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"暴落" を怖れる日銀 -「贅沢の憂鬱」

 10年JGB(Japanese Government Bonds、日本国債)が節目と見られてきた@2.5%に急接近。当時の大蔵省・資金運用部が突然国債買入を停止したことから10年JGBが@0.80%台から一気に@2.44%まで急騰した「運用部ショック」(1998.11~1999.2)まで引き合いに出され、これでは日銀が "暴落" を怖れるのも無理はない。元理事や総裁・副総裁の発言にも滲み出ており、1年以内のJGBの金利が低下、市場は4/28の利上げ見送りに傾き始めた

 だが本当にそれでいいのか?

 その代償としてイールドカーブはスティープニング=長期>短期金利の傾斜化。20年超の金利は上昇基調を強めている。利上げ見送りでインフレ期待が高まるのだから当然そうなる。その動きに呼応するようにドル円は@160円に再接近、「円安」に振れている(対他通貨も同様)

 それでも日経平均はまだ@56,000円台を保っており「危機」とはほど遠い。だが気になる点もある。今日(4/13)高速道路を走っていて感じたが車の量が少ない。だから驚くほど帰宅時間が早かったが、これは 忍び寄る「スタグフレーション」の影と「酷い相場」Ⅲ - やっぱり止めを刺すのは日銀なのか|損切丸 で例示した景気ウォッチャー調査 ↓ が示唆した「スタグフレーション」の前触れではないのか

 3月景気ウォッチャー調査
 現状判断指数 42.2 前月 48.9
 先行き判断指数(2~3ヶ月先) 38.7 前月 50.0

 「原油高」というより「原油不足」の経済への影響は深刻だ。例えば洗浄機付便座で有名は某日本の代表メーカーはナフサ不足で生産停止を決めたし、その他各種メーカーも生産調整に入っている。何だか電気自動車が増えた気もするが、そんな高い車を買える層は限られている。結果として車に乗らず電車やバスに乗り換える人が増える。道理で車の通行量が減るはずだ

 4年続いている東欧の戦争も今の中東も、経済的には圧倒しているはずの西側諸国が苦戦するのは奇妙にも思えるが、これは「贅沢の憂鬱」とも言えるべき現象。生活水準が高いが故にちょっとエネルギー価格が上がったり原材料が足りなくなると生活民の不満が噴出。一方経済的には劣る国々の国民は窮乏生活に慣れており、ちょっとやそっとでは根を上げない。この「贅沢」の差が経済格差と戦況の逆転現象を生んでいる

 だから空爆しようが海峡を封鎖しようが、元々「理」の無い戦争においてはどんな大国も勝てない。あの国はVトナムやAフガニスタンでその事を散々思い知らされたのにまた同じ事の繰り返し。これはもう軍需産業の為にやっているとしか思えない。おまけにマーケットでは "TACO" などとふざけた呼称をいいふらし他国から「お金」を巻き上げようとしている。さすがに "いい人はどうでもいい人" のアジアの経済大国もついていけなくなってきた

 ただ「異次元緩和」で「お金」を世界中にまき散らしてきた責任もある

 ようやく利上げで回収作業に入っているが、日銀はまだJGB発行量の40%以上を保有。少なくともあと▼100兆円はバランスシートを縮めなければなるまい。その過程でJGBがある程度 "暴落" するのは仕方の無いこと。それより「円安」がもたらす "逆資産効果" のマイナス面の方が遙かに大きいその「損」がウォール街の「財」に化けている

 折しもハンガリーで16年も続いた右派の独裁政権が倒れた。よく不正選挙が為されなかったなと半ば感心するが、今の "TACO" には世界中が辟易としており国粋主義的な右派政治に対する反感は醸成されつつある。これだけボーダーレスな国際社会で自国だけの利益を求めるなんていうのは土台無理な話。歴史が証明してきたように独裁国家はどこも経済政策が行き詰まり、まして「戦争」なんてナンセンスの極み。上手くいくはずがない

 大国が「お金」や「贅沢」或いは「面子」を求めるだけの今の「戦争」には勝ち筋が見えない。ミサイルを撃ち込まれて家族を殺された者にとって恨みは一生残るし、そうやって憎悪が積み重ねられてきた。これも人類の歴史と言ってしまえばそれまでだが、どんな帝国も同じ道筋を辿って滅んでいる

 マーケット的に言えば、そういう "ツケ" は必ず「金利」に還ってくる「インフレには利下げ」なるものを強行したTルコは見返りに強烈な「通貨安」を伴うハイパーインフレに見舞われた。経済規模が違うとはいえ、同様に「利下げ」強要する "Tariff Man" も同じ誘惑に駆られる。いずれも「借金苦」で首が回らなくなっているからだ。だから米国債のイールドカーブは強烈なスティープニングが続いている

 おっと、これは我が国も例外では無い。 "暴落" を怖れるあまり「中立金利」以下の実質マイナス金利政策を続ければ同じ結果を招く。3年余りで▼40%も減価したこの強烈な「円安」がその証左。元・ドラマーの首相に何か言われているのかもしれないが、もう躊躇っている時間は無い。このまま本当に手遅れになれば結局最後は "暴落" を上回る "大暴落" を引き起こす。それでは何のための政策判断かわからない。だがこの感じだと4/28も「政策変更無し」+言い訳に終始しそう…(はぁ~溜息)

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