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【読書記録】初読み作家さん開拓:さ行

読書の幅を広げるべく「初めて読む作家さん」をあいうえお順で開拓しています。Xの #読了 タグで掲載しており、2023年11月開始 ⇒長く中断したのち最近再開しました。
せっかくなのでnoteでまとめてみます。写真は基本的に白ネコチャンと本。
◀前回|【読書記録】初読み作家さん開拓:か行

・普段の読書ではノンフィクション(社会心理学や行動科学、現代思想)やドイツ幻想文学などを好みます
・「現代」「日本の作家さん」中心で開拓…できれば若手の方
・文学賞を受賞している作品を優先的に

読書傾向紹介&作家さんセレクトのなんとなくルール


【さ】佐佐木陸/解答者は走ってください

「この世界は破壊すべきである、⭕️か❌️か?」過去の記憶を喪失した少年の元へ届いた「きみの物語」。並行世界を疾走する究極のマルチバース小説。
物語が孕む面白さの核心には「予測不可能性」があると考えているけれど、本作はその点において規格外の破壊力。次の瞬間、隣の行に何が待ち受けているのかすらまったく読めない。油断ができない。その圧倒的なスリルと未知なる展開が最大の魅力でした。

【し】 斜線堂有紀/君の地球が平らになりますように

大学の寵児だった東と、地味な小町。数年後、陰謀論に傾倒し周囲から孤立する彼を見て、小町は「今なら手が届く」と歪な希望を抱く。(ほか短編4作)
中でも「大団円の前に死ぬ」が白眉でした。恋愛至上主義がもたらす激烈な喜怒哀楽は、当事者として呑み込まれるより、安全圏から俯瞰で眺めるくらいが丁度いい…。人間の業や執着を冷徹かつ鮮やかに切り取った短編集。

【す】杉井光/世界でいちばん透きとおった物語

大御所作家の遺稿を追う婚外子の主人公。生前の複雑な人間関係を辿るうち、隠された真実へと導かれていく。
物語の展開自体はある程度予想がつくものの、それは本作の真髄ではなかった。最大の驚きは、電子書籍では決して味わえない「紙の本」だからこそ成立する、精巧で物理的な仕掛け。
すべてが腑に落ちたときの静かな感動と、タイトル通り透き通るような穏やかな読後感が、胸を満たしてくれる。読んでよかったと思えた一冊でした。

【せ】瀬尾まいこ/おしまいのデート

祖父と孫、元教師と教え子、男子高校生同士など、様々な関係性が織りなす「最後の別れ」を描いた珠玉の短編5作。世界は実に多様なデートで溢れている。
人に薦められて手に取ったけれど、恋人に限らない特別な逢瀬を「デート」と表現する感性がとても詩的で美しい。
ただ、収録作「ドッグシェア」の展開だけは、元犬飼いの立場として胸が痛んでどうしても受け入れがたかった…。

【そ】染井為人/悪い夏

生活保護行政に携わるケースワーカーの主人公。同僚の不正疑惑を追い、ある受給者の女性宅を訪ねたことから、底なしの転落劇に飲み込まれていく。
貧困ビジネスや裏社会など、蠢く悪意と欲望があちこちで交錯し、やがて怒涛の破滅へと収束していく構成の妙。こういった人々、貧困の連鎖などの「界隈」と無縁のまま生きてこられた自分は恵まれているのだと。思わず安堵と感謝を覚えるほど、生々しく凄まじい読書体験でした。


さ行で一番好きだったのは #染井為人 さん。「悪い夏」の映画も配信が来ているので見てみようと思います。
その他、掲載している作家さんがもともと好き!という方がいらっしゃいましたら、次は(本当は)これおススメというのをぜひ教えてください🙏
まとめるスピードが追いついておらず、2026年5月半ば現在、Xでは「む」まで届いているのでまたnoteにまとめます。

▶次回|【読書記録】初読み作家さん開拓:た行

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