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#67五感を開くと、体が目覚める。〜アーユルヴェーダのマインドフルネス〜

🧡 The Art of Ayurvedic Living #67

五感を開くと、体が目覚める。

〜アーユルヴェーダのマインドフルネス〜

「マインドフルネス」という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか?

目を閉じて。

静かに座って。

呼吸に意識を向ける。

そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。

もちろん、それもマインドフルネスの大切な実践です。

でも今日は、少し違う入り口から探ってみたいと思います。

目を閉じなくてもいい。

静かな場所に行かなくてもいい。

特別な時間をつくらなくてもいい。

今、見えているもの。

今、聞こえている音。

今、肌に触れているもの。

今、感じている香りや味。

五感から、今ここにいる自分と出会ってみる。

今日は、そんな時間です。


🌿 五感は、世界と出会う場所

アーユルヴェーダでは、

見る。
聞く。
嗅ぐ。
味わう。
触れる。

という感覚を、とても大切に扱います。

五つの感覚は、私たちが外の世界と出会う場所でもあるからです。

アーユルヴェーダの古典では、

聴覚と空。
触覚と風。
視覚と火。
味覚と水。
嗅覚と地。

というように、

五感と五大元素とのつながりも考えられてきました。

つまり、

私たちが世界を「感じる」ということそのものが、

アーユルヴェーダの世界観の中にあるのです。

そして、ここが私はとても面白いと思っています。

私たちは、

頭の中だけで世界と出会っているわけではありません。

光が目に届き。

音が耳に届き。

風が肌に触れ。

香りが鼻に届き。

食べ物が舌に触れる。

世界は、いつも身体に届いています。

思考は、

昨日のことを思い出したり、

まだ起きていない明日のことを考えたりできます。

でも、

「今、何が聞こえているだろう」

「今、足の裏には何が触れているだろう」

と問いかけると、

注意はもう一度、今の身体へ戻ってきます。

五感は、

「今ここ」へ戻るための、とても身近な入口

なのです。


🌿 視覚|いつもの景色を、もう一度見る

私たちは毎日、たくさんのものを見ています。

でも、

「見えていること」と、

「そこに気づいていること」は、

少し違うのかもしれません。

今日、窓の外を見るとき、

ほんの30秒だけ立ち止まってみてください。

空は、どんな色をしていますか?

雲はありますか?

光は、どこから入っていますか?

木の葉があるなら、

どんなふうに動いていますか?

遠くと近くでは、

見え方にどんな違いがありますか?

「きれい」

「曇っている」

「つまらない景色」

すぐに名前をつけなくても大丈夫です。

色。

明るさ。

形。

輪郭。

動き。

ただ、

目の前にあるものに、もう一度出会ってみる。

すると、

毎日見ていたはずの景色の中に、

今まで気づかなかったものが見えてくることがあります。

アーユルヴェーダでは、

視覚は「火」とつながる感覚として考えられています。

光があるから、私たちは形を見ることができる。

そう考えてみると、

「見る」という何気ないことも、

少し違って感じられるかもしれません。


🌿 聴覚|音の中にある「空」を感じる

少しだけ、耳を澄ませてみてください。

今、何が聞こえますか?

遠くの車。

空調の音。

鳥の声。

人の話し声。

風。

自分が動いたときの衣服の音。

一つの音だけではなく、

いくつもの音が重なっているかもしれません。

では、

一番遠くから聞こえる音は?

一番近くにある音は?

音と音のあいだには、

どんな静けさがありますか?

無理に「聴こう」としなくても大丈夫です。

耳に届いてくるものを、

少し受け取ってみるだけ。

アーユルヴェーダでは、

聴覚は「空」と結びつけられています。

音が現れるには、

そこに広がりが必要です。

そう思って耳を澄ませてみると、

音だけではなく、

音が生まれている空間そのもの

まで感じられることがあります。

頭の中がいっぱいになっているときも、

外から届いてくる音に少し注意を分けてみる。

それだけで、

思考との距離が少し変わることもあります。


🌿 嗅覚|香りが、記憶を連れてくる

コーヒーを淹れたとき。

雨が降ったあと。

花のそばを通ったとき。

誰かが使っていた香水。

昔住んでいた家の匂い。

香りを感じた瞬間、

突然、昔の記憶がよみがえったことはありませんか?

嗅覚には、

感情や記憶に関わる脳の領域と、とても密接なつながりがあります。

だから香りは、

言葉より先に、

何か懐かしい感じや、

ほっとする感じ、

あるいは少し切ない感じを連れてくることがあります。

アーユルヴェーダでは、

嗅覚は「地」と結びつけられています。

今日は、

身近にある香りを一つだけ感じてみてください。

朝のお茶。

コーヒー。

料理。

外の空気。

草木。

無理に深く吸い込まなくても大丈夫です。

自然に呼吸しながら、

「今、こんな香りがあるんだな」

と気づいてみる。

いつもなら通り過ぎてしまう香りが、

その瞬間の自分を、

今ここへ連れ戻してくれることがあります。


🌿 味覚|食べることを、「体験」に戻す

#26では

「何を食べるかより、どう食べるか」

という話をしました。

五感から食事を見ることは、

まさにその実践です。

次に何かを食べるとき、

最初の一口だけでもいいので、

画面を見ずに食べてみてください。

口に入れた瞬間、

何が感じられますか?

味は?

香りは?

温度は?

食感は?

噛むにつれて、何か変わりますか?

アーユルヴェーダでは、味を六つの「ラサ」に分けます。

甘味。
酸味。
塩味。
辛味。
苦味。
渋味。

食べ物には、

そのどれか一つだけではなく、

いくつもの味が含まれていることもあります。

いつもなら、

「おいしい」

「好き」

「嫌い」

で終わっていた一口を、

もう少し丁寧に感じてみる。

すると食事は、

ただお腹を満たす時間から、

身体と食べ物が出会う時間

へと変わっていきます。

アーユルヴェーダでは、

何を食べるかだけではなく、

それをどう受け取り、

どう味わい、

どう消化していくのかまで見ています。

だから、

味わうこともまた、

自分の身体を知る入り口になります。


🌿 触覚|身体が、世界に触れている

今、

身体はどこかに触れていますか?

椅子に座っているなら、

座面に触れているところ。

足の裏と床。

手とスマートフォン。

衣服と皮膚。

背中と背もたれ。

少し探してみると、

身体は思っている以上に、

たくさんの場所で世界と触れています。

アーユルヴェーダでは、

触覚は「風」と結びつけられています。

外を歩けば、

空気が肌に触れます。

風が吹けば、

髪や衣服が動きます。

気温が変われば、

皮膚もそれを受け取っています。

次に歩くとき、

ほんの少しだけ、

肌に触れる空気を感じてみてください。

暖かいでしょうか。

涼しいでしょうか。

風はありますか?

触覚に注意を向けると、

「身体がここにある」ということだけではなく、

身体が今、世界と関わっている

ということにも気づきます。


🌿 五感を「整えなければ」と思わなくていい

ここまで読んで、

「じゃあ、五感をもっと敏感にしなきゃ」

と思った方がいるかもしれません。

でも、

そういうことではありません。

たくさん感じることが正解でもありません。

細かく感じ分けられるほど優れているわけでもありません。

今日は音が気になる。

今日は静かな方が心地いい。

今日は香りを強く感じる。

今日は何となく味がぼんやりしている。

それも含めて、

今の自分が世界をどう受け取っているのか

に気づいてみる。

それで十分です。

アーユルヴェーダは、

五感を通して何を取り入れているのか、

そして、それが私たちにどう影響しているのかも大切にします。

だから、

五感を開くことは、

何でもたくさん受け入れることではありません。

ときには、

刺激を減らすことも必要です。

静かな場所へ移動する。

画面から目を離す。

強い香りから離れる。

少しだけ目を閉じる。

感じることと、休ませること。

その両方があるのです。


🌿 日常の中に、マインドフルネスはある

「マインドフルネス」は、アーユルヴェーダの古典にそのまま登場する言葉ではありません。

でも、

自分が今、

何を見て、

何を聞き、

何に触れ、

何を味わい、

どんな香りを受け取っているのか。

そこに注意を向けることは、

アーユルヴェーダが大切にしてきた

感覚と、自分と、世界との関係を見つめること

にもつながっています。

そして、五感から始める実践のいいところは、

日常そのものを入り口にできることです。

朝の白湯を飲むとき。

駅まで歩くとき。

食事の最初の一口。

お風呂のお湯に触れたとき。

窓を開けた瞬間。

わざわざ特別な時間をつくらなくても、

私たちの暮らしの中には、

感じるための瞬間がたくさんあります。

もちろん、マインドフルネス瞑想などの特別な実践で得た気づきを、

日常へ持ち帰ること

これも大切です。

身体は、

実践の時間だけ存在しているわけではありません。

食べているときも。

歩いているときも。

誰かと話しているときも。

ぼんやり窓の外を眺めているときも。

私たちは身体を通して、世界と出会っています。


🌿 今日、一つだけ

全部の感覚に注意を向けなくて大丈夫です。

今日、一つだけ。

食事の最初の一口を、

少し丁寧に味わってみる。

窓の外を、

30秒だけ眺めてみる。

お茶の香りに、

少し気づいてみる。

歩いているとき、

風が頬に触れるのを感じてみる。

遠くから聞こえる音を、

一つだけ見つけてみる。

それだけです。

でも、その一瞬、

いつもの世界が、

ほんの少し違って見えるかもしれません。

そして、

「今ここに戻ろう」

と頑張らなくても、

感じていたら、いつの間にかここにいた。

そんな瞬間が生まれるかもしれません。

五感を開くことは、

何か特別な能力を身につけることではありません。

いつも通り過ぎていたものに、

もう一度出会うこと。

世界に触れ、

世界から触れられている身体を、

もう一度思い出すこと。

それが、

身体が「目覚める」ということなのかもしれません。

次回は、香りの話をもう少し深く。

「香りは、心と身体にどう届く?
アロマとアーユルヴェーダ」

をお届けします😊

また、ここに帰ってきてくださいね。

やまぴー🍀✨️

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