なぜ新しい食べ物を嫌がるのか?安心して食べられるセーフフードが心を支えているかもしれない | 子育て | 子育ての悩み | 特別支援教育 | 療育 | 放課後デイサービス | 放デイ | 学校 | 支援級 | 発達障害 | ASD | ADHD | 自閉症 |
こんにちは、春乃ひかりです。
お子さんが、
「いつも同じものしか食べない」
「新しい食べ物を頑なに拒否する」
「見た目が違うだけで食べなくなる」
そんな姿に悩んだことはないでしょうか。
栄養のことを考えると、つい
「一口だけ食べてみよう」
「好き嫌いしないで」
と言いたくなることもありますよね。
しかし近年、海外の自閉症コミュニティでは、セーフフード(Safe Food)という考え方が広く知られるようになっています。
これは単なる好き嫌いではなく、安心して食べられる食べ物という意味です。
今回は、自閉症や発達障害の子どもたちの偏食を理解するヒントとして
・セーフフードとは何か
・なぜ同じものばかり食べたがるのか
・家庭でできる関わり方
について解説していきます。
1. セーフフードとは何か
① 「好きな食べ物」とは少し違う
セーフフードは、単に好きな食べ物という意味ではありません。
その食べ物なら、
・味が予測できる
・食感が予測できる
・匂いが予測できる
・見た目が変わらない
という安心感があります。例えば、
・いつも同じメーカーのパン
・決まった味のおにぎり
・特定のうどん
・決まったお菓子
などです。
周囲から見ると不思議に感じることもありますが、
本人にとっては安心して食べられる大切な存在なのです。
② 食べること自体がストレスになることもある
私たちは食事を楽しみとして捉えることが多いですが、自閉症の子どもの中には食事そのものが負担になる場合があります。
例えば、
・食感が苦手
・匂いが強すぎる
・温度が気になる
・口の中で混ざる感覚が苦手
などです。
そのため、新しい食べ物は楽しみではなく未知の刺激になることがあります。
2. なぜ同じものばかり食べるのか
① 脳は予測できるものを好む
人間の脳は予測できるものに安心を感じます。
特に自閉症の子どもは、
予測可能性
を大切にする傾向があります。
同じパンなら、
どんな味か
どんな食感か
どれくらい噛めばいいか
まで分かっています。
つまり失敗のリスクがありません。
これは単なるこだわりではなく、不安を減らすための工夫とも言えます。
この点は発達特性の無い人でも共感しやすいのでは無いでしょうか。
② 感覚過敏が関係している場合もある
海外の研究でも、自閉症の偏食には感覚処理の違いが関係している可能性が指摘されています。
例えば、
トマトは好きだけどミニトマトは苦手
ポテトチップスは食べられるけどふかしたじゃがいもは無理
ということがあります。
私と長男はこれが当てはまります。
私は今では美味しくいただきますが、粒あんの皮の舌触りがとても苦手でしたがこしあんは問題なく食べていました。
長男はエビが苦手ですがポップコーンシュリンプは食べています。
栄養的には同じでも、
・音
・食感
・水分量
・噛み心地
が違うからです。
大人には小さな違いでも、本人にとってはまったく別の食べ物に感じられることがあります。
③ 「食べない」より「食べられない」
保護者としては、
「食べようと思えば食べられるのでは?」
と感じることもあるかもしれません。
しかし当事者の体験談では、
「食べたくないのではなく食べられない」
という表現がよく使われます。
無理やり食べようとすると、
吐き気
不安
パニック
を感じることもあるのです。
私は苦手な物を食べるとブルブルと体が震えていました。
3. 海外で行われているアプローチ
① 無理に食べさせない
近年の海外の支援では、
まず安心して食べられるものを確保する
ことが重視されています。栄養も大切ですが、
まずは十分なエネルギーを摂取できることが優先です。
② 食べる過程を見せる
海外の当事者の中には、
調理の様子を見ることで安心できた
という人もいます。
材料が分かる
作り方が分かる
何が入っているか分かる
ことで不安が減る場合があります。
③ 一口チャレンジを強制しない
「一口だけ」
という声かけが有効な子もいますが、
逆効果になる子もいます。
無理に挑戦させるより、
まずは見る
匂いをかぐ
触る
などの段階から始める方が安心できることがあります。
4. 家庭でできるサポート
① セーフフードを否定しない
同じものばかり食べていると心配になりますよね。
しかし、
「またそれ?」
「飽きないの?」
と否定されると、食事そのものへの不安が強くなることがあります。
まずは、
「これなら安心して食べられるんだね」
と受け止めることが大切です。
② 食べられるものを土台にする
新しい食べ物を試す場合は、
セーフフードの隣に置く
少量だけ出す
など安心感を残したまま挑戦する方法があります。
③ 子どもの感覚を尊重する
私たちが感じている以上に、子どもは強い刺激を受けているかもしれません。
だからこそ、
「気にしすぎ」
ではなく、
「そう感じるんだね」
と受け止めることが大切です。
5. 専門家の視点
ニューロダイバーシティ(脳や神経の多様性を尊重する考え方)の視点では、偏食を単なる問題行動として捉えません。
その背景には、
感覚過敏
不安
予測可能性へのニーズ
などがあるかもしれないからです。
もちろん健康面への配慮は必要です。
しかし、
「どうしたら食べさせられるか」
ではなく、
「どうしたら安心して食事ができるか」
という視点が支援の第一歩になります。
まとめ:食べられることは安心できること
偏食という言葉を聞くと、つい改善しなければならない課題のように感じてしまいます。
しかし子どもにとってのセーフフードは、単なる好きな食べ物ではなく、安心して食べられる大切な存在かもしれません。
まずは、
「なぜ食べないの?」
ではなく、
「なぜこれは食べられるのだろう?」
という視点で見てみること。
そこから子どもの感覚世界への理解が始まるのではないでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
もしよければ、お子さんの「これだけは絶対に食べる!」というセーフフードや、食事で困った経験があれば、ぜひコメントで教えてください。

