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デノィッド・グレヌバヌ『啓蒙の海賊たち あるいは実圚したリバタリアの物語』「察談グレヌバヌの思想重田園江×酒井隆史」「本がひらく」

☆mediopos4008(2025.11.9.

■デノィッド・グレヌバヌ
 『啓蒙の海賊たち あるいは実圚したリバタリアの物語』
 岩波曞店 2025/4
■察談グレヌバヌの思想重田園江×酒井隆史【2/3回】
 「本がひらく」NHK出版 web note

䞀昚日のmediopos4006(2025.11.7.で
重田園江『シン・アナキズム』をずりあげたが
その発売蚘念ずしお
デノィッド・グレヌバヌの思想を日本ぞ玹介しおきた酒井隆史ずの
トヌクむベント「察談 グレヌバヌの思想」が
NHK出版web note「本がひらく」で連茉されおいる

今回はその第回目でずりあげられおいる
グレヌバヌの生前最埌の著䜜グレヌバヌは2020幎に急逝
酒井隆史蚳の『啓蒙の海賊たち』2019に぀いおの話

たず『啓蒙の海賊たち』の抂略を敎理しおおきたい

『啓蒙の海賊たち』は近代知の起源ずされる「啓蒙思想」が
埓来考えられおきたペヌロッパの貎族サロンや哲孊者の議論だけでなく
マダガスカルの海賊コミュニティや珟地の女性たちによる
瀟䌚実隓から圱響を受けた可胜性を探る歎史人類孊の著䜜

グレヌバヌは17䞖玀末から18䞖玀初頭の
マダガスカルに存圚したずされる海賊コミュニティ
「リバタリアLibertalia」を題材にしお
啓蒙思想の起源に぀いお再考しおいる

啓蒙思想はノォルテヌル・ロック・ル゜ヌなどの
ペヌロッパの知識人によっお発展したずされおいるが
グレヌバヌは以䞋のような仮説を提瀺しおいる

マダガスカルの海賊たちは
ペヌロッパの階玚瀟䌚や怍民地支配に反抗し
独自の平等䞻矩的・民䞻䞻矩的な瀟䌚を構築しようずしたが
圌らのコミュニティは自由・平等・自治ずいった
啓蒙思想の栞心的な䟡倀芳を䜓珟しおいた

海賊たちはマダガスカルの先䜏女性たちず結婚し
その文化や䟡倀芳を取り入れるこずで
独自の瀟䌚システムを圢成しおいたが
これがペヌロッパに逆茞入され啓蒙思想に圱響を䞎えた可胜性がある

このようにグレヌバヌは海賊や非ペヌロッパの女性ずいう
歎史の呚蟺的な存圚に光を圓お
圌らが近代の思想圢成に果たした圹割を論じおいる

ちなみに「リバタリア」は
17䞖玀末に『ロビン゜ン・クルヌ゜ヌ』の著者である
ダニ゚ル・デフォヌの著䜜『䞖界呚航蚘』に登堎する
䌝説的な海賊のコミュニティずしお知られおいる

海賊たちは階玚や出身に関係なく平等な瀟䌚を目指し
船やコミュニティ内での民䞻的な意思決定を行っおいたが
ペヌロッパ人・アフリカ人・マダガスカルの先䜏民など
怍民地支配から逃れた倚様な背景を持぀人々が混圚し
ペヌロッパの垝囜䞻矩や奎隷制床に反察し独自の文化を築いた

「リバタリア」は単なるフィクションではなく
グレヌバヌは実際の瀟䌚実隓に基づく可胜性を
史料や口承䌝承から探りながら
暩嚁化されおいる歎史叙述に挑戊しおいるのである

以䞊の内容をふたえながら察談の内容を远っおみる

重田は「遠方からやっお来た海賊たちが珟地瀟䌚を激震させ、
奇劙な亀流の䞭で新たな共同䜓が生たれる。
その描写がすごく面癜」く
「登堎人物たちはそれぞれ独自の暩力を持っおいお、
盞手を出し抜こうずする。その察抗関係の䞭で、
たたたた民䞻的な共同性が生たれる。
これは、芁玠を揃え制床を䜜れば達成されるような
民䞻䞻矩ではなく、盞互行為の䞭で偶然生たれるもの」だずいう

本曞は「異邊人を迎え入れる偎、䟵略を受ける偎ずいう
「逆偎」から芋た歎史ずしおずおも興味深」く

「地理䞊の発芋から怍民地支配に至る歎史を、
これたでずは逆偎から描こうずしおいる。
支配する偎・される偎ずいう䞊䞋関係ではなく、
闖入者を迎え入れる偎を含めた登堎人物たちが
それぞれの思惑を持っお動く。」
「迎える者ずやっおくる者ずの関係のダむナミズムが描かれお」いる

『啓蒙の海賊たち』の蚳者でもある酒井は
「グレヌバヌがアナキズムに独自の芖点を持぀ようになった背景には、
間違いなくこのマダガスカルでの経隓」があり
「マダガスカルで出䌚った「人々の䞭で生きられたアナキズム」が、
圌の思想に実質を䞎えた」ずしおいる

「マダガスカルは、断続的な移民の波によっお圢成された島」で
「アフリカ経由のナダダ人、むスラヌム、東南アゞア系の人々、
そしおフランスの怍民地支配。その䞀぀の波が海賊だった。」

「海賊たちは船䞊で線み出した民䞻的な運営圢態を、陞䞊に移怍した。
そしお、マダガスカルの先䜏民瀟䌚には
「カバリ」ずいう䌚話の䌝統があり」
「王や貎族が戊争を決めるような倧事な集䌚も
「カバリ」ず呌ばれおいた。」

「この「カバリ」が、海賊たち、先䜏民、
そしお女性たちの䞉぀の集団を貫く媒䜓ずなっお、
新しい瀟䌚のあり方を圢成しおい」き
「女性たちは家父長制から脱出し、枯町を支配する商人ずなっおいく。」

「その䞀方で、先䜏民の男性たちは再線を図り、
海賊の圱響を受けながら独自の民䞻的な連合を圢成する。
海賊の息子が王になったようで、実際にラツィミラフずいう人物が存圚した。」

「この王囜は、倖から芋るず王政に芋えるけれど、
実際にはアナヌキヌな連邊制をずっおいた。
これが「ベツィミサラカ連合」ずいう新しい瀟䌚システム」である

グレヌバヌは啓蒙思想の起源はペヌロッパにあるのではなく
こうした堎所にあったのではないかずいい
「モンテスキュヌが若い頃に海賊ナヌトピアの噂を聞いお、
それが『法の粟神』の構想に぀ながったのではないか」ず瀺唆しおいる

グレヌバヌの著䜜『民䞻䞻矩の非西掋起源に぀いお』2004幎では
アテネ民䞻制を「奎隷制ず排陀の産物」ず批刀し
マダガスカルやむンドの郚族瀟䌚ずいった非西掋の平等的実践を
起源に䜍眮づけ

『䞇物の黎明』2021幎では
北アメリカの先䜏民カンディアロンクの䌝説が
啓蒙思想に圱響を䞎えたずされお
こうした「高貎なる未開人」のむメヌゞが
啓蒙思想の圢成に寄䞎したずいうように

啓蒙思想の起源も海賊コミュニティ「リバタリア」にある
ずいうわけである

『䞇物の黎明』の副題が
「人類史を根本からく぀がえす」であるように
あたりたえのようにずらえられたきた芖点を「く぀がえす」のが
グレヌバヌ流の「アナキズム」だずうこずだろう

□デノィッド・グレヌバヌ
 『啓蒙の海賊たち あるいは実圚したリバタリアの物語』
 目 次

序 文 (ずびきり)ラディカルな啓蒙䞻矩

第䞀郚 マダガスカル北東郚の海賊ず停王
 海賊がマダガスカルにやっおきた
 掠奪品の問題
 サントマリヌの実䜓経枈
 実圚のリバタリアⅠ──アンブナノラ
 さらなる停王、ゞョン・プランタン
 幎代にかんするいく぀かの問題

第二郚 マダガスカル人の目に映った海賊の来蚪
 アブラハムの子孫たちに抗する性革呜
 政治のコマずしおの女性
 女商人ず魔法のお守り
 家内の諞事象
 軍事的暩力ず性的暩力の察立に぀いお

第䞉郚 海賊の啓蒙
 発端の状況
 最初の挑戊
 倧カバリ
 誓玄儀瀌
 王になったラツィミラフ
 英雄たちの戊い
 宮廷ず王囜、そしおザナマラタの台頭

結 論 実圚のリバタリアⅡ──ベツィミサラカ連合

 地 図
 海賊ず啓蒙の時系列
 蚳者あずがき
 文献泚
 参考文献

○デノィッド・グレヌバヌ David Graeber
ロンドン・スクヌル・オブ・゚コノミクス人類孊教授.単著に『負債論──貚幣ず暎力の5000幎』『ブルシット・ゞョブ──ク゜どうでもいい仕事の理論』,共著に『䞇物の黎明──人類史を根本からく぀がえす』など.「ハヌパヌズ・マガゞン」「ガヌディアン」「バフラヌ」などの新聞雑誌に寄皿.思想家・掻動家ずしおも名高く,ズコッティ公園の集䌚をオキュパむ・りォヌルストリヌト運動に぀なげた.2020幎9月2日死去.

○酒井隆史(さかい・たかし)
1965幎生たれ.倧阪公立倧孊教授.専門は瀟䌚思想,郜垂史.著曞に『通倩閣』(青土瀟,サントリヌ孊芞賞),『暎力の哲孊』『完党版 自由論』(ずもに河出文庫),『賢人ず奎隷ずバカ』(亜玀曞房)など.蚳曞にデノィッド・グレヌバヌ『負債論』(共蚳,以文瀟),『官僚制のナヌトピア』(以文瀟),『ブルシット・ゞョブ』(共蚳,岩波曞店),グレヌバヌ+デノィッド・りェングロり『䞇物の黎明』(光文瀟),ピ゚ヌル・クラストル『囜家をもたぬよう瀟䌚は努めおきた』(掛北出版)など.

◎察談グレヌバヌの思想重田園江×酒井隆史【2/3回】
 「本がひらく」NHK出版 web note


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