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ついに退院日が近づいてきた。

ストーマトラブルがずっと続き、退院後に診てもらう訪問看護師さん立会いのもと、ストーマ交換をした。

訪問看護師さん、担当看護師さん、ストーマケア専門看護師さん、他数名に囲まれた。
『まな板の魚』と僕は思った。

体力付けるため、点滴台を杖代わりにウロウロ散歩もよくするようになった。
真夏の病院の空中庭園は暑くて生温い風が身体に当たった。
でも嫌な感じはせずに、むしろ心地よかった。
娘に、今日のお外は心地いいねーっとLINEを送ったら「は?クソ暑いわ!暑くて仕事もキツイわ!」と返ってきた…
病院って世の中から隔絶されてるのね…

僕は何かを始めたり、覚悟を決める時、家族や友人なんならSNSを使って意識表明をする時がある。
がんサバイバーになった時も、『こうゆう結果出たけど、僕は戦い負けない!』と先に自分が折れないように、逃げ道を塞ぐのです。

親友Kに電話をした。
「あのさ、僕…がん潰すわ!笑。こんなん勝ち試合だよ、想像できる?仲間内で一番死ななそうな僕が死ぬとこ!」

Kは戸惑いながらも、前回の面会の時に仲直りが完全に出来てなかったと思っていたのか嬉しそうだった(僕の主観)。

続けて僕は「体重が20キロくらい落ちたのは癌が雑魚過ぎるから合わせてやったんだから笑、これでようやく、癌が僕と同じレベルで戦える訳だ!圧勝じゃつまらないだろ?でもどう転んでも勝ち試合。心配しないで応援だけしててくれ!」

Kは電話越しだったけれど苦笑いしてるのが伝わってきた。
「元気そうで良かったよ笑。お前なら勝てる気がしてきた…強いよお前は本当…」

僕は「この僕を忘れないで欲しい、もし折れた時はこの間の勢いはどうした?元妻の為に戦うの忘れたのか?って喝入れて欲しい。」

と言うとKは「あぁ、そゆことか。いつものお前の決意表明だな?任せろ折れた時は言ってやる!けれど無理はするな、3歩進んだら2歩下がる、でも1歩は確実に進め!」

「ありがとう、絶対負けないわ!」
と電話を切った。

不安はない、元妻の泣き顔見たくないから。
戦う理由はそれだけでいい。
ごちゃごちゃ考えるな。

実際は不安だったけど無理矢理前を向いた。

看護師さん達とは仲良くなれた。
と言うか話好きの僕は朝昼晩の回診時に名札をチラッと見て覚えて話しかけた。
あだ名で呼んでみたり○○君と話したり…
色々な話をした。他愛のない話が殆どだったけれど、みんなニコニコしながら返してくれた。
はい、迷惑患者です…

A先生は朝夕と様子を見にきてくれる。
どちらの時間も大人しく病室に居ない時があるので、困っただろう…
機嫌の差が結構あって、めちゃくちゃ冷たい日もあれば、僕のしょうもない絡みに付き合ってくれる日もある。

「通院時は時間限られてますよ!3分くらいしか時間掛けれません!」
と言う先生対して。
「えー!?じゃぁ先生と仲良くする為に深い話したい時はどうすればいいんですか!?」
と聞くと
「…そ…それはそうゆう機会を作れば…」
「作ってくれるんですか!やったー!」

きっとクソウザい患者だったと思う。

退院間近に迫っていた時に呼吸が苦しいとA先生に話したら、その日のうちにレントゲンを撮った。

退院前の回診で結果が出たらしく。
A先生が「レントゲンだから、はっきりとは言えないけれど…転移した癌が小さくなってる…かも…」と言った。

「え!!本当ですか!?」

「レントゲンだからね!CTじゃないから確実にとは言えないけれど。」
気のせいか、いつもトゲのある言い方するのにこの日はなんか柔らかかった。

退院には父親が迎えにきてくれた。
荷物を片付けたり、薬の説明を受けたり、次回の抗がん剤治療の日程を話したり。

準看護師?と言うのかな…掃除とかゴミ捨てとかしてくれる方々も、すっかり顔馴染みにだったので、「明日退院なんすよ〜今までありがとうございます!さびしいです〜。」とか挨拶した。

意外な表情された後「おめでとうございます!良かったですね、また会いたいですけど、本当は会っちゃダメですからね笑(もう入院してくるような事ないようにって意味)」

一週間、猛暑日が続き毎日毎日晴れだった。

なのに退院の日だけ、信じられないほど土砂降り。
「あーでたでた…僕のイベントごとの日はいつも雨…幸先最高だな」って皮肉っていたら看護師さんが「龍人な人は雨はいいものって聞きます。歓迎の雨なのでは?」

「え?あ!そうなんですか!んじゃぁ僕龍人って事でいいや!カッコいい!」

後で調べたらそうゆう事じゃないらしい…

さて、土砂降りに打たれていよいよ退院。

KからLINEがきた、癌が少し小さくなってるかもらしいと伝えておいた。
「流石、不死身。」
この不死身という言葉がなんか気に入り、よく使う事になる。

退院後向かったのは、マックでした。

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