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要介護認定の流れと日数|申請から認定まで実際は何日?「原則30日」の落とし穴と、待たずにサービスを使う方法【元介護士10年】

「要介護認定を申請したけれど、結果が出るまで何日かかるのか」 「認定が下りるまで、介護サービスは使えないのか」

親の介護がいよいよ始まるという段階で、多くの人がこの疑問にぶつかります。今すぐ助けが必要なのに、手続きの全体像が見えない。この記事では、要介護認定の流れと日数を、元介護士として現場で見てきた実態も含めて整理します。

先に、いちばん大事な結論をお伝えします。認定が下りるのを待たなくても、介護サービスは使い始められます。 これを知らずに、「認定が出るまで何もできない」と1か月耐えてしまう家族が、本当に多いのです。詳しくは後半でお話しします。

要介護認定は、5つのステップで進む

まず全体の流れです。申請から結果通知まで、大きく5段階あります。

  1. 申請:市区町村の窓口(介護保険課など)に申請書と保険証を出す

  2. 認定調査+主治医意見書:調査員が自宅などを訪問し、心身の状態を確認する。同時に、かかりつけ医が意見書を作成する

  3. 一次判定:調査結果をコンピュータが分析し、要介護度の目安を出す

  4. 二次判定:保健・医療・福祉の専門家による審査会が、一次判定と意見書をもとに最終的な要介護度を決める

  5. 認定・通知:結果が書面で郵送される。要支援1〜2、要介護1〜5、または非該当(自立)のいずれか

この流れのうち、家族が直接関わるのは主に「申請」と「認定調査の立ち会い」の2か所です。あとの判定作業は、行政と専門家が進めてくれます。

「原則30日以内」には、知っておくべき現実がある

日数について、よく「原則30日以内」と説明されます。
これは介護保険法で定められた原則で、間違いではありません。

ただ、現場感覚も含めてお伝えすると、実際にはもっとかかることが珍しくありません。国の調査でも、申請から通知までの全国平均は30日を超えているというデータがあります。主治医意見書の作成に時間がかかると、全体が後ろにずれやすいのです。

さらに、認定が下りた後も、ケアマネジャーとの面談やケアプラン作成に1〜2週間かかります。つまり「申請してから、実際にサービスが動き出すまで」は、体感でひと月半ほどを見ておくと現実的です。

だからこそ、申請は「必要になってから」ではなく「必要になりそうだと思った時点」で動くのが正解です。これは焦らせたいのではなく、待ち時間の構造を知っておけば、無駄に消耗せずに済むからです。

認定を待たなくても、サービスは使い始められる

そして、この記事でいちばんお伝えしたいのがここです。

要支援・要介護と認定された場合、その効力は申請した日までさかのぼって認められます。言いかえると、認定結果が出る前でも、申請さえ済ませておけば、その時点から介護保険のサービスを使い始めることができるのです(暫定的なケアプランを作る形になります)。

「認定が出るまで、じっと待つしかない」
——これは誤解です。退院が迫っている、今すぐ手すりが要る、デイサービスを使いたい。そうした差し迫った状況では、認定を待たずに動ける道があります。

ただし、この「先に使う」やり方には、要介護度が思ったより低く出た場合の負担調整など、いくつか注意点もあります。ここは自己判断せず、申請時に地域包括支援センターやケアマネジャーに「認定前からサービスを使いたい」と相談してください。専門職が、その人の状況に合った動き方を一緒に組んでくれます。

認定調査で、家族が気をつけたいこと

5つのステップのうち、家族の関わり方で結果が変わりうるのが
「認定調査」です。
調査員が訪問し、心身の状態を確認していくのですが、ここで多くの家族がつまずくポイントがあります。

それは、本人が調査員の前で「がんばってしまう」ことです。
ふだんは一人で立てないのに、その日だけは気を張ってしゃんとしてしまう。できないことを「できます」と答えてしまう。プライドや遠慮からくる自然な反応なのですが、これが実態より軽い要介護度につながり、必要なサービスが受けられない一因になることがあります。

だからこそ、認定調査には家族が立ち会い、ふだんの様子を正確に補うことが大切です。「ふだんは介助が必要」「夜はこういう状態になる」といった、その場では見えない実態を、遠慮せず調査員に伝えてください。これは大げさに言うことではなく、正確に伝えるということです。具体的にどう立ち会い、何をどう伝えればいいのかは、実際の場面に沿って別の記事にまとめています。

申請は「代わりに」やってもらえる

もう一点、知っておくと楽になることがあります。申請は本人でなくてもできます。家族はもちろん、地域包括支援センターやケアマネジャーが代行してくれる仕組みがあります。

「平日に役所へ行く時間がない」
「何を書けばいいか分からない」
という場合は、まず最寄りの地域包括支援センターに電話してください。
どこに相談すればいいか分からないときの、最初の窓口になってくれる場所です。

早く動くほど、後がラクになる

要介護認定の手続きが分かりにくいのは、あなたの理解力の問題ではありません。関わる人が多く、判定に段階があり、日数も読みにくい
——そういう構造だからです。構造が分かれば、どこで待ち、どこで動けばいいかが見えてきます。

現場で数えきれない家族を見てきて確信しているのは、
「認定が出てから考えよう」と待った家族ほど、
いざという時に間に合わずに慌てるということです。
逆に、申請だけ先に済ませ、専門職に相談の口を作っておいた家族は、驚くほどスムーズに介護を立ち上げていきます。

親の介護は、正しい知識よりも先に「順番」と「待ち時間の構造」を知っているかどうかで、負担が大きく変わります。認定を申請した後、退院までと退院後の30日をどう動くか
——その具体的な手順は、別の記事に時系列でまとめてあります。今まさに手続きの渦中にいる方は、続けて目を通してみてください。



▼ この続き:退院後30日でやることを、時系列で解説


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▼ まだ介護が始まっていない方・全体像を知りたい方はこちら

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