火に包まれた母の店【第2章⑦】
ある年の元旦の夜、私の人生が一変した話【第2章⑦】
※※※
前回の話はこちら👇️
母のお店は、最初は年中無休でしたが
いつからか大晦日と元旦を休みにした当初の話です。
休業の日は朝から、両親そろって念入りな正月準備をしていました。
お客様に振る舞う立派な樽酒、生花、飾り凧。玄関には門松と葉牡丹。2日からの営業に向けて、家の大掃除や店の裏方の仕事を欠かさずやってきた父と、それを手伝う母。
私はといえば、大晦日の夜から友達と初詣に出かけ、ビリヤードをしたりして、そのままオールナイトで遊んでいました。
元旦の夜、家に帰ると、母はリビングでウトウトしていました。私も遊び疲れて、こたつに入ってウトウト…
遠くの方から、救急車と消防車のサイレンが鳴り響いていました。
「正月から気の毒やなぁ」
そんな呑気な会話をしていた、その時…
1本の電話が鳴りました。
「こんな時間に誰やろな」なんて言いながら。
母と私、どちらが出るかジャンケンをしました。負けたのは母でした。
電話に出た母の声が、みるみる変わっていきました。
店が、火事って。
母は震える声で、2階で寝ていた父を起こしました。私も一緒に、急いで店へと向かいました。
当時付き合っていた歳上の彼氏も、連絡を受けてすぐに駆けつけてくれました。
ここから先は
1,201字
¥ 980
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
