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物語のつくりかた 〜トークイベント体験レポート〜

 創作大賞2026関連イベントである「物語のつくりかた」に参加しました。
 この度は、YouTubeでアーカイブが残っています。そのため、影山さくら視点での体験レポートを綴らせて頂きます。

①アイデアの着想法

1.独自の視点

 前例があるか否かは気にせず、自分で書く時には、どのような切り口で描けるかを考えているとのお話を興味深く聞きました。他の方の前例がある作品は参考にするためであり、自分の書き方に自信を持つために読む訳ではない。題材に関して、自分しか持てない独自の視点があれば題材として、自分しか持てない独自の視点がない場合は題材としない。自分なりの解釈を大切にし、自分独自の視点を小説の中で幾つ出せるかが勝負であると伺い、あくまで個人的には、物語の起伏にも通じるお話のように感じました。
 拝聴している中で、内心で焦せったお話がありました。前例がない題材は、前例がないほど題材とする難易度が高いため、逆に前例がない題材は危うい可能性を秘めているとのお話でした。
 私自身は、題材を決める時に、前例がない題材を探しています。それは、公認会計士しか書けない題材が残っているのではないか、という観点から探しているのですが、確かに、物語として展開する際に、どのように読者に届けるか難しいと感じていたため、胸に刻もうと思います。

2.想定していなかった発想

 プロットのお話にも言及されていました。小川哲先生はプロットを作成されない先生として、認知されているかと思います。設計図通り(プロット通り)に収束する物語を書くのではなく、自分が想定していない発想が書いていく中で生まれた結果、つまらない作品でなくなっていくとも拝聴しました。自分が想定していなかった文章がどれほど生み出せるかが非常に重要であるとのお話を伺い、私は事前にプロットをつくるタイプのため、忘れないようにしようと思いました。

3.アウトプット

 自分がアウトプットする中で、自分が知らぬうちに持っていた独自の「視点」を確認できるとのお話がありました。noteで記事を書いている身として、今後、記事を書いた後での反応や、同一の題材を扱っていても自分とは異なる視点から書いている記事を注視したいと思いました。
 他者と同じ題材を扱っていても、確かに、記事の内容は変わりますよね? 他者との違いが、自分が一般的な視点に区別されるのか、若しくは、独創的な視点を持っているのか、早速、noteの記事で分析してみたいと思います。

②取材・構成の進め方

 取材し尽くしたうえで、小川哲先生が小説を執筆されているとは、何処かで側聞しましたが、取材し尽くす意図が「自分の知らない点」を把握するため、というお話に個人的に驚愕しました。あくまで私の場合は、歴史小説を書いていますが、史実に忠実であるうえで、歴史の空白を描く必要があると思っていました。「自分の知らない点」を把握すると、客観的な視点を持てるというお話には深く頷きました。
 そのうえで、自分の身近にある題材について、徹底的に分析するというお話も興味深かったです。どのような題材であっても、共通項や同じように抱く感情がある。身を持って知っている題材を分析し尽くして得た事柄を抽象化して、自分が知らない世界に当てはめる。
 公募で受賞される方が題材にしている内容にも言及されていました。身近な題材から描かれた作品が受賞している傾向が多い印象があるとのことですが、身近な題材を客観視できる必要があるとのことでした。また、逆に自分が面白いと思っていることが、ニッチ過ぎて面白くないこともあると拝聴し、客観的な視点の重要性を痛感しました。
 私の個人的なエピソードで大変恐縮ですが、前作『銭よ飛べ』は、歴史小説である分、当時生きていた方の感情は、当時の政治情勢・経済情勢・思想から読み解いて描いていました。しかしながら、結果的に、現代人が抱いている感情も一部描いていました。私の場合は、男社会で孤独に働く女性の感覚でした。抽象化された内容は歴史小説でも役に立つのかもしれない、と感じました。

③書き出しの工夫

 書き出しは「読者との初めての会話」というお話を興味深く拝聴しました。初めての会話がつまらなければ、読者もつまらなくなり、先を読んで頂けなくなる。
 ベストセラー作家の作品であれば、作風を既に読者に知られているかと思いますが、書き手を知らない場合、「知らない人物との会話に興味を持てるか否か」が要であるとのお話も伺いました。日常生活でも、初対面の人物との最初の会話で印象が決まることが多いと思っているため、例えが非常に分かりやすく、勉強になりました。
 また、書き出しで物語全体の方向性を示す必要があるとも拝聴しました。更に、主人公のポジションを書き出しの時点で読者に提示する必要があるとのことでした。「行く先が分かる電車」となる書き出しが重要とのことでした。行き先が分からない電車は怖いから乗らないなあと思い、非常に勉強になりました。

④登場人物

 登場人物が変な事を言い始めたら、それこそがキャラクターの属性であり、書き進めながら属性を決めていらっしゃるとのお話を拝聴しました。
 必要になった登場人物をその場で出していらっしゃるとのことで、その都度、登場人物について考えられているそうです。
 一度書き終えた後、登場人物の性別を逆転させてみるとのお話は、非常に興味深かったです。性別を逆転させることで、偏見が明らかになるとのお話を聞き、自分が知らぬうちに持っている偏見について注意する重要性を感じました。

⑤情報整理

 やはり、情報量が必要となる小説はあるかと思います。情報量を詰め込む必要がある小説は、情報の提示方法が難しいように以前から感じていました。
 講演申し込み段階で寄せられた質問の中で、情報提示の仕方に関する質問が取り上げられ、小川哲先生がご回答される形でトークは進みました。実は質問者は影山さくらでした。数多くの質問が寄せられている中、質問をピックアップ頂き、誠にありがとうございました。
 あくまで私の場合、専門性の高い小説を書くことが多いため、以前から情報提示の方々は課題として認識していました。そのため、今回、小川哲先生がお話下さった情報提示の仕方は、特に注意深く拝聴しました。

  • 「情報をつめこみすぎだと言われたことがある」場合、読者に情報を詰め込んでいるとバレている。

  • 場面の中で情報を提示していないとバレないように書き込む。例えば、登場人物たちとの会話などに紛れ込ませる。会話自体も場面として成立させる。

  • 能動的に登場人物が巻き込まれる中で、情報を提示する。

  • 読者が事前にどれほどの情報量を有しているか、確認する。

 実践できるようになるまで時間がかかりそうだと思いましたが、胸に刻み込み、今後の創作活動で活かしたいです。

⑥Q&A

Q.書いていると途中でつまらなく感じて書くのをやめることはありますか?

 つまらないと感じられるセンサーそのものを大事にするようにというお話を拝聴しました。客観的な視点を持って、つまらない理由を考え、本文に活かせるようにする。その場面がつまらなくなる理由は、それまで書いた文章の中にある。若しくは、つまらない場面そのものを削除する。
 改稿する際に、非常に役立ちそうなお話だと感じました。実践できるように精進しようと思います。

Q.ひとつの作品を完成させた後、書き直したい、もっとこうすれば良かったなど考え直すことはありますか?

 当時、これが良いと思って書いているため、年月を経ると、当時の価値観が正しいか分からないため、思わないようにする。
 過去の作品を改稿する際に、非常に役立ちそうなお話だと感じました。

⑦最後に

 今の自分に刺さるお話ばかりでした。特に、前例のない題材と情報整理については、今書いている作品で、早速注意しようと思いました。

 以上、「物語のつくりかた」体験レポートでした!


⬇︎ 小川哲先生『言語化するための小説思考』

⬇︎小川哲先生『君のクイズ』

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