🧃 食べる・飲む・動く。子どもの将来を家族でできる健康 🧃
日曜日の午後。
ハルとふみは、数人の保護者と一緒に、子どもの生活習慣についての小さな講座に参加していた。
前方のスクリーンには、
「子どもの将来の健康を守るために、今できること」
と書かれている。
講師のおとみさんが参加者を見渡した。
「“子どもを太らせないための講座”ではありません」
ハルが少し意外そうな顔をする。
「違うんですか?てっきり、おやつを減らしましょうとか、ゲームをやめましょうって話かと思っていました」
おとみさんが笑った。
「もちろん食事や運動の話はします。でも大切なのは、“ゲームが悪い”“おやつが悪い”と一つだけを悪者にしないこと」
ふみが首をかしげる。
「じゃあ、何を見るんですか?」
おとみさんはホワイトボードに大きく書いた。
食べる・飲む・動く
「この3つが、毎日の中でどうなっているかです」
そして、スクリーンに一つ目の例を映した。
「たとえば、テレビやスマホ、ゲームを楽しむ時間が長くなると、そのぶん座って過ごす時間も長くなりやすいですよね」
ハルがうなずく。
「ゲームしている間は、ほとんど動かないですからね」
「そうですね。問題はゲームそのものというより、身体を動かす時間が少なくなっていくことです。身体活動の少なさは、肥満や2型糖尿病などのリスクと関係しています」
おとみさんは続けて、もう一枚の写真を映した。
ゲーム機のそばに、ポテトチップスと甘い飲み物が置かれている。
ふみが苦笑した。
「……これ、休日のうちかも」
何人かの保護者からも笑い声が漏れた。
おとみさんもうなずく。
「もう一つ考えたいのが食べ方です」
「ゲームや動画を見ながら、甘いジュースや炭酸飲料、フライドポテト、お菓子などを何となく食べ続ける。それが日常になってくると、食生活も乱れやすくなります」
ハルが言った。
「ゲームをしていると、どれくらい食べたか分からなくなることありますね」
「そうなんです。甘い飲み物を頻繁にとることは、体重増加や肥満、2型糖尿病などと関連することが知られています」
おとみさんはホワイトボードに矢印を書いた。
座っている時間が増える
↓
身体を動かす時間が減る
そして、その隣に、
甘い飲み物・高カロリーなおやつが習慣になる
↓
食生活が偏りやすくなる
と書いた。

「こうした生活が一回あったから病気になる、という話ではありません」
おとみさんは参加者を見渡した。
「でも、それが何年も続いて習慣になり、体重増加などほかの要因も重なると、将来的な肥満や2型糖尿病、心血管疾患などのリスクに関係してきます」
ふみが少し真剣な表情になる。
「子どもの頃だけの問題じゃないんですね」
「そこが、一番知ってほしいところです」
おとみさんが答えた。
「子どもの頃についた生活習慣は、そのまま大人まで必ず続く、と決まっているわけではありません」
「でも、毎日の習慣は積み重なります。だから、大人になってから慌てて変えるのではなく、子どもの頃から“身体を動かす”“飲み物やおやつを選ぶ”経験をつくっていくことが大切なんです」
ハルが少し考えてから聞いた。
「じゃあ、ゲームは禁止にしたほうがいいんですか?」
「禁止から始めなくて大丈夫!」
「どうすれば?」
「まず、今の生活を見てみること!」
おとみさんは例を挙げた。
「ゲームが長くなっているなら、“やめなさい”だけではなく、夕方に一緒に買い物に行き、歩く」
「家の中でも洗濯物を運んでもらう。配膳の手伝いをしてもらう」
「休日に少し公園へ行く。生活の中に身体を動かす時間を取り入れていく」
ふみがうなずく。
「運動って、スポーツを習わせることだけじゃないんですね」
「もちろんです。日常の中で動くことも大切です!」
「食べるほうは?」
ハルが尋ねた。
「お菓子を大きな袋のまま置かず、小さなお皿に分ける」
「甘いジュースが毎日なら、水や麦茶を選ぶ日をつくる。夕食には野菜やたんぱく質も入れる。最初はそんなところから」
後ろに座っていた保護者が手を挙げた。
「でも仕事から帰ったら余裕がなくて……。毎日ちゃんとやるのは難しいです」
おとみさんはうなずいた。
「だから、“完璧な生活にしましょう”という話ではありません。家庭によって生活も違います。できることを一つ選んでください」
ふみが言った。
「子どもにだけ“ジュースやめなさい”って言うんじゃなくて?」
ハルが笑う。
「親も横で麦茶飲まないとね」
「そこなんです!」
おとみさんも笑った。
「子どもの生活習慣は、子どもだけが原因ではありません。“あなたは直しなさい”ではなく、“家族で少し変えてみよう”と考えてほしいんです」
そしておとみさんは、少し表情を変えた。
「もう一つ、忘れないでほしいことがあります。体型だけを見て、“太っているから糖尿病になる”“痩せれば大丈夫”と考えることもできません」
ハルとふみがおとみさんを見る。
「2型糖尿病には、肥満や身体活動の少なさだけでなく、家族歴などさまざまなリスク要因があります。見た目だけで判断したり、子どもを責めたりする話ではないんです」
ふみが静かに言った。
「健康のために言っているつもりでも、“あなたの身体が悪い”って伝わったら嫌ですね」
「そうですよね。だから、“痩せなさい”ではなく、“家族で元気に過ごせる習慣を増やそう”なんです」
講義が終わり、ハルとふみは帰り支度を始めた。

ハルが言う。
「うちは、まずジュースからかな」
「麦茶にする?」
「それと休日、近所なら車じゃなくて歩いてみようかな」
ふみも笑った。
「私はおやつを袋のまま出すのをやめてみる」
近くを通ったおとみさんが、二人の会話を聞いて笑った。
「いいですね。それくらい具体的だと続けやすいと思います」
「病気を怖がることではありません」
少し間を置いて、続けた。
「子どもの頃から、“食べる・飲む・動く”を家族で考えることです。今の習慣に気づけば、今日から変えられることがあります」
帰り道。
ハルとふみは、いつものスーパーへ向かった。
特別な健康食品を買うためではない。
子どもの将来の健康を守ることは、
ある日突然、特別なことを始めることではない。
ゲームを悪者にすることでも、おやつを全部禁止することでもない。
食べる。飲む。動く。
いつもの生活を家族で一度見つめて、
「ここだけ、少し変えてみようか」
そこから始めることなのかもしれない。
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みらいの学校GIFT主宰 / 一般社団法人日本みらい教育LABO代表理事
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コラボ【3】 🪀 おもちゃコンサルタントりゅうま 🪀

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「次はどうなる?」「もう一回やってみよう」
そんなワクワクが、考える力や挑戦する心を育てていく。
まずは、おもちゃではなく子どもの姿を観察することから始まります。
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保育・福祉の現場で約20年。
おもちゃコンサルタント/木育インストラクター。
「あそびが、ひとをつなぐ」をテーマに活動中。
コラボ【2】 💐 花と心のスタイリスト稟心 💐

「今日は“上手に作る日”ではありません。“好きな花”を一本見つける日です。」
ママは花を選び、子どもは香りや色に目を輝かせる。
「今度ひまわり買おう!」
「ブルースターも飾ろうね。」
花は作品を作るためだけではなく、親子の会話や笑顔、季節を感じる心を育ててくれる。
そんな「花の時間」が、保育園にやさしく咲いた。
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花と心を整え、笑顔や人とのつながりを育む活動をしています。
季節の花と親子の時間や自分を大切にする時間をお届けしています。
フラワーレッスンやワークショップ、想いを届けるフラワーギフト、空間装飾などを通して…、「花との関わり方が変わることで、毎日の暮らしが少し豊かになる」ことを目指して活動しています。
コラボ【1】 🎈🎈 バルーンパフォーマーキャサリン 🐥🐥

「園児たちが、思いきりワクワクできる行事をやりたい」
その相談から始まった、バルーンショー。
一本の風船が、お花や動物へ変わるたび、
「次は何になるの!?」
子どもたちの目が輝いていく。
保育園の行事は、発表するだけじゃない。
驚いて、笑って、夢中になる。
“外の力”を少し加えるだけで、いつもの園がワクワクの舞台に変わる。
バルーンパフォーマー キャサリンInstagram
2022年にバルーンアートの全国大会で優勝。
バルーンショーがふるさと納税の返礼品に(大阪府茨木市)
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