Photo by
syashin_sozai
GⅠどころか、前にも行けなかった話し
今朝。競馬のニュースを見ましてね
「女性騎手が歴史を動かした。」と聞けば、胸が熱くなるものですの。
けれど私の馬との思い出をたどりますと
どうにも英雄譚ではございません。
昔、家族で牧場へ行った日のこと。
前には母と妹。後ろには私と父。
妹の馬は、まるで「未来はこちらです。」とでも言わんばかりに、すいすい前へ。足取り軽やか、風を切って進んでいく。
一方、私の馬。
…進まない。
まったく進まない。
景色どころか、時が止まった気がいたしました。
「ほら、行くわよ〜」という家族の声が遠ざかる中、私の相棒は哲学者のような顔で立ち止まり、何かを考えているご様子。
そして突然――
自然との対話を始めましたの。
ええ、たいそうお腹の軽量化を。
それも、なかなか情緒豊かなご様子でね
私は馬上で、風ではなく静かな現実を浴びておりました。
妹は前で颯爽。
私は後ろで待機。
父は「まぁこういう馬もいる」と、人生みたいなことを言う
帰り道、牧場の牛乳ソフトクリームを食べましたの。
本来なら濃厚で幸せな味がするのでしょう。
でも、あの日の私は...
少しだけ敗北の味しかしませんでしたの。
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