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危険が多いホールほど、見る場所はひとつでいい

『焦点を絞ると、景色は静かになる』

危険が多く見えるホールほど、最後に見る場所はひとつでいい。
頭の中が静かになると、体もようやく動きやすくなります。


コースに立つと、視界が情報だらけになる

ティーグラウンドに立つと、急に目に入るものが増えます。

右のバンカー、左のOB杭、奥に光る池。
木々のざわめきや、遠くを走るカートの音まで、なぜかいつもより大きく感じられる。

気づけば頭の中は情報でいっぱいになり、結局どこへ打ちたかったのか分からないまま、クラブを振ってしまう。

そんな経験はないでしょうか。

ゴルフを始めたばかりの頃は、フェアウェイへ飛ばすだけで精いっぱいでした。

ところが少し慣れてコース全体が見えるようになると、今度は池やOB、傾斜や風まで、すべて気になり始めます。

見えるようになったからこそ、迷いも増えるのです。


「全部気にしなきゃ」という真面目さが裏目に出る

真面目な方ほど、「全部気にしなければ」と考えます。

池を避けて、バンカーにも入れず、OBにも行かないようにする。
それはもちろん、間違いではありません。

ただ、体に伝える指示まで増えてしまうと、狙いはぼやけます。

「右はダメ、左もダメ、手前も嫌だ」

これでは体も、どちらへ動けばいいのか困ってしまいます。


私も避けたいが無意識に狙っていた

正直に言うと、私もゴルフを始めた頃は、避けたい場所ばかり見ていました。

「右のOBには行きたくない」

そう思いながら打つと、不思議なくらいボールは右へ飛んでいく。

考えないようにしようとしても、頭に浮かんだ景色は簡単には消えてくれません。

私のOBが少しずつ減ったのは、嫌な場所を消そうとするのではなく、自分の持ち球を考えたうえで、最後に見る場所を一点へ絞れるようになってからでした。

それでも、何年ゴルフをしていても簡単ではありません。

だから私は迷った時ほど、「無理をしない」「いつもの球で考える」というシンプルなところへ戻るようにしています。


Eさんが見つけた「ひとつの場所」

以前、ラウンドレッスンをした50代の女性、Eさんにも、似た悩みがありました。

よく行くコースに谷越えのホールがあり、そこでいつも「どこを狙えばいいのか分からない」と話されていたのです。

実際にその場所へ行くと、理由がよく分かりました。

Eさんのドライバーは、しっかり当たれば谷を越えます。
けれど「越えなければ」と思うほど力が入り、かえって飛距離が落ちていました。

しかもEさんの持ち球は、打ち出してから右へ曲がるスライスです。

そこで私は、フェアウェイの中央ではなく、左にある一本の木へ向けて構えてもらいました。

良い当たりなら、左の林を越えてOBになる可能性もあります。

それでも、谷が狭い左側から、いつものスライスでコースへ戻してくるほうが、正面へ無理に打つより可能性が高いと考えたのです。

「本当に、あの木でいいんですか」

Eさんは少し不安そうでした。

そして、「先生もここから打ってください」と、同じレディースティーから見本を見せることになりました。

私はその木を狙い、170ヤードほどのスライスをイメージして打ちました。

ボールは木に当たり、コース側へ落ちました。

続いて打ったEさんの球も、同じように木へ当たり、フェアウェイ側へ戻ってきました。

二人で顔を見合わせて、少し笑いました。

ナイスショットではなかったかもしれません。

それでもEさんにとっては、「谷を越えなければ」という不安から抜け出せた一打でした。

その後、Eさんは同じようなホールでも、以前ほどOBが出なくなったそうです。


『焦点を絞ると、景色は静かになる』の意味

この言葉は、危険を無視しろという意味ではありません。
危険を把握したうえで、最終的に体に伝える情報はひとつだけに絞る、ということです。

人は同時にたくさんのことを意識すると、かえって体の動きがぎこちなくなります。
焦点をひとつに絞ることで、余計な緊張が抜け、景色そのものが静かに見えてくる。
それは経験を重ねた人ほど、あえて意識したい感覚かもしれません。


今日から試せること

今日から試してほしいことも、ひとつだけです。

ショットの前に危険な場所を確認したら、最後に「あの木」「フェアウェイ左端」など、見る場所を一か所に決めてください。

そして構えた後は、避けたい場所ではなく、選んだ場所だけを見る。

たとえ結果が少し曲がっても、自分で選んだ狙いから出たミスなら、次の一打へ気持ちをつなぎやすくなります。


静かになったフェアウェイ

焦点を絞れた一打の後は、不思議とフェアウェイの緑がやわらかく見えます。
風の音も、鳥の声も、いつもよりゆっくり聞こえる気がする。
それは景色が変わったのではなく、自分の中の忙しさが静かになった証拠なのだと思います。

余計な情報を手放すだけで、不思議と心がすっと落ち着きます。
次の一打が、きっと素直に飛んでいきますように。


あなたが狙いどころを変えて上手くいった話があれば教えてください。


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トモティー|大人から始める、やさしいゴルフ⛳️ 応援ありがとうございます😊