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Oaiko Podcast #02 Oaiko的2020年代オルタナティブロック史

時代に「適応する」をコンセプトにポストコロナのインディー/オルタナティブシーンを牽引するレーベル・Oaikoによるポッドキャスト番組『Oaiko Podcast』がスタート。ニシムラマサシ (arti / Oaikoスタッフ)がMCを務め、Oaiko事務所にゲストを招いてトークをお届けします。

第二回の今回は、Oaiko代表のシンマチダ、Oaikoスタッフのイクトとともに、「Oaiko的2020年代オルタナティブロック史」を、重要作を振り返りながら編んでいきます。

Oaiko的オルタナティブロック史(コロナ禍以前 / 2020年〜2022年:ungulatesのスタジオライブ、kurayamisaka登場の衝撃 / 2023年〜2024年:Oaikoレーベル始動、新世代の台頭 / 2025年〜現在:再結成時代、ムーブメントの拡散 / 2026年、これから来るバンドたち)


コロナ禍以前

マサシ:はい、第2回ですね。前回に引き続きマチダさんと、何やらもう一人。お名前教えてください。

イクト:イクトって言います。お願いします。

マチダ:イクトくんはOaikoのスタッフです。で、OPUSの後輩。

マサシ:同じサークルですね。

マチダ:まだ現役生?

イクト:今年大学3年生になりました。

マチダ:完全に代が被ってないけど、OPUSで面白い子いるって他のスタッフの子に聞いて、連れてきてもらったのがイクトくん(笑)。

マサシ:俺もまだ会って2、3回目ぐらいだけど、だいぶいいですね。

マチダ:彼はだいぶいいです。というわけで今回は、「オルタナティブロックの歴史」、2020年史を語ろうじゃないかと。

マサシ:これは絶対話しとこうと。面白そうですよね。

マチダ:やっぱりOaikoがコロナ禍以降で生まれたレーベルだし、現在進行形で体感している今のシーンの盛り上がりみたいなのを、2020年代後半に差し掛かったから、このタイミングで一回振り返ってみてもいいんじゃないかっていうのと。Oaikoがそれを振り返るのってちょっと意味あるんじゃね?みたいな。で、僕とマサシは年1個差だけど、イクトくんは…何個差だっけ?

イクト:7くらい。

マチダ:俺が今年27だから、6、7個違うから、多分そこの見てる目線はちょっとずつ違う。そのジェネレーションギャップを感じつつ、振り返っていこうじゃないかと思ってます。てなわけで、コロナ禍前から話すか。コロナ禍前って、マサシはオルタナ聴いてた?

マサシ:俺が大学1年くらいの頃で、ちょうど聴き始めくらいですね。何聴いてたかな? きのこ帝国とか……もうちょっと聴いてたな。ちょっとSpotify見ながら話します。

マチダ:俺もきのこ帝国めっちゃ好き。Apple Musicのリプレイが俺、2015年からあるんだけど。2018年辺りは、ギターロックばっか聴いてて。レイラとかユレニワとか。

マサシ:UMEILOとか聴いてたかな。

マチダ:ギターロックだよね。オルタナではないよね。だからオルタナのバンドでサークルで流行ってたのは、saidとPENS+だったんだよね。で、この歴史の年表を振り返って書き出したけど、当時、For Tracy Hydeとか揺らぎは割と聴いてる人多かった気がします。でもそれ以外の作品を書き出す時に、サークルで流行ってたものがあんまりないなと思って。もちろんいたんだろうけど、大学生に届いてなかったのかな、ってちょっと思うんだよね。サークルのコピバンでもいなかったよね。ギターロックのインディーズバンドはやっぱりいたけど。それこそレイラやったりとか。

マサシ:町田さんの1個上とか。

マチダ:俺の1個上の先輩、何やってたっけ…?あんま覚えてないな。当時はオルタナがあんまり浸透してなかったんじゃないかっていう感覚があって。でも、コロナ禍以降に台頭してきたよねっていうのが確実にある。

2020年〜2022年:ungulatesのスタジオライブ、kurayamisaka登場の衝撃

マチダ:2020年にコロナが起きて。この話をする上で、ungulatesが欠かせない存在かなと思うんだけど、2020年にスタジオライブの映像が突如SNSで流れてきたのを、めちゃくちゃ覚えていて。俺も使ってた北千住のPACKSっていうスタジオがあるんだけど、そこで、downtとかくだらない1日がスタジオライブしてる映像が流れてきて。スマホのライトで照らしながら、「浮かない顔のまま」を演奏してて、それにもうドキューンと。「かっこいい!」みたいな。結構みんな盛り上がったのをすごい覚えてるね。

https://twitter.com/yu21uu/status/1401495422602911750?s=20

マサシ:みんな急にエモの話をしだした。

マチダ:あとは一個早かったなと思うのはstargaze shelterってバンド(ユニット?)で。星宮ととさんの。結構みんな「これめっちゃいい」みたいな話をしてた気がする。くだらない1日は、ちょうど最初の『くだらない1日』、セルフタイトルを出した年だったから、まだそんなに音源としては多くないけど、動き出した感がすごい感じられた気がするな。コロナ禍だったから、みんなアルバム出しにくかったと思うし。

マサシ:そうですね。

マチダ:で、2021年。ここがもう転換期の転換期だと思ってて。downt『downt』、ANORAK!『ANORAK!』、ANORAK!とくだらない1日のスプリット、音速ばばあ『Cricket』、とがる『生きていたら逢いましょう』が、ungulatesから全部この年に出てるんですよ。すごいよね。衝撃すぎた。当時、イクトくんは高校生? 中学生?

イクト:2021は高1とか。

マチダ:この頃は聴いてた?

イクト:いや、全然。それこそKing GnuとかTempalayとか、そのあたりを聴いてて、ここら辺は全然聴いてないですね。

マチダ:俺らはここを一番最初に食らった気がする。

マサシ:そうだったのかもな。確かに、くだらない1日とか、急にどこでも名前を聞くようになった。

マチダ:この年はANORAK!の「浮かない顔のまま」が確か1位か2位に入ってる。あ、2022の1位だ。そのぐらい衝撃的だったな。でもまだ、オルタナティブロックっていう意識はなかった気がする。普通に、かっこいいインディーズバンドが出てきたって思ってたかもしれない。

マサシ:確かに、ムーブメントの始まりの始まりみたいな感じ。

マチダ:コピバンも、ここら辺をコピーしようみたいな感覚はなかったよね。大4だったけど。

マサシ:なかったですね。

マチダ:コピーしてたのはsaidだったんだよ。で、2022年。ここからやっぱ面白くなりますよね。kurayamisaka到来。この時、社会人になった年だったんだよね。kurayamisaka『kimi wo omotte iru』、yubiori『yubiori』、せだいのDelirium』、音速ばばあとsoccer.のスプリット、とがる『これで最期』、くだらない1日『rebound』がungulatesから出たし、あとはsimsiisの2nd EP『white hot』、ひとひら『human』『Seasons of Someday』が出てて。

3つに分けているんだけど、kurayamisaka、yubiori、せだい、tomoran世代っていうのかな。ちょっと僕らより年上の人たちがやっているバンドの新しいムーブメントが完全に生まれ始めていったのと、ungulatesのさらに新しいムーブメントができていたり、simsiisやひとひらといった新星がちょっとずつ出始めたっていうのが2022年だったなって思っていて。kurayamisaka、当時衝撃だったなって今でも思うんだよね。

マサシ:俺、kurayamisakaがこんなに売れると思ってなかった。かっこいいと思ってたけど。

マチダ:最初にSNSで見た時から衝撃的で、すごいヨウスケとかと盛り上がってた気がする。いきなりフォロワーが1500人くらいいて、「なんじゃこりゃ!?」みたいな。映像だけ最初上がってて、それでザワザワしてたのすごい覚えてる。kurayamisakaは、この時には知ってた?

イクト:いや、当時高2なんで、高3の秋くらいに知りましたね。その時にkurayamisakaとかANORAK!とかを急に聴き始めて、今、みたいな。

マチダ:1年後に広くなっていった時に届いてたんだ。早耳の高校生に。

マサシ:kurayamisakaが本当に確実に軌道に乗った年くらい。

マチダ:そうそう。simsiisは結構、俺は文脈の中で大事で。この『white hot』をリリースして活動休止しちゃうの、彼ら。で、ひとひらのメンバーとsimsiisかっこいいねって話してたら、活動休止しちゃうんだっていうのを見て、すごいショックだったのを覚えてる。あとはMoritaSaki in the poolとかyeti let you noticeのファーストアルバムもこの時に出てたりとか、徐々にこの片鱗が覗き始めているというか、そんな年だったなと思うんだよね。

マサシ:シューゲイズ大復権時代もここから始まってる?

マチダ:シューゲイザーって復権しているのかという問いはあるよね。俺の中でジャパニーズシューゲイザーで結構すごかったなっていうのは、For Tracy Hydeとか、今も活動してる揺らぎとか、SPOOLとか、そこら辺だから。今めっちゃ流行ってるジャンルがシューゲイズって言われると、あんまりそこピンとこないんだよね。

マサシ:まあそうか。市民権は得たけど。

マチダ:いいバンドはずっといるけど、シューゲイズがトップジャンルかというと、わかりやすい言葉で流行ってるなっていう印象。割とマスロックとかエモの方が流行ってるなっていう印象あるかも。オルタナティブロックを広義で捉える上で。で、2022年。この時からOaikoはイベントとして始めてました。Oaikoの1回目は、Hammer Head Shark、YKCM、toronto、Marie Louise、Mr.Seasideを呼んでて。コロナ禍前からやっているバンドを呼んでいるけど、今もその5バンドとかは、今のシーンにもいるし、今聴いてもやっぱりシーンに近しい音楽だなと思うから、なんとなくその時にみんな、こういう音楽はいいよねってなってた時期なのかなって思います。

2023年〜2024年:Oaikoレーベル始動、新世代の台頭

マサシ:2023年行っちゃいますか。the bercedes menz……ここからなんですね。

マチダ:この年の2つ大きなトピックは、Oaikoがレーベルとして始動しまして、Oaikoのアーティストのひとひら、hardnuts、その感激と記録の最初の良い作品が出た。この時、hardnutsは別にOaikoじゃないんだけど。文脈として。あとは、結構尖った音楽のいい作品が出てたなという印象で。the bercedes menz『ザ・ベルセデス・メンツの幸福な子供たち』、笹川真生『サニーサイドへようこそ』、トップシークレットマン『漫喫、レイプされた先輩へ』、texas3000『tx3k』。SleepInside『SleepInside』、ルサンチマン『ひと声の化石 / rebury』、Apes『PUR』とか。あとCruyff、poor man's roseとかがかっこよかったなと思ってて。本当にファーストフルアルバムを一気に出したアーティストも多かったなって思った年だった。その感激と記録、hardnutsはミニアルバムだけど、ひとひら『つくる』を出した時に結構反響が起きて。その時にやっと、自分もこのシーンの一員になり始めたなと思いながら活動が始まった気もしていて。それまではkurayamisakaとかも仲は良かったけど、一お客さんぐらいのテンションだった気がするけど、自分たちもそこの盛り上げる一員なんだって思いながらやり始めたのが、2023年がきっかけになったなって。

マサシ:当事者意識を。

マチダ:イクトくん、受験期にハマっちゃったの? 何がきっかけだったの?

イクト:もともとボカロ聴いてて、その流れで笹川真生とかを聴いてて、君島大空とか聴いてて。で、kurayamisakaとかがバズってて、聴いてみるかってなって。

マチダ:やっぱSNSでバズってるのが届いたんだ。

イクト:で、その後、ひとひらとか。the bercedes menzもそこら辺で聴き始めた。

マチダ:へえ。kurayamisakaの『kimi wo omotte iru』のLPが2023年の11月12月で、めっちゃ覚えてる。ここでhardnutsのベースの坪田だと出会って、一緒に法政大学の文化祭でkurayamisakaが出てるのを観に行ったのを覚えてる。ヨウスケと一緒に行くって時に、「hardnutsのベースもいるんですけど、いいですか?」って言われて、それで初めて出会って、めっちゃ仲良くなったの覚えてる。だから、周りの近しい人で「かっこいいよね」みたいになり始めた気がする。ungulatesのバンドたちはちょっと年上だからこそ、多分本当に関わりはまだちゃんとなくて。同い年ぐらいの世代たちで盛り上がり始めたのが2023だったのかなって。

マサシ:確かにちょうど同世代。俺らと同じぐらいか、ちょっと下ぐらいだった気がする。

マチダ:すごいその印象あるな。2021、2022が本当に初期で、2023から中期に入ってくるのかな。2024年、さらなる若手の台頭。コロナ禍初期で出てきたバンドが2作目を発表。それから、別レーベルのリリースっていうのが多くなったかな。若手から見ていきますか。sidenerds『潜水』、雪国『pothos』、cephalo『Fluorite code』、Trooper Salute『Trooper Salute』、iVy『幽泳プログラム』。ここら辺が初期作を出している。

マサシ:ビビったな、sidenerds。iVyもビビったな。

マチダ:あとはMoritaSaki in the poolも『Love is Over!』。Blurred City Lights、Nikoん、Tyrkouazとかも出し始めた時かな。でもやっぱりsidenerds、雪国が結構衝撃も衝撃だった気がするな。当時、sidenerdsのギターのねぎしとかはいろんなバンドサポート、今もやってるけど、それで知ったんだっけな。とがるのベースやってたんだよね。あとはソロの曲とかバズってて。

マサシ:あとはソロの曲とかバズってて。

マチダ:雪国の京くんは、他のバンドのギターやってて、それで知ってて。本当に二十歳の、大学生って感じだったから、そんな雪国のおとなしい感じの音楽をやる子だと思わないぐらい。その子からこんな作品が出るんだと思って。

マサシ:めちゃくちゃもう最初から一つの世界はあったっすもんね。

マチダ:ひとひらとかサークルの後輩だし、年も2個下だから、言うても近いじゃん。2個下ぐらい。でも雪国とかもっと下。4つ下とかな気がすんだよね。sidenerdsとかもっとさらに下かな。5、6個下だから。やっぱもう新人類よ(笑)。新人類出てきたって思ったよね。この時から。さらに上の世代で生まれてた音楽が、一気に大学生の子たちがそれをやる時代に突入したなっていう。

マサシ:最初に出てきた人たちがリファレンス元になってるのかなってこともある。

マチダ:徐々に生まれ始めてる感じもするね。で、ungulatesから出てたバンドとかのセカンドアルバムが出てるかな。downt、ANORAK!、くだらない1日。音速ばばあ。せだいやsaidも出してたり。ungulatesから最初出てたバンドが徐々に移籍したりとかもあったり、シーンの変わりが少しずつ見えてきたタイミングだったのかなと思いますね。ここら辺はね。あと、ANORAK!とかすごい雰囲気を変えてさ。

マサシ:そうですよね。めっちゃエレクトロとか。

マチダ:びっくりしたよね。

マチダ:サークルの先輩にひとひらがいるってなって、どう思った?

イクト:別のサークルの新歓に行ったら、ひとひらのドラムのヨウスケさんがいて。慶應のマスロック研究会っていうところに行ったらいて。で、「OPUS入ろうと思うんですよね」って言ったら、「俺もOPUSだよ」って。そこで初めて知って。4月の頭とか。びっくりはしたっすけど、被ってはないんで。誰とも。

マチダ:いるんだなぐらいだったんだ。その当時、sidenerdsとか雪国が出てきたりしても、そこはリアルタイムで追い始めていた時期?

イクト:そうですね。ちょうど聴いてて。雪国も2、3個上とか、大学生でこんなちゃんとできるんだ、みたいな。

マチダ:大学入ってからやるコピーは、みんなここら辺のバンドをコピーすることが増えた?

イクト:そうですね。kurayamisakaはもう大体ずっといるくらい。

マサシ:俺らでいうレイラみたいな。

マチダ:ああ、そうかもね。

イクト:で、ちょっと雪国も去年とかいた。sidenerdsもやりましたし。

マチダ:すごい。それはなかったよね。こういうジャンルのインディーズロック。確実に、ジェネレーションギャップを感じる部分だよね。

イクト:あと、さよならポエジーがサブスクで解禁して。

マサシ:そうだ。そうだわ。大ニュースだ。

マチダ:大ニュースだ。

イクト:ちょうど受験会場行く時に、さよならポエジーの1stが解禁されて、聴きながら行きましたね。

マチダ:さよポエは大学時代、コピーした。「二束三文」とかやった記憶はあるな。でも確かにサブスク解禁してから、うわーっとこっちにも広がったというか。さよならポエジーってやっぱTHE NINTH APOLLOだから、オルタナティブロックとして完全にくくられてはないはずじゃない?

マサシ:あんまりオルタナティブロックってイメージはなかった。

マチダ:けど、こっちのジャンル好きな人みんな好きだし、俺もめっちゃ好きだし。

マサシ:マインドなんですかね。

マチダ:なんなんだろうね。すごく不思議だよね。アユさんともお話しした時に、「アジカンが好き」ぐらいしか言ってなくて。「みんなにオルタナのことを言われるんだけど…」みたいな。だからすごく不思議な存在だし、確かにこのシーンの中継地点にいる面白い存在。語るべき存在のバンドだね。


2025年〜現在:再結成時代、ムーブメントの拡散

マチダ:そして2025年ね。

マサシ:再結成時代。

マチダ:ここが去年なのにとんでもないなと思ってて。まず1月にthe cabsが復活して、その後chouchou merged syrups.が再結成して、uremaもうちのレーベルから復活して。

マサシ:再結成多かったね。

マチダ:今も多いし。plentyとかね。

マサシ:そうだそうだ。

マチダ:去年は本当に大アルバム時代だと思ってて。一つのオルタナティブロックシーンの終焉を迎えたんじゃないかと思うぐらいに、みんなが話してるバンドがアルバムを出したなって思ってて。ここまで話してきたバンドってほとんど東京のバンドだったんだけど、去年からは地方のバンドも名前を聞くようになったなと思ったり、あとは、ここから話すけど、新たな才能がさらにネットから生まれる時代になっていくんじゃないかなってところで、2025年、話すことが多いなと思ってますね。まずは再結成からいきますか。the cabs再結成、ビビったよね。そんなことってあるんだ、みたいな。

マサシ:一番しなさそうだった。

マチダ:大学時代さ、the cabs流行ってたかというと、そんなことはなくなかった? KEYTALKの方が流行ってなかった?

マサシ:それはもちろん。KEYTALKよりthe cabsが流行ってるサークルはキモすぎるから(笑)。

マチダ:やってる人いたけどさ。「MONSTER DANCE」でサークルが盛り上がってたのを、合宿の時に覚えてて。そのくらいの認識だったのに、今は大学生がみんなthe cabsのTシャツ着てるじゃん。KEYTALKはもうやらない? 「MONSTER DANCE」やらない?

イクト:「MONSTER DANCE」やんないっすね。

マチダ:4つ打ちの時代は完全になくなっているかもしれない。KANA-BOONは?

イクト:KANA-BOONもいないっすね。新入生が入ってきて、5、6月くらいまではそういうのが残っているんですけど、もう淘汰された。

マチダ:逆にthe cabsとか、uremaとかchouchou merged syrups.は知ってた?

イクト:the cabsは知ってたっすね。uremaとかchouchou merged syrups.は知らなかった。

マチダ:2010年代初期、前半か。残響が流行ってた時のオルタナティブロックを、今の子たちは追っているわけ? 有名どころだとcinema staff、People In The Boxだと思うけど、それ以外にも、近しい存在でaqualifaとかlicalとか。asayake no atoも入るのかな。

マサシ:uremaもわかりやすく残響って感じがするし。

マチダ:残響のバンドではないんだけど、残響ショップに置いてあったって聞く。

イクト:残響、残響とは言ってるけど、本当に残響レコードから出してたやつを聴いてるかというと、the cabs一強というか、the cabsを聴いて残響って言ってるなって感じ。

マチダ:そうだよね。mudy on the 昨晩とか、perfect piano lessonとか。最初の作品だけだけど、雨のパレードとかもそうなんだよね。ハイスイノナサ、KUDANZ、AFRICAEMOとか、Luminous Orange、空中メトロとかもそうだな。

そして大アルバム時代ね。やっぱり一番でかかったのは、kurayamisakaが『kurayamisaka yori ai wo komete』をリリースしたこと。Oaikoからだったらyeti let you notice、hardnuts、TIDAL CLUBも出したし、colormalとかも出したし。ルサンチマンとか、雪国、Blume popo、iVy、ひとひらも出したし。國、sidenerds、エスキベル、yubiori、SleepInside、リュベンス、水中スピカ、Fallsheeps、Beachside talks、アイドルでもRAY、穂ノ佳、Hammer Head Shark、笹川真生、ハク。、Nikoんとか。すごいね。全部、適当に挙げてるところじゃなく、良かった作品を挙げたんだけど、すごい数だな。でも一番最初にバズったkurayamisakaが1stフルアルバムを出すっていうのは、一個終止符というか、これが2020年代の前半だぞと言わんばかりの作品だったような気がするなと。

マサシ:kurayamisakaがリードしてきた2020年代のオルタナシーンって感じ?

マチダ:まあでも、2022からだけどね。でも欠かせない存在にはなったんだよね。あと東京以外のバンドが各地面白いなって思って。OaikoだとTIDAL CLUBとcolormalをリリースしたけど、TIDALは仙台で、colormalは大阪。あとは去年、揺れるは幽霊はすごい伸びたなって思う。あとTrooper Salute、名古屋の/nanameとか。名古屋のシーンはまたすごい盛り上がってたりして面白かったりするんだけど、岡山とか、本当に各地に面白いバンドが増えたなっていうのが、すごい去年から感じることなんだよね。東京から出きったのかなって思っちゃうぐらい。仙台はsimsiisが最初いたけど、どんどん出てきて。各地で若い子も音楽を頑張っている感じが、東京でも感じられるようになった。

マサシ:急に繋がりを感じるようになったというか。

マチダ:やっぱり上の世代から下の世代になって、それが全国に広がる感じが、今、流れとして順序的にあるよね。

マサシ:現場、ライブハウスとかにいると結構肌で感じますよね。

マチダ:俺はツアーで各地一緒に行くことがあって、各地のライブハウスに行くと、よりそれを生身で感じることもできて、それはすごく面白いよね。

マサシ:東京で出てても、地方のバンドと対バンする機会がめっちゃ増えましたもん。コロブチカとかもそうだし、他にも、soccer.とは名古屋で対バンしたりとか。でもやっぱり東京だけじゃなくて、スケール感がでかくなってるなっていう肌感がありますね。

マチダ:地方行くと、全国区になってるバンドとまだなってないバンドは確実に差があるらしくて。全国区になってるバンドは、地方で一番トップのバンドが、ネットを通して俺らに届いてるっていうのを、ライブハウスの人が言ってて。まだまだ出てくるんじゃないかなと思ったりするね。あとは新しい才能ね。また次の若い子たちが出てきていて。去年だと一番びっくりしたのは月野恵さん。

マサシ:いや、すごかった。

マチダ:一番かっこいいバズり方してたよね(笑)。あれさ、普通に聴いて「うわ、かっこいい」と思って、どんどん伸びていって。何リツイートくらい行ったんだっけ。1000リツイートくらい行ったよね。みんなするじゃん、アルバムリリースした時とかのツイート。あれ史上一番かっこいい伸び方だよね(笑)。ちゃんとみんながかっこいいって思ってリツイートしたからさ。弾き語りの人でああいう伸び方したのを久しぶりに見た気がするし。あと去年だと開始とか、どうめき『デカセクシス』みたいなのを出してて。ちょっとこれまでになかったインターネット感みたいなのが、より顕著になってきてる気がしてて。バンドで言うと、これはsidenerdsが一番そうかな。hardnutsもそうかな。インターネット感あるバンドで。アニメジャケなのかな。

マサシ:まあ、それもわかりやすいけど、ボカロがまた流行りだしたぐらいの頃のエッセンスが入ってる感じがする。開始とかどうめきとか、その情報量の多い感じ。

マチダ:うん。確かに確かに。

マサシ:あとはハイが結構出てるところもそうだけど。

マチダ:sidenerdsとかhardnutsは、普通にSNSが面白いのもあるかもね(笑)。

イクト:ネットアイコン的な。

マチダ:確かに。ネットアイコンなのが、そのまま音楽性も通じるものがあるのかもしれない。あと地方だと長野のSYAYOSは去年すごい衝撃的だったな。あと作品っていうんじゃないけど、海風邪ってバンドいるじゃないですか。あれはすごい新しい形だなって思ってて。「バンド始めました」ってツイートでめっちゃ伸びたじゃん。ああいう、正直、音楽性ではないけど、「このバンド面白そう」と思ってワッと伸びたわけじゃん。そういうのが、もう完全にこれまでと違うよねっていう。新しい形すぎて、雰囲気でみんなが感知する時代になったのかなって思って。

マサシ:でも確かに、バンドとかオルタナに対するリアクションが増えたというか、早くなった気がしますよね。

マチダ:よりSNSが強くなっているのかもしれないし、あと僕らのこのジャンルで言っているからなのかもしれないけど、結局X,Twitter強くね?って。

マサシ:まあ強い。

マチダ:海外バズはインスタの方が多いんだけど、結局ライブハウスに来てくださっているお客さんは、Twitterを情報源にしてくれることが多い気がして。Oaikoのフォロワーも全然Twitterが多いし、Twitterのアルゴリズムで音楽がまだまだ届いているんじゃないかなと思ってますね。シーンにおいて大事な要素かもしれない、Twitter。TikTokじゃないよね、やっぱ。

マサシ:TikTokはあまりにも関係ないものがいっぱい入ってくるけど、良くも悪くも。Twitterって同じコミュニティか、もしくは接近してるコミュニティだけど、自分は触れてなかった情報がポンって回ってきたりするから。それでまた渦ができるのが早い気がする。Twitterって。それがバンドにとって、特にオルタナっていう、割とマインドが一致してるじゃないですか。ちょっと内省的な感じとか、音作りもそうだし。そういう一つの好きな雰囲気っていうものを共有して、非言語な、言葉にはなってないけど、「こういうのが好きだよね」みたいなところがガーッと渦になって。

イクト:他のSNSよりファン同士で共有しやすいというか、これ好きっていうので、すぐフォローしたり、いいねってなったりするのが、結構このシーンに合ってるかなって思ってます。

マチダ:メジャーシーンはTikTokでいかにバズらせるかみたいな曲が流行るじゃん。今だとクレイジーウォウウォ!!とか。全然戦っているものが違うんだろうなって。

マサシ:回り方の種類が全然違う気がする。

マチダ:僕らはHOLIDAY! RECORDSとかを、すごいアンテナとして信頼してたりするからさ。これはインディーズの、オルタナティブならではの感じ方なのかなって思います。


2026年、これから来るバンドたち

マチダ:じゃあ終盤。最後、これからですね。2026年。オススメバンドだけ考えてね、2人(笑)。ある程度オルタナティブロックと言われるジャンルのバンドが増えてきて、似たようなバンドっていうのがどうしても増えざるを得ない時代になっていくのかなと思うんですよ。この前も三現主義ラジオっていう友達がやってるラジオで、「みんなひとひらのモノマネや」みたいなことを言ってたりして(笑)。確かにそういうふうに、リファレンスが近くになってしまうせいでそうなってるのかなとか思うんだけど、だからこそ次の世代は新しい音楽がまた生まれるから、それがどんな音楽なのかなって気になっていて。個人的に最近思ってるのは、現実とインターネットの狭間っていうか、架空の中にあるリアルみたいなバンドが次は面白いんじゃないかなっていう、勝手な予想なんだけど。

マサシ:架空の中にあるリアル?

マチダ:インターネットバンドってだけじゃなくて、インターネットなんだけど、めっちゃリアル感があるみたいな。リリィ・シュシュがそうかもしれない。わかりやすいので言うと。現実じゃないんだけど、架空の中なんだけど。

マサシ:iVyとかもそう?

マチダ:iVyとかめっちゃそうかも。

マサシ:空想世界の中にリアリティの痛みみたいなのを、エッセンスとしてというか、コアな部分として持ってる。

マチダ:そういうバンドの魅力が最近はグッとくるのが多くて。LOW POP LTD.ってバンドが2018年ぐらいにいて、もう今はやってないのかな。すごいそういう音楽性とか面白いなって最近注目していて。その中でおすすめしたいバンドは3バンドいて、ベイビーフーノー、Spit Lulu's、Cafuneiroって3バンド、すごい推してます。全バンド、まだ20歳ぐらい。ベイビーフーノーは高校卒業したばっかって言ってたんだけど、すごい面白いの、みんな。もちろん、リファレンス先にkurayamisakaとかひとひらがいるんだけど、それだけじゃなくて、Cafuneiroはボーカルにめっちゃオートチューン使ってたりとか、ベイビーフーノーはめっちゃ宅録で自分たちだけで音楽をやったりとか、Spit Lulu'sはちょっとシューゲイズっぽい音楽性で、めっちゃハイトーンのボーカルで、Parannnoulっぽい雰囲気をまとってたりとか。新たなオリジナリティの形がすごく新鮮で、最近面白く見ているバンドですね。そういうのはすごく注目してます。2020年代後半はそういうバンドたちが、徐々に徐々に頭角を表すんじゃないかなって勝手に思ってる。期待。

マサシ:確かに音楽性は個々で違うけど、世界観とか空気感、精神性みたいなのが共通してるみたいなのは、すごい面白いですよね。聴き手としても、作り手としても面白い感じがする。

マチダ:あとそこの文脈じゃないけど、推してるバンド、シンプルにかっこいいなって思うのが、今回Oaiko FESオーディションのグランプリにした砂場泥棒っていうバンドが、すごい最近心奪われたバンドで。京都のバンドで、これはやっぱり場所から生まれる面白さみたいなのがあるから。京都大学の熊野寮という場所から生まれる、面白さみたいなのをまとっているバンド。あとは福岡のpudelhunds。めっちゃthe cabsが大好きで、リスペクトしてる感じなんだけど、だからこそ滲み出る本当に好きな良さみたいな。近しいところをさらっとパクったって感じじゃない。滲み出すぎてるし、福岡の子たちだから、小手先でやってないんだよね(笑)。パワーがあって、「やります!」っていうのが強くて。こいつらどんどん面白いの作るだろうなって思ってる感じかな。今度5月にワンマンが福岡であるんで、観に行こうかなと思ってて、すごい楽しみなバンドっすね。ジャンルで言うと、砂場泥棒はプログレで、pudelhundsは本当にマスロックなんだけど。

マサシ:でも確かに骨太な感じするかもな、pudelhunds。ムキムキな感じがするんですよ。

マチダ:町田セレクトはそんな感じ。2020年代後半は注目してますね。イクトくんは?

イクト:この前ライブ見たんですけど、Highvvater。

マサシ:わかる。マジかっこいいね。

イクト:ライブやばかったですね。普通にめっちゃ演奏上手いし、結構カリスマ性みたいなものも感じるし、曲もいいし。本当に普通にすごくいいなっていう。Tシャツ買いました(笑)。

マチダ:Highvvaterはいいね。大阪のバンドで、colormalの系譜みたいなのをちょっと感じるし、Qoodowとか、そっちの関西のオルタナっていう文脈をすごく感じて。今日は全然出てこなかったけど、関西のオルタナの文脈とか、名古屋のオルタナの文脈みたいなのも、それぞれのカラーがあって、深掘っていくともっと面白いよなと思いつつ。Highvvaterはいいとこ取りできてるバンドだよね。

マサシ:影響を受けたものを落とし込むのがうまいっつうか。UKロックとかも多分そうだし、スケール感あるよね。直近で一番衝撃だったのは確かにHighvvater。

イクト:あと回春李。一本のリフでずっと突き抜けるっていうのが、開き直りというか、それが逆に新しくて。で、ちゃんとメロと歌声良くて、みたいな。それが結構ガツンときましたね。

マチダ:回春李のギターをやってる方は、リスキーシフトってバンドをやってたんですけど、それすごい好きで、めちゃくちゃ聴いてて。だから、めっちゃ嬉しかった。最初知らなくて。オファーしたらリスキーシフトの人で。

マサシ:俺は2つ。1つはwanbed。SHELTERで対バンする予定だったんです。この前、artiと。でも怪我とかで対バンできなかったんですよ。その時まだ知らなくて、どんなバンドだろうって思って聴いたら、ヤバいと思って。

マチダ:洋楽ライクなバンドって最近いなかったよね。

マサシ:いなかったっすね。1年、2年前に結構いたような覚えがあるけど。純粋にUKから影響を受けたような、なんていうのかな。あんまそっちらへん詳しくないですけど、ブリットポップっぽい感じ? 骨太だし、スケール感の広がりもあるし。あと動画見ただけだけど、カリスマ性もすごいし。

マチダ:一回ライブ見たけど、すごいかっこよかった。アートワークもちょっと現代っぽいよね。それが今新しいなって感じるところなのかな。Twitterのポストも絵文字みたいなのをおしゃれに使っててさ。

イクト:ギターの子が同い年で。ヤバいですね。

マチダ:今出てる子たちが二十歳とか大学生なのが怖いよね。

マサシ:みんな年下。勘弁して。で、もう一バンドは電球。

マチダ:あー! 電球はhardnutsとサークル一緒って言ってたかな。

マサシ:どの曲が好きとかないんですけど、どれもしっくりくる感じ。あとこれも曖昧な、世界観って話になっちゃうけど、アートワークも含めて、雪国と同じような描きたい景色がこの人たちの中にも一貫してある感じがすごく好きです。

マチダ:すごい、めっちゃ聴かれてる。18万再生されてる。すごい。

マチダ:徐々に2020年代後半は、バンドだけじゃなくて、いろんなジャンルを含めて一個のシーンになっていくのかなっていうのは、iVyが出てきてすごい、それを感じ始めた。ハイパーポップとかも面白いなって最近思い始めて。広がっていって、ずっと盛り上がり続けたらなって思いますね。

マサシ:浅い(笑)。今後も注目ですよ。

マチダ:2020年代史と言っていいのかわかんないけど。

マサシ:Oaiko的な振り返り。

マチダ:また、1年ごとぐらいに振り返ってみたいよね。

マサシ:いいですね。今年はこれだったよねって刻んでいくと、また面白い発見があるかもしれない。

マチダ:今年よくなかったな、とか(笑)。

マサシ:出すな、そんなもん(笑)。

マチダ:毎年ピックアップしていって、そのバンドたちがアルバム出して、やばいよねみたいな。やっぱ俺らの審美眼が間違ってなかったな、みたいな。

マサシ:それで気持ちよくなっちゃったらおしまい(笑)。


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掲載対象:音源リリース,MV公開,ライブ・イベント情報 など
掲載料:原則無料
掲載ジャンル:オルタナティブロックを軸に、Oaikoの文脈に接続されるもの

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