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星月夜を描く〜大ゴッホ展・夜のカフェテラスで思い出す

いつか、ゴッホの「夜のカフェテラス」をこの目で見てみたい。

その想いを叶えるために、予期しない雨がざっと降った6月の金曜日の午後、上野の森美術館を訪れました。

ひとときの出会い

幸いにも美術館に着く頃には雨は止み、予約していた時間枠の列に並んで順番を待ちます。

予約をして平日に訪れても、会場は人で溢れていていました。

人の間を縫いながら作品を見ていくと、程なくして、列が出来ているのに気がつきました。最後尾の札を掲げた係の方の案内を聞けば、夜のカフェテラスを正面から見るための列とのこと。まるでディズニーランドのアトラクションのよう。会場内に待機列は、初めての光景です。

他の作品を横目に見ながら並ぶこと30分ほど、正面で見ることができたのは10秒ほどでしょうか。

ずっと待ち焦がれていた推しに握手会で一瞬だけ会えた、そんな気持ちになりました。名残惜しくて、その後もしばし横からそっと見届けて。

それでも夜空の深い青と、カフェテラスの明るい光は忘れられません。色の深さは本物でしか感じられなかったと思います。

印象に残ったのは、作品の左上の壁に大きく書かれていたゴッホの言葉。

今、絶対に描きたいのは星空だ。よく思うのだが、夜は昼間よりもずっと色彩豊かでこの上なく鮮やかな紫、青、緑の色調を見せてくれる。
・・・星の中にはレモン色のものもあり、バラ色、緑色、忘れな草の青色の輝きもある。

1888年9月9日および14日頃、妹ウィレミーン宛

絵画を描くことに命をかけた、ゴッホならではの感性。鮮やかな紫や緑が夜空に潜んでいるとは!新しい夜空の見方を提示してくれました。

そんなゴッホの夜のカフェテラスとの出会いで思い出したのは、3年前に友人の親子向けアートワークショップの手伝いをした時のことです。

ゴッホの夜空を描いてみる

ワークショップで星月夜を取り上げるとわかった時、最初に頭に浮かんだのは、「好きだけれど描けるだろうか?」ということ。

でも、友人にYouTubeの動画を教えてもらい見てみると、少しずつ出来るような気になってきました。

参考にした動画はこちら↓

絵の具とクレパスだけで描けるというのです。

試してみると…おもしろかった!気づけば夢中になって絵と向き合っていました。

今まで試した中で1番かもしれません。

まずはクレヨンで糸杉、街を描き、月、空の明るい部分を黄色で描いていきます。

黒と黄色で描いた後、緑と白、オレンジも少し使っていきます

お手本の絵を見ながらじっくり。1番難しかったのは、空のぐるぐる。

この後、水彩絵の具を上から塗るので、細かく気にしなくてよし。あくまでも大きな流れを作るイメージで。

そして、いよいよ絵の具を上から塗っていきます。

ミッドナイトブルーの絵の具を上から塗る。黒に近い絵の具も水に溶かずに置いていく

これで一気に星月夜らしさが顔を出してきました。

でも、何だか平べったい。立体感がなく薄っぺらいのです。

そこで、クレヨンをまた塗りました。空だけでなく、街並みにも明かりを灯します。

糸杉も立体感が出てきました

その後も、お手本を見ながら絵の具もまた塗り、試行錯誤して最終的に出来上がったのは、こちら。

出来上がり!
少し紙がヨレヨレになるくらい絵の具を重ねました

3番目の写真と一見それほど変わりませんが、よく見ると街並みのあたりの色合いや、空のぐるぐるのぼかし具合が変わってきています。

実際に描いてみると、ただ絵を見ていたときには気に留めなかった、星々の明るさに隠れた街や山並みのあたりの色合いが何とも言えずいい。じっくり作品と向き合いながら描いたからこそ得られた視点です。

カフェテラスも描いてみたい

親子アートワークショップを主宰している友人とこの夏、まずは試作として、夜のカフェテラスも描いてみる予定です。

ゴッホの言葉を思い出しながら、夜空に様々な色を見つけながら描きたい。

そしていつかまた、星月夜も。

本物の夜のカフェテラスを見た後なら、また違った星月夜が描けそうです。

関連サイト

上野の森美術館 大ゴッホ展公式サイト


親子アートワークショップについて

上述の親子ワークショップを含むKOTOBIの活動については、「ひろがる鑑賞」p.226〜に出ています。武蔵野美術大学の教科書ですが、一般にも販売されています。

親子向けアートブッククラブやミュージアムツアーを主宰するkotobiのサイトはこちら:

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