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完璧じゃなくていい。朝の一打は、受け取り方で流れが変わる

『朝の一打が流れを決める』

朝6時のゴルフ場。
芝の上には露がうっすら光り、遠くで鳥がさえずっている。

1番ティーに並んだみんなが、なんとなく無言でドライバーを握る。
グローブの指先が少しひんやりする。肩もまだ十分にはほぐれていない。

「今日はどうなるかな」

その静かな不安、あなたも感じたことがありませんか。


朝のコースにある、あの独特の空気

5月の朝、コースは静かです。

前日の雨がまだ芝に残り、濃い緑が朝日に透けている。
クラブハウスにはコーヒーの香りが漂い、カートに乗って1番ホールへ向かう時間には、心のどこかが少しそわそわする。

視界に広がるフェアウェイ。
両脇の木々が光の中でゆっくり揺れている。

「きれいだな」と思う気持ちと、
「早く打たなきゃ」という焦りが、同時にある。

この矛盾した感覚が、いかにもゴルフらしいなと思うんです。


「失敗したらどうしよう」その気持ち、よくわかります

ゴルフを始めて間もない頃、1番ティーが一番緊張するという生徒さんはとても多いです。

半年前にゴルフを始めた20代の女性が、こんなことを話してくれました。

「コースデビューの日、1番ティーで足が震えて。みんなに見られてる気がして、打ったらチョロになって、もう帰りたかったです」

その言葉を聞きながら、私も同じだったなと思い出しました。

うまく打てなかったときの恥ずかしさ。
後ろに人が並んでいるプレッシャー。
あの一瞬が、妙に長く感じる感覚。

ゴルフを始めた頃の自分が、そのままそこにいるような気がしました。


実は私も、朝の一打は今でも緊張します

インストラクターという立場になっても、自分のラウンドでは今でも1番ティーが一番緊張します。

「もう慣れたでしょ」と言われることもあります。

でも正直に言うと、まだ緊張します。

それどころか、生徒さんと一緒に回る日は、また別の緊張があります。
「自分がミスをしたらどうしよう」ではなく、
「今日この方に楽しんでもらえるだろうか」
そんな気持ちで胸がいっぱいになるんです。

だから今でも、1番ティーで深呼吸をすることは習慣になっています。

完璧に打とうとしない。
今日の最初の一打と、ただ向き合う。

そう自分に言い聞かせながら、クラブを握っています。


「朝の一打が流れを決める」の本当の意味

これは、「完璧に打たないと一日が台無しになる」
という意味ではありません。

むしろ逆だと思っています。

朝の一打を、どう受け取るか。
それが一日の流れを決めるのだと思うんです。

ドライバーが右に出たとき、
「やっぱり今日もダメだ」と思うのか。

それとも、
「ここから始めればいい」と思うのか。

同じミスでも、心の向き方ひとつで、2打目への気持ちは変わります。

そしてその積み重ねが、スコアよりもずっと大切な、ゴルフの楽しさにつながっていく気がします。

以前、1番ティーでチョロをした生徒さんがいました。

でもそのあと、
「次は当てる」
と小さく言って、2打目を丁寧に打ちました。

ボールがきれいにフェアウェイへ飛んだ瞬間、
「やったー!」
と声を上げた彼女の顔を、今でもよく覚えています。

あの一打から、その日の流れが少し変わりました。


今日から一つだけ試してほしいこと

朝の1番ティー。
あるいは、練習場での最初の一球。

打つ前に、これだけ試してみてください。

一回だけ、ゆっくり息を吐く。

それだけです。

吸い込むより、吐くほうが大事です。

息を吐くと、肩が自然に下がります。
力みが少しほどけます。
それだけで、クラブが少し素直に動いてくれることがあります。

技術的なことをたくさん考えなくてもいい。

ただ、打つ前にひとつ呼吸を置く。
今日の最初の一打を、少し丁寧に迎えてみる。

それだけで十分です。


少し曲がっても、そこから始めればいい

5月の朝の空は、やわらかく明るい。

1番ティーから見えるフェアウェイが、朝日に照らされて静かに光っている。

完璧な朝じゃなくていい。
体が硬くてもいい。
少し緊張していてもいい。

それも含めて、ゴルフの朝らしさなのだと思います。

「今日はどんな一打になるかな」

その気持ちのまま、クラブを握っていい。

少し曲がっても、そこから今日のゴルフは始まります。
チョロでも、右に出ても、深呼吸して次の一打へ向かえばいい。

一打ずつ、丁寧に。

それだけで、ゴルフはもっとやさしく、もっと楽しくなります。


あなたのコースデビューはどうでしたか?


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