産後の尿漏れはいつまで様子を見ていい?セルフケアと受診を考える目安
「産後の尿漏れって、いつまでなら様子を見ていいんだろう」
くしゃみをすると少し漏れる。
咳をしたときも不安。
赤ちゃんを抱き上げた瞬間に「あっ」となることがある。
でも毎回ではない。
量もそれほど多くない。
だから、
「病院へ行くほどではないかな」
と思って、そのままにしていませんか。
産後の尿漏れについて調べると、
「産後にはよくある」
「骨盤底筋を鍛えましょう」
といった情報も出てきます。
すると今度は、
「もう少しセルフケアで様子を見たほうがいい?」
「何か月続いたら病院へ行けばいい?」
「こんなことで受診してもいいの?」
と迷ってしまいますよね。
大切なのは、
「産後○か月までなら大丈夫」という数字だけで判断しないこと。
尿漏れの程度や変化、ほかの症状、そして日常生活への影響も含めて考える必要があります。
今回は、
「もう少しセルフケアを続ける?」
「それとも一度相談する?」
と迷ったときの考え方を整理します。
「産後だから尿漏れしても普通」では終わらせない
妊娠・出産後に尿漏れを経験する女性はいます。
そのため、
「産後にはあること」
と聞くこともあると思います。
ただ、
起こることがある=ずっと放っておいていい
という意味ではありません。
たとえば、
くしゃみをすると漏れる。
咳をすると漏れる。
笑ったときに漏れる。
赤ちゃんを抱き上げると漏れる。
小走りすると不安。
こうした状態が続いているなら、
「産後だから仕方ない」
だけで終わらせず、
一度、自分の状態を見てみることが大切です。
そもそも産後の尿漏れについて、
「なぜ起こるの?」
「少しだけなら気にしなくてもいい?」
というところから整理したい方は、先にこちらの記事を読んでみてください。
「何か月続いたら病院?」だけでは判断しにくい
病院へ行くべきか迷うと、
どうしても、
「産後3か月なら?」
「半年なら?」
「1年経ったら?」
と数字で答えを探したくなります。
期限が分かれば判断しやすいからです。
ただ、尿漏れは、
経過した月数だけでは判断できません。
同じ産後3か月でも、
週に一度だけ気になる人。
毎日のように漏れる人。
少しずつ改善している人。
以前より悪化している人。
尿漏れが怖くて外出を控えている人。
では状況が違います。
だから、
「何か月経ったか」
と一緒に、
「症状がどう変化しているか」
を見ることが大切です。
まず確認したいのは「良くなっているか」
セルフケアをしながら様子を見る場合、
一つの目安になるのが、
時間とともに症状が改善しているか
ということです。
たとえば、
以前は毎日のように漏れていたけれど、最近は回数が減っている。
同じくしゃみでも漏れないことが増えた。
以前より外出への不安が少なくなった。
運動しても症状が出にくくなってきた。
このように、
少しずつでも変化しているのであれば、
自分の身体の状態を見ながらセルフケアを続けていく、という考え方もあります。
反対に、
何週間、何か月と経ってもほとんど変わらない。
むしろ漏れる回数が増えている。
以前はくしゃみだけだったのに、歩いたり立ち上がったりするときも気になる。
という場合は、
「もう少し待てばいいかな」だけで長く様子を見続けない
ことも大切です。
「量が少ないから大丈夫」だけで判断しない
尿漏れの量が少ないと、
「これくらいなら受診するほどじゃない」
と思うかもしれません。
でも、
見るべきなのは量だけではありません。
たとえば、
外出するときに必ず吸水用品を持つ。
トイレの場所を確認してから出かける。
漏れるのが怖くて走らない。
運動を避ける。
子どもと身体を動かして遊ぶのをためらう。
くしゃみをするたびに身構える。
こうした状態になっているなら、
漏れる量が少なくても、
生活は尿漏れの影響を受けています。
「少ししか漏れないから」
ではなく、
「尿漏れのせいで、やりたいことを避けていないか」
という視点でも見てみてください。
セルフケアをするなら「とにかく締める」になっていない?
産後の尿漏れで、
まず骨盤底筋トレーニングを始める方もいると思います。
ただ、
「尿漏れ=骨盤底筋が弱い」
と考えて、
とにかく強く締める。
何十回も繰り返す。
長時間キープする。
という自己流のトレーニングだけを続けるのはおすすめできません。
骨盤底筋を意識するときには、
場所を理解する。
呼吸を止めない。
お尻や太ももばかり力まない。
収縮だけでなく、力を抜くことも意識する。
なども大切です。
「病院へ行く前に、まず自分で骨盤底筋トレーニングをやってみたい」
という方は、
回数を増やす前にこちらの記事を確認してみてください。
こんな場合は「まだ様子見」で抱え込まない
では、
どんな場合に相談を考えればいいのでしょうか。
一律の「○か月」という期限だけではなく、
次のような状態がある場合は、
医療機関などへの相談を考えてみてください。
尿漏れが続いている・改善している感じがない
時間が経っても変化を感じない。
セルフケアを続けても改善しているか分からない。
そんな場合は、
自己流だけで続けるのではなく、
一度状態を確認してもらうという選択肢があります。
尿漏れが悪化している
以前より頻度や量が増えている。
くしゃみだけだったのに、ほかの動作でも漏れるようになった。
このような変化がある場合も、
「産後だから」と長く待ち続けないことが大切です。
日常生活に影響している
外出を避ける。
運動できない。
仕事が不安。
子どもと遊ぶことをためらう。
常にトイレを探してしまう。
こうした状態も、
相談を考える理由になります。
痛みなど、尿漏れ以外の症状がある
排尿時の痛み。
血尿。
発熱。
尿が出にくい、または出せない。
骨盤周辺の強い痛み。
膣周辺に何かが下がる・出てくるような感覚。
こうした症状がある場合は、
単純に「産後の尿漏れ」と自己判断せず、医療機関へ相談してください。
「どこへ相談すればいい?」と迷ったら
尿漏れについて相談したいと思っても、
「何科へ行けばいいの?」
と迷いますよね。
産後の経過も含めて相談したい場合は、まず出産した産婦人科・婦人科などに相談する方法があります。
尿失禁や排尿に関する症状では、泌尿器科や女性泌尿器科、ウロギネコロジーなど、地域や医療機関によって相談できる診療科・専門外来があります。
また、骨盤底リハビリテーションを扱っている医療機関もあります。
大切なのは、
「これくらいで相談していいのかな」と我慢し続けないこと。
困っていることそのものが、
相談する理由になります。
病院へ行くことは「セルフケアに失敗した」という意味ではない
真面目にセルフケアをしている人ほど、
「もう少し自分で頑張ってから」
と思うことがあります。
毎日トレーニングしている。
ネットで調べている。
できることはやっている。
だから、
病院へ行くと、
「自分では改善できなかった」
ように感じるかもしれません。
でも、
受診とセルフケアは、
どちらか一つを選ぶものではありません。
自分の状態を確認したうえで、必要なセルフケアを考える
という方法もあります。
むしろ、
「今の自分に何が必要なのか分からない」
という状態で長く頑張り続けるより、
一度相談することで、
次に何をすればいいのか整理できることもあります。
尿漏れだけでなく、産後の身体全体を一度整理してみる
産後の悩みが、
尿漏れだけではない方もいると思います。
腰も痛い。
疲れやすい。
呼吸が浅い。
姿勢も気になる。
お腹に力が入りにくい。
運動を始めるのも怖い。
こうした症状がいくつも重なっていると、
「何から相談すればいいのか分からない」
という状態になります。
そんなときは、
一度、
産後の身体全体を整理してみる
のも一つの方法です。
尿漏れだけを見るのではなく、
呼吸。
姿勢。
骨盤底。
腰痛。
体力。
などを見ながら、
「私は今、どこで一番困っている?」
と確認してみる。
自分の現在地が分かると、
セルフケアを続けるのか。
運動を見直すのか。
専門家へ相談するのか。
次の選択もしやすくなります。
身体全体を一度整理したい方は、こちらの記事を使って確認してみてください。
【内部リンク③:No.30】
→ No.30|40代産後の身体セルフチェック|呼吸・姿勢・骨盤底・体力を一度整理してみよう
「受診するほど?」と迷っている時点で、相談してもいい
産後の尿漏れは、
人に話しにくい症状です。
「みんなあるのかな」
「恥ずかしい」
「このくらいで病院へ行っていい?」
と、一人で判断し続けてしまうことがあります。
でも、
尿漏れが気になって、
検索して、
この記事まで読んでいる。
それだけ、
今の生活の中で気になっているということでもあります。
だから、
「もっとひどくなったら相談しよう」まで待つ必要はありません。
症状が続いている。
改善しているか分からない。
セルフケアが合っているか不安。
運動や外出に影響している。
それなら、
相談してみる理由は十分あります。
「いつまで我慢する?」ではなく、「今どうなっている?」を見る
産後の尿漏れについて、
「いつまで様子を見ればいい?」
という答えを探していたかもしれません。
でも、本当に見てほしいのは、
産後何か月かだけではありません。
以前より良くなっている?
変わらない?
悪化している?
生活への影響は?
ほかの症状は?
セルフケアをしていても不安が残っている?
そうやって、
今の身体を見ること。
そして、
必要なら相談すること。
産後だから仕方ない。
40代だから仕方ない。
そうやって我慢し続ける必要はありません。
目指したいのは、
「尿漏れを隠しながら生活できるようになること」ではなく、
尿漏れへの不安に行動を決められず、安心して毎日を過ごせる状態へ近づくこと。
くしゃみを怖がらない。
外出をためらわない。
子どもと身体を動かすことを必要以上に避けない。
運動を始めたいと思ったとき、
「漏れたらどうしよう」だけで止まらない。
そのためにも、
「あと何か月待つ?」
だけではなく、
「今の私は、相談したほうが安心して次へ進めそう?」
という視点も持ってみてください。
この記事から次に読むなら
「そもそも産後の尿漏れをどう考えればいい?」という方へ
「まず自分で骨盤底筋トレーニングを始めたい」という方へ
「尿漏れだけでなく、産後の身体全体を整理したい」という方へ
→ No.30|40代産後の身体セルフチェック|呼吸・姿勢・骨盤底・体力を一度整理してみよう
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療や受診時期を決定するものではありません。
尿漏れが続く・悪化する、排尿時の痛みや血尿、発熱、尿が出にくい・出せない、骨盤周辺の強い痛み、膣周辺の下垂感などがある場合は、自己判断で様子を見続けず医療機関へ相談してください。
