読書 | 和漢朗詠集 (角川ソフィア文庫)

『和漢朗詠集』
最近、日本の漢文脈に興味を持っている。関心を持つと目に入るものが少し変わるのかもしれない。
書店を歩いていたら、角川ソフィア文庫に『和漢朗詠集』が入っていることに今さらながら気がついて購入した。
まだパラパラとめくっているだけだが、ルビもふってあるので、意外と読みやすい。小さい文字だけと、現代語訳もついている。適当に開いて、ちょこちょこ読んでいこうと思っている。
『和漢朗詠集』には、803首の佳句と和歌が収録されている。そのなかには、『枕草子』や『源氏物語』に登場するものも含まれているらしい。また、『和漢朗詠集』の写本は多く、幅広い読者がいて、多大な影響を文化にも与えていたようだ。

『和漢朗詠集775』には
わが君は千代に八千代に
さざれ石の巌となりて
苔のむすまで
とある。
『古今集』にも出ているようだが、「わが君は」を「君が代は」と変えたものが現在の国歌になっている。

ちょっと開いたページから適当に引用してみる。
539
いにしへは散るをや人の惜しみけむ
今は花こそ昔恋ふらし
(この山荘でかつては花の散るのを主人が惜しんだことであろうが、今では花の方が主人のいた昔を恋しく思っているらしい)
585
山寺の入相の鐘の声ごとに
今日も暮れぬと きくぞかなしき
(山寺の夕暮れ時の鐘の音がなるたびに「今日も(空しく)一日が暮れた」と聞こえるのが悲しいことだ。)

623
わが宿は道もなきまで荒れにけり
つれなき人を待つとせしまに
(我が家は道もなくなるほどに荒れ果ててしまった。つれないあの人を待っている間に。)
642
行々として重ねて行々す
明月峡の暁の色尽きず
眇々として復た眇々たり
長風浦の暮の声猶ほ深し
(旅を行きまた旅を行く、明月峡の明け方の月の色はいつまでも尽きない。果てしなくまた果てしない、長風浦の夕暮れの風の音はなお一層深く身にしみる。)

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