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padhinton
【読書記録】回遊人/吉村萬壱
一度は小説家として注目されるもじきにかけなくなり、妻や息子への冷徹な観察眼だけが光る「おちぶれた」男になっていく主人公。
そんな中女を買いにドヤ街のようなところの中華料理店で飯を食べていると床に錠剤が落ちているのを見つけ、旅館で錠剤を服用すると妻と付き合う前の自分にタイムスリップしている。
話はここから始まるのですが、何回も何回もタイムリープが起こり、彼は何回も人生に失敗してしまいます。
ネタバレになるので書きませんが最悪の結末を回避できるのかできないのか、彼の最後のセリフがとても切なく、頭の中に響き続けています。
もはや何が正解で成功なのかわからない。
妻ではない、思いを寄せていた美人と結婚する人生も失敗と感じてしまい、何度目かのタイムリープでは肉体労働者兼男娼として働き始め、じょじょに書くという行為から離れて行ってしまう。
吉村萬壱さんは現存する作家の中でかなり好きな作家さんなのですが、何よりその文体が好きで。
定規で引いて書いたような不気味で正確、緻密、シンプルな文章を是非読んでいただきたいです。
kindle Unlimitedだと0円で読めます。
