なぜ「同じ指導」が部下を育てられなくなったのか
公平とは全員を同じように扱うことではない
「みんな平等に指導しているはずなんですが、、、。」
経営相談をしていると、管理職の方からこんな言葉を聞くことがあります。
一見すると、とても公平な指導をしているやに思えますね。
誰かを特別扱いしない。
全員に同じ基準で接する。
組織を運営するうえでは大切な姿勢です。
しかし、その一方で、
「同じように指導しているのに、人によって成果がまったく違う。」
という悩みも少なくありません。
私は、この二つは実はつながっているように感じています。
1.同じ指導でも受け取り方は違う
同じ言葉をかけても、
すぐに行動へ移す人もいれば、
プレッシャーを感じてしまう人もいます。
細かく教えてほしい人もいれば、
任せてもらった方が力を発揮する人もいます。
人は育ってきた環境も、経験も、価値観も違います。
だから、同じ指導をしても、同じ結果になるとは限りません。
巷に溢れるコーチングのノウハウ
これはある一定層に成功した手法ではないでしょうか。
私も中間管理職時代にたくさん読んで試しましたけど
これだ!というのには、ついにめぐり合ってないですね。
2.公平と平等は少し違う
私は、公平と平等は似ているようで違うものだと思っています。
平等とは、全員に同じものを与えることです。
一方で、公平とは、一人ひとりが力を発揮できるように関わることではないでしょうか。
経験の浅い社員には丁寧に教える。
自走できる社員には裁量を与える。
それは特別扱いではなく、それぞれに合った支援です。
この軸を持って、それぞれに違った対応することは
不公平ではないですよ。
3.管理職の仕事は「合わせること」
昔は、
「仕事は見て覚えろ。」
という時代もありました。
同じ指導で、多くの人が育った時代です。
しかし、今は、働く人の価値観も経験も多様になっています。
だからこそ、
部下に合わせて伝え方を変えることが、管理職の仕事になってきました。
4.同じ対応が不公平になることもある
「全員同じだから公平です。」
その考え方が、結果として不公平になることもあります。
例えば、新人とベテランに同じ説明しかしなければ、新人は理解できません。
逆に、ベテランへ細かく指示を出し続ければ、力を発揮しにくくなります。
わかりやすくするために、極端な例をあげましたが、
相手を見ずに同じ対応を続けることは、公平ではなく、単なる一律対応に
なりますよね。
5.管理職には観察力が求められる
これからの管理職に必要なのは、
話す力だけではありません。
相手を観察する力です。
何に困っているのか。
何を求めているのか。
どんな環境なら力を発揮できるのか。
それを理解した上で関わることが、人を育てる第一歩なのだと思います。
まとめ
多様性という言葉を耳にする機会が増えました。
私は、その本質は「違いを認めること」だけではないと思っています。
経営相談をしていて感じるのは、一人ひとりの違いを理解し、その人に合った関わり方を考えている管理職ほど、部下との信頼関係が築けているということです。
もちろん、組織にはルールが必要です。
評価基準も、公平でなければなりません。
しかし、人との接し方まで全員同じである必要はありません。
部下は、それぞれ違う経験を積み、違う価値観を持っています。
だからこそ、管理職に求められるのは、「同じように接すること」ではなく、「相手に合わせて伝え方や関わり方を工夫すること」なのではないでしょうか。
私も経営相談では、「公平とは、全員を同じように扱うことではなく、一人ひとりが力を発揮できる環境をつくることではないでしょうか」とお伝えすることがあります。
管理職の役割は、人を同じ形に育てることではありません。
それぞれの強みを引き出し、組織全体の力につなげることなのだと私は思っています。
