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『アオイホノオ』を観た娘と語る、あの頃のオタクも熱かった! ~DAICONと1980年代オタク青春記~

娘「あ〜、面白かったわ〜。『アオイホノオ』」

私「お! 島本先生の漫画読んだの?」

娘「ううん。ネット配信のドラマの方」

私「あ〜、柳楽優弥くんが主役のやつね」

娘「そうそう。めっちゃ面白かった」

私「あれは面白いよねぇ。……というかさ、私にはあれ、ものすごくドンピシャなのよ」

娘「何が?」

私「時代が(笑)

娘「ああ(笑)」

私「笑うな。いや、本当にそうなのよ。あの頃の大阪のオタクたちがワチャワチャやってるでしょ」

娘「やってるねぇ」

私「私、1967年生まれだからね。あの辺り、ちょうど中学生から高校生なのよ」

娘「リアルタイムじゃん」

私「そうなのよ!


大阪のオタクたちが、とんでもないアニメを作った

私「『アオイホノオ』にも出てきたでしょ。DAICON」

娘「うん」

私「DAICON IIIが1981年。私、中学2年」

娘「中2か」

私「で、DAICON IVが1983年。高校1年」

娘「まさにドンピシャじゃん」

私「だからそう言ってるでしょ(笑)」

娘「で、DAICONって結局なんなの?」

私「そこから説明しないといけないよね。まず当時、毎年開催されていた日本SF大会っていうイベントがあったの」

娘「SFファンが集まる大会?」

私「そう。で、大阪で開催する日本SF大会だから――」

娘「大阪?」

私「大阪の『DAI』と、Conventionの『CON』をくっつけて『DAICON』

娘「あ〜! だからDAICON!」

私「そうそう。『大根』とも掛けてるのね。それで1981年、大阪で開催されたのがDAICON III」

娘「IIIってことは3回目?」

私「大阪での開催が3回目。そして大会のオープニングでアニメを上映しようってことになった」

娘「誰が作ったの?」

私「それがねぇ……」

娘「うん」

私「山賀博之、赤井孝美、そして庵野秀明。

娘「庵野監督!」

私「出ました(笑)!」

娘「『アオイホノオ』でもすごかった庵野監督!安田顕さんがはまり役だったわ。あと山賀さん役のムロツヨシが癖ツヨでよかった!」

私「赤井さんはプリンセスメーカーのキャラデザしているわ。知ってる?プリンセスメーカー。美少女が得意。まだエヴァも何もない。大阪芸術大学の学生だった庵野監督たちよ。大会を運営していた岡田斗司夫さんや武田康廣さんたちと一緒になって、オープニングアニメを作ったのよ。」

娘「プリンセスメーカーは知らない…」

私「我が家のプリンセスは知らんとな…これも時代の流れか~(涙)」

娘「(笑)でも…アニメ作ったの?学生が?」

私「学生が…生成AIもない時代にね。全部セル画の時代だから…」

娘「それがそんなに凄かったの?」

私「凄かったのよ。」👇



あんなもん、同じ学生に見せちゃいかん(笑)

私「考えてもみてよ。今なら庵野秀明って名前を聞いただけで、『そりゃ凄いもの作るでしょう』って思うじゃない」

娘「まあね」

私「でも当時は違うのよ。まだ学生なんだから」
(とは言ってもすでに無名ではなかったところが凄いのですが…)

娘「ああ、そっか」

私「同じように漫画描いたりアニメ作ったりしてる学生からしたら、同世代の学生が作った作品なのよ」

娘「うわ……」

私「あんなもん見せられたら、『すげー!』ってなるか、がっくりするか、どっちかよね(笑)

娘「そうそう! 焔くんもがっくりしてた(笑)」

私「あはははは!」

娘「庵野め〜〜〜!!

私「そうそう(笑)」

娘「『なぜ拍手する! なぜ絶望しない!』って(笑)」

私「もう、あれ最高よね(笑)。でも気持ちは分かるのよ」

娘「分かる?」

私「だってプロが作った作品なら『さすがプロだ』で済むじゃない。でも、自分と同じくらいの歳の学生が、とんでもないもの作っちゃったんだから」

娘「あ〜……それはキツい」

私「才能の差が分かっちゃう人ほどキツいと思うよ。」

娘「焔くんは分かっちゃったんだ」

私「そう。そこが『アオイホノオ』の面白いところなのよね。焔モユルって、他人の才能をちゃんと見抜く目はあるのよね。」

娘「そのたびにダメージ受けてるけど(笑)」

私「そして屁理屈で復活する(笑)

👆大阪芸大時代の庵野監督の作品


大友克洋、高橋留美子、あだち充……

私「あ〜、でもさぁ……」

娘「何?」

私「大友先生についても語りたいわ〜

娘「はいはい」

私「あの緻密な描き込みを見た焔くんがさ、普通なら『すげえ!』ってなるところを、『こんなの時間かかるだけじゃん』みたいな方向に持っていくでしょ(笑)」

娘「あったね(笑)」

私「でも私はまず『童夢』読んで描き込みに感動したね〜、あたしゃ!そこからの『AKIRA』!!。もちろん関連で『気分はもう戦争』とか……」

娘「ダメ」

私「まだ大友先生しか喋ってない!」

娘「その時点でもう長い(笑)」

私「じゃあ高橋留美子先生!」

娘「もっとダメ」

私「なんでよ! 焔くん、高橋先生に対しても凄いんだから」

娘「何て言ってたっけ?」

私「『高橋留美子はタイミングだけで生きている!!』

娘「あはははは! 何様なのよ(笑)」

私「そうなのよ(笑)。まだ自分はデビューもしてない学生なのに!」

娘「高橋留美子先生を評論してる(笑)」

私「『ちゃっちゃっと描いて、タイミングで個性が出て、忙しいときでも描けそうな漫画家がいい』みたいなこと考えて、自分もそっちならいけるんじゃないかって(笑)」

娘「ひどすぎ〜!いけるんじゃないか、じゃないよ(笑)」

私「でもね、ちゃんと高橋先生の凄さは分かってるのよ」

娘「ああ、認めてはいるんだ」

私「認めてる。認めてるんだけど、まともに『凄い!』って認めちゃうと自分が辛いから、『これはタイミングだから!』って自分を納得させる(笑)」

娘「面倒くさい人だなあ(笑)」

私「美少女に角(ツノ)つけたのは高橋先生が最初だろうな~」

娘「ラムちゃん!」

私「いまでは、ツノのある美少女は当たり前になったけどね〜。あなたの好きな『ミルキー☆サブウェイ』の強化人間の女の子たちもそうよね。最初にやるってのは凄いのよ!」

私「そして、あだち充先生!」

娘「やっぱり行くんだ(笑)」

私「あだち充先生の初期の野球漫画『ナイン』を読んで勝手に同情して…『かわいそうなあだち充……』

娘「あはははは!あった!あった!」

私「そして――」

私「『よし、俺だけは認めてやろう!!』

娘「誰なんだよ(笑)」

私「でしょう!?(笑)」

娘「『俺だけは』って(笑)」

私「でも、あだち先生の漫画を読んで、ちゃんと『これ面白いぞ』って気づいてるのよ」

娘「あ、それは見る目あるんだ」

私「そこなのよ! 焔モユルって、見る目はあるのよ。ものすごくあるの。

娘「ああ〜」

私「高橋留美子の凄さも分かる。あだち充の凄さも分かる。大友克洋を見ても衝撃を受ける。そして庵野秀明の才能も分かっちゃう!」

娘「全部分かっちゃうんだ(笑)」

私「分かっちゃうから苦しいのよ(笑)

娘「あ〜、焔くん(笑)」

私「でも絶対に素直に負けを認めない」

娘「屁理屈が始まる(笑)」

私「そう(笑)。そして立ち直る」

娘「強い(笑)」

私「焔モユル、自己肯定永久機関(笑)

娘「あはははは!」


あだち充は、お父さんも好きだった

私「あだち充先生はね、お父さんも大好きだったわ…『みゆき』『タッチ』さっきの『ナイン』…」

娘「お父さんも?」

私「うん。『陽あたり良好!』まで買ってたって」

娘「へえ〜」

私「あれ、少女漫画なんだけどね(笑)」

娘「お父さん、少女漫画まで読んでたんだ(笑)」

私「人事異動で週刊少女コミックに異動させられた編集があだち充先生を引き抜いたからって話もあるわね。あだち先生なら少女漫画も何も関係なかったんだろうね。」

娘「好きだったんだねぇ。お父さん。ふふっ♪」

私「分かるわ〜。あだち先生についても語りたいわ〜。『陽あたり良好!』から『みゆき』、それから『タッチ』――」

娘「ダメ。

私「まだ何も語ってない!」

娘「話が拡散するからダメなんでしょ」

私「先に言うな〜!

娘「あはははは!」

私「大友先生だって高橋先生だってあだち先生だって、全部一本ずつ書けるのに……」

娘「だから拡散するんでしょ(笑)」

私「ぐぬぬ……」

娘「今日はDAICON」

私「はい……」

娘「『アオイホノオ』」

私「はい……」

娘「大友先生、高橋先生、あだち先生はまた今度」

私「……絶対やるからね」

娘「はいはい(笑)」


でも大阪だけじゃなかったのよ

私「じゃあDAICONに戻るけど」

娘「戻って戻って」

私「当時の名古屋でも『大阪の奴らが、なんかどえりゃあアニメ作ったらしいぞ!』っていう熱気があったのよ」

娘「へえ〜」

私「今みたいにネットで動画が一瞬で世界中に広がる時代じゃないからね」

娘「あ、そうか」

私「だから『どえりゃあすげえ奴らが大阪にいるらしい』っていう話そのものが、なんというか……伝説みたいに広がっていくのよ」

娘「それ、なんかいいね」

私「でしょう? でもね」

娘「うん」

私「名古屋のオタクたちも凄かったのよ

娘「また始まった(笑)」

私「いや、これは関係ある話!」

娘「ホントに?」

私「ホントホント(笑)」


冷房なんかない。それでもオタクは行く

私「当時、名古屋でも同人誌即売会やイベントがあってね。名古屋市の国際展示場なんかでもやってたのよ」

娘「金城ふ頭にある綺麗な展示場よね〜」

私「いや、建て替えられる前の古いやつ。ドーム型の展示場があったの」

娘「へえ」

私「そこがね――」

娘「うん」

私「冷房がない。

娘「え?」

私「冷房がないのよ」

娘「夏は?」

私「地獄。

娘「死ぬじゃん(笑)」

私「本当に暑いのよ(笑)。でも行く」

娘「行くんだ」

私「行くのよ、オタクは」

娘「強いな、昔のオタク(笑)」

私「鶴舞公園の公会堂でもイベントやってた。あそこは歴史のある建物で今も残ってるけど、何しろ箱が小さい」

娘「人が入りきらない?」

私「そう。だから入場制限」

娘「うわ」

私「炎天下で待たされるのよ。

娘「冷房のない会場に入るために?」

私「炎天下で並ぶ」

娘「何の修行なの(笑)」

私「それでもみんな待ってるんだから(笑)」

娘「昔のオタク、強いなぁ」

私「まあ、私はほぼ消費するだけのオタクだったからさ……。クリエイターさんたちには、ほんと頭が下がるわ…」

娘「その反動で、いろいろnoteでやりだしたと……」

私「うん。いつでもいいと思うんだよね。好きなことを始めるのは。

娘「そだね。でも当時の熱気は凄かったんだね!」


今のコミケも凄い。でも、あの頃も凄かった

私「もちろん今のビッグサイトのコミケも凄いと思うよ」

娘「すごい人数だもんね」

私「あれだけの人間が集まって、それでも整然と行列を作って、巨大なイベントを成立させてる。あれは本当に凄い」

娘「うん」

私「でもね、設備も何も今ほど整ってなかった時代に、冷房もない展示場へ押しかけて、炎天下で入場制限されても待ってた――」

娘「昔のオタクも凄い」

私「そう。あの頃のオタクのパワーも、ものすごかったのよ。

娘「大阪だけじゃなくて?」

私「大阪だけじゃない。東京にも名古屋にも、全国にそういう連中がいた」

娘「なるほどねぇ」

私「大阪ではその中からDAICONみたいなものが出てきた」

娘「そして庵野さんたちがいた」

私「そう。そして1983年のDAICON IVでは、さらにとんでもないオープニングアニメを作る」

娘「そこからガイナックス?」

私「そう。DAICON FILMの活動を経て、やがて『王立宇宙軍 オネアミスの翼』を作るためにガイナックスへつながっていく」

娘「『アオイホノオ』に出てきた、あの人たちが?」

私「あの人たちが。

娘「なんか凄い話だね」

私「凄いのよ。だって今から見れば『日本アニメ史』だけどさ」

娘「当時は?」

私「ただの若いオタクたちだったんだから。


私にとって『アオイホノオ』は時代劇じゃない

娘「でも『アオイホノオ』見てると、すごい昔の話に見えるけどね」

私「…………」

娘「何、その顔」

私「だからさ」

娘「うん」

私「私にとって、あれ時代劇じゃないのよ。

娘「あはははは!」

私「笑うな〜!」

娘「だって(笑)」

私「DAICON IIIで中学2年、DAICON IVで高校1年よ。まさに自分が漫画やアニメに夢中になってた時代なんだから」

娘「そっか。お母さんからすると『昔のオタクを描いたドラマ』じゃないんだ」

私「そう。『ああ!!そうそう!!!こんな時代だったなぁ!!』なのよ」

娘「なるほどね」

私「だから『アオイホノオ』を見ると、庵野さんたちの話だけじゃなくて、あの頃の空気まで思い出すのよね」

娘「冷房のない展示場とか?」

私「そうそう」

娘「炎天下の入場制限とか?」

私「そうそう」

娘「大友先生とか?」

私「そうそう! 私もショックだったわ〜、大友先生の出現はっ!!

娘「ダメ。

私「まだダメなの!?」

娘「話が拡散するから」

私「でも『童夢』が――」

娘「ダメ」

私「じゃあ『AKIRA』だけ――」

娘「ダメ」

私「高橋留美子先生は――」

娘「ダメ」

私「あだち先生なら――」

娘「お父さんも好きだった」

私「そう! だからそこから夫婦のあだち充論を――」

娘「もっと拡散する(笑)

私「先に言うな〜〜!

娘「あはははは!」

私「……また今度ね」

娘「そうしてください(笑)」

(今日はこれまでっ♪)

【以下私の作品紹介です。読んでいただけると嬉しいです♪】

⬛︎その他の私のエッセイへのリンクはコチラから。リンク先にきっと気になる題名があるかと思いますっ♪

⬛︎魔女っ娘ミレイ

気楽に読めるフイルムノベル形式の作品です。
良かったら観てやってください。(鳥澤りこ。)

⬛︎ユートピア(全9話完結)

八ヶ岳南麓の美しい自然と、 シンギュラリティを迎え急速に変わってしまった
未来の日本を舞台に、 一組の老夫婦と若い女性管理官の交流を通して
「生きるとは何か」を描く、 近未来SF小説『ユートピア』。
(第7話までは、AIの進化とともに実際に今後の日本が
どう変わっていくのかを描いています。
お時間のない方は第8話と最終話だけでも
読んでいただけると嬉しいです。鳥澤りこ。)


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