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"オチを付ける"って実はこういうこと〜元芸人が伝授する話が上手いと言われる会話術その2〜

 前回に引き続き、私の会話術を紹介していく。前回を未読の人はまずはこちらから読もう。否、読まなくても良い。スキを押してSNSでシェアしてバズらせてくれ。

話にオチをつけるってこういうことだ

 意地悪な質問として「で、オチは?」という定型分のようなものがある。真偽はともかく時々「女性の話にはオチがない」とか「大阪の人は必ず会話にオチがある」ということも耳にする。

 「いちいちオチなんて考えて話さないといけないの!?難しい!」と思う人もいるかもしれない。

 そもそもオチとは何か。お笑いでよく聞く言葉だから何か面白いこと、笑いを取れるようなことと勘違いしている人も少なくないが、実はもっと単純に考えて良い。

 オチとは、会話の目的、最終的な落とし所だ。落とし所は「相手に期待したリアクションをしてもらうこと」と言い換えても良い。

 たとえばあなたが「最近新しい車を買った」と話し始めたとする。相手が優しい人なら「どんな車?」「いくらのしたの?」等の質問してくれるかもしれないが、それでなければ「へぇ」「そうなんだ」という素っ気ないリアクションで会話が終わってしまうかもしれない。それで話が終わってしまえば、それこそ「で、オチは?」と相手は思ってしまうのだ。

 「新しい車を買った」という事実を伝えたいだけという人はあまりいない。大抵の場合、以下のようなことを心の片隅で考えているはずだ。

・初めての車でメンテナンスや保険のこととか知りたい。あなたも車を持っていたと思うので色々教えて欲しい。(質問)

・凄く乗り心地が良いから今度一緒にドライブしたい。(提案)

・税金が高いから車なんて持つべきではない、と車を持っていない相手に言いたい。(助言、忠告)

・早速事故に遭いそうになってヒヤヒヤした。(愚痴)

・乗り心地が良いから自慢したい。(自慢)

・新車を早速ぶつけて傷を付けてしまい、その失敗談を笑ってほしい。(笑い)

・会社の事務員に伝えて、マイカー通勤の手続きをしたい。(依頼)

 たくさん羅列してみたが、こんなことを話す前にいちいち考えたりする必要はない。考えずともそれは自ずと頭の中にあるからだ。 

 時々「話す目的なんてない。ただ聞いてほしいだけ」と言う人もいるが、本当に情報の共有のためだけに話をしたい人なんて存在しない。

 たとえば「昨日彼氏とディズニーランドに行ったんだー」と会話を切り出したなら、相手に何かしらのリアクションを求めているはずだ。単に行ったことを報告したいだけの奴なんていたら、脳みそを分解してその思考回路を見てみたい。その上でニンニクと味覇で炒めて食べてやりたい。いや、人間が人間の臓器を食べるのは倫理的にも健康的にもアウトだから犬のエサにしてやりたい。いやいや、それでは犬が可哀想だし、そもそも脳みそを中華風炒めにする時点で人として終わっているからこの話は終わりにする。

 さて、話を元に戻そう。ディズニーランドに行った事実を伝える先には「いいなあ」と羨ましがられたかったり、アトラクションの魅力を熱弁してオススメしたり、体験談を話して笑ってもらったり、といった話の落とし所を想定しているのだ。
 「ただ聞いてほしいだけ」と言っている人は十中八九自慢したいだけなのだが、自慢話をすることに抵抗があるからそれを隠しているだけだろう。いっそのこと「以上、自慢話でした!」と言った方が話にオチが付く。

 兎にも角にもあなたが「話したい」と思ったときには、既に目的や相手に取ってほしいリアクションがほとんど決まっていて、それが話の落とし所=オチになるのだ。

 オチを付けるコツとしては、自分に素直になることが挙げられる。素直になれば遠慮せずに話して会話の目的を達成できるのだ。「以上、自慢話でした!」と堂々と言えば自分自身は気持ち良くなれるし、相手からしてもかえってその方が潔くさえ思ってくれるだろう。

話が途切れない=良いこと、ではない

 相手の話に耳を傾け、話を広げて、オチも付ければ話が上手い感じにはなる。しかし、ここで陥っていけないのは話しすぎることだ。

 人というのは押し並べて皆自分の話を聞いてほしいものだ。この間観た映画が面白かっただとか、イマドキ若者はだとか、上司の愚痴だとか、自分の体験や考えをアウトプットする行為は気持ちが良い。

 だからこそ、話し過ぎには要注意なのだ。ペラペラと話が続いていれば一見ノッているようにさえ感じるかもしれない。しかし、実際には相手も喋りたいのに立て続けに喋ることでその機会を奪ってしまっているのだ。相手だってあなたの話を聞けば何かを感じ、それをアウトプットしたくなる。それを察してこその本当の話し上手だろう。

 特に"お喋りが好き"という自覚がある人こそ注意が必要だ。それがただ単に自分が愚痴を言ったり、何か意見や主張を一方的に伝えて気持ち良くなりたいのなら、私のようにSNSで垂れ流す方が健全だ。
 「話は変わるけど」「そういえば」のような言葉をよく使う人は、勝手に話題を変えて相手のターンを奪い、自分ばかりが話してしまっているかもしれない。要注意!

話し上手になるために必要なこと

 ここまで「その1」と合わせて4000字を越えるボリュームで長々と会話術について高説を垂れてきたが、つまるところ大事なことは二つだけなのだ。

 それは「自分に素直になること」と「相手を気遣うこと」。

 自分に素直にならなければ、オチの無いつまらない話になってしまう。しかし、素直になり過ぎてしまうと今度は相手にとって興味の無い話になってしまったり、相手が溜め込むばかりで発散する機会を奪ってしまったりする。
 世間には素直になることに気恥ずかしさを感じる人や、逆に相手への気遣いばかりの人も少なくない。だから、話し下手の自覚がある諸兄は、もう少しだけ自分勝手に話してみたら良い。逆に、話し好きだと思う人は一度自分ばかり気持ち良くなっていないか考えてみると良いだろう。

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