奥州街道 松前道21 野辺地宿→浅虫温泉
2025年春、薩摩街道を南下し鹿児島の地に辿り着きました。
次はどの街道を歩こうかと迷っていた頃、還暦を迎えた街道歩きの仲間から体力のピークの話をよく耳にする様になります。
現在57歳、体力があるうちに歩ける道を考えたら、一番過酷な道が頭に飛び込んできました。
いざ出陣、津軽半島最北端の三厩まで行けるか、年齢との戦いが始まります。
2025.09.14
1.野辺地宿


只今の時刻は05:07。
5時ジャストに出立しようと張り切って準備をして、フロントを出た瞬間に激しい通り雨が・・・・
5分待っても止まなかったら上下のレインコートを着ようと準備していたら、小雨になったので歩き始めました。











本殿の説明看板。
残念ながら本殿は拝殿の後方に隠れていて見る事ができません。
神社の、社殿・拝殿・本殿の違い、わかりずらいと思いますので説明をします。
拝殿は、お賽銭を投げて鈴を鳴らし、二礼二拍手一礼で拝む場所。
本殿は、拝殿の奥にある、神様がいる場所。
社殿は、神社の境内の中にある建物の総称。
拝殿で拝む際の作法、二礼二拍手一礼。
これにはどの様な意味があるか、諸説ありますが私なりの解釈を説明します。
二礼の意味
一度目の礼 挨拶
二度目の礼 敬意
二拍手の意味
一度目の拍手 邪気を祓う
二度目の拍手 神様に気付いてもらう
一礼の意味
感謝
二礼二拍手一礼は、伊勢神宮から始まった作法で、出雲大社では二礼二拍手四をします。
四拍手の意味は、四季や四方など諸説があり、5月の例大祭では八拍手するそうです。
絶対にこうしなければならない、という訳でもない様ですが、郷に入れば郷に従えの気持ちと行動は大切ですよね。

参拝を終え、参道をふり返ると朝陽が登り始めました。
暑くなりませんように。


常夜灯の看板があります。
近そうなので脇道に逸れて見に行きます。






みちのく丸。
2005年に完成した北前船の復元船。
2011年には日本海文化交流事業で10道県14港を就航、2013年には東日本大震災復興支援として5都県8港を就航しています。
北前船が野辺地港が出入りし、宿場町が繫栄していた様子を想像しただけで興奮してきます。



常夜灯、思っていたほど大きくありませんでした。
光を伝える事の方が大切なので、大きさではないのでしょうね。


江戸時代の航路。
各地の湊で物資が積まれ降ろされ、物流で地域や街道沿いが賑わう。
この航路は何回見ても、想像が膨らみ飽きません。



2.馬門宿


野辺地戦争。
1868年、幕府軍を支持する南部軍(盛岡藩・八戸藩)と、新政府軍を支持する津軽軍(弘前藩・黒石藩)が野辺地で交戦。
南部軍は6名、津軽軍は29名の兵士が戦死し、その慰霊之碑が建っていました。

陸奥湾といえば、ほたて。
これから3日間、ほたてに関する施設がどのくらいあるか、定線観測をしていきます。








藩境塚。
江戸時代に南部・津軽領の境界に築かれた土盛りの塚。
全国的にも藩境塚が残っている例は珍しく、当時は土地を巡る争いが絶えなかった事が想像できます。




ベンチに座って穏やかな陸奥湾を眺めていると、足元を胡桃を咥えたリスが、物凄い勢で次々と通過していきます。
そこはリスの獣道だったのでしょう。
3.ほたて街道


700km距離標。
国内で700kmを超える道は国道4号しかないので、希少な距離標です。
参考までに、国内の国道実延長ベスト3は次の通り。
1位 国道4号
東京都中央区〜青森県青森市 742.5km
*並走する街道:奥州道中 奥州街道
2位 国道1号
東京都中央区〜大阪府大阪市 649.3km
*並走する街道:京街道 東海道
3位 国道9号
京都府京都市〜山口県下関市 614.6km
*並走する街道:山陰道
来年の夏は、国道9号と並走する山陰道を歩く予定。
あと一年弱、きっちりと体力を整えておきます。













ほたての直売所が、想像以上にありました。
まさにほたて街道ですね。
街道を歩いていると、その地域の特産品がよくわかります。
印象的だった特産品街道4つを紹介します。
ぶどう/甲州道中
甲府盆地に入ると、撮影するのをやめようと思うくらい、多くのぶどう直売所があります。

山梨県 甲州市 山梨市 笛吹市 甲府市
みかん/東海道
みかんの旬の時期に歩いたため、静岡県全域で街道沿いに、数えきれないくらいの無人のみかん販売所がありました。地元の人は自宅用には、定価でみかんを買っていないと思われます。

静岡県 藤枝市 静岡市
桜えび/東海道
東海道を西から東に歩き、富士山が大きく見え始める由比宿に入ると、突然桜えびの直売所が増えてきます。
国内では駿河湾でしか獲れず、料は秋春に制限されています。

静岡県静岡市清水区
シラス台地の野菜直売所/薩摩街道
薩摩街道を鹿児島に向かって歩き、シラス台地を歩いていると、無人野菜販売所が急に増え始めます。道路沿いではあちこちで路上駐車をして、地元の方々が野菜を購入していました。

鹿児島県鹿児島市





朝食は朝から営業しているラーメン屋。
昨夜もラーメン、この後の昼もラーメンの予定。
麺以外を食べたかったのですがご飯物がありません。
店主に確認し、ライスにラーメンのトッピングのオーダーでも良いとの事なので、サクッといただきました。
店長、わがまま言ってすみませんでした。

ラーメン屋を出ると、前方にウォーカー発見。
これは珍しい、どんなルートを歩いているか、聞いてみたかったのですが残念ながら追いつけず。
国道と旧道との別れ道があり、どちらを選ぶか観察していたら国道を選択。
街道ウォーカーではなく国道ウォーカーかもしれません。








直売所が無くなったと思ったら、今度はほたて関連の漁具と貝殻尽くしです。
陸奥湾沿岸の生活に、ほたては切っても切り離せない存在であることが、よくわかりました。


先程の諏訪神社、上の画像の八幡宮、どちらも白い鳥居。
ほたて街道を歩いていると、この鳥居が粉砕したほたての殻で出来ている様に見えてきてしまいます。
ほたての殻といえば、淡路島の宿泊したホテル周辺の夢舞台という、コンベンション施設の建材に、 100万枚のほたての殻が使用されていました。

兵庫県 淡路市

兵庫県 淡路市
元々は、森林破壊などの環境問題を抱えていた土砂採掘場跡地で、環境に配慮しながら開発がされ、2000年の淡路花博の開幕と同時にオープン。

兵庫県 淡路市
そこの建材に、産業廃棄物として処理に困っていた、オホーツクほたての貝殻を用いたそうです。
上の画像をみると、よくわかりますが、ひとつひとつ丁寧に張り合わせてありました。
100万枚のほたての殻が使用されている、淡路島夢舞台を訪れた時の記録はこちら↓
4.小湊宿



8日間の青森県内行軍も、今日で折り返しの5日目。
歩き始めたのが、上の画像の地図右下の三戸町に隣接する岩手県の一戸町。
目的地の津軽半島三厩は、左上の津軽半島の先端近く、果てしなき道のりはまだまだ続きます。


街道を歩いていると、思わぬ場所で渋滞を見かけ、暇なので勝手に渋滞分析をします。
ノロノロ動くので事故ではない。
この先右折車が多そう様な場所もない。
市街地に入りつつある。
分析結果は大型ショッピングセンター。
後ほど地図で調べたらAEONがありました。



海沿いに歩いてきましたが、この先は陸奥湾に突き出した夏泊半島の付け根を歩くので、海とは暫しのお別れ。
それにしても夏泊半島とは、地名だけでドラマになれそう。
地名の由来を調べると、アイヌ語で場所や終わりを意味する、"ネトゥトマリ"の当て字の様です。



またもや白い鳥居。
ほたての殻でできているかもしれません。

なんと、絵馬の代わりにほたてが使われています。






総理、お疲れ様でした。
街道を歩いていると、様々な政党の党首のポスターを目にします。
石破さんのポスターを初めて見ました。いい人だと思うのですが、政治の世界は難しいものですね。








民族資料館、残念ながら開いていませんでした。







日光院。
寺院の様な名前ですが神社です。





5.続ほたて街道

ほたての殻が綺麗にまとめられています。
上の画像の建物の中から、ほたての殻を粉砕している様な音が聞こえてくるので、肥料として再利用しているのかもしれません。







撮影してませんが、"盛かご"の文字をよく目にします。
法事で使う、果物・菓子などが盛られた篭だと思われます。

ほたて街道沿いには、ホタテ広場があり、ホタテ焼き&ムール貝の酒蒸しのイベントがある様です。





オレンジハートは、青森県ご当地コンビニエンスストア。
昨日も見ましたが、弁当や惣菜を購入する客が、ひっきりなしに出入りしています。





青森湾が見えてきました。
浅虫温泉のシンボル、美しい円錐状の湯ノ島がお出迎え。



ほたて会館。
さきほど目にした、告知チラシのイベント会場。
ホタテの直売所・漁具・貝殻・ガードレール・絵馬、いろいろとみて来ましたが、会館まであるとは驚きです。


これ食べてみたかったんです。
プリプリでした。







絵馬に供養塔に観音堂、ほたて愛が果てしなく深いです。
観音様は、ほたての貝殻の上に鎮座し、背中にはホタテの貝殻の御光が差していました。
6.浅虫温泉





永井久慈良餅店。
名物の、久滋良餅(くじらもち)。
鯨が入っている訳ではなく、ういろうの様な和菓子です。



鶴亀屋食堂。
マグロをてんこ盛りにして提供する店。
”おもうまい店”という番組で紹介されていました。
街道を歩いていると、外観を撮影したり、お昼に入ってみたら、”おもうまいみせ”に紹介されていた店だった時が2回ありました。
1回目は、甲州道中で甲府市内を歩いていた時に見かけた、カッコいい外観の”中華ごはん かんざし”。

入店はしませんでしたが雰囲気があまりにも良かったので、外観を撮影してnoteにアップしていました。

数年後にテレビで”おもうまい店”をみていたら、この外観に見覚えがあると見ていたら、厨房を走り回る店長が個性的な店として紹介されていました。
味も美味しいそうで、普通に食べに行きたい店です。
甲州道中、”中華ごはん かんざし”の前を歩いた時の記録はこちら↓
2回目は北陸道の武生宿を過ぎて入った中華そばの吉田食堂。

福井県越前市
ラーメン屋なのですが、店内に場違いな感じでソフトクリームの機械が2台並んでいます。
やがて女性客が1人でテイクアウトでソフトクリームを頼みに来ました。出来上がった大きさをみて唖然、高さが30cm位はありました。
お腹を壊しそうなのでその時は注文できず。

福井県越前市
後から店の情報を調べたところ、おもうまい店に紹介されていた事が判明。
次はアイスを食べてみたいです。
北陸道で吉田食堂に立寄った時の記録はこちら↓


惜しい、花火大会は明日の様です。
復活で第75回ということは、年1回開催とすると1950年以前からやっている計算になります。








クラフトビール店を発見!
今夜のお楽しみが増えました。

部屋から青森湾と湯ノ島が見えます。
想定外の景色に感動、何も考えずぼ~っと眺める事にしました。

日没前に温泉に入っていると、後からお風呂に入ってきた方から話しかけられました。その方はシニアテニス大会の山形県代表選手で、ご自宅が遊佐町にあるそうです。
熊の事が気になったので聞いてみると、ご自宅の庭に熊が来たこともあり、怪我はなかったものの、熊出没注意の看板が立っているそうです。
知合いやその又知人などで熊と対峙したときに、1番怪我のダメージが少なかった方は、棒を持って振り回したそうです。
長いものを振り回すと嫌がるそうで、強く進められました。
妙に説得力がある有難い情報でした。






今夜の宿の予約は、お弁当の夕食付プランにしてあったので、風呂に入った後に、弁当を食べる前に浴衣でクラフトビールの店に入店。
温泉街ならではの楽しみ方、浴衣でクラフトビール。
これやってみたかったのです。

店員さんと話をしていると、フードの持ち込みがOKでしたので、宿泊プランの弁当を部屋に取りに行くことに。


飲んでいる途中で、両手がつってしまいました。
あまり暑くない日に、汗をかいていないと勘違いして、スポーツドリンクを飲まずに歩くとこうなります。
塩を出していただき舐めながら飲んでいました。
カウンターには観光客や地元に人が入り混じり、とても良い空間でした。
店員さんのホスピタリティも高く、また来たくなる店です。
ごちそうさまでした。

行軍もあと3日となり、寂しさを感じ始める夜。
青森市の、街の漁火を眺めながら寝る事にします。
