【犯罪学論文気まぐれ紹介】なぜ“ヘイトミーム(差別的表現)”をシェアしてしまうのか?【5月上旬】
「丸ちゃん教授のツミナハナシ」メインパーソナリティー 丸山泰弘がX(旧:Twitter)で紹介している「犯罪学論文気まぐれ紹介」のまとめです。
内容をもっと詳しく知りたい方は、是非下記質問フォームからお寄せ下さい。毎月第4火曜日21:30~の「ツミナハナシ de ウラバナシ」で取り上げさせていただきます。
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犯罪学論文気まぐれ紹介(5月上旬)
・ちょっと丸山解説:なぜ人はヘイトミームをシェアするのか(5/16)
#犯罪学論文気まぐれ紹介 を気ままに解説
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 16, 2026
コチラのポストの際にも解説していますが、解説部分だけ再ポストします!
→→ 「漂流理論(Drift Theory)」はデヴィッド・マッツァが1964年に提唱した理論で、若者は完全に非行文化に染まっているわけではなく、通常の社会規範と逸脱行動の間を「漂流」→ https://t.co/mUgXKHkGxO
「漂流」しながら非行に至ると論じた。また「中和技術理論(Neutralization Theory)」はマッツァとグレシャム・サイクスが共同で提唱したもので、非行少年が自分の行為を正当化するために用いる言い訳のパターン(責任の否定、被害の否定など)を体系化したもの。このタイトルが「Neutralization→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 16, 2026
without Drift(漂流なき中和)」と表現しているのは、ヘイトミームをシェアする人々が必ずしも逸脱した価値観を持っているわけではなく、日常的な正当化のメカニズムによって残酷な行為に加担してしまうという議論を示唆していると考えられる。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 16, 2026
・保護観察中の若年成人を対象とした「若年から成人へ(Y2A)支援拠点」の効果検証(5/15)
#犯罪学論文気まぐれ紹介
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 15, 2026
“An Impact Evaluation of the Youth to Adulthood (Y2A) Hub for Emerging Adults on Probation”
保護観察中の若年成人を対象とした「若年から成人へ(Y2A)支援拠点」の効果検証
若年成人期(18~25歳)は近年の社会変化(例:結婚年齢の上昇)→ https://t.co/43pj4TeInH
および継続的な生物学的・神経学的発達により複雑な時期である。この年齢層で犯罪をした者は、刑事司法制度、特に保護観察サービスにとって特有の課題をもたらす。大半の若者はこの時期に犯罪行為を中止するが、再犯率は依然として高い。残念ながら、保護観察中の若年成人を効果的に支援する方法に→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 15, 2026
方法に関する証拠は限られている。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 15, 2026
「Youth to Adulthood Hub(Y2Aハブ)」は、イングランドのロンドンにある多様な保護観察地区に組み込まれた独自の介入プログラムであり、関与促進を目的とした包括的アプローチを採用している。この介入には、住居・就労などの実践的支援に加え、トラウマおよび→
文化的背景に配慮した形で提供される個別の心理的支援が含まれる。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 15, 2026
Y2Aハブによる支援を受けた個人(N = 73)と類似した保護観察地区の対照群(N = 860)との間で、法定保護観察面談への出席率を比較するため、年齢・民族・リスクレベルを統制した多変量二項回帰モデルを用いて行政データを分析した→
分析の結果、Y2Aハブへの参加は保護観察への関与の有意な増加および無断欠席の減少と関連していることが示された。Y2Aハブは刑事司法に関与した若年成人のニーズに対応するための有望なアプローチであるが、さらなる評価が必要である。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 15, 2026
・「部屋の中の象を暴く?種差別とカナダの動物福祉法との関連性」(5/14)
#犯罪学論文気まぐれ紹介
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 14, 2026
“Exposing the elephant in the room? Connecting speciesism to Canadian animal welfare legislation”
「部屋の中の象を暴く?種差別とカナダの動物福祉法との関連性」
種差別とは、人の認識に基づく動物への不平等な扱いを生む差別形態である→ https://t.co/kAOtH6WqOF
本稿は種差別と動物福祉法との関連性を明らかにし、特定の動物種に対する人間中心的な見解が動物福祉保護に与える影響に焦点を当てる。学術研究、立法、カナダの判例法及び事例を引用して論じる。既存の研究は多いものの、学者は依然として種差別と動物福祉法の不備は別個のものだと示唆している。→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 14, 2026
我々の調査結果は、特定の動物に対する人間の嗜好や認識が、種差別によって、また種差別を通じていかに不正義を生み出すかを明らかにする。法改正や動物福祉立法が動物の権利と尊厳を真剣に受け止めない場合、法は種差別の産物となり、その存続のための道具となる。カナダの動物福祉法が全ての動物の→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 14, 2026
全ての動物の感覚能力と尊厳を真剣に受け止めないことは、動物、生態系、そして人間にとって重大な結果をもたらす。我々は結論として、カナダの文脈において種差別主義を拒絶し(少なくとも対抗する)ために必要な提言を概説する。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 14, 2026
・「なぜ人はヘイトミームをシェアするのか:残酷さを正当化するメカニズム」(5/13)
#犯罪学論文気まぐれ紹介
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 13, 2026
“Neutralization without Drift: The Aesthetics of Cruelty in Hateful Meme Sharing”
「なぜ人はヘイトミームをシェアするのか:残酷さを正当化するメカニズム」
ソーシャルメディアに投稿されるヘイトコンテンツの一部は過激的なイデオロギー→ https://t.co/izbi70i1Sd
イデオロギーと結びついているが、ヘイトミームの拡散は必ずしも合理的な説明に馴染まず、オンライン上の逸脱行動に関する新たな問いを提起している。従来の中和技術理論は、道徳的価値観が一時的に停止されることを前提としている。しかし、ヘイトミームをシェアする人々は、自分の行為を必ずしも→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 13, 2026
「悪いこと」とは認識していない場合がある。自らの行為を逸脱と捉えていない以上、それを正当化するための「道徳的漂流」も生じない。この知見は、デジタル犯罪学において中和技術理論がどこまで有効かという問いを投げかけるとともに、中和と漂流の関係を改めて問い直す必要性を示唆している。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 13, 2026
→
本稿はグループ型ソーシャルメディアにおけるヘイトの拡散を「残酷さの美学」として捉えることを提唱する。ヘイトミームのシェアは、ミームの持つ象徴的なユーモアを通じて、屈折した部族主義的コミュニティを一時的に形成し、その結束を維持する営みとして理解できるのである。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 13, 2026
(ちょっと丸山解説→
「漂流理論(Drift Theory)」はデヴィッド・マッツァが1964年に提唱した理論で、若者は完全に非行文化に染まっているわけではなく通常の社会規範と逸脱行動の間を「漂流」しながら非行に至ると論じたもの。また「中和技術理論(Neutralization Theory)」はマッツァとグレシャム・サイクスが共同で→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 13, 2026
提唱したもので、非行少年が自分の行為を正当化するために用いる言い訳のパターン(責任の否定、被害の否定など)を体系化したもの。タイトルが「Neutralization without Drift(漂流なき中和)」と表現しているのは、ヘイトミームをシェアする人々が必ずしも逸脱した価値観を持っているわけではなく→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 13, 2026
日常的な正当化のメカニズムによって残酷な行為に加担してしまうという議論を示唆していると考えられる。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 13, 2026
(「ちょっと丸山解説」おわり)
・「挑戦されざるものへの挑戦:警察組織におけるセクハラ対策の制度的障壁」(5/12)
#犯罪学論文気まぐれ紹介
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 12, 2026
“Challenging the unchallenged: Institutional barriers to addressing sexual harassment in policing”
「挑戦されざるものへの挑戦:警察組織におけるセクハラ対策の制度的障壁」
英国警察組織内では性的ハラスメントが依然として続いているが→ https://t.co/Oz2kiwKAGj
沈黙を維持させる社会的メカニズムはいまだ十分に解明されていない。本研究では英国の大規模な警察組織の職員を対象に実施した、ヴィネット(場面提示法)を用いた匿名調査の結果を報告する。被害者・目撃者いずれの場面においても回答者は正式な苦情申し立てよりも非公式な解決を好む傾向が見られた→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 12, 2026
その背景には、組織への不信感、不透明な手続き、孤立への恐れ、階級的な上下関係、そして「軽口」の常態化といった要因が挙げられた。また、ジェンダーに基づく期待や在職期間の短さも、ハラスメントへの異議申し立てを躊躇わせる要因となっていた。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 12, 2026
改善策として、より明確なポリシーの策定、→
匿名性を確保した複数の通報経路の整備、研修の充実(傍観者の役割に関するもの)、軽微な被害に対する修復的司法の導入などが提案された。目撃者と男性職員に焦点を当て、職業的連帯意識と男性性規範が沈黙を再生産する「傍観者の論理」をいかに形成するかを明らかにすし、改革のための手がかりを示す
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 12, 2026
・A. ブクリ、J. コッツェ著「ゼミオロジー:犯罪と社会的害悪の再接続」について(5/11)
#犯罪学論文気まぐれ紹介 (今回は書評の紹介)
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 11, 2026
“Zemiology: Reconnecting Crime and Social Harm. By A. Boukli and J. Kotzé”
A. ブクリ、J. コッツェ著「ゼミオロジー:犯罪と社会的害悪の再接続」について
編集著書『ゼミオロジー:犯罪と社会的害の再接続』は、→ https://t.co/IeOBeScDpS
Palgrave Macmillanの「批判的犯罪学の視点」シリーズの1冊として、新興分野であるゼミオロジーの存在論的・概念的・方法論的基盤を明らかにすることを目的としている。編集者のアヴィ・ブークリとジャスティン・コッツェは、社会生活における「害」の概念を前景化することで、伝統的な犯罪学の→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 11, 2026
境界を超えようとする。損失・損害・罰という意味を含むギリシャ語の「ゼミア(zemia)」に基づき、害は法的に定義された犯罪の枠をはるかに超えて広がると論じられる。冒頭で示される「私たちは誰かを傷つけながらも、その状況を悪化させないことがある」(Boukli & Kotzé, 2018: 3)という命題は→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 11, 2026
害の曖昧で捉えどころのない性質を端的に示している。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 11, 2026
犯罪学はこれまで国家が定義する犯罪概念と結びついてきたが、ゼミオロジーは日常生活において当然視され見過ごされがちな、より広範な害のあり方を問い直す。法的な視点が窃盗や暴行に焦点を当てるのに対し、ゼミオロジーは不安定な労働・→
不安定な労働・環境破壊・構造的人種差別といった体系的な問題が、法律上の犯罪が成立しない場合においてもいかに害を生み出すかを問う。こうした問いは、正義・責任、そして不正行為に対する法的定義の妥当性をめぐる根本的な問題を提起する。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 11, 2026
・ちょっと丸山解説:理想的な被害者とは(5/10)
#犯罪学論文気まぐれ紹介 を気ままに解説
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 10, 2026
→ 以前にもツミナハナシdeウラバナシ(YouTube Live)紹介したニルス・クリスティの “the Ideal Victim”論にも繋がる議論。クリスティは「理想的な被害者像」として5つの特徴(プラス1)を挙げている。
(1)・被被害者は弱者である。病人、高齢者→ https://t.co/DNS1bzWhBG
もしくは若年者であるということが理想的な被害者として適格を持つ
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 10, 2026
(2)・その被害者は家族の看病という敬服に値する行いをしてきた
(3)・被害者がそこにいたということを非難できない。昼間の街角であったこと
(4)・犯人は大きく、邪悪である
(5)・犯人はその老女と関係がない
さらに→
(6)・理想的な被害者であることを訴えることができるぐらい気丈である
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 10, 2026
これらに当てはまる被害者と、当てはまらない被害者であった場合とで何か異なる点があるのかというのが昨今の犯罪学研究でいくつか出ている。以前にこちらで紹介したのは行方不明者が理想的な行方不明者か、理想的でない→
理想的でない行方不明者かで警察による発見がどの程度差異が出るのかというものであった。本論文も性被害に遭う被害者がゲイのラティーノであった場合にどのような問題が生じるのかを検討した論文として注目に値する。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 10, 2026
・「LGBT人口における犯罪による暴力的被害の不均質性: 全米犯罪被害調査からの推計」(5/8)
#犯罪学論文気まぐれ紹介
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 8, 2026
“Heterogeneity in criminal violent victimization within the LGBT population: Estimates from the US National Crime Victimization Study”
「LGBT人口における犯罪による暴力的被害の不均質性: 全米犯罪被害調査からの推計」
↓↓ https://t.co/IUycCgq4M9
これまでの研究は一貫して、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー(LGBT)の人々が、非LGBTの人々と比べて著しく高い暴力被害率を経験していることを示してきた。本研究は、この発展途上の研究領域における理論的・実証的・方法論的な空白を埋めることを目的とする。交差性理論の→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 8, 2026
枠組みを用い、既存研究を踏まえながら、LGBT集団における暴力被害率の多様性を非LGBT集団と比較して検証する。あわせて、サブグループ間の社会人口統計学的な違いが暴力被害の格差をどの程度説明できるか、またLGBTであることが暴力被害に与える影響が性別によって異なるかどうかについても検討する→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 8, 2026
これらの問いに答えるため、全米犯罪被害調査(NCVS)の複数回分のデータを使用した。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 8, 2026
分析の結果、先行研究と同様に、LGBTの各サブグループは非LGBT層よりも暴力被害率が高いことが確認された。さらに、LGBT集団の内部にも差異が存在することが明らかになった。暴力被害率はバイセクシュアルが最も→
最も高く、次いでトランスジェンダー、レズビアン・ゲイ、非LGBTの順であった。社会人口統計学的な違いは格差の一部(ゲイ・レズビアンで約15%、バイセクシュアルで約41%)を説明するものの、格差の大部分はこれらの要因では説明できなかった。また、性別による条件付き効果は限定的かつ微妙なものに→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 8, 2026
微妙なものにとどまり、さらなる研究が必要である。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 8, 2026
方法論的な貢献として、本研究はNCVSをはじめとする大規模調査における性別・性的指向・性自認の測定方法に関する現状の課題を指摘する。そして、より包括的かつ精緻な測定を実現するための改訂案を提案する。
・「東南アジアにおける障害と人身売買:脆弱性と被害者・サバイバーの経験」(5/7)
#犯罪学論文気まぐれ紹介
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 7, 2026
“Disability and Human Trafficking in Southeast Asia: Vulnerabilities and Victim-Survivors’ Experiences”
「東南アジアにおける障害と人身売買:脆弱性と被害者・サバイバーの経験」
障害者は人身取引の被害を受けやすい立場にある一方、→ https://t.co/M1VIR7YwKo
人身取引そのものが障害の原因となる場合もある。しかし、この問題に関する学術的・実践的な理解は未だ十分とは言えない。インドネシア・フィリピン・タイを対象とした本研究は、障害が人身取引への脆弱性をどのように高めるかを明らかにする重要な知見を提供する。この問題は、貧困・不平等・→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 7, 2026
不正義といった広範な構造的文脈の中で生じている。貧困の深刻化、教育や生計手段へのアクセスの困難、差別や社会的スティグマが重なり合うことで、障害者の選択肢はさらに狭まり、搾取や人身取引のリスクが高まる。こうした構造的要因は個々の障害の状況とも複雑に絡み合っている。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 7, 2026
本研究の知見は→
国連の持続可能な開発目標が掲げる「公正で平和かつ包摂的な社会の促進」を支える人身取引対策に、いくつかの重要な示唆を与える。まず、教育・雇用・生計手段へのアクセス改善や社会的保護の強化といった、構造的要因への対応が不可欠である。さらに具体的には、→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 7, 2026
さらに具体的には、障害者の権利に関する啓発活動の推進、人身取引対策の現場で活動する関係者への障害理解の促進、そして人身取引被害者の障害状況に関する正確なデータ収集が求められる。これらの取り組みを国家政策の立案と実践に反映させていくことが重要である。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 7, 2026
・「もし私が白人で異性愛者だったら状況は違ったであろう」(5/6)
#犯罪学論文気まぐれ紹介
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 6, 2026
“If I Was Straight and White It Would Be Different”: The Effects of Racism and Homophobia on the Reporting Process Among Gay Latino Male Sexual Assault Survivors
「もし私が白人で異性愛者だったら状況は違ったであろう」
→→ https://t.co/hnJ0jhtjPh
ゲイ男性は異性愛者の男性と比べて性的暴行を受ける可能性が高いことが、これまでの研究で一貫して示されている。性的暴行を受けた後、被害者は当局への通報を躊躇することがある。男性の性的暴行サバイバーにおいて、ホモフォビア(同性愛嫌悪)が通報の障壁となることは既に指摘されているが、→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 6, 2026
通報プロセスにおける人種差別とホモフォビアの交差性に着目した研究はほとんど存在しない。本研究は、ゲイのラテン系性的暴行サバイバーの人種・民族的アイデンティティおよび性的アイデンティティが、性的暴行を通報するかどうかの意思決定プロセスにどのような影響を与えるかを明らかにする。→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 6, 2026
米国内の6都市から14名の男性が研究に参加した。参加者は、新聞・位置情報連動型SNSアプリ・個人的なつながりでリクルートされた。英語またはスペイン語による詳細な半構造化インタビューを実施し、音声録音の後、スペイン語で行われたものは翻訳・逐語的に文字起こしを行った。分析にはテーマ分析に→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 6, 2026
基づくコーディング手法を用いた。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 6, 2026
インタビューの結果、人種差別とホモフォビアがゲイのラテン系男性の性的暴行通報の意思決定に影響を与えるプロセスとして、3つの主要テーマが浮かび上がった。①ジェンダーに基づくステレオタイプ、②通報当局によるホモフォビア的反応への恐れ、③さまざまな→
スティグマが通報プロセスに与える影響、である。本研究の知見は、人種・民族・ジェンダー・性的指向が、ゲイのラテン系男性の性的暴行サバイバーの意思決定プロセスに与える影響について明らかにし、これらの結果は文化的に配慮したサバイバー中心の支援を提供するための示唆をもたらすものでもある。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 6, 2026
・「警察に対する通常の民事訴訟の研究」(5/5)
#犯罪学論文気まぐれ紹介
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 5, 2026
“Understanding unexceptional civil claims against the police: an examination of the relationship between claimant, claim, and situational factors on final settlement amounts”
「警察に対する通常の民事訴訟の研究」
→→ https://t.co/nmpOPhWFAg
本研究は、ニューヨーク州北部のある都市を対象に、警察官による被害に関して代理人なしで請求を行った市民を対象とした、クレーム申請プロセス、最終的な和解金額、および申請内容を検討した独自性の高い研究である。研究上の問いは以下の通りである。警察の行為によって生じた損害に対する典型的な→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 5, 2026
和解金額はいくらか。最終的な和解金額にはどのような要因が影響するか。本研究では、回帰分析を用いて請求者の属性・請求内容・状況的特性という3つの変数群をそれぞれ追加するごとに、各変数の有意性を検証した。従属変数は最終和解金額であり、サンプルは12年間にわたる260件の請求から構成される→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 5, 2026
そのうち和解に至ったのは89件であった。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 5, 2026
分析の結果、和解金額の中央値は0円(0ドル)であり、請求者の66%は和解金を一切受け取れなかったことが明らかになった。また、和解金額に影響を与える有意な要因として、以下の5つが特定された。すなわち、①請求期間が3ヶ月を超えること、②請求者の車両が→
関与していること、③事故による負傷があること、④歩行者または自転車利用者が被害を受けていること、⑤物理的な実力行使が伴っていること、である。不当逮捕・物理的実力行使・警察官による致死的武力行使といった事案の深刻さは、和解結果に与える影響が比較的小さいことが示された。それよりも、→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 5, 2026
訴訟を通じて請求を粘り強く争う能力や、外部の監視機関から証拠を入手して交渉力を高められるかどうかといった要因の方が、和解結果により大きな影響を及ぼしていた。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 5, 2026
【私見】警察有利な結果となり得る可能性を読み取れるが、これであっても日本より警察との訴訟で和解に至る件数が多いように感じる
・「『悪い仲間といるより、一人でいる方がまし』ーー単独とペアの侵入者を仮想現実で比較」(5/4)
#犯罪学論文気まぐれ紹介
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 4, 2026
“It’s Better to be Alone Than in Bad Company” - Virtual Reality Comparison of Solo and Paired Burglars
「『悪い仲間といるより、一人でいる方がまし』ーー単独とペアの侵入者を仮想現実で比較」
犯罪学の研究の多くは、「一人の被害者と→ https://t.co/dGX4ROIXlE
一人の加害者」という視点から犯罪を捉えてきた。しかし、実際は犯罪(とりわけ住居侵入盗)は二人組あるいはグループで行われるケースが多いことが実務でも広く認識されている。本研究では住居侵入盗が単独で行われた場合と二人組で行われた場合とで、犯行の進め方や成果にどのような違いが生じるか→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 4, 2026
検証するための手法を開発し、その有効性を検討した。また、共犯者の存在がリスク認知に与える影響についても考察した。さらに、参加者のHEXACO性格特性スコアが二人組による犯行にどのような影響を及ぼすかも分析した。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 4, 2026
実験にはバーチャルリアリティ(VR)環境を用い、学生67組(二人組)と61名の→
(単独)が同一の仮想住宅に侵入する形で実施した。その結果、二人組は単独と比べて盗んだ物品の数・金銭的価値ともに上回り、犯行にかける時間も長かった。共犯者の有無は「捕まるリスク」の認知には全体として影響を与えなかったが、外向性の高い個人に限っては、パートナーがいる状況でリスクを→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 4, 2026
より低く感じる傾向が見られた。本研究は、単独犯と二人組によるバーチャル住居侵入盗の間に重要な行動上の違いが存在することを示した。二人組は犯行により多くの時間を費やしているにもかかわらず、一人あたりの成果は単独犯より低い。これは、二人組が必ずしも利益につながらない状況でも→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 4, 2026
より大きなリスクを取る傾向があることを示唆している。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 4, 2026
今後は、実際に収監された経験のある犯罪者を対象に同様の研究を行い、より実態に即した知見を得ることが求められる。
【私見】単独犯と共犯の差異を示したもので、成果が低くとも複数での犯行の方が費やされる時間が長くなることなどを指摘
・「暴力への恐怖と暴力への曝露は医療従事者の共感疲労にどのような影響を与えるか」(5/1)
#犯罪学論文気まぐれ紹介
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 1, 2026
“How Do Fear of Violence and Exposure to Violence Affect Compassion Fatigue in Healthcare Workers?”
「暴力への恐怖と暴力への曝露は医療従事者の共感疲労にどのような影響を与えるか」
本研究は、患者及びその家族による暴力に焦点を当て→ https://t.co/YTYp1ggnRK
暴力が医療従事者の共感疲労にどのような影響を与えるかを探ることを目的とする。2023年10月から2024年3月にかけて、トルコの医療専門職860名を対象に横断的調査を実施した。質問票には、暴力への恐怖・暴力への曝露・共感疲労を測定する尺度が含まれた。本研究で取り上げた暴力への恐怖と曝露は→
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 1, 2026
医療従事者が経験する言語的・身体的・心理的暴力を対象としている。データはSPSS 27を用いて分析した。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 1, 2026
分析の結果、女性は男性と比べて暴力への恐怖と共感疲労が高いことが確認された。救急・手術室・集中治療室などの特定部署に勤務する医療専門職は、暴力への曝露が多く、暴力への恐怖も高く、→
共感疲労も高い傾向が見られた。また、勤務経験10年以上の職員は10年未満の職員と比べて暴力への恐怖は低いものの、共感疲労は高いことが明らかになった。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 1, 2026
分析の結果、暴力への恐怖・暴力への曝露・性別・勤務経験が共感疲労の分散の31.8%を説明することが示された。暴力への恐怖が高いほど、また→
暴力への曝露が多いほど共感疲労が高まる傾向が見られた。同様に、勤務経験が長い参加者ほど共感疲労が高い傾向にあった。一方、男性であることは共感疲労の低さと関連していた。これらの知見は、医療従事者の共感疲労を軽減する手段として医療現場における暴力防止戦略の重要性を示唆するものである。
— MARUYAMA, Yasuhiro Ph.D. (@Prof_Maruchan) May 1, 2026
他のまとめ
『丸ちゃん教授のツミナハナシ』について
『丸ちゃん教授のツミナハナシ』は、ニュースでよく見る「犯罪」にまつわるできごとを、立正大学教授 丸山泰弘(犯罪学・刑事政策)が、ニュースでは聞けない犯罪学、刑事政策の話について、分かりやすく解説する音声番組です。spotify、amazon music、apple podcast、もしくはyoutubeで放送中です。興味を持った方は、是非番組も聞いてみてください。
丸山泰弘:立正大学法学部 教授/知的エンターテインメント・クリエイター
南口芙美:合同会社黒子サポート 代表
山口裕貴:フリーランス(パラリーガルなど)
※3人とも、一般社団法人 刑事司法未来 理事
番組初の書籍化『マルちゃん教授のツミナハナシ 市民のための犯罪学』発売決定!
わかりやすく、親しみやすく“罪”と“罰”を考える。ポッドキャスト番組「丸ちゃん教授のツミナハナシ」が書籍化されます! 是非お買い求めください。
番組MC・丸山泰弘 初の新書『死刑について私たちが知っておくべきこと』発売中!
「丸ちゃん教授のツミナハナシ」メインパーソナリティーの丸山泰弘が、ちくまプリマ―新書(筑摩書房)にて、初めての新書『死刑について私たちが知っておくべきこと』が発売中です。「紀伊國屋じんぶん大賞2026」にランクイン! 是非お買い求め下さい。
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「丸ちゃん教授のツミナハナシ-市民のための犯罪学-」
・一般社団法人刑事司法未来
