うつ病で調子が良い日に動きすぎて、翌日寝込むのを繰り返して分かったこと|回復は「動けた量」だけでは測れない
うつ病の調子が少し良い日。
朝から体が軽い。
頭も少し回る。
「今日は動けそうだ」
そう思うと、
つい嬉しくなります。
掃除をする。
買い物へ行く。
用事をまとめて済ませる。
少し遠くまで出かける。
パソコンを開いて作業する。
「今日はこんなにできた」
久しぶりに、自分が元に戻ったような気持ちになることがあります。
でも、
その翌日。
朝起きられない。
体が重い。
何もする気になれない。
一日中寝てしまう。
そして、
「昨日はあんなに動けたのに、どうして今日は何もできないんだ」
と落ち込む。
私は、
調子が良い日に動きすぎて、翌日寝込む。
そんな波を何度も経験しました。
そこで少しずつ分かってきたことがあります。
うつ病の回復は、「今日どれだけ動けたか」だけでは判断できない。
むしろ、
翌日も無理なく過ごせるくらいで止めることも、回復の一部なのだ
と思うようになりました。
「動ける日」が来ると、取り戻したくなる
うつ病で長く動けない時期が続くと、
調子が良い日は特別です。
昨日までできなかったことができる。
外へ出られる。
人と話せる。
家事ができる。
少し集中できる。
すると、
「今日のうちに全部やっておこう」
という気持ちになります。
動けない日が続いた分、
取り返したくなるのだと思います。
でも、
ここに落とし穴がありました。
今日できることと、今日やっていい量は同じではありませんでした。
翌日寝込むたびに「また悪くなった」と思っていた
調子が良い日にたくさん動く。
翌日、動けなくなる。
すると私は、
「また悪化したのか」
「やっぱり治っていない」
「いつになったら普通に戻れるんだ」
と思っていました。
でも、
毎回それで自分を責めても、
何も良くなりませんでした。
むしろ、
落ち込む。
焦る。
また調子の良い日に無理をする。
そして翌日倒れる。
そんな繰り返しになっていました。
この時、
私は回復を、
「できる・できない」の二択で見すぎていた
のだと思います。
うつ病は「昨日できたから今日もできる」とは限らない
うつ病では、
疲れが取れない。
集中できない。
睡眠が乱れる。
体が重い。
こうした症状が出ることがあります。厚生労働省の「こころの耳」でも、うつ病では十分休んでも疲労感が抜けないことがあり、治療では休養が重要だと案内しています。
だから、
昨日3時間動けたから、
今日も3時間動ける。
今週できたから、
来週も同じようにできる。
必ずしもそうならないのだと思います。
回復には波があります。
調子が良い日もあれば、
悪い日もある。
少し進んだと思ったら、
また休む日もある。
それを、
「振り出しに戻った」
と考えないようになりました。
私が一番勘違いしていたこと
以前の私は、
調子が良い日に、
100%動けるなら100%動こうとしていました。
でも、
それでは翌日に反動が来る。
そこで考え方を変えました。
100%動けそうな日に、60%か70%くらいでやめる。
まだ動ける。
もう少しできる。
そう思うところで止める。
最初は、
ものすごくもったいなく感じました。
「せっかく今日は調子がいいのに」
と思います。
でも、
そこで止めると、
翌日に完全に寝込む日が少し減る。
それに気づきました。
「まだできる」でやめる難しさ
これは、
実際にやってみると難しいです。
うつ病になる前は、
仕事でも、
「できるところまでやる」
「今日終わらせられるなら終わらせる」
という感覚で生活していた人も多いと思います。
だから、
元気が少し戻った日に、
途中でやめることに罪悪感が出ます。
でも、
回復途中では、
余力を残すことも予定の一つ
と考えるようになりました。
私が始めた「翌日基準」
調子が良い日に、
「今日これだけできた」
だけを見るのをやめました。
代わりに、
「これをやった翌日、どうだったか」
を見るようにしました。
例えば、
午前中に買い物へ行って、
午後も用事を入れた。
翌日は寝込んだ。
なら、
次は午後を空けてみる。
外出を2件したら疲れた。
なら、
次回は1件にする。
パソコンを3時間続けたら翌日つらかった。
なら、
1時間で一度休む。
こんなふうに、
自分の体と相談しながら、
少しずつ調整しました。
大切なのは「できた量」より「続けられる量」だった
これは、
仕事についても同じだと思っています。
一日だけ8時間頑張れる。
でも翌日は何もできない。
それより、
毎日3時間や4時間を無理なく続けられる。
私は今、
後者の方が大切だと思っています。
厚生労働省の「こころの耳」でも、メンタルヘルス不調からの職場復帰は急がず、主治医と相談しながらタイミングを考えることが重要とされています。焦って復帰すると、再び症状が悪化して再休業につながることもあると案内されています。
回復とは、一日だけ頑張れることではなく、無理なく続けられる日が少しずつ増えること。
私はそう考えるようになりました。
調子の良い日にやらなくなったこと
私は、
調子の良い日に、
予定を詰め込みすぎないように意識するようになりました。
例えば、
午前中に病院へ行ったら、
午後は大きな予定を入れない。
買い物へ行った日は、
帰宅後に無理して掃除をしない。
調子が良くても、
夜更かししない。
そして、
「今日はまだできる」
と思っても、
あえて休む。
以前なら、
休むことは、
何もしないことだと思っていました。
今は違います。
休むことも、その日の予定です。
予定は「その日」ではなく「翌日」まで含めて考える
例えば、
月曜日に病院。
火曜日に役所。
水曜日に買い物。
木曜日に人と会う。
調子が良いと、
このくらい入れたくなります。
でも、
一つ一つはできても、
連続すると疲れが積み重なることがあります。
だから今は、
予定と予定の間に、
何もしない日を入れる。
それくらいでちょうどいいと思っています。
調子が良い日に動きすぎた翌日も、自分を責めない
もちろん、
分かっていても動きすぎる日はあります。
楽しくて出かけすぎた。
集中して作業してしまった。
久しぶりに元気だったので予定を詰め込んだ。
そして、
翌日寝込んだ。
以前なら、
「また失敗した」
と思っていました。
今は、
「昨日は少し多かったんだな」
くらいに考えるようにしています。
失敗ではなく、
自分の体力を知るためのデータです。
回復には「ブレーキ」も必要だった
うつ病になる前、
私は、
頑張ることばかり考えていました。
もっと働く。
もっと動く。
もう少し我慢する。
でも、
うつ病になってから必要だったのは、
アクセルだけではありませんでした。
ブレーキの使い方を覚えることでした。
今日はここまで。
明日に残す。
疲れる前に休む。
少し物足りないところで終わる。
最初は、
それを「怠けている」と感じることもありました。
でも、
翌日も動けるなら、
それは怠けではない。
長く動くための調整です。
調子が良い=完全に回復した、ではない
ここも、
何度も勘違いしました。
朝から気分がいい。
外へ出られる。
人と普通に話せる。
すると、
「もう治ったかもしれない」
と思います。
でも、
一日の調子だけで回復を判断すると、
また無理をしてしまいます。
こころの耳でも、症状が軽くなって早く復帰したくなった場合でも、自分だけで判断せず主治医とよく相談することが大切だとされています。
だから私は、
良い日が一日あったことより、安定した日が続いているかを見る
ようにしています。
私が今、回復の目安にしていること
以前は、
「何時間動けたか」
ばかり見ていました。
今は、
・朝ある程度同じ時間に起きられる
・食事ができる
・通院を続けられる
・外出しても翌日完全に寝込まない
・疲れたら休める
・予定を詰め込みすぎない
・調子が悪い日に自分を責めすぎない
こんなことも、
回復だと思っています。
派手ではありません。
でも、
こういう小さな安定の方が、
長く生活していくには大切でした。
「元気な日に頑張る」から「元気な日にも余力を残す」へ
うつ病になる前の私は、
調子が良い日に休む意味が分かりませんでした。
元気なら動けばいい。
できるならやればいい。
そう思っていました。
でも、
今は少し違います。
元気な日にこそ、全部使い切らない。
今日の自分だけではなく、
明日の自分の分まで残しておく。
この感覚を持つようになりました。
最後に
うつ病で、
昨日はできたのに、
今日は何もできない。
そんな日があると、
落ち込むと思います。
でも、
昨日できたことが嘘だったわけでも、
今日できないことで、
すべて振り出しに戻ったわけでもありません。
回復には、
波があります。
そして、
その波を少しずつ小さくしていくためには、
頑張ることだけではなく、
頑張りすぎないことも必要でした。
調子が良い日。
少し動ける日。
嬉しくなって、
いろいろやりたくなる。
その気持ちは自然だと思います。
でも、
もし翌日に寝込むことを繰り返しているなら、
一度、
「今日はまだできるけれど、ここでやめる」
を試してみてもいいかもしれません。
回復とは、
以前と同じように無理ができるようになることではない。
自分の疲れ方を知って、無理をする前に止まれるようになることも、回復の一つ。
私は、
そう思うようになりました。
※うつ病の症状や回復の経過には個人差があります。強い疲労や症状の悪化が続く場合、自己判断だけで活動量や治療を変更せず、主治医へ相談してください。
参考URL
厚生労働省「こころの耳|うつ病の治療と予後」
https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad003/
厚生労働省「こころの耳|職場復帰のガイダンス」
https://t.kokoro.mhlw.go.jp/return/return-worker/rw001/
厚生労働省「こころの耳|うつ病を防ぐ」
https://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad004/
