【TARGETデータ分析】馬体重と勝率のリアルな関係~芝・ダート・距離別で徹底解剖~
今回は馬体重に注目します。
なんとなく芝馬よりもダート馬、長距離馬よりも短距離馬の馬体重の方が重いという感覚はあると思いますが、その差がどの程度なのか、勝率にどのくらいの差があるのかを調べてみました。
ただ理想的な馬体重が分かったとしても一口馬主として、募集馬が将来どの程度の馬体重になるのかが分からないと意味のないデータになります。
そのため次回の投稿で募集時の馬体重や測尺から将来の馬体重をある程度予測できるのかを分析していきたいと思います。(過去の募集時測尺データが載っているサイトなどがあれば教えてください!)
データソース:TARGET frontier JV
データ抽出条件:2018年~2022年の5世代分のJRA(中央)レース結果
以下のデータに出てくる「総データ数」は「出走頭数」と読み替えてください
全体の傾向
まずは全体の傾向を見てみましょう。

馬体重全体: データのボリュームゾーン(出走数が多い層)は「460~479kg」ですが、勝率のグラフ(オレンジ線)を見ると、右肩上がりに伸びており「520~539kg」で勝率10.1%のピークを迎えています。

牡馬・牝馬の馬体重別成績
次に牡馬、牝馬別の馬体重と勝率です。
まずは牡馬から。

全体の傾向と同様、520~539kgの大型馬が最も高い勝率(10.4%)を誇ります。

次に牝馬です。

牡馬よりも少し軽く、「480~499kg」「500~519kg」の層が勝率のピーク(8.3%)となっています。
牝馬であっても、ある程度の馬格(480kg以上)がある方が有利にレースを進められることが分かりますが、勝率を示すオレンジ色の線のカーブは緩やかです。
そのため、牝馬は400kg〜459kgといった中軽量級でも勝率の落ち込みは牡馬より少ないです。
牡馬ほど馬格に依存せず、仕上がりの早さなどでカバーできる可能性が高いと言えます。

芝・ダートの馬体重別成績
次に、芝とダートで馬体重がどう影響するのかを比較します。

芝レース: 500~539kgで勝率のピークを迎えますが、460kg以上の馬であれば、ある程度安定した勝率(約8%〜10%)をキープしています。

続いてダートです。

ダートレース: グラフを見ると一目瞭然。
「馬体重が重ければ重いほど勝率が上がる」という綺麗な右肩上がりの線を描いています。ピークである520~539kg層では勝率10%に迫り、ダートにおいてはいかに「パワー(馬格)」が直結するかが証明されています。

馬場別×距離別の馬体重別成績が面白い!
条件を細分化して分析すると、カテゴリーごとに「理想の馬体重」が明確に異なるという、非常に興味深い結果が出ました。
※距離定義:
短距離(1000~1600m)
中距離(1700~2400m)
長距離(2500m~)。
なお、ダート長距離は該当レース数が少ないため今回は対象外としています。
まずは芝。
芝では、距離が延びるにつれて「最適な馬格」が軽くなるという、綺麗な逆転現象が起きています。

芝・短距離(1000〜1600m): やはりパワーとスピードが必要な条件。勝率は520〜539kgの大型馬が9.9%とピークを迎えます。
540kgを超える芝馬の場合、多くの条件で成績が落ちますが、短距離に限っては高い勝率を維持していることからも短距離は馬格が重要と言えます。

続いて芝・中距離をみてみましょう。

芝・中距離(1700〜2400m): ここでもピークは520〜539kg(10.8%)ですが、注目すべきは「540kg以上」の成績です。勝率が4.22%と急落しており、400〜419kgの成績より低くなっています。
中距離戦での重すぎる馬体はスタミナ消費や器用さの面でマイナスに働く可能性が示唆されています。

芝・長距離はこれまで傾向と明らかに異なることが分かりました。

芝・長距離(2500m〜): ここが今回の分析で最大の注目ポイントです。
勝率のピークは一気に軽量化し、460〜479kgの層が10.6%で単独トップに。
420〜539kgまで幅広い層で勝率8%以上となっています。540kg以上は2.9%まで落ち込みます。
スタミナが問われる長距離戦では「無駄のない筋肉量」を持つ中型馬が有利で、420〜459kgのどちらかと言うと軽量馬でも十分勝負できることが分かりました。

続いてダートの距離別の馬体重成績です。
2500m以上のダート長距離はレースが限られるためデータ取得の対象外にしています。
まずは短距離

ダート・短距離(1000〜1600m): 綺麗に馬体重が増えることで成績も良化が見られます。
520〜539kgが10.4%と一番高い勝率を誇り、540kg超えの超大型馬も10%を超えています。

続いてダート中距離

ダート・中距離(1700〜2400m): 520〜539kgが一番高い勝率であることは変わりません。ただ全体的に勝率のカーブがなだらかで中型馬でも高水準の勝率を残しています。

まとめ:「馬体重×馬場x距離」データから見える狙い目の馬体重
馬場別、距離別の馬体重成績をまとめました。
勝率10%以上、7.5~10%、5~7.5%、5%未満の4段階で色分けしてヒートマップ形式にしています。
まずは芝

次にダート

まとめです。
①芝の短・中距離は「480kg~539kg」が黄金ゾーン
スピードと瞬発力が求められる芝の主流条件(短距離~中距離)では、480kgから539kgあたりの勝率が高水準に推移しています。
420kg未満の軽量馬は厳しいですが、中距離の場合、540kgを超えるような規格外のサイズになると小さな馬よりも勝率が悪化します。
適度なボリューム感を持つ「アスリート体型」が理想的です。
②芝の長距離戦は「460kg台」の細マッチョが激走する
今回のデータで最も興味深いのがここです。
芝の長距離戦に限っては、他カテゴリーの法則が完全に崩壊し、460~479kgの馬が勝率10.60%という単独トップの成績を収めています。
540kgを超える超大型馬は勝率2.9%まで落ち込むことからも、長丁場では「重すぎる馬体はスタミナを奪うお荷物になる」ことが明白ですね。
菊花賞や天皇賞(春)、またはステイヤー血統の馬を評価する際は、少しスッキリとした中型馬に注目しましょう。
③ダート戦は「筋肉の鎧」を着た大型馬を狙え! ダートは基本的に馬体重に比例して勝率が右肩上がりに上昇する「パワー至上主義」の世界です。
特に短距離戦では、520kg以上の馬が勝率10%超えを叩き出しており、圧倒的なアドバンテージを持っています。
ダート血統の馬を出資候補にするなら、とにかく骨格がしっかりして馬格が大きくなりそうな馬(デビュー時に500kgを超えてきそうな馬)を選ぶのがデータ上の正解です。
最後に
冒頭にも触れた通り、勝てる馬体重が分かったとしても募集時の情報からどのくらいの馬体重になるかが分からないと一口馬主としては意味のない情報となってしまいます。
そのため次回の投稿では募集時の測尺や馬体重データと将来の馬体重の関係などを取り扱っていこうと思います。(過去の募集時データの調べ方などアドバイスあれば教えてもらえると助かります!)
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