『悪徳の栄え』を読んだ感想
澁澤龍彦氏が訳し、昔、裁判にもなり物議を醸した作品です。
バタイユの『エロティシズム』の本を読むならこちらを先に読むべきなのかなと考えました。
以前、図書館で本を2度借りたのですが、結局ほとんど読めなかったので、電子書籍版を買いました。
長めの小説です。
以下ネタバレを含みます。
初めに尼僧院での女性の同性愛?の話が展開されています。
ところどころ、行間を読む力が要求されます。破廉恥なことが行われています。
教養になると思って本書を手に取りましたが、本書は成人向けです。官能小説とも言えそうです。苦手な人はご注意ください。
言葉がわからず、Kindleの辞書を引く回数が多いと感じます。
主人公ジュリエットは、シスターでしたが、実家が破産して両親も亡くなってしまい、今の日本でいうところのデリヘルのような仕事をするようになりました。
雇い主は年上の若い女性です。
やがて、客のノアルスイユという大金持ちの愛人になります。
主人公もノアルスイユと変態趣味仲間たちとつるんでいきます。
変態仲間たちとノアルスイユ夫人を惨たらしい方法で虐殺し、主人公はノアルスイユの妻になりました。
そして、成り行きがよくわかりませんが、その後、フランスの大臣の妻になったように受け取れました。
大臣も変態仲間です。
様々な人物が、快楽に対する哲学的な考察を長々と述べていて、これがバタイユのエロティシズムの元ネタの一つなのではと考えてみます。違うかもしれません。
変態仲間たちと次々と出会い、非常に残虐なことを繰り返しています。
当初は官能小説が苦手でも「このくらい教養だし読んでみせる」と意気込んでいましたが、書かれていることと、自分の倫理観とが違いすぎて、読むのが辛くなってきました。
しかも長くて読むのに時間がかかります。速読する能力もありません。かと言って、斜め読みするのもちょっと嫌です。
この本に書かれているような行為は全てファンタジーであって欲しいです。
著者のマルキ・ド・サドは、サディストの語源で、本書は主人公が全体的に非常に人に加害をしています。
SMプレイのサドの美学といったものは微塵も感じられませんでした。相手を思いやる気持ちというものが全くありません。
エロティシズムというよりグロテスクです。
主人公の視点から見れば、本書はサクセスストーリーなのかもしれません。
マルキ・ド・サドの思想?は私には合わなかったです。過激過ぎました……。
よくもこんなにも残虐なことを長々と書けますね。どんな感性で、どんな意図で書いていたんでしょうかねえ。
この本の内容を間に受けた人がいたとしたら、凶悪犯罪者にならないか心配です。
調べてみると、本書が社会的に危険視されて弾圧されていた歴史もあるみたいです。
正直なところ、あまり読むのはおすすめできません……。

