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月収3分の1からのV字回復。コロナ特需と深夜のオンライン指導

【本編3話】

独立の現実は甘くない。月収は3分の1へ

2021年4月。私は念願だった正社員の職を辞し、個人事業主として生きることになりました。

知り合いからの紹介で、D塾の非常勤講師や医学部予備校の物理講師、家庭教師などの仕事が少しずつ入り始めましたが、収入の現実はそんなに甘いものではありませんでした。

直近3年間の私は、正社員の給与に医学部予備校講師としての副収入を合わせ、月収50万〜60万円ほどを得ていました。

しかし、正社員を辞めてからの最初の3ヶ月の収入は、以下の通りです。

  • 2021年4月:157,147円

  • 2021年5月:206,554円

  • 2021年6月:241,447円

正社員時代の約3分の1にまで、収入が落ち込んだのです。 当然、夏を前にしても、賞与(ボーナス)はありません。

「これからどうなっていくのか……」

そんな不安の中にいた私に、ここから皮肉な運命のいたずらが起こるのです。

コロナ禍という未曾有の事態と、教育現場の変容

2021年といえば、前年に発見された新型コロナウイルスが世界中に猛威を振るっていた真っ最中でした。

本来なら2020年に開催されるはずだった東京オリンピックが1年延期され、この2021年に「無観客」という異例の形で開催されたことは、皆様も記憶に新しいかと思います。

街全体にはまだ自粛ムードが漂い、特に飲食店の皆様は大変なご苦労をされていました。

そして、学習塾業界もまた、このコロナ禍により今までとは違う形を強いられることになります。

いわゆる「三密」を避けるため、教室の座席数を減らしたり、生徒の通塾控えが起きたりしました。飲食店ほどではないにせよ、どの塾も少なからずダメージを負っていたのです。

そこで業界全体が急いだのが、「オンライン教育の充実」でした。 2020年から、オンラインでの授業や指導が一気に導入され始めていたのです。

独立直後の準備が功を奏した「オンライン特需」

2021年には、すでにオンライン指導が当たり前の選択肢になりつつありました。

私は、あちらこちらのオンライン家庭教師派遣所に講師登録をし、同時に自分でホームページやInstagramアカウントを作成。SNS経由での集客も視野に入れ、コツコツとオンライン指導の準備を進めていたのです。社会人交流名刺交換会などにもこまめに足を運びました。

その準備が、思わぬ形で功を奏しました。

皮肉なものですが、コロナの流行によって「外出ができない」「でも受験勉強は止められない」という状況が生まれ、オンライン指導のニーズが爆発的に高まったのです。

いわゆる「オンライン特需」の効果もあり、受験シーズン本番を迎えた11月から1月頃には、お断りしなければならないほどの依頼が殺到しました。

深夜1時の熱血指導。正社員並みの収入へのV字回復

ピーク時には、オンライン指導だけで、塾や予備校以外の集団対面指導以外で、同時に20人ぐらいの生徒を受け持っていたと思います。

通常の学習塾での指導が終わるのが22時頃。そこから急いで自宅に帰り、深夜の1時、2時まで受験生のオンライン指導をする日々が続きました。

当然、日曜日も朝から深夜まで授業。ほとんど休みもなく働きましたが、
私は、塾の正社員からは解放された幸せの方が勝っていたので、辛くはなかった.…

体力的な厳しさはありましたが、このオンライン指導を充実させたことで、独立当初は3分の1にまで落ち込んだ収入を、正社員時代の給与並みまで一気に引き上げることができたのです。

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次回予告

コロナ特需により、収入は安定しました。しかし、少しずつ感染状況が落ち着きを見せ始めると、あんなに押し寄せていたオンライン指導の依頼が徐々に徐々に減ってきます。そして、またショックが訪れます。そして、またもがき苦しむ日々がやってきます。

次回、第4話「特需の終わりと、本当のサバイバルの始まり」。 不安定な個人事業主のリアルな現実をお話しします。


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