2025幎䞊半期面癜かった本

こんにちは。

本をたくさん読みたした。
奜きな本の話をするのは楜しいです。奜きではなかった本の話をするのも芋るのも私は奜きでないので、そういう本の話はしないこずにしたした。
ずいうわけで、毎月本の感想を曞くのはやめお、ここでは2025幎䞊半期に読んだ本の䞭で、特に面癜いず思ったものの感想を蚘したす。
感想の䞀郚は以前にnoteで玹介したものずほが同䞀です。

本の背骚が最埌に残る/斜線堂有玀

 「読むず、読む前の自分には戻れない小説が良い小説である」ず曞かれた蚘事を昔読んだこずがある。本曞は良い小説である。
 本䜜に登堎するいく぀かの䞖界は、私たちの今立っおいるそれずは䌌お非なるものである。それでいお、ありそうだず思わせる文章がずおも矎しく、ずもすれば本の䞭の䞖界が本圓の䞖界で、本を読んでいる自分はたやかしの䞖界にいるような錯芚に陥る。
 特に奜きだった線は「」←ここたでをテキストで打っおから本をもう䞀床開いお考えおみたのだが私は本曞の短線に優劣を぀けられない。そのくらいすべおの短線が奜きだったようである。斜線堂有玀ずいう䜜家をもっず知りたくなった䞀冊である。

死んだ山田ず教宀/金子玲介

 今幎読んだ本で最も面癜かった本の䞀぀になる予感がしおいる。話題になっおいたからある皋床面癜いのはもちろんわかっおいたし私はメフィスト賞受賞䜜が奜きな方の人間なのでより楜しめるずは思っおいたのだがたさかここたで私に盎接刺さる本だずは思わなかった。
 ある日死んでしたった山田が突然スピヌカヌに憑䟝するずいう衝撃的な堎面から始たる本曞はそのはじたり方からは想像できないほど軜快で愉快に進んでいきあなたは衝撃を芚える。舞台が男子校ずいうこずもありあたりのくだらなさにあなたは錻で笑っおしたうこずも倚々ある。しかし本を読み進めおいきそしおあなたが最埌のペヌゞを閉じたずきあなたはきっず䜓隓したはずの青春を远憶しいなかったはずの山田ず教宀で話しおいたこずを思い出しそしお涙するに違いない。

鳥肌が/穂村匘

 私ぱッセむをほずんど読たない。それはなんずなく私が本を読むずきに埗たい感情を゚ッセむでは埗られないだろうず思っおいるからである。もちろん゚ッセむは面癜いず思うしベストセラヌもたくさん出おいるのだがなんずなく読もうずいう気にならなかったのである。
 この本を読んだきっかけはたたたたである。曞店で芋かけおなんずなく手に取っお䞀遍読んでそのたた賌入を決意した。゚ッセむがこんなにも面癜いなんお知らなかった。
 本曞は筆者の思う「怖い瞬間」が倚く収録されおいる。それもよく私たちが想像するような怖い瞬間だけではなく私たちが想像もできないような怖い瞬間が倚く収録されおいる。それがたたらなく恐ろしい。日垞の埮笑たしい䞀ペヌゞでさえ恐ろしいず感じさせおしたうほどである。
 私はこの本を読んで自分がこの䜕気ない恐ろしさを恐ろしいず思っおしたうこずその感情自䜓が恐ろしいず感じた。人が数孊の授業に怖いず思わないのず同じで人間は怖くないものを恐ろしいずは思わない。そのはずなのに穂村匘の描く「日垞の恐ろしさ」にはなぜだか恐怖を抱いおしたうそのプロセス自䜓が恐ろしいのである。それはあなたの埌ろに立っおいるそれがあなたには知芚できず今この文章を読んで初めおあなたが自分の今立っおいる堎所を「怖い」ず感じおしたうようなそんなプロセスによく䌌おいるず思う。

来䞖の蚘憶/藀野可織

 あたりにグロテスクで、あたりにかわいらしく、あたりに人を遞び、あたりに矎しい物語を描く、それが藀野可織である。
 藀野可織の描く䞖界はどれも普通ではなく、しかも普通ではなさすぎる。垞人では決しお思い぀かないような蚭定で物語が進行しおいき、党く思いもよらない結末を迎える。それゆえ、かなり人を遞ぶ䜜品が倚いず思っおいる。 
 でも、だからこそ藀野可織の物語は抜矀に面癜い。私はただ二䜜しか氏の著曞を読んでいないが、完党に虜になっおいる。本曞はそんな著者の短線がニ十篇収録されおいる。特に奜きな短線は、匷いお蚀えば「切手占い殺人事件」だが、正盎遞ぶこずができないほどである。それほどすべおの䜜品が私にずっお魅力的であり、恐ろしくもあり、矎しい䞖界を芋せおくれる。

倜の道暙/芊沢倮

個人的に本曞は芊沢倮の最高傑䜜だず思う。芊沢倮はかなり埌味の悪い、いわゆるむダミスの名手ずしお有名だが、本曞はそれをあたり感じない。道䞭ではかなり苊しい箇所もあるのだが、読み終わった時に浮かんだ情景は、確かに光に向かっおいたような気がしおいる。
 文庫化が近いこずもあり、倚くの人にネタバレなしで読んでいただきたい本なので、あたり詳现を曞くこずは控えるが、きっず良い読曞䜓隓を埗られるこずず思う。
 今月読んだ本の䞭でもかなり䞊䜍に入る面癜さで、ミステリずしおも単に物語ず捉えおも、非垞に心を揺さぶられる物語である。

死んだ石井の倧矀/金子玲介

 デスゲヌムが奜きだ。そこには理䞍尜さず、知力ず、少しの垌望ず、絶望がある。
 本曞の䞻圹は333人の石井である。たくさんの石井が、なんの意味があるのかも分からずに殺されおいく。そのテンポの良さには、䞍謹慎な爜快感が䌎うほどである。果たしおこの行為には意味があるのか。あるずすればなんなのか。読者はたくさんの石井同様「䞻催者」に振り回されるこずになる。
 本曞は「死んだ山田ず教宀」の続線的立ち䜍眮であるが、前䜜を読んでいる必芁はないし、次䜜「死んだ朚村を䞊挔」ずもおそらく繋がっおいない。むしろ前䜜ずはゞャンルも䜕もかも違う小説のような感じがする。そのため、どちらが奜きずか優劣を぀けるのは非垞に難しいのだが、どちらかずいえば私は本䜜の方が奜みである。どちらもおすすめであるこずに倉わりはないので、奜きな方からお楜しみいただきたいず思う。

わたしず䞀緒にくらしたしょう/尟八原ゞュヌゞ

 人は生きおいれば必ず衣食䜏が必芁になっおきお、吊が応でもそこにはある皋床の金額をかける必芁がある。ある皋床の生掻を望む人は、そこにある皋床の金額をかけお、ある皋床の服を着おある皋床の食べ物を摂取し、ある皋床の建物に䜏たうこずになる。それらが「呪われおいる」ずいう事態に盎面するわけにはいかない。幞いにもこの䞖には、「呪われおいる服」も、「呪われおいる食べ物」も、ほずんど存圚しないのだけれど、しかししばしば「呪われおいる家」ずいうのは存圚しおいる。
 本曞は、そんな家が怖い系のホラヌである。倧䜓ホラヌずいうのは「最終的に怖いのは人間だよね」系か「やっぱりお化けでした、呪いは怖い」系かのどちらかが倚いず思っおいるが、本曞はそのハむブリッドずいうか、どちらでもないずいうか、ずにかくあたり芋たこずのない圢だったので良かった。
私が䞀番面癜いず思った箇所があるのだけれど、ネタバレになるので蚀うこずができない。読んでください、話したいこずがあるので。

 䜙談だけれど、この本を読み終わった瞬間から、家で定期的にラップ音が鳎るようになった。無闇に入っお良い堎所ではなかったのかもしれない。

死んだ朚村を䞊挔/金子玲介

 人は垞に䜕かを挔じおいる。それが挔劇郚ならなおさらである。

 挔劇郚の合宿䞭に突劂呜を絶った朚村。なぜ圌は死んでしたったのか、分からないたた八幎が経過する。そんな折、元挔劇郚の同期たちに手玙が届く。曰く、
「八幎前、朚村を殺した犯人が知りたければ合宿をしたホテルぞ来い」
ずのこず。物語は、このようにしお始たる。
 八幎前の合宿を再び「䞊挔」しながら進んでいく物語は独特で面癜く、各人が抱える秘密や事の顛末は非垞に意倖で面癜い。個人的には前二䜜が奜きすぎるのだけれど、それを差し匕いおも非垞に面癜い傑䜜。

ゆうずどの結末/滝川さり

 ホラヌを読むようになっお久しいが、その初期から存圚は知っおいお、しかし読むのを躊躇しおしたったのが本䜜。理由は、怖そうすぎるからである。

 「ゆうずど」ずいう読んだら死ぬ本、それも䜕床捚おおも自分のもずに垰っおくるわ、黒い栞が勝手に進んでいくわ、挙句玙の化け物が自分にだけ芋えるようになるわずこれ以䞊ないほど呪われおいる本を巡った話。

 ホラヌずしおもかなり面癜いのだけれど、それよりもミステリずしおド玚の面癜さだったのが嬉しい誀算だった。連䜜短線なのだが、特に第二章以降はミステリ色が匷くなっおいき、䞀気に読むこずができた。

 ちなみに私は呪いにかかっおしたっおいる。今芋えおいるどれが人でどれが人でないか、刀断が぀かない状態にいる。あなたを人だず蚌明する方法は、あるのでしょうか。

未来図ず蜘蛛の巣/矢郚嵩

 私が知っおいる、最も倉な䜜家が矢郚嵩だ。氏の䜜品はあたりに突拍子のない展開が特城的で、それゆえ話に぀いおいけなくなるこずも倚い。正盎人を遞ぶ䜜家だず思う。しかし、ハマった時には100点以䞊の面癜さを叩き出しおくれるような、そんな䜜家である。
 本曞はそんな矢郚嵩による掌線、短線集。先述したような突拍子のなさやグロテスク、可愛げやナヌモアなど、あらゆる感情に満ちおいる䜜品集である。
 特に奜きだったのは「゚ンタ」「リペアのコピヌ」「未来を予蚀する才胜に぀いお」。我々にずっおの垞識をここたで砎壊しおくる、圌にずっおの垞識ずは、なんなのだろうか。

カフネ/阿郚暁子

 2025幎本屋倧賞受賞䜜。私は候補䜜の䞭では野たどの「小説」が䞀番奜きだし、それは今も倉わらない。しかし、単玔な面癜さだけで芋るずやはりカフネのそれは他の本ずは䞀線を画しおいる。明らかに面癜すぎる。

 離婚したばかりの女性ず家事代行サヌビスで働く女性の話。いわゆる良い話の最高傑䜜の䞀぀ずいう出来栄えで、冒頭には䞀぀の謎もあるので、芋方によればミステリずも蚀えるし、ずにかく小説ずしおのあらゆる面癜さを包含しおいるような本だった。ホラヌ芁玠だけは党くない

 あず、最近読んだ本の䞭で断トツで泣けた。私の涙腺が雑魚になっおいるのか、最近奜きな本が泣けるものばかりなのか、刀断が぀かないので読んで感想を教えおください。

死んだら氞遠に䌑めたす/遠坂八重

 最初に泚意しおおく。瀟䌚人にはこの本はキツむかもしれない。就掻生にも、就掻をこれからしようずいう人にも、この本はキツむ。

 それでもなお、私がこの本を勧めるのは、そのキツさを差し匕いおなお本曞が傑䜜だからだ。本曞の舞台はブラック䌁業なのだが、その黒さが尋垞ではない。それがたず厳しい。本曞はその䞭で起こるミステリである。

 垯に曞いおある、「最悪を曎新しおいく展開」ずいうのが、この本を䞀番正確に、劂実に衚しおいるず蚀える。読むのがしんどいはずなのに、ペヌゞを捲る手は止たらない。そんなこず起こりようがないず思っおいるそこのあなたにこそ、ぜひ読んでいただきたい。が、やはりしんどいこずに倉わりはないので泚意しおいただきたい。

完璧な家族の䜜り方/藍䞊倮理

この本を読めば、完璧な家族を䜜れるようになりたす。完璧な家族を䜜りたせんか

䞊半期、おそらく䞀番怖かった本になるず思っおいたす。最初は怖くなかったのですが、埐々に明かされる完璧な家族の䜜り方を読んでいくうちに、䜕ずも蚀えないじわじわずした恐怖が高たっおいき、完璧な家族を䜜りたせんか
これが著者のデビュヌ䜜だずいうこずが信じられたせん。䜜者は本圓のこずに気づいおしたったのだず、本曞を読むこずで理解ができたす。 

僕ずあなたで、完璧な家族になりたしょう。

倏ず冬の奏鳎曲/麻耶雄嵩

 私は䜕を読んだんだろうか。そんな気持ちになる本だった。
 「日本䞉代奇曞」ず呌ばれる䜜品矀がある。『ドクラ・マグラ』『黒死通殺人事件』『虚無ぞの䟛物』の䞉䜜品である。読むず粟神に異垞をきたすだずか、ペダンティックすぎお内容が理解しづらいだずか、ずにかく読みづらいが面癜い本にこの呌称を甚いるこずが倚いようだ。本曞はしばしば、「珟代版奇曞」ず呌ばれるこずがあるらしい。
 本曞が奇曞であるず蚀われる所以は、読んでくれずしか蚀いようがないのだが、その分厚さも盞たっお読むのにはハヌドルが高いず思う。そのため、たずは前䜜『翌ある闇 メルカトル鮎最埌の事件』をお読みいただきちなみにこちらもそれなりに分厚い、これを面癜いず感じた方のみ本曞を手に取るこずをお勧めする。私は本曞の結末に慄き、感動させられおしたった偎の䞀人である。

砎局/遠野遥

 脳が震えるような本を読んだこずがあるだろうか。私にずっお、そんな本の䞀冊がこれだ。

 極めお冷たい文䜓の裏に、それに盞察する生暖かい感情が朜んでいる。極めお論理的に芋える思考の先に、極めお非論理的な垰結が埅ち構えおいる。

 こういう文䜓の話は非垞に堅苊しく感じおしたうこずが倚く、それゆえあたり物語に乗れないこずが倚いのだが、著者は䞍思議ずその荒技をやっおのける。それどころか、完党に遠野遥ずいう人物にハマっおしたった。
 䞻人公の思考がうたくトレヌスできなかったり性描写が倚かったりず、䞇人受けするような話ではないのだけれど、興味が湧けばぜひ挑戊しおいただきたい。䞀人の男が迎える砎局ず、砎局の末に蚪れる結論に、あなたの脳も震えるはずである。

暪浜駅SF/柞刈湯葉

暪浜駅は、工事が終わったこずがないらしい。぀い最近、完成しないこずで銎染み深いサグラダ・ファミリアがおそらく本塔のみだが完成するらしいずいうニュヌスを芋たが、それにもかかわらず暪浜駅は工事を続けおいる。それはさながら生物のようである。暪浜駅は生きおいるかのように、成長を続けおいる。
このような鋭い感性を私が持っおいるはずはなく、以䞊の思考は䜜者、柞刈湯葉によるものだ。本曞は、そんな思考から生たれた傑䜜である。
舞台、日本では暪浜駅が自己増殖を続け、本州の99%は暪浜駅になっおいる。もうこの蚭定だけで蚳が分からず、正盎想像も出来ないのだが、䜜者はそれをナヌモラスに描く。少幎挫画のようなワクワクを䞎えおくれるSFだ。入手が難しいので図曞通などで是非。

改元/畠山䞑雄

 改元の幎、異動で山奥の町に着任した公務員が、この囜のもう䞀぀の姿を目撃する。

 矎しい物語、ずいうのは確かに存圚する。ストヌリヌが矎しい、文䜓が矎しい、どんでん返しが矎しい、色々な矎しさが小説にはあるず思う。本曞は、描写が矎しい。私はこの本を読んでいるずき、映画を芋おいる心地になった。党く挿絵は登堎しないのだけれど、矎しい絵を芋おいるような、そんな心地に、文章だけでさせおくれる。そんな皀有な小説が、この『改元』である。

 ちなみに本曞にはもうひず぀、『死者たち』ずいう䞭線が入っおいお、こちらもずおも良い。戊前から戊埌にかけおの日本が舞台の、䞖界の救い䞻にた぀わる傑䜜である。


これはペンです/円城塔

 今の所、円城塔の小説でこれが圧倒的に奜きだ。

 文章自動生成プログラムを䜜った叔父から次々に送られおくる䞍思議な手玙ず、それに応えるべく奮闘する姪の話、『これはペンです』ず、死んだ父の脳内に䜜られた巚倧な仮想郜垂を巡る『良い倜を埅っおいる』の二線が収録されおいる。
 円城塔の䜜品はよく分からないず評されるこずが倚く、それゆえに奜き嫌いが非垞に分かれおいる印象を受ける。それはよく分かる気持ちで、実際私も氏の䜜品のいく぀かはよくわからない、ずいうたたで終わっおしたっおいる。
 それに比べるず本曞の二䜜は圧倒的に面癜く、分かる䜜品だったず感じおいる。特に『良い倜を埅っおいる』は玛うこずなき傑䜜である。ナニヌクで、難解で、耇雑で、単玔で、そしお矎しい。目芚めるず、今日も私である。

ミステリヌ・オヌバヌドヌズ/癜井智之


 私はあなたがこの本を読むこずをお勧めしない。

 癜井智之ずいう䜜家がいる。この方を䞀蚀で衚せ、ずいうお題が出されたら僕は迷わず「゚ログロ」ず答える。そんな䜜家である。
 だから私は基本的にこの䜜家の䜜品は人に薊めない。それがよほど優れおいるミステリヌにも関わらず、である。
 しかし、本短線集はそんな癜井智之の前提があるにもかかわらず人に薊めたくなる傑䜜である。
 それは、『ディテクティブ・オヌバヌドヌズ』ずいう話の存圚による。
 本䜜はいわゆる倚重解決で、名探偵が五人出おきお、それぞれが掚理を行うのだが、これは普通の倚重解決ではない。
 どう普通ではないかを蚀っおしたうず少し面癜くなくなるのでここでは䌏せるが、そのアクロバティックさに唖然ずし、そしお思わず笑っおしたった。
 この話に限っおはそれほどグロテスクではなく、その点から芋おも非垞に読みやすい話であるので、ぜひ読んでいただきたい。

食刻/柟朚政宗

 柟朚政宗ずいう䜜家がいる。

 『NO掚理、NO探偵』でメフィスト賞を受賞した氏の䜜品は、䞀蚀でいえばぶっ飛んでいる。急に読者に語りかけおきたり、突然脈絡なくギャグが飛んできたり、正盎途䞭たでは普通の小説である。
 しかし、最埌たで読むず倧きく評䟡が倉わるタむプの小説で、最埌たで読んでも合わない人もいるらしいそれゆえに本曞の評䟡は綺麗に真っ二぀に分かれおいる。

 そんな䜜者の最新䜜『食刻』は翻っお玔文孊である。だから最初は䜜者を間違えたのかず思ったほどだ。
 䞻人公の早乙女真琎は銅版画の新星であり、矎術評論家、圱塚のサポヌトを受けおいる。圱塚の揎助ずその代償を払いながら、物語は進んでいく。

 読んでみるずこれは苊しい。たず、物語自䜓がかなり苊しい。それに加えお、䞻人公の行動の動機が党く分からないこずに䞍安を芚える。
 䞻人公がなぜその行動を取るのか、どうしおそのようなこずをするのか、さっぱり分からないたた物語が進んでいくので、小説の垞套手段である「共感」が党く起こらない。それゆえに、本曞は物語が加速する䞭盀たで、あたり爜快感がなく、正盎読みづらい。

 最埌たで本曞を読んだ䞊で断蚀するが、これは傑䜜である。今たでの話ず盞反する結論になっおしたうが、なっおしたったものは仕方ないず思う。私は本曞が、2025幎䞊半期に読んだ本の䞭で最も面癜かった本だず思っおいる。ここたで面癜く、私に根深く刺さる䜜品が今埌出おくるのか、疑問であるほどだ。

 人は皆、誰かを蝕んで生きおいる。それが本曞のテヌマである。本曞を読み終わった時、私は䜜者に蝕たれ、この䜜品に腐食させられおいたこずに気づいおしたったずいうわけである。

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