむの代衚䜜】

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『戊争ず平和』はずにかくスケヌルの倧きな䜜品です。

この䜜品はできるだけ若いうちにたず読んだ方がよいです。特に孊生のうちにこそ読むべき䜜品です。

たず読むのに時間がかかり過ぎたす。瀟䌚人になっおからだずずお぀もない芚悟が必芁になりたす。

さらに蚀えば、若くお頭が柔軟なうちにトルストむ倧先生の説教をが぀んず受けおおいた方がいいずいうこずです。

この䜜品では「人生ずは䜕か。人間ずしおどうあるべきなのか」ずいう教蚓が山ほど出おきたす。

これは幎を取っおある皋床自分が固たっおしたっおから聞くより、できるだけ早い方が絶察にその埌に぀ながっおいきたす。トルストむ倧先生の説教に頷くか反発するかは自由です。どちらでもいいのです。ですが、こうした圧倒的なスケヌルで語られる物語や人生の教えをが぀んずぶ぀けられる䜓隓、これはかけがえのないものだず私は思いたす。

かく蚀う私自身はず蚀いたすず、歳にしお初めお『戊争ず平和』を読みたした。やはり孊生の時に読めおたらなずも感じたしたが、ドスト゚フスキヌを研究しお様々な文孊や歎史を知った䞊で読んだ今のタむミングも悪くなかったなず思っおいたす。

ちなみに私はトルストむ倧先生の説教に圧倒はされたものの、反発を感じた掟でありたす。これはきっずドスト゚フスキヌ的な思考を持っおいるずこうなりやすいのではないかず感じおおりたす。

ドスト゚フスキヌが小さな暗い郚屋で䜕人かが集たりやんややんやず奇怪な蚀葉のやりずりを繰り返す物語を曞くずすれば、トルストむはロシアやカフカヌスの広倧な䞖界や華やかな貎族の倧広間のむメヌゞです。

ドスト゚フスキヌが人間の内面の奥深く奥深くの深淵に朜っおいく感じだずすれば、トルストむは空高く、はるか圌方たで広がっおいくような空間の広がりを感じたす。

深く深く朜っおいくドスト゚フスキヌず高く広く䞖界を掎もうずするトルストむ。

二人の違いがものすごく感じられたのが『戊争ず平和』ずいう䜜品でした。

䞇人におすすめできる䜜品ではありたせんが、凄たじい䜜品であるこずに間違いはありたせん。䞀床読んだら忘れられない圧倒的なスケヌルです。巚人トルストむを感じるならこの䜜品です。


10ドスト゚フスキヌ『カラマヌゟフの兄匟』

【ドスト゚フスキヌの最高傑䜜神ずは人生ずは自由ずは】

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『カラマヌゟフの兄匟』はドスト゚フスキヌの晩幎に曞かれた生涯最埌の䜜品です。

ドスト゚フスキヌは生涯倉わらず抱き続けおきた「神ず人間」ずいう根本問題を描き、この䜜品は圌の䞖界芳を集倧成したものずなっおいたす。

この䜜品の最倧の山堎は䞊巻の終盀に珟れる「倧審問官の章」です。䞀床読んだら絶察に忘れるこずができないほどの衝撃がありたす。

『カラマヌゟフの兄匟』はドスト゚フスキヌ䜜品の䞭でも私が最も奜きな、そしお思い入れのある䜜品です。

ただ、この䜜品も䞇人におすすめできる䜜品ではありたせん。分量も䞊䞭䞋巻合わせおペヌゞ以䞊の倧䜜であり、難解な箇所もありたす。しかもよく蚀われるように䞊巻の冒頭郚分がずにかく読みにくいずいう問題がありたす。

䞊巻の前半は忍耐が必芁になりたす。正盎に申したしお、前半はプロロヌグずいいたすか、䞭盀からの盛り䞊がりのための前準備のような内容です。

もしかしたら、ここで挫折しおしたう人が倧半なのかもしれたせん。

ですがここを蟛抱するず䞊巻の埌半から䞀気に゚ンゞンがかかっおきたす。

ここたで蟛抱匷く読んできた方なら、これたで溜めおいた゚ネルギヌが爆発するがごずく䞀気にドスト゚フスキヌの筆の勢いに呑み蟌たれおいくこずになるでしょう。

䞭巻䞋巻に入っおもその勢いは止たるこずはありたせん。きっず抜け出せなくなるほど没頭するこず請け合いです。それほどすごいです。この䜜品は。

䞊巻の前半郚分さえ突砎すれば埌はもう怒涛のごずしです。

『カラマヌゟフの兄匟』はドスト゚フスキヌ䜜品の䞭でも私が最も奜きな、そしお思い入れのある䜜品です。

長線小説ずいうこずでなかなか手に取りにくい䜜品ではありたすが、心の底からおすすめしたい䜜品です。


ロシア文孊を楜しむためのおすすめ参考曞

アンナ・ドスト゚フスカダ『回想のドスト゚フスキヌ』

【これを読めばドスト゚フスキヌが奜きになる】

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この䌝蚘はドスト゚フスキヌの劻であるアンナ・ドスト゚フスカダアンナ・グリゎヌリ゚ノナ倫人によっお曞かれた回想蚘です。

私が心の底からドスト゚フスキヌを奜きになれたのはこの䌝蚘のおかげです。

この本の特城は䜕ず蚀っおも、劻の芖点から芋たドスト゚フスキヌ像が描かれおいるずころにありたす。

私が心の底からドスト゚フスキヌを奜きになれたのはこの䌝蚘のおかげです。

私が最もおすすめする䌝蚘です。読めばきっずドスト゚フスキヌのむメヌゞが倉わるこずでしょう。

私がこの蚘事の䞀番最初にこの本を玹介したのはここに理由がありたす。ドスト゚フスキヌず蚀えば暗くお難しいずいうむメヌゞが匷いかもしれたせんが、実はそれだけではないのです。圌には救いのむメヌゞ、明るい䞖界の感芚があるのです。それが圌の䜜品に萜ずし蟌たれおいたす。これがわかるかわからないかで䜜品から受ける印象は党く異なるこずでしょう。だからこそ私はこの䌝蚘を䞀番最初に皆さんにご玹介した次第です。

そしお私はこの䌝蚘にあたりに感銘を受けたためその埌幎に倫劻の人生を足跡を蟿るペヌロッパの旅に出たした。その蚘録が珟圚圓noteでも連茉しおいる『ドスト゚フスキヌ、劻ず歩んだ運呜の旅狂気ず愛の西欧旅行』でたずめられおいたす。

この蚘事を読んで頂ければさらにこの䌝蚘がいかに優れおいるかも䌝わるかず思いたす。


川端銙男里『ロシア その民族ず心』

【ロシアの粟神的颚土を孊ぶのにおすすめの入門曞】

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この本では「郜垂、蟲村、颚土、自然、民族、女性、宗教、フォヌクロア、旅、毛皮」など様々なテヌマからロシア人の粟神に぀いおわかりやすく解説しおくれたす。

そしお同時にそれらがプヌシキンやドスト゚フスキヌ、トルストむ等ロシアを代衚する䜜家たちずどのように぀ながっおいるかも解説しおくれたす。

ドスト゚フスキヌやトルストむずいうず小難しく哲孊的なむメヌゞがあるかもしれたせんがこの本ではそのようなこずはたったくありたせん。

気候や颚土、文化ずいう具䜓的で身近なものを題材にしたロシア粟神の解説ですのでずおも気楜に読むこずができたす。

ロシア粟神を孊ぶ入門曞ずしお非垞におすすめです。


䜐藀枅郎『わが心のチェヌホフ』

【チェヌホフの魅力や面癜さをわかりやすく解説した名著】

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この本ではチェヌホフがいかに優れた䜜家か、そしおその特城がどこにあるのかずいうこずがこの䞊なくわかりやすく曞かれおいたす。

そしおチェヌホフだけではなく、ドスト゚フスキヌやトルストむずの察比も曞かれおいるので、チェヌホフを知りたい方だけではなく、ロシア文孊や挔劇を知りたい方にずっおも非垞に面癜い知芋がたくさん説かれおいたす。

この本を読めばチェヌホフだけでなくロシア文孊の特城、そしおそれらが珟代日本を生きる私たちにどのような意味があるのか、どのような問いかけをしおいるかたで孊ぶこずができたす。

著者の文孊ぞの熱い愛が蟌められた玠晎らしい名著です。


アンリ・トロワむダ『むノァン雷垝』

【暎君!?名君!?むノァン雷垝の混沌たる粟神ずはロシアの謎に迫る鍵】

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こちらは『ドスト゚フスキヌ䌝』、『プヌシキン䌝』、『倧垝ピョヌトル』などを著した䞖界的䌝蚘䜜家アンリ・トロワむダによる䌝蚘です。

『ドスト゚フスキヌ䌝』は以前私のブログでも玹介したしたが、アンリ・トロワむダの䌝蚘の特城はずにかくドラマチックで読みやすいずいうずころにありたす。

無味也燥な固い歎史本ずいうよりも、たさに小説ずいっおよい語り口です。

ですのでずおも楜しく読曞するこずができたす。

むノァン雷垝がどんな人物で䜕を行ったかを知るにはこの本は最適です。圌の残虐行為は目を疑うほどの凄惚さです。アンリ・トロワむダはそれを迫力ある筆臎で远っおいきたす。

同時に圌のなした偉業や、あたりに巚倧なスケヌル感も感じるこずができたす。

これを読めば暎君、名君ずいうこずに぀いおずおも考えさせられたす。

文句なしに面癜い冊です。歎史小説ずしお気軜に手に取っおみる䟡倀ありです。


アンリ・トロワむダ『ピョヌトル倧垝』

【サンクトペテルブルクを䜜った男ピョヌトル倧垝―ロシア版明治維新を断行した芏栌倖の皇垝に迫る】

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むノァン雷垝ず䞊んで絶察的ツァヌリずしおロシアに君臚したピョヌトル倧垝。

圌の生涯もむノァン雷垝ず同じく芏栌倖のものでした。

圧倒的カリスマ、圧倒的指導力でロシアを匷力に匕っ匵り、ロシアが確固たる匷囜ぞず至る道筋を築いたのでありたした。䞊にも曞きたしたが、讃うずペテルブルクの街をれロから䜜りあげたのは圌の発想によるものでした。

ロシアには圓時、枯がありたせんでした。北方は極寒で1幎の内倧郚分が氷に閉ざされおしたうので枯の圹目を果たしたせん。

バルト海沿岞もスりェヌデンやポヌランドに抌さえられおいたので䜿甚䞍可です。

぀たり、海䞊貿易をしたくおもたったくその手立おがない状態だったのです。

ペヌロッパの進んだ技術を取り入れたいピョヌトル倧垝にずっお、枯を埗るこずは䜕よりの悲願でした。

そのピョヌトル倧垝が幎からのスりェヌデンずの戊争でなんずか獲埗したのがネノァ川河口付近の沌沢地でした。

圌はここに芁塞を築き、新しい街の建蚭に入りたす。

しかしここはじめじめした極寒の湿地で、毎幎のように措氎被害に襲われる最悪の土地でした。誰しもがここに街を䜜るなど狂気の沙汰だず倧垝を諫めたすが、圌は党く聞く耳を持ちたせん。

ピョヌトル倧垝は党粟力を結集し、9幎をかけおサンクトペテルブルクの街を䜜り䞊げたした。ですがこの最悪の土地の環境は過酷で、この街を䜜るために倧量の蟲奎が動員され䞇人以䞊の死者が出たず蚀われおいたす。街の建蚭のためにそれだけの人が死ぬずいうのはあたりにスケヌルが違いすぎたす・・・

他にも私達が唖然ずするような゚ピ゜ヌドがどんどん出おくるのが本曞です。ロシアの近代化はここから始たったず蚀えるほどの倧倉化がここにありたす。ロシアの基瀎を知る䞊でもこの本は非垞におすすめです。


高橋保行『ギリシャ正教』

【ロシアのキリスト教を孊ぶならこの冊おすすめ入門曞】

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この本はギリシャ正教ずは䜕かずいうこずをテヌマにした本ではありたすが、著者はその䞭のかなりの分量をドスト゚フスキヌずの関連で述べおいたす。

ドスト゚フスキヌが誀解されお䞖の䞭に䌝わっおいるずすれば、それはロシア正教ギリシャ正教の教矩が理解されおいないからではないかずいうのが著者の問題提起でありたす。

カトリックやプロテスタントずはかなり違った思想がロシア正教にはありたす。

この本を読んで私はずおも驚きたした。キリスト教ずいえば無意識にロヌマカトリックやプロテスタントのこずを考えおいたしたが、ロシア正教はそれらずはかなり異なった教えや文化を持っおいるずいうこずをこの本によっお知りたした。

この本はキリスト教ずいう倧きな枠で䞀括りしおドスト゚フスキヌを芋おしたうず芋萜ずしおしたうものがあるこずを気づかせおくれたす。

よくよく考えればたしかにそうです。日本でも仏教すべおで䞀括りにしおしたえば芋えおこないものがたくさん出おきたす。仏教ずいっおも宗掟もたくさんあり、それぞれの思想はたったく異なりたす。

倧きくひずたずめにしおしたうこずはシンプルでわかりやすくお楜なのですが、それによる危うさも存圚したす。この本はその危うさに぀いおも考えさせられたす。

読んでみるず意倖な発芋が出おくるこずでしょう。ずおも興味深い内容ばかりです。

やはりドスト゚フスキヌ小説の理解にはロシア正教の抂芁を知るこずが非垞に圹に立ちたす。ドスト゚フスキヌずキリスト教に぀いおさらに深く孊びたい方にこの本は非垞におすすめです。


䜐藀枅郎『芳る者ず求める者 ツルゲヌネフずドスト゚フスキヌ』

【これ冊で䞡者の特城を孊べる名著比べおわかるその個性】

この本はタむトルにもありたすように「芳る者」ツルゲヌネフず「求める者」ドスト゚フスキヌの気質、個性に着目しお人の文孊スタむルを改めお芋おいこうずいう詊みがなされおいたす。

この本の特城は䜕より、ツルゲヌネフずドスト゚フスキヌの違いを圌らの生涯や䜜品を通しお明らかにしおいく点にありたす。

冷静で䞭道的な芳察者ツルゲヌネフ、激情的で䜕事も培底的にやらなければ気が枈たない求道者ドスト゚フスキヌ。

なぜ二人はこうも違った道を進んだのか、そしおその䜜颚の違いはどこからやっおきたのかを著者は語っおいきたす。

ドスト゚フスキヌを孊がうずするず、どうしおもドスト゚フスキヌ偎からツルゲヌネフやドスト゚フスキヌその人を芋るこずが倚くなっおしたいたす。そしおそれは逆も然りです。

ですがこの著䜜では人の生涯を䞊べおそのどちらも芋おいきたす。そうするこずによっおそれぞれの特城がよりくっきりず芋えおきたす。

やはり比べおみるずわかりやすい。特に、ツルゲヌネフずドスト゚フスキヌは真逆の人生、気質、文孊スタむルを持った二人です。

違いが倧きければ倧きいほど芋えおくるものははっきりしおきたすよね。

この著䜜を読むこずでドスト゚フスキヌがなぜあんなにも混沌ずした極端な物語を曞いたのか、ツルゲヌネフが敎然ずした芞術的な物語を曞いたのかがストンずわかりたす。

これはすごいです。

そしお䜕より、この本は面癜くお面癜くおびっくりするほどです。ものすごく興味深いこずだらけです。読んでいる内にのめり蟌んでしたい時間を忘れおしたうほどでした。

ただ悔やたれるこずに、本曞はすでに絶版ずなっおしたい賌入するこずがかなり難しい状況になっおいたす。公共の図曞通や倧孊図曞通などでは眮いおいる堎所もあるず思うのでそれらを利甚するのも手かもしれたせん。

珟圚は入手が困難で、本来はおすすめ本ずしお玹介すべきではないのかもしれたせんがそれでもなお玹介したい玠晎らしい名著です。この本の再販を匷く望みたす。ドスト゚フスキヌを知る䞊でこの䞊ない手がかりずなるこず間違いなしの名著です。


ゞョヌゞ・スタむナヌ『トルストむかドスト゚フスキヌか』

【ロシアの二倧文豪の特城をわかりやすく解説した名著】

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「トルストむかドスト゚フスキヌか」

䞡方はありえない。

このこずは私もドスト゚フスキヌ、トルストむ䞡䜜品を読んできお匷く感じたこずでした。この人はツルゲヌネフずはたた違った次元で䞡極端です。

この本ではそんなトルストむずドスト゚フスキヌの違いがわかりやすく、刺激的に解説されたす。

いやぁ、ずにかく面癜いこの本もものすごいですこれはぜひずもおすすめしたい䜜品です

トルストむずドスト゚フスキヌの特城が非垞に鮮明に芋えおきたす。ぜひぜひ手に取っおみおはいかがでしょうか。ドスト゚フスキヌが奜きな人はドスト゚フスキヌを、トルストむが奜きな人はもっずトルストむを奜きになるこずでしょう。

詳しくはここではお話しできたせんが、ぜひ以䞋のリンク先でより詳しい解説を読んで頂ければず思いたす。私の蚀わんずしおいるこずがそこに曞かれおいたす。


オヌランドヌ・ファむゞズ『ナタヌシャの螊り ロシア文化史』

【ロシアの文化・粟神性の成り立ちに迫るおすすめ参考曞】

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たずはじめに述べさせお頂きたす。

「この本は玠晎らしいですびっくりするほど面癜いです」

この本は間違いなく名著です。これだけの本にお目にかかれるのはめったにありたせん。

ロシアの文化、ロシアの粟神性を孊ぶのに最高の本です。

私個人ずしおは、この本を読んで特に印象に残ったのはオプチナ修道院に぀いおの蚘述です。

以前圓ブログでもオプチナ修道院のこずは玹介したしたが、この修道院は晩幎のドスト゚フスキヌが蚪れた、ロシアのずおも名高い修道院で、あの偉倧なる文豪トルストむも䜕床も足を運んでいたす。

今䜜の『ナタヌシャの螊り』ではチェトノェヌリコフの本よりもさらに俯瞰的にオプチナ修道院のこずが解説され、この修道院がいかにロシア人のメンタリティヌに圱響を䞎えたのかが語られたす。

単にオプチナ修道院の歎史だけを芋おいくのではなく、ゎヌゎリ、ドスト゚フスキヌ、トルストむらずの繋がりからロシア人のメンタリティヌを探っおいくずいうのが非垞に興味深かったです。これはドスト゚フスキヌのキリスト教理解を孊ぶ䞊でも非垞に重芁な芖点を䞎えおくれるず思いたす。

他にもこの本では興味深い内容がどんどん出おきたす。正盎、この蚘事では玹介しきれたせんこの本はすごすぎたす

文化はいかにしお生たれおくるのか。それは自然発生的なものなのか、人為的なものなのか、はたたた盞互䜜甚的なものなのか・・・

こうしたこずを幅広い芖点からじっくりず考えおいくのがこの本の最倧の特城です。ものすごく面癜いです。

ロシアの文化、粟神性を孊ぶのに最高の冊です


10シュテファン・ツノァむク『䞉人の巚匠』

【バルザック、ディケンズ、ドスト゚フスキヌ、比べおわかるその特城】

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この本の著者シュテファン・ツノァむクは幎にりィヌンに生たれ、『マリヌ・アントワネット』や『バルザック』など䞖界的ベストセラヌを著し、䞖界的な䌝蚘䜜家ずしお有名です。

さお、この本の特城は曞名の通り、ディケンズ、バルザック、ドスト゚フスキヌずいう、むギリス、フランス、ロシアの文豪人を比范しおその䜜品の特城に迫るずいうずころにありたす。

ディケンズずいえば『クリスマス・キャロル』や『オリバヌ・ツむスト』、バルザックはずいえば『ゎリオ爺さん』で有名な䞖玀の䜜家です。

この人はドスト゚フスキヌに非垞に倧きな圱響を䞎えた䜜家ずしおも知られおいたす。若きドスト゚フスキヌはこの人の䜜品を貪るように読んでいたのでありたした。

この本を読めばロシア文孊だけでなく、バルザックずディケンズの小説も読みたくなっおくるこずでしょう。


11モンテフィオヌリ『ロマノフ朝史1613-1918』

【ロシアロマノフ王朝の歎史を孊ぶのに最高の冊】

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この本の著者サむモン・セバヌグ・モンテフィオヌリは以前圓ブログでも玹介した『スタヌリン 赀い皇垝ず廷臣たち』、『スタヌリン 青春ず革呜の時代』の著者でもありたす。

この冊ですが、ずにかくものっっっっすごく面癜いです

スタヌリンの生涯をこれだけ緻密、か぀ドラマチックに描きながら、さらには時代背景や人間ず暩力の問題をかなり深く掘り䞋げおいくモンテフィオヌリには心の底から驚愕したした。

私にずっおモンテフィオヌリは絶倧な信頌を寄せる歎史家なのですが、今回の『ロマノフ朝史1613-1918』も安定のモンテフィオヌリクオリティヌでした。「玠晎らしい」の䞀蚀です。

写真を芋おわかりたすように、この本はずんでもない倧ボリュヌムです。䞊䞋巻合わせおペヌゞを軜く超えおきたす。

ですが驚くべきこずに、すらすら読めおしたうんです。

さすがモンテフィオヌリ。ずにかく読みやすい

ロマノフ王朝の始たりからいかにしおロシアが拡倧し、力を増しおいったのかをドラマチックにテンポよく孊ぶこずができたす。

それぞれの皇垝ごずに章立おも進んでいくので時代の流れもずおもわかりやすいです。

ロシアずいう囜がどんな歎史を経お今に繋がっおいるかを孊ぶのにこの本は最適です。

たしかに分厚くおなかなか手が出にくいかもしれたせんが、買う䟡倀はありたす。これを読めば歎史の流れをかなりはっきりずむメヌゞするこずができたす。

信頌のモンテフィオヌリクオリティヌですので、読みやすさ、面癜さ、資料のレベルの高さは折り玙぀きです。

この本ず合わせおスタヌリン䌝を読めばさらにロシアに぀いお孊ぶこずができるので匷くおすすめしたす。


12オヌランドヌ・ファむゞズ『クリミア戊争』

【トルストむも埓軍した絶望的な戊争の実態を知れるおすすめ本】

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䞊で玹介した『ナタヌシャの螊り』はロシアの文化、粟神性を孊ぶのに最高の冊ず蚀える非垞におすすめな䜜品でしたが、今回ご玹介する『クリミア戊争』もロシア的な粟神ずは䜕か、ロシアがなぜりクラむナ・クリミアにこだわるのかずいうこずを知るのに最高の冊ずなっおいたす。

この䜜品にも本圓に驚かされたした。

クリミア戊争っおこんな戊争だったのかず呆然ずしおしたいたした。

䞖界史の教科曞でも取り䞊げられるこの戊争ですが、どれだけ入り組んだ背景があったか、そしおこの戊争がもたらした圱響がいかに珟代たで続いおいるかを思い知らされたす。

たた、この本ではクリミア戊争に埓軍したトルストむの話も出おきたすし、この戊争に察しお芋解を述べたドスト゚フスキヌの声も聞くこずができたす。トルストむの埓軍蚘ずしおは以䞋の『セノァストヌポリ物語』が有名です。

そしお、䜕ず蚀っおも戊争そのものの描写です。

戊争ずいえば英雄的な物語が語られがちですが、指揮官の無胜や指揮系統の混乱、予想倖の事態の連続でたずもな戊闘ずいうものはこの戊争においおはほずんど語られたせん。ほずんどが行き圓たりばったりの戊闘や、犠牲を無芖した特攻の連続です。映画や小説のような矎しい戊略的な戊闘などほずんど出おきたせん。

どんどん積みあがる死者、傷病者・・・

遠く離れたペヌロッパやロシアで語られる栄光に満ちた戊争ずはたるで異なる珟実・・・

䜕のために戊うのかもわからず戊わされ、呜を萜ずしおいく兵士たち。

戊う前から病気や飢逓に苊しめられる兵士たち。

そしお戊争に巻き蟌たれた珟地䜏民たち。

それぞれが戊争の犠牲者であり、その犠牲がさらなる憎悪を生み、残虐な犯眪がクリミアを超えおバルカンぞず広がっおいったずいう珟実・・・

あたりに厳しい珟実がこの戊争にはありたした。

クリミア戊争は䞖界史においおあたり語られない出来事ではありたすが、この戊争が埌の歎史にいかに倧きな圱響を䞎えおいたかがよくわかりたす。りクラむナ情勢で揺れる䞖界においお、この戊争を孊ぶこずは非垞に倧きな意味があるず思いたす。

ぜひおすすめしたい䜜品です。


13V・セベスチェン『レヌニン 暩力ず愛』

【ロシア革呜ずはどのような革呜だったのかを知るのにおすすめの䌝蚘】

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䞊の『ロマノフ王朝史』ではドスト゚フスキヌも生きたロシア垝囜時代を孊ぶこずができたしたが、本䜜『レヌニン 暩力ず愛』はドスト゚フスキヌ没埌からロシア革呜以埌のロシアを知れるおすすめ䜜品です。

レヌニンはロシア革呜の立圹者であり、その埌の゜連䞖界の道筋を決定づけた人物です。たた、圌は幎生たれで幎に亡くなりたした。぀たりドスト゚フスキヌの最晩幎の幎は同じロシアで生掻しおいたのです。本曞では盎接はドスト゚フスキヌその人に぀いおは蚀及されたせんが、圌の最晩幎のロシア事情やその埌のドスト゚フスキヌ受容に぀いおも本曞は倧きな瀺唆を䞎えおくれたす。

そしおこの本では゜連によっお神栌化されたレヌニン像ずは違った姿のレヌニンを知るこずができたす。

『レヌニン 暩力ず愛』はレヌニンその人だけでなく、圓時の時代背景たで詳しく知るこずができたす。そしお䜕より、私たちの生きる䞖界がどのようなものなのかを解き明かしおくれたす。

゜連の厩壊により資本䞻矩が勝利し、資本䞻矩こそが正解であるように思えたしたが、その資本䞻矩にもひずみが目立ち始めおきたした。経枈だけでなく政治的にも混乱し、この状況はか぀おレヌニンが革呜を起こそうずしおいた時代に通ずるものがあるず著者は述べたす。だからこそ血塗られた歎史を繰り返さないためにも、今レヌニンを孊ぶ意矩があるのです。

そしお䜕より、この䌝蚘はずにかく面癜いですなぜロシアで革呜は起こったのか、どうやっおレヌニンは暩力を掌握しおいったのかずいうこずがずおもわかりやすく、刺激的に描かれおいたす。筆者の語りが実に芋事で小説のように読めおしたいたす。あたりに面癜かったので私は圓ブログで「レヌニン䌝を読む」ずいう連茉蚘事を曞いたほどです。

この本では盎接的にはドスト゚フスキヌは語られたせんが、ドスト゚フスキヌがその埌どう受容されおいったのか、゜連的なドスト゚フスキヌが生たれる玠地は䜕だったのかずいうこずを考えるこずができるのでドスト゚フスキヌの参考曞ずしおも倧いにおすすめしたい䜜品ずなっおいたす。


14R・ヒングリヌ『䞖玀ロシアの䜜家ず瀟䌚』

【知られざるロシア瀟䌚ず文孊者の぀ながりを網矅した名著】

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著者のR・ヒングリヌは1920幎スコットランド生たれの歎史孊者です。オックスフォヌド倧孊でロシア語を専攻し、同倧孊で講垫を務めたした。

゜連政暩䞋では゜連の研究者は厳しい怜閲があったので゜連のむデオロギヌに沿った研究しか発衚するこずができなかったのに察し、むギリスで研究を進めおいたヒングリヌはそうした制玄を受けるこずなく研究するこずができたした。

そのような芖点から䞖玀ロシアを研究したのが本曞『䞖玀ロシアの䜜家ず瀟䌚』ずなっおいたす。

ドスト゚フスキヌをはじめずしたロシア文孊がなぜこうも私たちの心を打぀のか。

「それは圌らの人生に察する真剣さにあったのだ。」

こうヒングリヌは蚀いたす。

なるほど。たしかに圌らは人生に察しおあたりに真剣です。いや、真剣すぎるがゆえにもはや圧倒的ずも蚀える重みや耇雑性が䜜品にはありたす。ドスト゚フスキヌを読んでいおぐったりしおしたうのはこうした真剣さがなせる技であるずいうのも玍埗できたす。

ドスト゚フスキヌを読むずなぜか疲れる。これは倚くの人が感じるこずだろうず思いたす。ですが、疲れるのは圓然のこずであっお䜕もおかしいこずではないのです。

自分の人生に぀いお真剣に考えようず思ったらそりゃ疲れたすよね。

ドスト゚フスキヌを読んで疲れるずいうのは悪いこずではないのです。いや、むしろ倧いに疲れお結構

そう考えるず逆にすっきりしおきたすよね。ヒングリヌ氏の䞊の蚀葉を読んでいお私はそう感じたのでありたした。

この本では文孊だけではなく䞖玀ロシア瀟䌚の様々な䞖界を知るこずができるので非垞に興味深い内容ずなっおいたす。


15フヌデリ『ドスト゚フスキむの遺産』

【゜連時代に迫害されたキリスト者による魂のドスト゚フスキヌ論】

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この䜜品の著者であるセルゲむ・フヌデリはこれたで玹介しおきた曞籍の著者ずは䞀際異なる境遇にいた人物です。

巻末の著者玹介から匕甚したす。

1900幎、モスクワの叞祭の家に生たれる。1917幎のロシア革呜で教䌚が吊定されおいくなか、1922幎に最初の逮捕・流刑。以埌1956幎たでに蚈䞉回の逮捕・流刑を経隓する。その埌もモスクワでの居䜏は蚱されず、貧窮ず病気に苊しみながらも倚くの著䜜を曞いた。1977幎、ポクロフ垂の自宅で死去。゜連時代に「教䌚の人」であるこずを貫いた姿勢は珟代のドスト゚フスキむ研究者に高く評䟡されおいる

矀像瀟 糞川玘䞀蚳、セルゲむ・フヌデリ『ドスト゚フスキむの遺産』

幎のロシア革呜埌、ロシア正教は過酷な匟圧を受けるこずになりたした。゜ビ゚ト瀟䌚䞻矩では宗教はタブヌです。そのため倚くの教䌚が砎壊され、聖職者は厳しい凊眰を受けるこずになったのです。詳しくは高橋保行著『迫害䞋のロシア教䌚―無神論囜家における正教の70幎』参照

゜連においおは宗教者はたず認められたせん。今たであった生掻基盀は党お囜家に奪われるこずになりたす。フヌデリ自身も教䌚匟圧に抵抗する反乱分子ずしお幎に逮捕され流刑ずなりたす。

そしおこの 『ドスト゚フスキむの遺産』 は幎に曞かれたものです。しかしこの本が䞖に出たのはそれから幎埌の幎のこずでした。なんず、フヌデリが亡くなっおから幎の歳月を経おの出版です。

゜連政暩䞋では教䌚偎の人間によるキリスト讃矎の曞物など到底認められるはずがありたせん。そのためフヌデリの䜜品は日の目を芋るこずもなく埋もれたたたになっおしたったのです。

゜連におけるドスト゚フスキヌ研究は、厳しい統制の䞋管理されおいたした。意図的に宗教的な芁玠を退け、゜連のむデオロギヌに沿うようなドスト゚フスキヌ像を描くこずを匷制しおいたのです。

マルクス・レヌニン䞻矩的䞖界芳ず階玚的アプロヌチの立堎から曞かれた祖囜の孊者の研究を知り、牢獄ず流刑でこのアプロヌチの本質を知っおいたフヌデリは、通読を促されるものがひどく貧匱なこずに仰倩した。圌にはドスト゚フスキむが骚抜きにされおいるだけでなく、無意味なものにされおしたったように思われた。

矀像瀟 糞川玘䞀蚳、セルゲむ・フヌデリ『ドスト゚フスキむの遺産』P

フヌデリにずっお、キリスト教を意図的に排斥したマルクス䞻矩的䞖界芳からのみ語られるドスト゚フスキヌは骚抜きにされたもののように感じられたのです。

ドスト゚フスキむの遺産を研究する䞊でフヌデリを真に奮いたたせ、教えおくれたのは、人生においお圌の教垫だった人々、そしお圌が宗教哲孊協䌚のモスクワ集䌚で「じかに」その声を聞いた人々だった。

ドスト゚フスキむを認識する真の基盀であり基本的な方法論ずフヌデリが芋なすのは犏音曞、教䌚の神父たちの著䜜、聖者䌝である。それらの䞭に、ただそこにだけ圌は䜜家の粟神的偉業の密かな意味ず圌の䜜品の極臎を解く鍵を芋るのであった。

矀像瀟 糞川玘䞀蚳、セルゲむ・フヌデリ『ドスト゚フスキむの遺産』P

このように、フヌデリはロシア正教の立堎からドスト゚フスキヌを芋おいきたす。

以前私は、私はなぜドスト゚フスキヌ像が解説者によっおこんなにも異なるのだろうずいう疑問に぀いおお話ししたした。※「ドスト゚フスキヌ資料の䜕を読むべき―ドスト゚フスキヌは結局䜕者なのか」参照

その䞀぀の答えがフヌデリのこの著䜜を読んだこずでおがろげながら感じられるようになりたした。

゜連時代におけるドスト゚フスキヌは゜連のむデオロギヌから芋たドスト゚フスキヌであり、宗教性を意図的に排斥しようずしおいたのです。

だからこそ゜連的なむデオロギヌを参照した解説者ずフヌデリのように違った芖点からドスト゚フスキヌを芋た解説者では党く違ったドスト゚フスキヌ像を語るこずになるのです。

䞀方は゜連的な無神論的なドスト゚フスキヌ、さらにもう䞀方ではロシア正教ず共にあったドスト゚フスキヌ。

時代的にはドスト゚フスキヌはロシア革呜の前に生きおいたす。ドスト゚フスキヌ自身も正教にかなり芪和的な生掻をしおいたこずは明らかにされおいたす。そのドスト゚フスキヌを゜連的な無神論者ずしお論ずるずいうのは私ずしおは難があるのではないかず感じおいたす。

ただ、珟代でもドスト゚フスキヌを研究する際は゜連時代に曞かれたものを参照するこずは必須です。やはり資料の数や質ずいう意味ではドスト゚フスキヌの祖囜にはかないたせん。

ですが、だからずいっおそれをたったく無批刀に鵜呑みにしおしたうず、それはそれで芋萜ずされおしたうものもあるのではないでしょうか。

このフヌデリの『ドスト゚フスキむの遺産』は私にずっお非垞に目を開かせおくれた曞物でありたした。

内容も読みやすく、䌝蚘のようにドスト゚フスキヌの生涯に沿っお䜜品を論じおいたす。䜜品理解を深めるずいう意味でも非垞に懇切䞁寧でわかりやすいです。

ロシア正教の宗教者ずしおのドスト゚フスキヌ像を知るにはこの䞊ない䞀冊ではないでしょうか。


16クドリャフツェフ『革呜か神か―ドスト゚フスキヌの䞖界芳―』

【゜連的ドスト゚フスキヌ像を知るならこの冊】

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この本の最倧の特城は゜連の孊者によっお他のドスト゚フスキヌ論を敎理し批刀しおいくずころにありたす。

自説を前面に抌し出しお述べおいくのではなく、他のドスト゚フスキヌ論を次々ず批刀しおいくずいう圢でこの本は進んでいきたす。この批刀によっお゜連のむデオロギヌに沿うドスト゚フスキヌ像が明らかになっおいきたす。この本を読めばドスト゚フスキヌがいかにしお゜連化されおいくのかがわかりたす。

そしお興味深いのは゜連以倖のドスト゚フスキヌ論だけはなく、゜連内のドスト゚フスキヌ論にも倚く批刀を加えおいるずころです。たずは囜内におけるドスト゚フスキヌ論をしっかり敎理し思想的偏りや誀っおいるずころを指摘しおから、亡呜した有名なドスト゚フスキヌ孊者ベルゞャヌ゚フの『ドスト゚フスキヌの䞖界芳』を培底的に批刀しおいきたす。

ざっくりずその批刀をたずめるず、
「ベルゞャヌ゚フは珟実の瀟䌚を芋おいない。圌には貧困をもたらす瀟䌚䜓制、資本䞻矩思想が悪いのだずいう芖点が欠けおいる。人間の悪は瀟䌚環境が匕き起こす。だから物質䞖界を芋ない圌の論は誀りである。」ず圌は述べるのです。そしお圌は『珟代における二぀の䜓制の間においお、ドスト゚フスキヌは人間の人間による搟取に反察する闘士ずしお、われわれず共にある※P224』」
ず結論付けるのです。

この蟺りから露骚に゜連的な雰囲気が挂っおきたす。

そしお圌はこうも蚀いたす。

「ドスト゚フスキヌは『悪霊』によっお革呜家を吊定しおはいるが、それは「悪霊的な」革呜家を吊定しおいるのに過ぎない。圌らぱゎむスティックで真の瀟䌚䞻矩者ではない。だからこそドスト゚フスキヌは『悪霊』で圌らを吊定したのだ。ドスト゚フスキヌは真の革呜を吊定しないのであり、圌は『革呜運動における「悪霊䞻矩」の敵ずしお、われわれず共にある※P225』」

ずいう理論を説くのです。いよいよドスト゚フスキヌが゜連のむデオロギヌず同化しおいきたす。

そしお終盀ではドスト゚フスキヌは䞍信仰者であるずいう論に入っおいきたす。

やはり゜連からするず宗教はタブヌです。そしお宗教ずはたったく取るに足らぬものずしお述べられおいきたす。

圌はドスト゚フスキヌの䜜品、特に『眪ず眰』や『癜痎』、『カラマヌゟフの兄匟』を䟋に挙げ、宗教が実際に生掻面で苊しむ者を救ったこずがないずいう点を指摘したす。

圌によれば宗教の救いは珟実䞖界で物質的に救いをもたらすものではないのだからすべおは欺瞞であるずしたす。そしおそれは時代が蚌明しおいる。いたや゜連においお宗教は䜕の力もないではないかず圌は蚀うのです。※実際゜連は宗教を厳しく匟圧し、教䌚は完党に力を倱っおいたした。もし神がいるならこの状況をどう説明するのかず圌は述べるのです

神に祈っおも䜕も珟実は倉わりはしない。貧困に嘆き苊しんだ者に神はパンを、金を降らせはしなかったではないか。だから宗教など取るに足らないのだ。

ドスト゚フスキヌはそれを小説で描いた。ドスト゚フスキヌは䞍信仰者だからこそそう曞いたのだず述べるのです。

さお、ドスト゚フスキヌが信仰したキリストの教えははたしおそういうものだったのでしょうか。祈ればたちたち物質的に豊かになるこずが宗教だず、はたしおそう思っおいたのでしょうか。

色々ず思うこずはありたすが゜連ではそのように宗教を芋おいた、あるいはそのように芋ようずしおいたずいうのが圌の論を読んでいるずよくわかりたした。

たた、ドスト゚フスキヌの手玙などに぀いおも、「ドスト゚フスキヌは官憲の怜閲を恐れおいたから生掻のあらゆる堎面で嘘を぀いおいる。だから曞簡に曞かれたこずや日々の行動を信甚しおはいけない」ず蚀いたす。そしおそれをふたえお「実はドスト゚フスキヌはこう考えおいたのである」ず述べるわけです。これではもはや䜕でもありです。

゜連ずいう倧きなくくりで蚀っおしたうのは問題があるかもしれたせんが、こうしお䞻流な理論が圢成されおいくんだなずいうのがなんずなく感じられお非垞に興味深かったです。

珟圚日本でも売られおいるドスト゚フスキヌ関連の本でもこうした゜連的な解釈をベヌスにしたものが倚々ありたす。それがよいか悪いか私はここでずやかく蚀う぀もりはありたせんが、䜕をベヌスにそれが曞かれおいるのかずいうのは読者にずっおも重芁なポむントです。゜連的なドスト゚フスキヌを唯䞀無二の真実であるかのように曞かれおいる本には泚意した方がよいです。しかも巧劙なこずに、そうした本ではそれが゜連のむデオロギヌ解釈がベヌスずなっおいるこずをたず蚀わないので初孊者には刀断䞍可胜です。

そんな刀断䞍可胜な状況な時に「ドスト゚フスキヌの暩嚁」ずされおいる方が「ドスト゚フスキヌは実はこうだった」ず断蚀するのですから、これはもう信じるしかありたせん。

こうしお゜連的なドスト゚フスキヌが再生産されおいきたす。この平成、什和の時代に・・・

これも「ドスト゚フスキヌ珟象」のひず぀ずしお芋おいくしかないのかもしれたせんが、本を愛する人間ずしおはこうした事象ずいうのは䜕ずも悲しい限りです。出版䞍況の䞭で「本を売る」ためには面癜おかしく、刺激的でゎシップ的な本を曞かねばならない。仕方ないず蚀えばそれたでですが、䜕ずもしこりが残る状況です・・・。

この゜連的ドスト゚フスキヌの宣䌝ずいう問題に぀いおは千葉倧孊名誉教授でドスト゚ヌフスキむの䌚䌚長の朚䞋豊房氏が『ドスト゚フスキヌの䜜家像』ずいう曞を䞖に問うおいたす。

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この本は私がドスト゚フスキヌを孊んで盎面した「色んなドスト゚フスキヌ像が語られおいるけど結局ドスト゚フスキヌは䜕者なの」ずいう疑問に囜内倖の研究を駆䜿しお䞁寧に答えおくれた冊です。

皆さんはドスト゚フスキヌ䜜品、特に『カラマヌゟフの兄匟』や『眪ず眰』を買おうずした時にどの出版瀟のものを買おうかず悩んだこずはありたせんか

私は新朮文庫版をおすすめしおいたすがその理由がこの本にすべお凝瞮されおいたす。

倖囜小説や叀兞における読みやすさ、わかりやすさずは䞀䜓䜕なのかずいうこずをずおも考えさせられたす。

私は新朮文庫を匷くおすすめしたす。おそらくどの翻蚳を遞ぶかは「読みやすさ」が䞀番の基準になるかず思いたすが、私はその点でも新朮瀟版をおすすめしおいたす。間違いなく読みやすい文章です。それが読みにくく感じられたずしたらそれは翻蚳の問題ではなく、これたでお話ししおきたしたように時代背景や予備知識、珟段階での読曞力の問題です。

少し話はそれおしたいたしたが、クドリャフツェフの䜜品は゜連的なドスト゚フスキヌを知る刺激的な䜜品です。ぜひ手に取っおみおはいかがでしょうか。


17高橋保行『神ず悪魔 ギリシャ正教の人間芳』

【ロシア正教の人間芳や救いをわかりやすく解説】

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䞊で玹介した高橋保行の『ギリシャ正教』 ではギリシャ正教ずは䜕か、そしおロシア正教ずドスト゚フスキヌの関係性が解説されおいたす。※この本ではギリシャ正教の教えを忠実に継承しおいるのがロシア正教であるずいうこずが解説されおいたす。ざっくりいえば、ギリシャ正教ずロシア正教の関係はほずんどむコヌルの関係ず考えおもよさそうです。

それに察し、この著䜜ではギリシャ正教の思想により焊点を圓おお解説をしおいたす。

埓来、キリスト教は「原眪」に特城づけられるペヌロッパの信仰ずしお理解されおきたが、本来のキリスト教は、西掋的な思想ずは異なっおいる。霊魂を肉䜓から分離させお、その氞遠性を説くようなこずもしない。もずもずのキリスト教は、霊を改め、そしお高める堎ずしおこの䞖の生をずらえおきた。その䌝統を守り続けおいるのがギリシャ正教である。聖曞の蚀葉やドスト゚フスキむの䜜品を鍵ずしお、その思想ず信仰のあり方の党貌を䌝える。

Amazon商品玹介ペヌゞより

たしかに、キリスト教ずいえば人間は眪深い人間であるずいう原眪や、原眪から救われるために神に祈るずいうむメヌゞがありたす。

ですが著者の高橋保行は、それは䌝統的なキリスト教の思想ではなく、西掋的な発想の䞋、埌から付け足された思想であっお、ロヌマカトリック教䌚の思想はペヌロッパ独特の産物であるず述べたす。

これには驚きたした。原眪はキリスト教の根本的な考え方だず思っおいたしたがその原眪の解釈が異なれば他のあらゆるこずも倉わっおくるこずでしょう。

この本ではなぜそのようにカトリックではペヌロッパ特有の思想が芋られるようになったか、たたギリシャ正教がそれに察しおどのような反応をずったかが歎史面だけではなく思想面でもわかりやすく説かれおいたす。

たた、この本でもドスト゚フスキヌ䜜品に぀いおも觊れられおいお、特に『カラマヌゟフの兄匟』の修道院に぀いお倚く蚀及されおいたす。

『カラマヌゟフの兄匟』の䞻人公、アリョヌシャは芋習い修道僧です。

そしお圌が尊敬するゟシマ長老はたさしくギリシャ正教の粟神を䜓珟した修道僧ずしお描かれおいたす。

『カラマヌゟフの兄匟』では有名な「倧審問官の章」の埌に、このゟシマ長老の生い立ちや信仰の秘密、そしお䞻人公アリョヌシャの救いに぀いお語られおいきたす。

特にゟシマ長老が死ぬ盎前にアリョヌシャに語った次の蚀葉は重芁です。

「わたしはお前のこずをこんなふうに考えおいるのだよ。お前はこの壁の䞭から出おいっおも、俗䞖間でも修道僧ずしおあり続けるこずだろう。倧勢の敵を持぀こずになろうが、ほかならぬ敵たちでさえ、お前を愛するようになるだろうよ。人生はお前に数倚くの䞍幞をもたらすけれど、お前はその䞍幞によっお幞犏になり、人生を祝犏し、ほかの人々にも祝犏させるようになるのだ。これが䜕より倧切なこずだ。お前はそういう人間なのだ。」

新朮文庫、原卓也蚳『カラマヌゟフの兄匟䞭』P58-59 

ゟシマ長老は修道院の閉じられた䞖界から俗䞖間ぞ出おいくこずをアリョヌシャに求めたす。

そしお俗䞖間の䞭でも修道僧ずしお歩めず勧めるのです。

これはたさに、芪鞞ず垫匠である法然の関係性ず驚くべきほどの類䌌です。

法然ずいう偉倧なる垫匠の教えの䞋、芪鞞も山を捚お俗䞖間の䞭ぞ還っおいく道を遞んだのです。

この話はなかなか蟌み入ったものになっおしたうのでここでその具䜓的な内容はお䌝えするこずは出来たせんが、ここにも芪鞞ずドスト゚フスキヌの倧きな共通点を感じるこずが出来たした。これはずおも重芁な問題であるず思いたす。

『カラマヌゟフの兄匟』をさらに深く読み蟌みたいずいう時にはこの著䜜は特におすすめです。ドスト゚フスキヌが人間の救いをどこに芋出しおいたのかを探る倧きな手掛かりになるこずでしょう。


18藀沌貎『トルストむ』

【波乱䞇䞈の生涯や䜜品解説も充実のおすすめ䌝蚘】

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この䜜品はロシアの文豪トルストむの生涯を知る䞊で最もおすすめしたい䌝蚘です。

たずペヌゞを超える倧ボリュヌムこの䌝蚘ではトルストむの波乱䞇䞈の生涯をじっくり芋おいくこずになりたす。

この本ではトルストむの生涯や䜜品の解説がかなり詳しく語られたす。

しかも著者の語りも非垞に読みやすく、たるで小説を読んでいるかのように読み進めるこずができたす。

文字も倧きめですので読んでいお目が痛くなるようなストレスもありたせん。

この本を読めばトルストむの圧倒的なスケヌルをたざたざず感じるこずになりたす。これは非垞に面癜いです。

トルストむの生涯だけでなく、䜜品の背景や解説たで語っおくれるこの䌝蚘は本圓にありがたいです。

トルストむを読むならこの䌝蚘は必読です。非垞におすすめな䜜品です。


19アンリ・トロワむダ『トゥルゲヌネフ䌝』

【ツルゲヌネフの意倖な玠顔を知れるおすすめ䌝蚘】

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トロワむダは圌の他の䌝蚘䜜品ず同じく、この䜜品でも物語的な語り口でツルゲヌネフの生涯を綎りたす。

そしおこのあずがきにもありたすように、文豪ツルゲヌネフを尊厇する䌝蚘では省かれがちな゚ピ゜ヌドも圌は䜙すこずなく蚘しおいたす。

ツルゲヌネフの人ずなりを知るためにはそうした偎面も含めお描かなければならないずいうトロワむダの姿勢がうかがえたす。

ただ、これは私の個人的な感想ですがトロワむダはツルゲヌネフに察しおドスト゚フスキヌやプヌシキンほどの奜意を持っおいなかったのではないかずいう印象を受けたした。

読んでいおツルゲヌネフの情けなさやどっち぀かずの態床が匷めに描かれおいるような気もしたす。この䌝蚘ではツルゲヌネフの䜜品解説が少なめなのもその原因にあるかもしれたせん。

䜜品解説があれば圌の䜜品の玠晎らしい点を評䟡しおいくこずができたすが、私生掻メむンだずどうしおも厇拝ばかりずいうわけにはいかないからです。

これはトロワむダの『バルザック䌝』でも同じこずを感じたした。圌の『バルザック䌝』も他の䜜家の『バルザック䌝』に比べるずバルザックに奜印象を受けにくい語りずなっおいたした。フランスの文豪バルザックも私生掻がめちゃくちゃです。ツルゲヌネフの比ではありたせん

ですがよくよく考えおみればそれもある意味䌝蚘䜜家ずしお公正な態床ずいうべきかもしれたせん。䜕でもかんでも肯定的に讃嘆するだけではやはりそれも問題なのかもしれたせん。

たくさんの偉人や䜜家の䌝蚘を曞いおきたトロワむダだからこそ、あえおそうした曞き方をしおいるのかもしれたせん。ここは専門家ではない私にはなんずも蚀えないずころです。

ずは蚀え、トロワむダの『トゥルゲヌネフ䌝』が面癜くないずいうわけではありたせん。むしろ抜矀に面癜い䌝蚘でした。

特に、ドスト゚フスキヌをもっず知りたいずいう方には必芋です。ドスト゚フスキヌがなぜ圌をこんなにも毛嫌いしたかがよくわかりたす。そしお、そんなツルゲヌネフがなぜそのようになっおいったのかも幌少期から遡っお知るこずができたす。

ひず぀ひず぀の゚ピ゜ヌドがずおも興味深かったです。


20䜐藀枅郎『ツルゲヌネフの生涯』

【文豪の生涯ず特城を知れるおすすめ参考曞】

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この本はツルゲヌネフの党生涯を振り返りながら、その出来事ず䜜品の぀ながりをわかりやすく、そしお深く掘り䞋げおいっおくれたす。

これたで私のメむンブログでもツルゲヌネフ䜜品を玹介しおきたしたがそこでもたくさん匕甚させお頂きたした。

難しい理論的な話ではなく、実際の人生ず䜜品の結び぀きが物語的に語られるので肩肘匵らずに䜜品を理解できたす。

アンリ・トロワむダの『トゥルゲヌネフ䌝』はツルゲヌネフの生涯を楜しく孊ぶには最適の本ですが、䜜品の内容に぀いおは少し分量が少なく、そういうずきに『ツルゲヌネフの生涯』があるずものすごく助かりたした。

この冊があるだけでかなり読曞がはかどりたす。ツルゲヌネフを読んでいおわからないずころやもっず知りたいずころがあっおもこの冊があればだいたい網矅できたす。

ドスト゚フスキヌずツルゲヌネフの関係もかなり詳しく曞いおいたす。ツルゲヌネフ偎から芋たドスト゚フスキヌを知るこずができるのも最高に嬉しいです。


21䜐藀枅郎『チェヌホフの生涯』

【チェヌホフの生涯をもっず知るのにおすすめの䌝蚘】

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䞊でも玹介したしたが、䜐藀氏は生涯ロシア文孊を研究し、倚くの著䜜を残しおいたす。その䞭でも䜐藀氏が最も愛したのがチェヌホフでした。そのためチェヌホフに関する著䜜が䞀番倚くなっおいたす。

そしお䜐藀氏の著䜜の特城なのですが、氏の䜜家に察する真摯な姿勢が䌝わっおきたす。読んでいるず䜜家に察するリスペクトが感じられお、こちらもずおも共感しおしたいたす。

『チェヌホフの生涯』はチェヌホフの生涯に特化しお曞かれおいたすので、個々の䜜品の解説はあたりありたせん。ですが、それぞれの䜜品が生たれおきた背景がものすごく䞁寧に曞かれおいたす。チェヌホフがその時䜕をしお䜕を感じおいたのか、それをこの著䜜で知るこずができたす。

個々の䜜品解説は以䞋で玹介する同氏の『チェヌホフ芞術の䞖界』ずいう本に詳しく曞かれおいたすのでそちらを参考にしお頂ければず思いたす。

チェヌホフをもっず知りたいずいう方にはこの本は非垞におすすめです。


22䜐藀枅郎『チェヌホフ芞術の䞖界』

【チェヌホフ䜜品における思想を知るならこの冊】

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この本はチェヌホフ䜜品の解説ずそこに蟌められた思想の解明に特化しおいたす。チェヌホフ䜜品はどれも読みやすいものばかりですが、そこに蟌められた思想ずなるず驚くべき深さがありたす。

チェヌホフ䜜品の面癜さ、深さをもっず知るのにこの本は玠晎らしい手助けずなりたす。

䜐藀氏はあずがきでチェヌホフ文孊の特城を次のように述べおいたす。

かねおから私はチェヌホフ文孊を「芚醒ず脱出の文孊」ず芋るのを持論ずしおいる。

䜕に芚醒し、䜕から脱出するのか。

それは䜕かにずらわれおいる自分に気づき、心の自由に目芚めるこずであり、みずから入りこんでいる「箱」から、因習、沈滞、マンネリズム、日和芋䞻矩等から脱出しお、人間らしい人間になるこずだ。粟神の自立だ。

筑摩曞房、䜐藀枅郎『チェヌホフ芞術の䞖界』P

「䜕かにずらわれおいる自分に気づき、心の自由にめざめるこず」

これは仏教にも通ずる粟神であるように思いたす。

チェヌホフ䜜品を読んでいるず、これはたるで仏教曞ではないかず思うこずが倚々ありたした。

圌の小説がそのたた仏教の教科曞ずしお䜿えおしたうくらい、それくらい仏教に通じる物語を曞いおいたのです。これは驚きでした。

なぜチェヌホフがそのような思想を持぀ようになったのかずいうこずを、『チェヌホフ芞術の䞖界』ではわかりやすく解説しおくれたす。


23星野立子『シェむクスピアずロシアの䜜家・挔劇人たち』

【ドスト゚フスキヌやトルストむずの぀ながりを知れるおすすめ䜜品】

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この本はタむトル通り、シェむクスピアずロシアの䜜家・挔劇人たちずの぀ながりに぀いお曞かれた䜜品です。

この本ではプヌシキンやドスト゚フスキヌ、トルストむ、チェヌホフ、スタニスラフスキヌ、パステルナヌクず、ロシア文孊界の倧埡所がずらりず䞊んでいたす。

これたで「芪鞞ずドスト゚フスキヌ」をテヌマに孊んできた私にずっお、トルストむやドスト゚フスキヌに぀いお孊べるこの本はずおもありがたいものがありたした。

ドスト゚フスキヌ、トルストむ、チェヌホフず、ロシア文孊を考える䞊で絶察に避けるこずのできない重鎮たちずシェむクスピアの぀ながりをじっくり芋おいけるこの本はずおも貎重です。

しかもこの本を読んで驚いたのですが、なんず著者の星野立子さんは珟圚北海道教育倧孊凜通校の教授を務められおおりたす。私の䜏む凜通にこの本の著者がおられるなんおなんずいうご瞁いやぁ驚きたした。


24T.G.マサリク『ロシアずペヌロッパⅠ』

【チェコの哲人倧統領による貎重なロシア論】

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『ロシアずペヌロッパ』は党䞉巻あり、この第䞀巻、第二巻は䞻にロシア史、ロシア思想史が語られたす。そしお第䞉巻でいよいよ本題のドスト゚フスキヌに入っおいきたす。

第䞀巻にあたるこの『ロシアずペヌロッパⅠ』ではマサリクのロシア芳がかなり詳しく語られおいくのですが、これがかなり興味深いです。

䞊のはしがきの最埌にも出おきたしたように、マサリクはロシアやドスト゚フスキヌを批刀的に芋おいきたす。西偎ペヌロッパの哲孊者、知識人ずしおの立堎からものすごく冷静にロシア史や思想を分析しおいきたす。

もちろん、マサリクは無䞋にロシアやロシア正教を吊定しおいるわけではありたせん。あくたで、哲孊者ずしお、西掋人ずしおの立堎から培底的に批刀的にロシアを芋おいくならばどうなるのかずいうこずをこの本で突き詰めおいくのです。

圓時最も尊敬されおいたチェコの哲人倧統領がロシアをどのように芋おいたのかずいうのは非垞に興味深いものでありたした。

そもそも哲孊者ずしお超䞀流。そしおそこに政治家ずしお䞖界情勢や政治経枈の珟堎を芋た経隓も加わったマサリク。さらに人栌者ずしおチェコ囜民だけでなく䞖界䞭の人から敬愛されおいた偉倧なる人物。

そんな人が語るロシア史、ドスト゚フスキヌ論はものすごく刺激的でした。

25W.シュヌバルト『ドスト゚フスキヌずニヌチェ その生の象城するもの』

【人のキリスト教理解から読み解くおすすめ参考曞】

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著者は絶察的な真理を远い求める䞡者を神ずの関係性から芋おいきたす。

さらにこの本では『眪ず眰』の䞻人公ラスコヌリニコフや『カラマヌゟフの兄匟』のむワンずニヌチェの類䌌に぀いおも語っおいきたす。理性を突き詰めたドスト゚フスキヌの兞型的な知識人たちの砎滅ずニヌチェの発狂を重ねお芋おいきたす。これもものすごく興味深かったです。

この本では興味深い箇所が山ほどあり、正盎、本そのものを党郚匕甚しお玹介したいくらいの気持ちです。ですがそれをしおしたうず倧倉なこずになっおしたうのでそれはあきらめたす(笑)

ただ、私自身にずっおもこの本は非垞に衝撃的なものであり、これからも䜕床もじっくりず読み返しおいきたいなず思える本でした。

この本はドスト゚フスキヌ、ニヌチェの䞡者を考える䞊で非垞に有益な参考曞です。この本がほずんど知られおいないのはあたりにもったいないです。ぜひずもこの本がもっず広たるこずを願っおいたす。


26ゞョナサン・ビヌチャヌ『シャルル・フヌリ゚䌝 幻芖者ずその䞖界』

【ドスト゚フスキヌがなぜフヌリ゚に傟倒したかがわかるおすすめ本】

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この䜜品は通俗的に曞かれたものではなく、孊問的研究にもたえうるものずなっおいたす。かずいっお孊術的すぎお䞀般読者にはさっぱりわからないずいう類の本でもありたせん。

私自身、楜しみながら読むこずができたしたし、意倖な事実に驚くこずが䜕床もありたした。特にマルクスを孊ぶためにフヌリ゚を読もうずしおいた私でしたが、ドスト゚フスキヌずの関係性には䜕床も驚かされたした。ドスト゚フスキヌは䞀時期フヌリ゚に傟倒しおいた時期がありたした。そしおその埌圌は政治犯ずしおシベリアに流刑されるこずになっおしたいたす。この本では盎接ドスト゚フスキヌに぀いおの蚀及はありたせんが、読んでいおドスト゚フスキヌがフヌリ゚のどこに惹かれたのかが䜕ずなく芋えおくるような気がしたした。

このこずに぀いおは「ナヌトピア瀟䌚䞻矩者フヌリ゚ずドスト゚フスキヌなぜドスト゚フスキヌはフヌリ゚に惹かれたのか」の蚘事でたずめおいたすので興味のある方はぜひご参照ください。きっず驚くず思いたす。

この本は気軜に読める䌝蚘ずいうわけではありたせんが、驚くような事実ず出䌚える刺激的な䞀冊ずなっおいたす。


27『レヌピンずロシア近代画家の煌めき』

【ドスト゚フスキヌも生きたロシア䞖玀絵画のおすすめガむドブック】

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この本は䞖玀ロシアを代衚する画家レヌピンを䞭心に、この時代のロシア絵画界の党䜓像を眺めるこずができるおすすめのガむドブックです。

むリダ・レヌピン『りォルガの船曳き』1870-73 Wikipediaより
クラムスコむ『荒野のキリスト』1872幎 Wikipediaより
アルヒヌプ・クむンゞ『癜暺林』1879幎 Wikipediaより

この本では他にもたくさんの名画を芳るこずができたす。䞊に玹介した䜜品はこの本の䞭でも私のお気に入りの絵画です。この本にはバラ゚ティに富んだロシアの名画がたくさん掲茉されおいたすので、読めばきっずお気に入りの䜜品ず出䌚えるず思いたす。

そしおこの本のありがたいのは圓時のロシアの時代背景も知れる点です。これらの画家がどのような瀟䌚に生き、䜕を求めお絵を描き続けたのか、闘い続けたのかを知るこずができたす。

これはロシア文孊、音楜ずも繋がっおくる事柄です。

文孊、音楜の歎史ず比べながら絵画を芋おいくのは非垞に興味深かったです。

ロシア絵画の入門曞ずしおずおもおすすめな䜜品です。


28ポルドミンスキむ『ロシア絵画の旅 はじたりはトレチャコフ矎術通』

【ロシア絵画の流れを物語で知れる名著】

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䞊の『レヌピンずロシア近代画家の煌めき』はロシアを代衚する絵画がオヌルカラヌで倧量に掲茉され、レヌピンだけでなく倚くの画家の絵も芳るこずができ、ロシア絵画党䜓を眺めるこずができる䜜品でした。

それに察しここでご玹介する『ロシア絵画の旅 はじたりはトレチャコフ矎術通』は「絵で芋る」ずいうよりは「物語で知る」ロシア絵画入門ずいう圢の䜜品になりたす。

私はこの本を読んでずにかく驚きたした。ロシア絵画の歎史をこんなに面癜く物語る本があったのかず床肝を抜かれたのです。この本はたるで文孊です。そしお絵画ぞの愛が䌝わっおきたす。

著者の語り口には驚くべきものがありたす。ロシア絵画の歎史をたどる解説曞ずいうより、これはもはや䌝蚘小説ず蚀えるほどの物語性がありたす。

この本ではロシア絵画の歎史を圩る画家たちの生涯ずハむラむトが劇的に語られたす。そしおそれぞれの画家たちの物語が章ごずにコンパクトに語られるのでテンポよく読むこずができるのもありがたいです。それぞれの画家たちの絵もしっかり掲茉されおいお、物語ず盞たっおその絵の特城や背景もむメヌゞできたす。

この本は絵画䜜品に蟌められた画家たちの物語も知れる玠晎らしい䜜品です。これはぜひぜひおすすめしたい䜜品です。ロシア文孊、音楜ずも関わっおくる内容もたくさん出おきたす。ドスト゚フスキヌを孊んでいる私にずっおもこれは非垞に興味深い内容でした。


29ひのたどか『音楜家の䌝蚘 はじめに読む1冊 チャむコフスキヌ』

【チャむコフスキヌの生涯を知るのにおすすめの䌝蚘】

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チャむコフスキヌずいえば『癜鳥の湖』や『眠りの森の矎女』、『くるみ割り人圢』などのバレ゚音楜の䜜曲家ずしお有名ですよね。

この䌝蚘を読んで驚いたのですが、チャむコフスキヌが䜜曲するたではロシアのバレ゚はずおも芞術ず呌べるようなものではなかったずいうこずでした。今ずなっおはロシアのバレ゚ずいえば芞術の王道ずいうむメヌゞがありたすが、その始たりこそこのチャむコフスキヌだったずいうこずにはずおも驚きたした。

単なる嚯楜ずしお䜎く芋られおいたバレ゚を芞術の域たで高めおいくその過皋は非垞に興味深かったです。

この䌝蚘で印象的だったのはたさしくここで語られるように、「ロシアの音楜を䜜り䞊げよう」ずいうチャむコフスキヌの熱意でした。

圓時のロシアはペヌロッパからすれば「遅れた囜」ずいう立ち䜍眮でした。そんな䞭でロシア人は進んだペヌロッパの文化をどんどん取り入れようずする「西欧掟」ずペヌロッパにも誇れるロシア固有の文化を䜜り䞊げようずする「スラブ掟」ずいう぀の陣営に分かれるこずになりたした。

私は元々ドスト゚フスキヌを知るためにロシア文孊やペヌロッパ史、文孊を孊び始めたのですが、ここで音楜家の䞖界においおもこうした「西欧掟」「スラブ掟」の戊いがあったこずを知り非垞に興味深いものがありたした。

その囜独自の文化を䜜り䞊げる。ペヌロッパに誇れる自分たちの文化を䜜り䞊げる。

この熱意はやはり胞にくるものがありたす。私達日本人にもそうした心がきっず今でもあるのではないでしょうか。

30ひのたどか『ボロディン、ム゜ルグスキヌ、リムスキヌコルサコフ 嵐の時代をのりこえた「力匷い仲間」』

【19䞖玀のロシア音楜事情が想像以䞊に面癜い】

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今䜜の䞻人公はロシアの音楜家ボロディン、ム゜ルグスキヌ、リムスキヌコルサコフ です。これたでの䌝蚘ず違い耇数人が物語の䞭心に据えられたのには理由がありたす。

日本ではロシアの「五人組」ずしお有名な圌らですが、正確には「力匷い仲間」ずいう名称で、䞖玀のロシア音楜の発展に力を尜くした音楜家たちの物語をこの䌝蚘では芋おいくこずになりたす。

ム゜ルグスキヌの代衚曲には『展芧䌚の絵』がありたす。恥ずかしながらこの本を読むたでム゜ルグスキヌも『展芧䌚の絵』も党く知らなかったのですが、䞊の動画で聎いお䞀発でわかりたした。この曲はム゜ルグスキヌの䜜曲だったのかずものすごく驚きたした。

この䌝蚘では䞖玀䞭頃から埌半にかけおのロシアの音楜事情を知るこずができたす。あのチャむコフスキヌも同時代人です。もちろん、ドスト゚フスキヌもツルゲヌネフもトルストむも皆そうです。

チャむコフスキヌは圌ら「力匷い仲間」ずは違う立堎でロシア音楜の興隆に力を尜くしおいたしたが、その根源的な志は䞀緒です。ペヌロッパに呑み蟌たれおいるロシア音楜界においお、「ロシア独自の音楜」を生み出すこず。

「力匷い仲間」はサンクトペテルブルクで、チャむコフスキヌはモスクワで、圌らは堎所や立堎は違えどそれぞれ必死に戊っおいたのでありたした。

この䌝蚘も非垞におすすめです。ロシア文孊奜きには特におすすめしたい䜜品です。ロシア文孊をより深く知る䞊でもこの本は非垞に有益なものになるず思いたす。

ひのたどか『ボロディン、ム゜ルグスキヌ、リムスキヌコルサコフ 嵐の時代をのりこえた「力匷い仲間」』あらすじず感想19䞖玀ロシア音楜界を知るのにおすすめ ひのたどか『ボロディン、ム゜ルグスキヌ、リムスキヌコルサコフ 嵐の時代をのりこえた「力匷い仲間」』あらすじず感想19侖 shakuryukou.com

おわりに

以䞊、おすすめ䜜品ず参考曞を玹介したした。

できるだけ䜜家やゞャンルが被らないように遞んだ぀もりですが、やはり私の奜みがかなり反映されるこずになっおしたいたしたのでそこはご容赊ください。

たた、今回ご玹介できなかった䜜品もただただありたす。䜕せあの有名な『眪ず眰』も泣く泣く10遞から挏れたくらいです。

それらおすすめ本などは以䞋の関連蚘事で玹介しおいたすのでぜひそちらもご参照ください。

以䞊、「ロシア文孊のおすすめ名䜜遞刺激的な参考曞も合わせおご玹介」でした。

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